甘く蕩ける程に愛して

みのる

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佐伯邸での生活の始まり

エピローグ※

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私は、真っ白なドレスに全身を包まれて手には色とりどりなブーケを持って控え室の椅子に座っていた。

籍は入れたものの…挙式はまだであった私達への、お父様からの「大きなプレゼント」である。

思えば此処まで……色々とあったわねぇ……(感無量)
メイドの格好して、栗栖家に押しかけた事もあったわねぇ(笑)

すると、私の部屋をノックする音が聞こえた。私はそのままの体勢で、「はい」と答えた。

『架苗‼…………おぉ……美しいぞ?架苗……』

中に入ってきたのはお父様だった。

『ありがとう。……嬉しいわ、お父様』

私は、此処で定番な「あの言葉」をお父様に告げる。

『お父様……此処まで私を育てて下さって、本当にありがとうございました』

するとお父様は少し声を震わせながら言う。

『架苗、まるでまた屋敷を出ていくような事を言うな⁉お前にはまだまだ仕事で役に立って貰わねば困る‼』

私は「それもそうか…」と呟き、1人小さく笑う。

またドアをノックする音が聞こえて、返事をすると係の人が私を呼びに来たものであった。

『佐伯様、お時間です』

私は静かに席を立つと、ドアの外に向かった。


ー此方は栗栖家控え室ー
オレは真っ白なタキシードに身を包み、手袋を握りしめてイスに座っていた。

ココまで来るのに……長かったような短かったような……。てか、オレは一体、今幾つなんだ?(笑)

そんな事を考えていると、部屋のドアをノックする音がした。オレは『どうぞ』と答えた。

『おやぁ、まさに馬子にも衣装だねぇ~!アンタ、意外と似合ってるよ?』

オレは思わず、

『意外とは余計だ‼』

とツッコミを入れる。

まぁ、中に入ってきたのは……言わなくても誰か分かるだろう。

更に小憎らしく、ソイツは続ける。

『いや…タキシードってのは、誰にでも似合うんだったかねぇ?』

そういうと、1人で豪快に笑った。
ソコでオレは当然歯向かう。

『オレのようにオトコ前でねぇと似合わねぇっつーの‼』

とかなんとかバカやってると、またドアをノックする音。と共に…遂に「その時」がやってきた事を告げられる。

『栗栖様、お時間です』

オレは手袋を手にしたまま、部屋の外に出た。


『おめでとう!栗栖、架苗お嬢様‼』

2人の愛娘のかもめが、可愛らしくドレスアップして、手に持つカゴから花弁をわしづかみにして2人に向かって投げつける(滝汗)
(あたかも、まるで「オヤのカタキ~‼」とでも言わんが如くに)→貴女(かもめ)の親の結婚式です(笑)
とある珍しく雨の上がった6月のあるハレの日の話。


~fin~

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