甘く蕩ける程に愛して

みのる

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佐伯邸での生活の始まり

栗栖家のその週の休日の過ごし方

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オレは車を出動させて、その助手席には妻かなえを乗せる。(無論、後部座席にはチャイルドシートに座らせたかもめ姫様が堂々たる御姿で座っている。)

オレの向かった先とは……?

『久しぶりだな……。(って程に久しぶりでもねぇけども(笑))』

かなえもかもめ姫様の手を引いて、

『随分と……歴史を感じる建造物ね……』

その古めかしさ(オンボロさ?)に目を丸くする。
オレは超日本風家屋の玄関を迷う事無くガラガラガラッ‼と開けた。

中からは、あの懐かしい(?)声が響く。

『いらっしゃいませー!』

オレは2人に靴を脱ぐように言って中に入る。
中から現れた……懐かしい(?)顔。

『なんめいさまで……って…おまえ……!…くりす⁉』

オレは奥さんに挨拶をする。

『久しぶり…(?)です。1度「客」として、ココに来たかったので食べに来ました!』

すると奥さんは……また!オレ達を置き去りにして、店の奥に姿を消した。(滝汗)

かなえ、それを見てポソッと呟く。

「今の店員さん…栗栖の名前を知ってたわね……?…一体、どういう関係なの?栗栖……」

???…………ち……違うっ!!?オレはけして‼そんな「悪い事」が出来るような、器用な人間では無い‼←嘘つきめ。

ソコに実にタイミング良く、店主が現れた。

『やぁ!栗栖くん‼……まさかこんなに早くに遊びに来てくれるとは思わなかったよ?…どうぞゆっくりしていってね♪』

(栗栖、家族に『アレ』女装は極秘事項)
陰には、奥さんが隠れてる。???……人見知りなの?
そして店主はかもめ姫様に目をつけた。
おもむろにかもめを抱き上げて、

『可愛いねぇ♡……七海の昔を思い出すよ………♪』

人見知りの無いかもめは嬉しそうだ。

(まさか……無類なオトコ好きなのか?その歳で…(冷や汗))

『あ、そうだ‼君たちには此処でお渡ししておくよ』

とおもむろに『例のアレ』を3つ取り出した。

『今日のウェルカムクッキーは開けてみてのお楽しみ♡だよ?じゃあ、好きな席に座って待っててね?』

というと、店主は店の奥に消えて行った。

(遅れながら)オレはかなえに説明した。

『ココ……、実は最近までオレが働いてた店なんだ♪』

かなえはその言葉に驚く。

『栗栖…こんな日本料理店で働いていたの?』

……やはり…勘違いしたか…(苦笑)


オレは4人テーブル席を選び、店主の配慮で持って来てくれた子ども用のイスを借りて…奥さんの持って来てくれたメニューを開いてかなえに見せる。
かなえはその内容に驚いた。

『……えっ!日本料理店じゃないの⁉思いっきり洋食屋じゃない⁉』

ココのウリは、そうらしいよ?かなえ。(何故か得意気)


まずはかなえにメニューを眺めてもらい、オレは後からゆっくり見る。

『じゃあ私は、オムライス定食ね?で、かもめにお子様ランチを』

そこでメニューをかなえから受け取り、オレはじっくりと悩む。

うーーーーーむ…カレーも最近食ってねぇ気がするし…チョコパフェも捨てがたい……←既に“お昼ご飯”では無い。………………………………よし!決めたぞ‼

そこにちょうど奥さんが注文を聞きにやってきた。

『ご…ごちゅうもんはなににするでござるか⁉』

そのサムライ語…変わりませんねぇ…(懐)

オレは3人分、注文する。

『えーと……、オムライス定食と、お子様ランチと、……それからハンバーグ定食を1つずつお願いします!』

奥さんは注文を繰り返し、いつものサムライ語で…

『しょうしょうおまちくだされ⁉』

と言い残しまた姿を消した。(に…忍者?)


しばらくすると運ばれてきたかもめ姫様のお子様ランチ♡かなえは姫様に持参したヨダレかけを装着すると、

『ハイ、いただきます♡』

と食べさせ始めた。
今のところ、かもめ姫様は好き嫌いのない優良児♪
ニンジンさんもブロッコリーももりもり食べてる。

そうしてる内に、かなえのオムライス定食がやってきた。
オレはかなえとバトンタッチして姫様の食事の補佐をする。かなえも“いただきます”と呟くと、オムライスをひと口頬張り

『これ美味しい~‼』

とスプーンを動かす手が止まらない。
姫様が全て残さず食べ終えた頃に、オレのハンバーグがやってきた。

『ごちゅうもんはいじょうでござるか?』

と確かめる奥さんに、

『以上でござる‼』

つい釣られてサムライ語(笑)


それからオレ達は美味い昼メシを存分に味わった。
……ナイショだけど…コレはかなえへの「ご褒美」のつもりだったんだ。(照れる栗栖)

しかし、この店!美味いのに(何故か)繁盛しねぇなぁ……(謎)何でかな?
(因みに、今日のクッキーはチョコチップ)
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