移動販売の加地さん。

第26話 White christmas☆当日※

此処は温かい地域故に、滅多に"White  christmas"なるモノには巡り会えないが！
曇天の曇り空の下、(一応？)クリスマス当日の到来である☆

あ、加地くん！俺……今日の夜は予定あるから早退するな？
(こころウキウキ♡ナレーター岡田)

てか……前の回ん時は岡田！お前一体何処に(勝手に)行ってたんだ？(みのるの疑問)

あ、あの日か……あの日はな、『男にしか買えない"例のアレ"』買いに行ってた。(キッパリ！)
お、それよりも！加地くん何気に忙しそうだぞ？(何気に話を逸らそうとするナレーター岡田)

今日は加地くん、駅前にて仕事帰りのお母さんやお父さんをターゲットにするらしい。

『いらっしゃいませ☆いらっしゃいませ☆
生クリームたっぷりのケィキ、今日の日にピッタリのチキン、お子様にシャンメリィ、大切な人と過ごす時間にシャンぺンやオードブルは如何ですかぁ！』

加地くん、今日も何時もに増して大声出してセールスだ！
とそこに、1人のお父さんがタラコ2号(※クリスマスヴァージョン)に近寄ってきた。
そして手始めに、

『家族7人分位のケィキは置いとらんかな？生クリームたっぷりのがえぇのだが……
それとシャンメリィ2本(※赤と白がある)とこの立派なオードブルを貰えんかね？』

コスチュームが(定番といえば定番ではあるが！)サンタ(女の子ヴァージョン)の姿をしていた加地くんがそのお父さんに微笑む。

『ハイ！この3500円のケィキはどうですか？充分大きいと思いますよ。後シャンメリィとオードブルです！』

加地くんとお父さんの目と目が合い、手と手が触れる。
父(こんなところに！天女様じゃあーーーっ‼‼)
……と思ったかどうかは別であるが、そのお父さんはスキップしそうなノリで大荷物な為、フラフラしながら街中に消えて行った。
(このタイミングでナレーター岡田、早々と退く)


『…………………………』

加地くんがそのお父さんを見送っていたその間をぬって何時の間にやら現れた……眼鏡男子。(年齢不詳)
終始ニコニコと微笑みながら、常に隙を見せないキッチリとしたその姿勢。
加地くんはその眼鏡男子が何時の間に現れたのか謎で思わず笑顔が引き攣る。

『い、いらっしゃいませ☆御家族の方に如何ですか？』

その眼鏡男子は暫くただ、ニコニコと黙って商品を見つめていたが……加地くんにこう言ってきた。

『この商品は……全て2人以上の家庭の為のモノですね。僕は…残念ながら一人暮らしなので、こんなにいただく事は出来ません。
来年は一人暮らしの者の為の商品も用意して欲しいですね。(ニコニコ)』

眼鏡男子は終始！ニコニコと微笑いながら…加地くんにそう意見してきたのである‼
そうしてその眼鏡男子は無論、何も購入する事は無くその場を去って行った。

加地くんは当然！モヤモヤ感がおさまらなかった。
その眼鏡男子の意見して来た事はまぁ、一人暮らしにとっては最もな事である。
加地くんは2人～ファミリーサイズしか頭に入れていなかった。
『おひとりさま』……それは加地くんにとって致命的な盲点であった。

それから恋人同士やらファミリーやらが何人も訪れ、加地くんの売上に貢献した。
しかし加地くんのこころは晴れる事は無かった。


てか………加地くん、あの眼鏡男子…なんか…どっかで……？？？(記憶力の悪いみのるの(あまり意味の無い)助言)