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周囲の会議と店主中村の悪友達
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大型GW真っ最中のじっとりと汗が滲む暑いある日の事、早朝から何でも屋の周囲一帯は騒然としていた。
グォォォォ~、ンゴゴゴゴゴゴォ~、グゴゴゴゴォ~
『おい、この大型肉食獣の唸り声の様な音はいったい何処から響いてくるんだ?』
『まさか冬眠明けの熊でも出てきたのか?』
『そんな馬鹿な、ワシは数十年ここに住み続けておるが今まで1度も熊なんか出たなんて聞いたことないぞ?』
『もし熊だったら怖いわ!』
『今はGWの真っ最中で子供達も近所で遊んでるから警察や猟友会へ連絡を入れて警戒を強めたらどうだろうか?』
等と住民達が切羽詰まった顔で話し合っていた。
グォォォ~
ボリボリボリ、グォ~~~、ジュルルル~
『おい、なんか貪り食べてる様な音になってないか?まさか誰か被害に遭ったのか・・・』
一方何でも屋では、店主中村がテーブルに突っ伏して盛大に鼾をかいて寝ていた。
ングォォォ~
店主中村は痒いのか盛大に腹を掻きむしる。
ボリボリボリ
グォ~~~、ムニャムニャ、チコウヨレ、モットチコウヨレ、グフフフ~
余程嬉しい夢を見ているのか口から涎が垂れる、そしてしばらくした後に盛大に啜り上げる。
ジュルルル~
中村が寝ていると奥の部屋から仔猫達5匹が出てきて中村に纏わりつく、1匹は頭の上に乗り丸くなる、2匹は背中に乗り丸くなる、そして膝の上にも1匹乗り丸くなり、残る1匹は中村の足に纏わり付く。
すると中村が魘され出す。
暑いよ~、重いよ~、う~ん、う~ん、暑いよ~
『おや、さっきの怪しい唸り声が消えたぞ。何だったんだ?』
突然と止んだ怪音に住民達は安堵する。
そうこうしていると引き戸が開き男女の4人組が来店してきた。
悪友男1が中村が寝ているのを見て悪態づきながら話しかける。
『なんだよ寝てるのかよ…せっかく来てやったのに、おい中村、起きろ!!』
その声に驚いたのか子猫達は奥へと走り去り、中村が目覚める。
『ん?なんだお前ら来たのか?ふぁ~~~』
女1がプンスカする。
『せっかく来てあげたのに随分なご挨拶ね!』
悪友2が、
『しかしお前がここで店を開くとはな、老舗の呉服屋を継がなくて良かったのかよ?』
と言いながらもあちらこちらをガサゴソと漁り出す。すると他のメンバー達もガヤガヤと騒ぎながら展示してある品物を見たり振り回したりしている。
『お前ら!あまりあちらこちらいじり回すなよ、またキチンと並べるの大変なんだからな。』
と中村は呆れながら眺めていた。
あまりにも騒がしいので奥の部屋から中村奥さんが出てきて
『何を騒いでるの?あら、貴方達は…いらっしゃいませ。久し振りですね♪』
と笑顔で挨拶をする。
中村がふと奥さんの方を振り返り顔が青ざめる。顔は笑ってはいるが目がすわっている。
すかさず中村が叫ぶ。
『おい!お前らいい加減にしろよ‼迷惑だろ、かき氷を奢ってやっから大人しく食ってろ!』
悪友達は知ってか知らずか口々に喜びの声をあげる。
『おっ、ラッキー♪』
『やったわ~!今日暑いから冷たいの食べたかったんだ~』
『なんか得しちゃった☆』
『悪いな中村!』
静かになったから奥さんはまた奥の部屋へと戻って行く。中村が悪友達に声をかける。
『お前らイチゴでいいよな?』
『私はイチゴでいいわ。』
『はぁ?何言ってんだお前?イチゴなんて食えるかよ、かき氷と言えばメロンに決まってんだろ?』
『私は宇治抹茶に餡子と白玉トッピングしてね♡』
『俺は・・・う~ん何がいいかな?よしカシスベリーだ!!』
注文を聞いてブツブツ文句を言いながらかき氷を取り出す。
『タダで食うのに何でも良いだろ?ほんとにまったく!!だいいちシロップなんて色が違うだけで味は同じだっての。』
(こだわってる旧・店主とは違いスーパーの安いシロップで済ませる店主中村)
トレイに乗せたかき氷を『ほらよ!』と言いながらテーブルに並べ、またいつもの席へと戻る中村。
悪友達が談笑しながらかき氷を食べてる姿を眺めているとまた引き戸が開き客が入ってくる。
『いらっしゃいませ・・・ておっさんか。
今日はいったいなんの用だ?』
『いや~久し振りにお前さんの顔が見たくなってな。』
と笑う旧・店主。
『そうかすまないな・・・って、つい先日来たばっかじゃねーか!!
ほんとにまったく、今日は厄日かよ・・・』
とぶつぶつ言う中村。
旧・店主店主は思い出したように
『そう言えばここに来る途中で耳に挟んだが、ここら辺で熊が出たらしいな。』
『本当かよおっさん、俺はついさっきまで盛大に寝てたから知らなかったぜ!』
『熊って本当かよ?』
『怖いわ…』
等と悪友達が話し始めると旧・店主が気付き、
『おや?お前さんたちは確か・・・』
と言いかけると
悪友男1が代表して
『その節はどうも、おかげで助かった・・・よォ?』
とお礼を言うも妙な言い方になった。なぜなら店主の後に入って来た、にた~と笑った奥さんに気付いたからだ。
奥さんも悪友4人組に気付き声をかける。
『おや、あん達はあの時の人達かい?
しかしあんたら4人だけでかき氷を食べて、もう1人は食べなくて良かったんかい?』
それを聞いた悪友達は顔を真っ青にして外へと駆け出す。
『俺たちは帰るよ、またな!』
『ご馳走様‼』
『また来るからな』
『じゃあね!』
逃げるように帰った悪友達を見ながら
『人の顔を見て逃げる事なんかないのにねぇ、ほんとにまったくもう‼』
とプリプリ怒っている。
『さてと、出かけてた帰りにちょっと寄っただけだから私達もそろそろ帰るよ。』
と旧店主が言い、プリプリしてる奥さんを連れて帰って行った。
何でも屋近辺の騒ぎも落ち着き、いつもの平穏な街並みに戻っていた。
グォォォォ~、ンゴゴゴゴゴゴォ~、グゴゴゴゴォ~
『おい、この大型肉食獣の唸り声の様な音はいったい何処から響いてくるんだ?』
『まさか冬眠明けの熊でも出てきたのか?』
『そんな馬鹿な、ワシは数十年ここに住み続けておるが今まで1度も熊なんか出たなんて聞いたことないぞ?』
『もし熊だったら怖いわ!』
『今はGWの真っ最中で子供達も近所で遊んでるから警察や猟友会へ連絡を入れて警戒を強めたらどうだろうか?』
等と住民達が切羽詰まった顔で話し合っていた。
グォォォ~
ボリボリボリ、グォ~~~、ジュルルル~
『おい、なんか貪り食べてる様な音になってないか?まさか誰か被害に遭ったのか・・・』
一方何でも屋では、店主中村がテーブルに突っ伏して盛大に鼾をかいて寝ていた。
ングォォォ~
店主中村は痒いのか盛大に腹を掻きむしる。
ボリボリボリ
グォ~~~、ムニャムニャ、チコウヨレ、モットチコウヨレ、グフフフ~
余程嬉しい夢を見ているのか口から涎が垂れる、そしてしばらくした後に盛大に啜り上げる。
ジュルルル~
中村が寝ていると奥の部屋から仔猫達5匹が出てきて中村に纏わりつく、1匹は頭の上に乗り丸くなる、2匹は背中に乗り丸くなる、そして膝の上にも1匹乗り丸くなり、残る1匹は中村の足に纏わり付く。
すると中村が魘され出す。
暑いよ~、重いよ~、う~ん、う~ん、暑いよ~
『おや、さっきの怪しい唸り声が消えたぞ。何だったんだ?』
突然と止んだ怪音に住民達は安堵する。
そうこうしていると引き戸が開き男女の4人組が来店してきた。
悪友男1が中村が寝ているのを見て悪態づきながら話しかける。
『なんだよ寝てるのかよ…せっかく来てやったのに、おい中村、起きろ!!』
その声に驚いたのか子猫達は奥へと走り去り、中村が目覚める。
『ん?なんだお前ら来たのか?ふぁ~~~』
女1がプンスカする。
『せっかく来てあげたのに随分なご挨拶ね!』
悪友2が、
『しかしお前がここで店を開くとはな、老舗の呉服屋を継がなくて良かったのかよ?』
と言いながらもあちらこちらをガサゴソと漁り出す。すると他のメンバー達もガヤガヤと騒ぎながら展示してある品物を見たり振り回したりしている。
『お前ら!あまりあちらこちらいじり回すなよ、またキチンと並べるの大変なんだからな。』
と中村は呆れながら眺めていた。
あまりにも騒がしいので奥の部屋から中村奥さんが出てきて
『何を騒いでるの?あら、貴方達は…いらっしゃいませ。久し振りですね♪』
と笑顔で挨拶をする。
中村がふと奥さんの方を振り返り顔が青ざめる。顔は笑ってはいるが目がすわっている。
すかさず中村が叫ぶ。
『おい!お前らいい加減にしろよ‼迷惑だろ、かき氷を奢ってやっから大人しく食ってろ!』
悪友達は知ってか知らずか口々に喜びの声をあげる。
『おっ、ラッキー♪』
『やったわ~!今日暑いから冷たいの食べたかったんだ~』
『なんか得しちゃった☆』
『悪いな中村!』
静かになったから奥さんはまた奥の部屋へと戻って行く。中村が悪友達に声をかける。
『お前らイチゴでいいよな?』
『私はイチゴでいいわ。』
『はぁ?何言ってんだお前?イチゴなんて食えるかよ、かき氷と言えばメロンに決まってんだろ?』
『私は宇治抹茶に餡子と白玉トッピングしてね♡』
『俺は・・・う~ん何がいいかな?よしカシスベリーだ!!』
注文を聞いてブツブツ文句を言いながらかき氷を取り出す。
『タダで食うのに何でも良いだろ?ほんとにまったく!!だいいちシロップなんて色が違うだけで味は同じだっての。』
(こだわってる旧・店主とは違いスーパーの安いシロップで済ませる店主中村)
トレイに乗せたかき氷を『ほらよ!』と言いながらテーブルに並べ、またいつもの席へと戻る中村。
悪友達が談笑しながらかき氷を食べてる姿を眺めているとまた引き戸が開き客が入ってくる。
『いらっしゃいませ・・・ておっさんか。
今日はいったいなんの用だ?』
『いや~久し振りにお前さんの顔が見たくなってな。』
と笑う旧・店主。
『そうかすまないな・・・って、つい先日来たばっかじゃねーか!!
ほんとにまったく、今日は厄日かよ・・・』
とぶつぶつ言う中村。
旧・店主店主は思い出したように
『そう言えばここに来る途中で耳に挟んだが、ここら辺で熊が出たらしいな。』
『本当かよおっさん、俺はついさっきまで盛大に寝てたから知らなかったぜ!』
『熊って本当かよ?』
『怖いわ…』
等と悪友達が話し始めると旧・店主が気付き、
『おや?お前さんたちは確か・・・』
と言いかけると
悪友男1が代表して
『その節はどうも、おかげで助かった・・・よォ?』
とお礼を言うも妙な言い方になった。なぜなら店主の後に入って来た、にた~と笑った奥さんに気付いたからだ。
奥さんも悪友4人組に気付き声をかける。
『おや、あん達はあの時の人達かい?
しかしあんたら4人だけでかき氷を食べて、もう1人は食べなくて良かったんかい?』
それを聞いた悪友達は顔を真っ青にして外へと駆け出す。
『俺たちは帰るよ、またな!』
『ご馳走様‼』
『また来るからな』
『じゃあね!』
逃げるように帰った悪友達を見ながら
『人の顔を見て逃げる事なんかないのにねぇ、ほんとにまったくもう‼』
とプリプリ怒っている。
『さてと、出かけてた帰りにちょっと寄っただけだから私達もそろそろ帰るよ。』
と旧店主が言い、プリプリしてる奥さんを連れて帰って行った。
何でも屋近辺の騒ぎも落ち着き、いつもの平穏な街並みに戻っていた。
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