新☆何でも屋

みのる

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プールへヒアウィゴー☆※

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『よし、皆でプールに行こう!!』

    早朝から何でも屋へと訪れた元店主夫妻だが、開口一番から言い放ったこの一言から全てがはじまった。

『あら、良いですね♪』

『事前に連絡も無くいきなりそんな事を言われても困るぜ、俺にも都合ってもんが有るんだ!!店番も有る訳だし⋯⋯』

『よし、青年だけ置いて3人でプールへ行こう!!』

『ちょっと待ってくれ!?誰も行かないとは一言も言ってねぇじゃねぇか!!』

『しかしお前さんは否定的な事を言ったでは無いかね?で、いったいどっちなんだね?行くのか、行かないのか、ハッキリしたまえ。』

『そりゃあ行くに決まってるじゃないか⋯⋯』

『だったら最初からそう言いたまえ、ほんとうにまったく…』

    元店主にプールへ行こうと誘われ難色を示した中村であったが、本当は行きたくて仕方が無いらしい(笑)

『それになんつうか、毎回ホイホイ飛びついてたら、まるで俺がタカるの大好きで遊び呆けてるみたいじゃないか?だから一応表面上はね…』

『実際その通りじゃないのかね?』

『失礼な!!金を払おうとしてもいつもオッサンが出させてくれないんじゃないか!!』

『仕方ないからそういう事にしておこうじゃないか。』

『おいオッサン!!そんな風に言うの止めろよ!?
それだと俺が本当に金を出そうとしないみたいじゃないか!!』

『別にそんなに目くじらを立てて怒る事ないじゃ無いか、減るもんじゃ有るまいし。』

『良かぁねぇよ、俺の沽券に関わる事だからな!!』

『股間がどうしたって?』

『誰が股間つったんだよ!!
沽券だよ、こ・け・ん!!ほんとにまったく…』

    中村は怒るが事実だからしょうがないじゃないか、中村の横では顔を真っ赤にしたまいが涙目で肩を震わせていた。
    一方ナレーターが入るやいなや、「うるせぇ」と呟きながら何もない空間を睨みつける中村。
 
『どうしたのかね?』

『いや、ちょっとな…』

『ではそろそろプールに行こうじゃないか。

…おい、青年どこへ行くのかね?』

『どこってプールだろ?だったらこっちじゃないか?』

『歩いて行くのかね?』

『歩いてって⋯⋯えっ?
車買ったのかおっさん!?』

    4人が店から出た所で中村が先に歩いて行こうとする。
    店主が慌てて引き止め歩いて行くのかと忠告した所で、中村が何でも屋の横の空き地にsatouのカートBが駐車されてる事にやっと気付いた。紫の車体が光り輝いている。

『オッサンって車の免許持ってたっけ?』

『私では無くウチのが持ってるんだよ。』

『さぁさぁ何でも良いから早く乗っとくれ、まいちゃんも乗っとくれ♪』

『わかったよ(ぜ)。』『はーい☆』

『お嬢ちゃんは助手席に座るかね?それとも後ろで青年と一緒の方が良いかい?』

『おい、俺は後ろ固定で選択肢ないのか!?』
『う~ん、せっかくだし奥様の隣に座らせていただきます♪』

『そうかね、じゃあ助手席に座りたまえ。』

『すみませんありがとうございます☆』
『おい、俺は無視なのか!?』

『うるさいね、良いから早く後ろにのりたまえ、ほんとうにまったく…』

『うるさいってなんだよ!!ほんとにまったく!』

『さて準備は出来たかねぇ、出発するよ?』

『あぁ出して良いよ。』

    こうして4人はプールへと向けて出発したのだがその道中車内は大いに盛り上がっていた。
    プールへ行く前に軽く朝食でも取るかと言う話になり、午前マッグを買うためにドライブスルーに入ったのだが、ここでもまた一悶着有るのであった。

『オッサン悪い、財布持ってくるの忘れた⋯⋯』

『やはり払う気が⋯『違うって!!本当にたまたまだからな?』』

『店主さん、私が持ってますのでお支払いします…』

『あぁ、いいよいいよ私が払うから。』

『いえ、いつも出していだいてるのでたまには出させてください!』

『そんなに気にしなくても良いよ。』

『でも⋯⋯』

『まいちゃん、会計はうちの人に任せておけば良いから財布はしまいなさい。』

『⋯⋯はい、いつもすみません……』

『なぁにたいした事じゃ無いし気にしないで。』

    午前マッグを購入し食べながらプールへと向かう御一行様だが、中村の分だけ無い⋯⋯と言う事も無く奴もしっかりと食らっている。
    マッグから更に走り続け漸くプールへと辿り着き、駐車場へ停めて降り立つ4人だが元店主が思い出した様に言い出した。

『ふぅ、やっと着いたか。』

『そうそう、忘れない内に水着を渡して置くよ。
これとこれは色違いのお揃いだからウチのとお嬢ちゃんで好きな方を着てよ。』

『わかりました☆えっと…奥様はピンクとミズイロのどちらの色が好きですか?』

『アタシは水色の方が好きだねぇ♪』

『私はピンクが好きだから決まりですね、ではこちらをどうぞ。』

『はいよ、ありがとね☆』

『まぁ、スカート状のフリフリがついててしかも水玉♡とっても可愛いわ♡』

『本当ね、可愛いねぇ♡』

    元店主が渡した水着は2色有り、2人は特に揉めることも無く店主奥さんが水色でまいがピンクに落ち着き、水着を広げた2人は可愛いフリフリの水着が気に入った様でキャッキャッ言っている。
    そんな2人を微笑ましげに眺めて居る店主に、空気を読まない例の男が指でチョンチョンと突っつきながら俺の水着は?と催促し始める。

『なあなあオッサン、俺の水着は?』

『お前さんは、これなんかどうだ?』

『俺のは紺色か、どんなのかな⋯⋯ッ!?
………………ふ、ふ、ふざけるなー!!』

    水着を広げた中村が、顔を怒りで真っ赤にして水着を地面にペシッと投げつけた。
    元店主が中村に手渡した水着はなんと女の子用のスクール水着(※)であった
    当然ながら胸の名札には平仮名で【なかむら】と書かれている
※イラストあり

『いったい何を怒ってるのかね?名前は片仮名か漢⋯『そんな事じゃ無いっつうの!!』』

『だったら何かね?』

『こんなの恥ずかしくて着れるか!!』

『ふむ、やはり漢字『だからそういう事じゃ無いっつてるだろ!!
これは女用のスクール水着じゃねぇか!!』』

『それがどうかしたのかね?』

『こんなの着て泳げるかっつーの!!
出入り禁止食らったり下手したら変態が出たって通報されるぞ!?ほんとにまったく‼』

    元店主が中村からスクール水着を渋々受け取り、別の水着を手渡す。

『じゃあこれなんかどうかね?』

『次のは⋯⋯ってオッサン!!これ片足しか通す所が無いじゃないか!?』

『そうだけど何か問題でも有るのかね?』

『問題有るのかね?って問題有るだろーが!!
こんなの穿いて泳いだら間違いなく出てはイケナイ物が出るよな!?
これも出入り禁止食らったり下手したら通報されるぞ!?ほんとにまったく‼』

元店主が次に中村に渡したのは、ワンショルダー型のセクシーブーメラン水着(※)でかなり際どいラインをしており、少しでもズレたらポロっといきそうな気がする⋯⋯寧ろ確実に出るだ……
※イラスト参照、気になったりイメージがわかない方はワンショルダー水着 男用でググれば出てきます。

『う~ん、それじゃあこれは?』

『これはまだマトモな方だけどまだ形が怪しいぞ!?
もっと別なのは無いのかよオッサン?』

『他に面白いのは無いよ?』

『面白いって何だよ!!面白いって!!
普通ので良いんだっつーの!!』

『後はこれだね、私のと揃いなるから嫌なんだけどね。』

『嫌ってなんだよ嫌って!!ほんとにまったく⋯⋯
そうそうこれだよこれ、最初にこれを出せっての!』

    次に元店主はブーメラン型の水着を取り出したが、どうやら中村はこれも気に入らない様で、元店主は嫌々トランクス型の水着を取り出したら中村は満足した様である、なんとも贅沢な……
    このやり取りを見ていた奥さんは呆れた顔をしており、一方まいはと言うとお腹を押さえながら顔を真っ赤にしてヒーヒー笑い転げていた。

『皆に水着が行き渡ったしそろそろ行こうかね?』

『『『オー‼』』』

    全員が水着を持った所で施設へと向かう御一行様だが、プールに入る前から大騒ぎしていてこの先はたしてどうなるのやら…………



個人的にはスクール水着姿が見たかった……な♡
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