新☆何でも屋

みのる

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新商品の名前決めで悪戦苦闘

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    元店主がいつもお馴染みの昼下がりでは無く、珍しく夜に何でも屋を訪れていた。

『やあ、いつまでも暑いね。』

『まったくだぜ、しかしオッサンが夜に来るって珍しいな?』

『夜の方が若干涼しいからね。』

『確かに、で、今日はいったい何の用なんだ?』

『あぁそれなんだけどね、販売する新商品を幾つか持ってきたんだよ。』

『やりぃ~☆、いつも悪いなオッサン!』

『なぁに、大した事じゃ無いよ。
それと、ある程度商品名は決めてはいるんだけどお前さんとお嬢ちゃんの意見も聞きたいと思ってね。』

『じゃあまいも呼ぶか
お~いまいちょっと来てくれ!』

    今日、元店主が店に訪れたのは、新商品を考えるのが苦手な中村の代わりに、元店主が色々と考えて用意した新商品を持ってきたからである。
    商品名は決めて有るものの、一応念の為に中村夫妻の意見も聞きたいと言うのでまいを呼ぶ中村。

『やあ、お邪魔してるよ。
新商品を持って来たんだけど、お嬢ちゃんにも商品名を一緒に考えて貰えたらなと思ってね。』

『店主さんこんばんは、いつもすみません本来なら旦那様が新商品を考えなければならないのですが⋯⋯
そうそう商品名を考えるのでしたね、私で良ければ一緒に考えされていただきます。』

『忙しい時に悪いね。』

『いえいえとんでもないです 。』

『では最初は栄養ドリンクからいこうかね、取り出したるこの商品だけどライバルはオロメミンDのつもりだよ。』

『えっ!?ライバルがオロメミンD?リボバタンQじゃなくてか?
オロメミンDって栄養ドリンクじゃなくて、確か炭酸飲料じゃ無かったか?』

『⋯⋯まぁなんだって良いじゃないか!!
で、私はこの商品に【エネルギー全開ヒアウイGO‼ニイチャンナニイウテマンネン‼】と名づけたがどうかね?』

『オッサンこそ何を言ってんだ!?そんな理由わけのわからん長ったらしい名前で世間受けする訳無いだろう!!』

『店主さん⋯⋯その名前はちょっと⋯⋯』

『う~ん、良いと思ったんだけどねえ⋯⋯』

『ここはシンプルにズバリ!【スッポンパワー全開‼中村スペシャル】だ、どうだ良いだろ?』

    皆さんは覚えているだろうか、店主と中村のネーミングセンスが壊滅的な事を⋯⋯(えっ?作者もセンスが無いって!?)
    新商品の名前付けにまいを巻き込んだのは正解だったと思いたい。

『青年、悪いがその栄養ドリンクにはスッポンエキスは一切入ってないぞ?成分偽装は良くないね。』

『それに店主さんが用意してくれた商品だしアナタは一切関係ないじゃない?』

『う~んおかしいな⋯⋯』

『そうねえ⋯⋯【エネジェーション】なんかどうかしら?
エネルギーとジェネレーションをかけあわせてみたのですが、世代を超えたエネルギーと言う思いを込めて。』

『この中だと一番無難かな?後でうちのに考えた商品名をめぇるで送ってどれが良いか聞いてみるよ。』

    中村よ成分表をよく見て名前を付けたまえ、それに比べさすがはまいである。
    まあ聞くまでもなく【エネジェーション】に決まりそうだが、もしかしたら奥さんからも良い名前の案が出るかも知れない。

『さて、続いての商品は眠け覚ましなんだけど、私はこの商品に【おら眠くね~だ】と名付けただ。』

『オッサン!そんな田舎臭い名前の商品なんか売れる訳ねーだろ!?
俺はこの商品を【眠るだー、眠るだー】と名付ける!!』

『あ、アナタ⋯⋯、それなら店主さんの方がまだましよ?』

せ、青年よ、眠気覚ましなのに寝てどうするのかね?

『うっ⋯⋯』

『私なら【眠気シャキッと】ね!』

    2人の相変わらずなセンスに呆れ果てるまいに、見当違いな中村には流石の店主も呆れ果て中村も己の過ちに気付き思わず赤面する。
    まいは大丈夫と思いたい⋯⋯

『よし次は目薬だな、私はこれを【目がスカッとしただ】と名付けただよ。』

『て、店主さん、それは商品名と言うより商品を使った感想ですよね!?』

『アハハハハ、相変わらずセンスが無いなオッサンは?
そんな感想みたいな名前じゃ若者受けしねーぞ?ゲラゲラゲラゲラ‼』

『う~ん、そうかね⋯⋯名付けも難しいものだね。』

『え~と、そうね【アイクールV】なんかどうかしら?』

『中々良いね。』

『オッサンの感想より遥かに良いな!』

『うるさいね、だったら青年ならばなんと名付けるかね?』

『え~とそうだな⋯⋯難しいな⋯⋯き、【キター】⋯⋯は?』

『え?何がかね?
⋯⋯それに、どこかで聞いた様な気もするね。』

『あ、アナタ…散々考えてそれなの?』

『う、うるせーな!!
目薬は難しいんだよ、次いけ次!』

    元店主の商品名を散々笑った中村だったが、店主以上に酷いネーミングをしてしまい逆ギレする中村。

『次の商品は絆創膏だね、私はこれに【剥がれまへんで?】と命名したよ。』

『いや、剥がれなかったら後々マズいだろ!?』

『何故に疑問形なのですか?』

『これもオカシイかね⋯⋯』

『これは簡単だぜ?俺は【カットバン】と名付ける!!』

『おぉ~、青年にしてはマトモだ。』

『⋯⋯アナタ、カットバンは絆創膏の方言よ?』

『『えぇっ、そうなの? 』』

『他にも呼び名は色々有るわよ。

私は【傷ピタ】かな?』

    絆創膏の商品名として採用されるかも?って一瞬なったカットバンだが、まさかの元店主と中村が驚く事になる方言とは⋯⋯中村よ、今回はマトモな商品名を付けたかと思ったけど残念だったな?
    一方まいの方は相変わらずの安定感である。

『よし!次は傷軟膏だよ、わ、私はこの商品に【なんと言う事でしょう、傷が綺麗に塞がったではありませんか⁉️】と名付けたけど⋯⋯』

『⋯⋯オッサン、使用者の感想ですら無くなって見た人の感想になってるじゃないか!
それに商品名も長いのはダメって言ってるだろ!?』

『わ、私もそう思います⋯⋯』

『やはりダメかね、もしかしたらダメかもと思ったんだけどね。』

『思ったんなら、その場凌ぎでも違う名前を考えろよ!!ほんとにまったく…』

『うっ!!そ、そう言う青年はどんな商品名を付けるのかね!?
偉そうに言うくらいだから良い名前を付けてくれるんだろうね?』

『お、俺か?ち、ちょっと待ってくれ!!
直ぐに考えるからな、う~ん、う~ん、う~ん⋯⋯』

『じゃあ私が先に言いますね、【キズノン】とかどうですか?』

『シンプルだけど良いね、青年は決まったかね?』

『え~と⋯⋯【白くて綺麗なんです】は?
ダメだよな?アハ、アハ、アハ⋯⋯』

『『⋯⋯はぁ~…………』』

    中村よ、散々偉そうな事を言ってそんな商品名を付けたら、2人にため息をつかれても仕方ないぞ?

『青年よ、それは傷軟膏の見た目じゃないか⋯⋯』

『店主さんに散々言っといて商品の見た目は無いわ、私なんだか恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいよ。』

『う~~~』

『ま、まあ考えた名前をうちのに送ってみるよ。』

『はい。』

『奥さんはどの商品名を選ぶのか楽しみだぜ!』

    中村よ間違ってもお前の名前は選ばれないから安心したまえ。
    元店主が奥さんに、どの商品名が良いかの問い合わせメールを送ってから15分経過したが返事が一向に来ない。

『返事来ませんね?』

『まだ起きてる筈なのにオカシイね?』

『どれにするか悩んでるのか?』

ーーー30分後ーーー
ガラガラガラッ!!

『やあ~
面白い事をしているじゃないの、アタシも一緒に考えさせておくれよ?』

『奥様、わざわざいらしたのですか!?』

『遅いと思ったらこっちへ来てたのかよ⋯⋯』

『めぇるでどれにするか選んでくれるだけで良かったんだけど⋯⋯まぁいいや、何か良い商品名は有るかね?』

『そう慌てないでおくれよ、ここへ来る間に考えてたんだけどねぇ。
栄養ドリンクは【ミナギルE!】、眠気覚ましは【スカッとオハヨー】、目薬は【メンソクールS】、絆創膏は【キズナオール】、傷軟膏は【リセタン】なんかが良いと思うねぇ♪』

    奥さんからの案も出て、暫くの間4人であれやこれやと話し合った結果やっと商品の名前が決まった。

『え~と栄養ドリンクは【エネジェーション】で、眠気覚ましは【眠気シャキッと】、目薬は【メンソクールS】に、絆創膏は【傷ピタ】、そして傷軟膏は【キズノン】だね。』

『ふう~、ようやく決まったぜ。』

『皆さんでこうやって決めるのも面白いですね♪』

『アタシもこっちへ来てよかったよ☆』

『しかし私と青年の考えた名前は候補にすら入らなかったね。』

『結構自信があったんだけどな⋯⋯世知辛い世の中になったもんだぜ…』

『以前、生まれた子猫の名前を考えた時から思ってたんだけどねぇ、アンタ達2人にはネーミングセンスが無いのよ!』

『お、奥様そうハッキリと言わなくても⋯⋯』

『な、なんとぉ~‼』
『ゲッ、マジかよ⋯⋯』

    元店主と中村は奥さんに現実を突き付けられ、orzの形に崩れ落ちてしまうのであった。
    数日後、新商品を取り揃えた何でも屋に訪れた1人の若い女性が中村の餌食になろうとしていた。

『こんにちは、そこの道で派手に転んであっちこっち擦りむいてしまったのですけど⋯⋯ここの店に傷薬と絆創膏を置いてませんか?』

『おやおや、それは大変だね身体中傷だらけじゃ無いか!?(キラァン)
俺が傷薬を塗ってあげよう!!(怪)』

『えっ、それはちょっと⋯⋯』

『なんで逃げるんだ?逃げたら治療できないよ?』

『ゲッ!!』         ゴッ‼‼‼‼‼
『ッ痛~!!』

    擦り傷だらけの女性が傷薬と絆創膏を求めて何でも屋へやってきたのだが、傷の手当てをしてやろうと張り切った中村が女性へと擦り寄って行く。
    女性が後ずさりしていくも中村が手をワキワキとさせながら追い続けてると、突如中村の首がくの字に折れ曲がり悲鳴をあげる。

『アナタ、何をやってるのよ!!ほんとにもう‼
うちの旦那がすみません、私が傷の手当をしますのでこちらへどうぞ。』

『すみませんお願いします。』

『クソ~、後もうちょっとだったのに~~~っ!(悔)』

   まいが女性を治療する為に店の奥へと招き入れるのを横目で見送り苦言を漏らす。
    中村よ世の中そう上手くは行かないぞ?
    
今日も平和に一日が過ぎ去って行くのであった、まる
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