新☆何でも屋

みのる

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何でも屋に訪れた珍しいお客さん2

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『バカも~ん!!商売をしているのならもっとシャキッとせんか!!』

 この一言から今回の物語がスタートする。

    かなり涼しくなってきたある日の昼下がり、半分寝ている店主中村がいつもの様にだらけきって欠伸する。
    
『ふぁ~、むにゃむにゃ…相変わらず暇だな
何か面白い事でも無いのか!?』
 
『眠い⋯⋯ふぁ~』

    中村がブツブツと言いながら再び欠伸を盛大にした所へ冒頭の怒鳴り声である。
    驚いた中村はバランスを崩して椅子ごと倒れてしまった。

『イッテェ~、誰だ急に怒鳴りやがったのは!?
ってオヤジじゃねぇか、驚かすなよ急にどうしたんだ?』

『久しぶりだな大和やまと、今日来たのは別に用って程の用ってこたぁねぇんだけど、おめぇの嫁さんにちょっとな…』

『オヤジがまいにいったいなんの用が有るんだ?』

『それはまあ良いじゃねぇか、本人に直接言うよ。』

『別に教えてくれても良いだろ?ほんとにまったく…』

    来店早々中村を怒鳴りつけたのはなんと中村の父親だったのである。
    中村の父親はまいに何か用が有るらしいのだが、中村が聞いてもはぐらかされるのであった。
   まいに遅れる事数ヵ月、ついに中村の名前が決まった、良かったな中村♪(中村におせーよ!と怒鳴られたのは内緒である)


『お~い!まい、ちょっとこっちに来てくれ。
オヤジがお前に用が有るんだとさ!』

『は~い、少し待ってください!直ぐに行きます。』

『で、オヤジは⋯⋯いや、オフクロや新兄あらにいも元気にしてるのか?』

『まぁな、母ちゃんは若干夏バテしてるが皆元気だ!
おめぇこそ元気にしてたのか?』

『俺ァ元気だぜ、もちろんまいもだ⋯⋯
その⋯⋯なんだ、オフクロに身体には気を付けろと言っといてくれ…』

『はははは、んな事はたまには帰ってきて自分の口で言え、母ちゃんも喜ぶぞ?』

『そう⋯⋯だな、またそのうち帰るかな⋯⋯』

『⋯⋯ 』

『⋯⋯』

    中村がまいを呼んだ後、母親や兄のあらたの近況を聞いたりで、暫くの間親子で話していたがお互い気まずいのか無言になってしまう。
    重苦しい空気が流れはじめた頃、まいが奥の部屋から出て来た。

『まあ!お義父様お久しぶりです。
結婚式以来ですね‼』

『あぁまいちゃん久しぶりだな、忙しい時にすまねぇな。』

『いえいえ、ここでと言うのもなんですし向こうのスペースでお茶でもいかがですか?』

『じゃあそうするかね。』

『では先にお待ちください、直ぐにお茶を持っていきますので…』

『あぁ、悪いね。』

    中村父との挨拶も早々に切り上げ奥のカフェスペースへと招くまい。
    用意が出来たまいは先に席に座り寛いでる中村父の元へお茶と和菓子を持って行く。
    まいは中村父の前へお茶と和菓子を置きながら話しかける。

『お待たせしました、粗茶と和菓子ですが宜しければどうぞ。』

『まいちゃんすまねぇな。』

『いえいえ♪
それでお義父様、私に用とは何でしょうか?』

『用って程の事じゃねぇんだけど、こいつをおまえさんにって思ってな。』

『まぁ何かしら、開けてもいいかしら?』
 
 まいが中村父に用件を聞くと、まいに渡すものが有ると言いながら1つの箱を取り出しまいの前へ置く。
 まいが開けて良いかと聞くと中村父が頷いたので、早速箱を開けてみる。

『まぁ‼とても素敵な着物と浴衣ですね、こんな良い物を本当に貰ってしまって良いのですか!?』

『あぁ、今の若い者はもっと洒落た服が良いだろうけど、家にゃあそんなモンしか無くてな、良かったらもらってくれ。』

『そんな事無いですよ、私着物とか和服好きなんでとっても嬉しいです♪
ありがとうございます!』

『そんなに喜んでくれるなら持って来たかいがあるってもんだ!
それにまいちゃんが家のバカ息子と結婚してくれて感謝してるんだ。
おまえさんの両親が家の品をよく買ってくれてかなり助けられてるしよ。』

『質の良い着物を仕入れることが出来るって両親が喜んでましたよ、他の方達にも評判が良くて両親を通じて購入されてる様です。』

『うちとしてもありがたい話だね。
さて、渡すもんを渡したしそろそろ帰るとするか。』

『今日はこんな良い物をいただきありがとうございます!』

 箱には夏と冬に着れるように浴衣と着物が納められていた。それを見た和服好きのまいは大喜び!まいの喜ぶ姿を見て大和の父も嬉しそうに微笑んでいる。
 着物もまいに渡したし、そろそろ帰るかと立ち上がった大和父は大和に声をかける。

『お~い大和!俺はそろそろ帰るからな‼
たまには顔を出せよ?』

『ああ、まあそのうちな。』

『あっ、お義父様こちらの和菓子を是非お義母様に差し上げてください。
これを食べて元気を出してください、と…』

『ん!?土産迄貰っちまって悪いな、母ちゃんは饅頭が好きだから喜ぶよ♪
じゃあまたな!』

 どうやらまいは、大和の母親が夏バテで元気が無いことを聞いていたようで、帰ろうとする大和父に、大和の母に食べさせてくれと和菓子を渡す。
 和菓子を受け取った大和父は、大和の母の事も気遣ってくれたまいの好意に嬉しそうに帰っていった。
 大和は帰るか父の背中を見送りながら小さな声で“オヤジ、元気でな”と呟いた。

ーーー翌日ーーー
 何でも屋の居住スペースでは中村の声が響き渡っていた。

『ああ、わかってるよ。』

『ん?ああ、そのうち顔を出すよ、だからもう勘弁してくれよオフクロ。』

『ああ、わかってるって⋯⋯もう切るからな?じゃあな!』

 夏バテで元気が無いと聞いて心配していた大和が、翌日実家に電話をかけた所どうやら母親は元気そうである。

『どこが夏バテであまり食べない程元気が無いんだ?
元気そのものじゃないか!?ほんとにまったく…』

『久しぶりにアナタの声を聞いて、お義母様の元気が出たんじゃないですか?』

『そんな事は無いと思うぞ、だって電話に出た時からルンルン声だったし…いったいどうなってるんだ?』

『まあ、元気なら良かったじゃない!?』

『まあそうだけどよ⋯⋯
そうそう、オフクロがまいに「美味しい和菓子をありがとう」だってさ!』

『まあ、食欲無いのに直ぐに食べてくれたのですね!?』

『和菓子を貰って元気が出たんじゃないのか?食い意地張ってるし。』

『さすがにそんな事無いんじゃ……』

 何やら煩く言われたので有ろうか、電話を切った大和は母親は元気じゃないかと怒っていた。
 和菓子を貰って元気になったんじゃないかと言いだす大和、流石にそれはないだろうと呆れるまいだが…半分は当たってるぞ?

 大和とまいは気づいていないが、何でも屋に有る不思議な箱は、思ったもの⋯⋯つまりが取り出せるのでは無く、が取り出せるので有る
 今回まいは、大和の母親が早く元気になって欲しいとながら和菓子を取り出したので、食べると元気になる和菓子が出てきたのである。

 思いが強い元店主は見事に使いこなしていたが、どういった箱なのかを勘違いしていた大和にはまだ使いこなせてはいなかった。

 朝から冷や汗を掻いた大和は、この後1日いつもの様に暇そ~うに店番をするのであった、まる
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