新☆何でも屋

みのる

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店主中村実家へ帰る

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 彼岸のある日の早朝、何でも屋は朝早くから騒々しかった。

『お~いまい、まだ用意出来ないのか?早くしないとバスが来ちまうぞ!』

『ちょっと待って!今行くわ⁉️(焦)』

ガチャッ‼バタンッ‼
ガン‼ガラガラ、ガッシャーン‼
う~ん、う~ん

 いつもの様に出掛ける準備に手間取るまいに、痺れを切らせた中村がまだ用意は出来ないのかと声をかける。
 急かされたまいは返事しながら大急ぎで出てこようとして、毎度の事ながらテーブルにでも足をぶつけたのか、盛大な破壊音が鳴り響いた後にまいの呻き声が聞こえてきた。

『⋯⋯おい、大丈夫か?』

『え、ええ大丈夫よ⋯⋯行きましょうか?』

『そうか、じゃあ行こう!』

    まいが奥の居住スペースから漸く出て来たが、足を擦りながら痛がっていたから大丈夫なのかと声をかける中村。
    まいは大丈夫だと返事を返し店の外へと出た2人は戸締りを済ませ近くのバス停へと向かうのであった。

『あなたの実家へ行くのは結婚する前に挨拶に行った時以来ね?』

『そうだったけかな?』

『ええ⋯⋯そ』『よう!何でも屋、前言ってた電動ドリルが欲しいんだが…』

『ん?あぁ⋯⋯すまないな。今日はちょっと用があって店を閉めてるんだ。
悪いがまた今度にしてくれないか?』

『そうかじゃあしょうがないな⋯⋯また次の機会にするか…』

『悪いな、きた時はサービスするからよ?』

    バス停への道中、中村夫妻は話しながら歩いて居ると1人の中年が話しかけて来た。
 この中年のおじさんは以前にも電動ドリルが欲しいと言っていた客で、今日必要になったようだが残念ながらタイミングが合わなかった。
    中年のおじさんと別れ再び歩きはじめ、そうこうしているとバス停へ到着した。

『おっ、俺達が一番乗りだな♪』

『あらほんとう、珍しいわね☆』

    中村夫妻がバス停に着いた時には他に誰もおらず、2人で話しながらバスを待って居ると、1人また1人と中村達の後ろへ並び始めた。
    バス停でバスが来るのを待つ乗客は7人ほどになっており、更にもう1人偉く痩せた枯れ枝の様な若い女性がやって来て、バスを待ってる人達の最後尾へ並んだ。
 そうこうしていると、皆が待ちわびていたバスがやって来た。
 新聞を読んでいたり、スマホを触っていた人達も顔を上げバスを待ち構える。
   バスが止まりドアが開いたので中村が乗り込もうとすると、1番最後にやって来た枯れ枝の様な若い女性が中村達の前へ割り込んで先に乗ろうとして来た。

『オイ!!姉ちゃん、ちょっと待て!!
俺らの方が先に来て前に並んでるのに、後から来た癖に割り込んで先に乗ろうなんて図々しい真似してんじゃねぇよ!!ほんとにまったく‼』

『えっ!?⋯⋯す、すみません!』

『アナタ、そのくらいいいじゃないの!?皆さん家の人ががお騒がせしてすみません。』

『いやいやとんでもない、兄ちゃんよく言ってくれた‼俺もいつも割り込まれてイライラしてんだ。』

『そうよそうよ、本当に図々しいんだから!』

『私も、いつも割り込まれて、ムカついてたんです!』

    今までは上手くわり込めたか知らないが、今日は文句たれで口うるさい中村が居るのでそう問屋は下ろさず、枯れ枝の様な若い女性は案の定中村に止められ怒鳴られるのであった。
    枯れ枝の様な若い女性は一瞬驚いた表情をしたが、直ぐに涙目になりすみませんと謝り最後尾へと並び直したのである。
    まいはすぐ様中村が騒ぎ立てた事を他の乗客に謝罪したのだが、他の乗客達も割り込み女性に迷惑していた様で、サラリーマン風のスーツ姿の男性、主婦のおばさん、唇がやけにデカい女性達が口々に愚痴を言い出したのであった。

 停留所で待っていた全員がバスへ乗り込みバスが走り出した。
 目的地で有る終点のまつかわ市駅に着き、漸く着いたかと呟きながら降りる中村夫妻。
 中村の実家である老舗の呉服問屋は、梅川市駅の直ぐ横に有るまつかわ金地街の中に有る。
 このまつかわ金地商店街は小街道商店街と並んで、まつかわ市を代表する大型アーケード商店街なのである。

『アナタちょっとトイレに行きたいから待っててくれる?』

『そうだな・・・実家まで少し歩かなけりゃならないから俺もついでに行っとくよ。』

 まいは急いで出てきた為トイレにいく暇が無く、市駅までは我満出来た様だがついに限界が来たのか、先にトイレへ行きたいと言い出した。
 まいがトイレに行ってる間、ただまってるのもあれだと思い中村もトイレに行く事にした。

『まいは⋯⋯まだか…』

ーーー数分後ーーー
『お待たせ♪』

『やけに遅かったな。』

『えぇ、ちょっとお化粧のチェックもしたから…』

『だから遅かったのか⋯⋯』

『女の子は身嗜みに気を付けないといけないのよ!』

『はいはい、じゃあ行くか。』

    トイレから出て来た中村が辺りを見渡し、まいがいないことを確認するとトイレ近くのベンチに腰をかけた。
    中村が出てから暫くしてまいが出て来たのを見つけると立ち上がって近寄って行った。
    中村にやや不機嫌そうに遅いなと言われたまいは、文句を言われる前に身嗜みは大切だと宣言した。
    今まで同じ台詞を何度も聞かさせれてきた中村は呆れた様に行くかと言って、2人は金地街の方へと歩きはじめた。

『久しぶりに金地街へ来たけど相変わらず賑やかだな。』

『本当ね、いつきてもここの商店街は人が多いわね♪』

『あそこのラーメン屋人気店なだけ有っていつ見ても行列が出来てるな。』

『本当ね、1度あそこで食べてみたいんだけどいつも並んでるから敬遠してしまうのよ。』

『全くだ。』

『あっ、あんな所にタビオカミルクティーの店が出来てるわ!!いいな~♡』

『あぁ、そう言えばまいはタビオカ好きだったな⋯⋯帰りに買うか?』

『えっ、良いの!?』

『あぁ良いぜ⋯⋯
おや?あの姉ちゃんは⋯⋯』

    金地街は相変わらずの人の多さで中村はうんざりしている様な雰囲気でまいも同感といったような感じだ 。
    あちらこちらと店舗を見ながら歩いて居た中村夫婦は、曲がり角の奥に有る人気ラーメン店を見て驚いていた。

    曲がり角を曲がらずそのまま直進していくと、まいが新しく出来たタビオカミルクティーの店を見つけた。
    まいがタビオカミルクティーを好きな事を知っている中村は、帰りに買って帰るかとまいに聞くとまいはとても嬉しそうに喜んだ。
    中村がタビオカミルクティーの店に目を向けると、どこがで見た事ある女性が店舗前の看板とニラめっこしていた。
    女性をよく見ると唇がとても大きな女性だった。

『アナタどうしたの?』

『いや、あそこで看板を見ている人を前にどこかで見た事ある様な気がしてな…』

『ふうん⋯⋯』

『まあ気のせいだよな、さっさと家に行こうぜ!』

    中村が女性の事を思い出そうとしていると、気になったまいが声をかけた。
    他の女の子の事を考えて居ると聞いたまいは不機嫌そうな顔をしたので、ヤバいと思った中村は考えるのは止めて実家へと急ぐのであった、つづく………
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