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久しぶりの実家
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『ふ~、やっと実家に着いたぜ!』
実家へ帰る為にバスで市駅へとやって来た中村夫妻は、金地街の中を暫く歩き漸くたどり着いたのである
『お~い帰ったぞ~‼』
『ッ!?なんと
大和坊っちゃまに奥様もお帰りなさいませ⋯⋯お懐かしゅうございます…』
『しばらくぶりだなマツ、親父達は居るか?』
『はい、大旦那様、大奥様、若旦那様、若奥様の全員いらっしゃいます、ただいま呼んでまいりますので客間にてお持ちください。』
『悪いな⋯⋯場所はわかってんだから案内は良いから呼んできてくれ。』
『かしこまりました、では失礼します。』
『まい、客間へ行こう!』
『はい、あのそれと…これ宜しければ皆様でお食べ下さい。従業員の皆様の分もありますので。』
『ありがとうございます、後程従業員一同もいただきますね?』
実家へ入った中村に気付いた番頭は、座っていたがすぐ様立ち上がり笑顔で中村とまいを迎え入れる。
中村に父親達は居るかと聞かれた番頭は2人に上がるように伝え、すぐ様中村両親を呼びに行こうとしたのでまいは持って来ていた手土産を番頭に手渡した。
中村はこういった所は無頓着だがまいはシッカリとしている。
『普段のアナタはアレだから忘れてしまうけど義実家に来ると、アナタが良い所のおぼっちゃまだなって再認識されられるわ…』
『うるせぇ!!一言余計だってのほんとにまったく…』
中村達が話してると両親がやって来た。
『大和よ、今日お前が帰って来る日だったか⋯⋯すっかり忘れっちまってたぜ、まいもよく来てくれたね?』
『こんな時じゃ無いとあんたはちっとも帰って来ないからねぇ⋯⋯、そうそうまいちゃん、この間はありがとうね。
おかげで私とても元気になったのよ。』
『いえいえそんなお元気になられて良かったです。それに、私の方こそとても良い着物を貰ってしまってありがとうございました!
少し着てみたのですが着物の柄も私好みでサイズもピッタリでお気に入りなんです♪』
『まぁ、そんなに喜んでくれたのなら嬉しいわ、あの柄は私が選んだのよ?』
『まぁ!!そうでしたのお義母様、センス良いですね!』
中村の両親も交えて話をしていると、少し遅れて中村の兄夫妻が。
『やあ久しぶりだね大和、それにまいちゃんも、元気だったかい? 』
『やっほーまいちゃん、元気してた?大和君は⋯⋯うん、相変わずそうだ(笑)』
『お久しぶりですお義兄様、お義姉様も元気そうでなによりです。
それとお義兄様、私の方が歳下なのですから呼び捨てにして頂いていいのですよ?』
『あら兄は相変わらずだな⋯⋯まい、あら兄は生真面目な性格だから呼び捨てには出来ねぇよ、だろ!?あら兄。』
『そうだね僕には呼び捨てで言えないかな、そうだねじゃあまいちゃんで良いかな?』
『はい、良いですよお義兄様。』
『それとシズ義姉、俺が相変わらずっていったいどういう事だ?』
『そういう所だよ、わからないかな(笑)』
『チッ、それよりシズ義姉とマイは仲良いのか?』
『私とまいちゃんは歳も近いし、RINEでやり取りする程仲が良いんだよ~知らなかったの?(笑)』
『何故か知らんが言う事が一々ムカつくな⋯⋯』
そうこうしているとお手伝いさんがお茶をお茶請けを持ってやって来た。
お茶請けは山吹色のお菓⋯⋯等では無く、めひえの銘菓濃炭羊羹だった。
『失礼します、お茶をお持ちしました。』
『おぉすまんの⋯⋯これは俺の好きな濃炭羊羹だな!』
『はい、こちらまい様から皆様へと頂いたお土産でございます。』
『まいちゃん俺の好物を覚えていてくれたんだな♪』
『えぇ♪勿論です。』
中村達はしばらくの間談笑を続け、一服した後おもむろに中村が話し出した。
『これからまいを連れてジィ様に結婚の報告に行ってくるよ、少し遅くなっちまったけどな。』
『おぉそうか、親父もお前の嫁さんの顔を見たいって言ってたしな⋯⋯いいぞ行ってこい!』
『じゃあちょっと行ってくる、まい行こうぜ?』
『はあ、では行ってきます。』
中村達は実家の近くに寺に眠る祖父の墓へ、暫く来れてなかった謝罪と結婚の報告に行く。
途中で花を購入し寺へと着いた2人は先ずは墓掃除を済ませ、それから枯れた花を買ってきた花と交換して線香を焚きお参りをする。
結婚の報告を済ませた2人は中村の実家へと引き上げるのであった。
実家へ帰った2人は腰を下ろして一息つく。
『ふぅ、ジィ様への報告もすんだし漸く肩の荷がおりたぜ。』
帰ってから束の間、夕飯時になり客間には近所の寿司へ注文した上握りや刺身の盛り合わせ、天ぷら等が用意された。
『ほぅ…こりゃあ美味そうだな、奮発したな親父!』
『まいちゃんがせっかく来てくれてるのに奮発しないでどうするよ!?おめぇはオマケだ!』
『俺はオマケかよ……』
『当たりめぇだろ、おめぇ如きに奮発するかよ‼』
『『『『『あははははは‼』』』』』
豪勢な夕飯に気を良くした中村が父親に奮発したなと声をかけると、中村はオマケだと言い放ち一同の爆笑を誘った。
食事を済ませた後は男性陣3人は居間で酒を飲み酒のアテを摘みながらワイワイ騒ぎ、女性陣3人は台所でお茶とお菓子で世間話に華をさかせていた。
翌朝になり、飲み過ぎた男性陣3人は二日酔いでダウンし、女性陣3人の顰蹙を買っていた。
中村がダウンして動けないのでまいだけ先に何でも屋に帰ろうとしたが、中村母と兄嫁の勧めも有りもう一泊していく事になったのであった。
ーーーー何でも屋ではーーーー
昼飯時に入口の引き戸を引いてガタガタ鳴らしてるひとつの影が有った。
『チッ!!何だよ焼肉弁当が食いたいから買いに来たのに昨日に続いて今日も休みかよ!!』
『クソっ!!』パリーン
『あっ、しまった⋯⋯』
2日続けて焼肉弁当を買いに来た男はイラつき引き戸を蹴り飛ばした。
男は軽く蹴飛ばしたつもりだが勢い余りガラスが割れてしまった。男は驚いて一瞬固まったがすぐ様空き地に停めてる原付バイクの方へと巨体を揺らしながら急ぎ、原付バイクに跨るとすぐ様アクセル回しその場から走り去った。
翌日帰宅した中村達が割れてるガラスに気付き、最初は空き巣かと思ったが店舗も居住スペースも荒らされて居なかった為、悪戯か腹を立てた誰かに割られたのだろうと言う考えに至った。
中村はこんな事をするのは先日元店主を訪れて来た男かと、実際は犯人は違うがあらぬ疑いをかけられた男であった、まる
実家へ帰る為にバスで市駅へとやって来た中村夫妻は、金地街の中を暫く歩き漸くたどり着いたのである
『お~い帰ったぞ~‼』
『ッ!?なんと
大和坊っちゃまに奥様もお帰りなさいませ⋯⋯お懐かしゅうございます…』
『しばらくぶりだなマツ、親父達は居るか?』
『はい、大旦那様、大奥様、若旦那様、若奥様の全員いらっしゃいます、ただいま呼んでまいりますので客間にてお持ちください。』
『悪いな⋯⋯場所はわかってんだから案内は良いから呼んできてくれ。』
『かしこまりました、では失礼します。』
『まい、客間へ行こう!』
『はい、あのそれと…これ宜しければ皆様でお食べ下さい。従業員の皆様の分もありますので。』
『ありがとうございます、後程従業員一同もいただきますね?』
実家へ入った中村に気付いた番頭は、座っていたがすぐ様立ち上がり笑顔で中村とまいを迎え入れる。
中村に父親達は居るかと聞かれた番頭は2人に上がるように伝え、すぐ様中村両親を呼びに行こうとしたのでまいは持って来ていた手土産を番頭に手渡した。
中村はこういった所は無頓着だがまいはシッカリとしている。
『普段のアナタはアレだから忘れてしまうけど義実家に来ると、アナタが良い所のおぼっちゃまだなって再認識されられるわ…』
『うるせぇ!!一言余計だってのほんとにまったく…』
中村達が話してると両親がやって来た。
『大和よ、今日お前が帰って来る日だったか⋯⋯すっかり忘れっちまってたぜ、まいもよく来てくれたね?』
『こんな時じゃ無いとあんたはちっとも帰って来ないからねぇ⋯⋯、そうそうまいちゃん、この間はありがとうね。
おかげで私とても元気になったのよ。』
『いえいえそんなお元気になられて良かったです。それに、私の方こそとても良い着物を貰ってしまってありがとうございました!
少し着てみたのですが着物の柄も私好みでサイズもピッタリでお気に入りなんです♪』
『まぁ、そんなに喜んでくれたのなら嬉しいわ、あの柄は私が選んだのよ?』
『まぁ!!そうでしたのお義母様、センス良いですね!』
中村の両親も交えて話をしていると、少し遅れて中村の兄夫妻が。
『やあ久しぶりだね大和、それにまいちゃんも、元気だったかい? 』
『やっほーまいちゃん、元気してた?大和君は⋯⋯うん、相変わずそうだ(笑)』
『お久しぶりですお義兄様、お義姉様も元気そうでなによりです。
それとお義兄様、私の方が歳下なのですから呼び捨てにして頂いていいのですよ?』
『あら兄は相変わらずだな⋯⋯まい、あら兄は生真面目な性格だから呼び捨てには出来ねぇよ、だろ!?あら兄。』
『そうだね僕には呼び捨てで言えないかな、そうだねじゃあまいちゃんで良いかな?』
『はい、良いですよお義兄様。』
『それとシズ義姉、俺が相変わらずっていったいどういう事だ?』
『そういう所だよ、わからないかな(笑)』
『チッ、それよりシズ義姉とマイは仲良いのか?』
『私とまいちゃんは歳も近いし、RINEでやり取りする程仲が良いんだよ~知らなかったの?(笑)』
『何故か知らんが言う事が一々ムカつくな⋯⋯』
そうこうしているとお手伝いさんがお茶をお茶請けを持ってやって来た。
お茶請けは山吹色のお菓⋯⋯等では無く、めひえの銘菓濃炭羊羹だった。
『失礼します、お茶をお持ちしました。』
『おぉすまんの⋯⋯これは俺の好きな濃炭羊羹だな!』
『はい、こちらまい様から皆様へと頂いたお土産でございます。』
『まいちゃん俺の好物を覚えていてくれたんだな♪』
『えぇ♪勿論です。』
中村達はしばらくの間談笑を続け、一服した後おもむろに中村が話し出した。
『これからまいを連れてジィ様に結婚の報告に行ってくるよ、少し遅くなっちまったけどな。』
『おぉそうか、親父もお前の嫁さんの顔を見たいって言ってたしな⋯⋯いいぞ行ってこい!』
『じゃあちょっと行ってくる、まい行こうぜ?』
『はあ、では行ってきます。』
中村達は実家の近くに寺に眠る祖父の墓へ、暫く来れてなかった謝罪と結婚の報告に行く。
途中で花を購入し寺へと着いた2人は先ずは墓掃除を済ませ、それから枯れた花を買ってきた花と交換して線香を焚きお参りをする。
結婚の報告を済ませた2人は中村の実家へと引き上げるのであった。
実家へ帰った2人は腰を下ろして一息つく。
『ふぅ、ジィ様への報告もすんだし漸く肩の荷がおりたぜ。』
帰ってから束の間、夕飯時になり客間には近所の寿司へ注文した上握りや刺身の盛り合わせ、天ぷら等が用意された。
『ほぅ…こりゃあ美味そうだな、奮発したな親父!』
『まいちゃんがせっかく来てくれてるのに奮発しないでどうするよ!?おめぇはオマケだ!』
『俺はオマケかよ……』
『当たりめぇだろ、おめぇ如きに奮発するかよ‼』
『『『『『あははははは‼』』』』』
豪勢な夕飯に気を良くした中村が父親に奮発したなと声をかけると、中村はオマケだと言い放ち一同の爆笑を誘った。
食事を済ませた後は男性陣3人は居間で酒を飲み酒のアテを摘みながらワイワイ騒ぎ、女性陣3人は台所でお茶とお菓子で世間話に華をさかせていた。
翌朝になり、飲み過ぎた男性陣3人は二日酔いでダウンし、女性陣3人の顰蹙を買っていた。
中村がダウンして動けないのでまいだけ先に何でも屋に帰ろうとしたが、中村母と兄嫁の勧めも有りもう一泊していく事になったのであった。
ーーーー何でも屋ではーーーー
昼飯時に入口の引き戸を引いてガタガタ鳴らしてるひとつの影が有った。
『チッ!!何だよ焼肉弁当が食いたいから買いに来たのに昨日に続いて今日も休みかよ!!』
『クソっ!!』パリーン
『あっ、しまった⋯⋯』
2日続けて焼肉弁当を買いに来た男はイラつき引き戸を蹴り飛ばした。
男は軽く蹴飛ばしたつもりだが勢い余りガラスが割れてしまった。男は驚いて一瞬固まったがすぐ様空き地に停めてる原付バイクの方へと巨体を揺らしながら急ぎ、原付バイクに跨るとすぐ様アクセル回しその場から走り去った。
翌日帰宅した中村達が割れてるガラスに気付き、最初は空き巣かと思ったが店舗も居住スペースも荒らされて居なかった為、悪戯か腹を立てた誰かに割られたのだろうと言う考えに至った。
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