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狙われた元・店主宅
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やあ諸君久しぶり。刑務所へ入れられてまだ数ヶ月の俺だけど、世間で何やらめでたい事が有ったらしく恩赦とやらで釈放されたんだ。
そんな訳で今回もガッツリ盗みに入るぜ!
え?せっかく釈放されたんだから大人しくしていろだって?
嫌なこった、俺は楽して生きていくんだ!!
えっ?何?どうせ入るなら何でも屋に盗みに入れって?
とんでもない、俺はあの店と関わって幾度と無く酷い目に遭ってきだんだ、だから今回は民家に押し入ってやるんだ!!
何故民家なんかに押しいるのかって?
俺は今回とっておきの情報を仕入れたんだ!なんでも聞いた話しでは家の横にデカい蔵を建てて中にお宝をたんまりとしまい込んでるって話だ、しかもその家のある場所が俺が縄張りにしている地域ってんだから盗みに入らない訳にはいかないだろう?
それを今回ゴッソリと頂くすんぽうよ!!
さあ、俺の華麗な姿を見ているがいい!!
ーーー本編スタートーーー
何でも屋近くの住宅街を、頭にはニット帽を被り、口にマスクを付けた男が、肩には花柄のトートバッグをかけいかにも怪しげな風体で歩いていた。
『え~と、この道を真っ直ぐ行って橋を渡り、T字路に突き当たったら左折だな。』
近所のおばちゃん連中にヒソヒソされようが一切気付かずに黙々と目的地に向かって怪しげな男は歩いてゆく。
家族市場を通り過ぎ女子薬局の前まで来ると橋が見えて来た。
そのまま橋を渡り歩を進めT字路へと差しかかる。
『ここを左折だな、確かここまで来たら後もう少しの筈だったな·····』
怪しげな男が暫く歩いていると3人の男女が何やら話しながらやって来た。
(ちっ、あのオッサンめ両手に花で実に羨ましいじゃないか!!)
(しかもあの子可愛いじゃ無いか!?もう1人の方は⋯⋯唇の化け物か)
(しかしあの可愛い方の子はどこかで見たような⋯⋯)
なんて事を思いながら擦れ違う4人、少し進むと1人の男が全速力で走ってきた。
(お~お~、あんなに急いでどこへ行くんだあいつは⋯⋯ん?あいつは確か⋯⋯)
(やはりそうだ、あの店の店主じゃ無いか!!これから一仕事しようって時に縁起の悪い)
怪しげな男が前から走ってきた男を観察をしているとある事に気付いた。以前店へ押し入り何度も痛い目にあった何でも屋の店主である事に。
仕事前に嫌な人物と出会い若干嫌な予感を感じつつも、お宝の山の魅力には勝てずそのまま決行する事にした。
『聞いた話しではこの辺りだと思うだがな⋯⋯
おっ!?あれだあれだ、あんな目立つデカい蔵は他に無いだろう!?』
キョロキョロと目的の家を探しながら歩いていると、ヤケにデカい蔵が見えて来て意気揚々と駆け出した。
『さてと、蔵は後の楽しみとして住居の方からにするか·····
まずは仕事道具のコイツを着けて後は包丁だな⋯⋯よし後は⋯⋯』
怪しげな男は、肩から提げたトートバッグの中からいつも愛用のホッケーマスクを取り出すと顔に着け、次に包丁を取り出すと玄関の引き戸を軽く叩いた。
『ごめんください新聞代の集金に来ました!!』
しーーーん
『ごめんください、居ませんか?』
しーーーん
『ん?留守か?』
新聞屋を装い声をかけるも返事は無く、本当に留守なのかと引き戸に耳を押し付け家の中の生活音を聞こうとする。
『おっ、留守っぽいなラッキー♪
そうとなるとコイツの出番だな⋯⋯』
ガチャガチャガチャ⋯⋯カチャ
『よし開いた、どんなもんだすげぇだろ?(フフン)
この程度の鍵なんかチョチョイのチョイで開いちまうぜ!』
ガラガラガラッ!!ガラガラガラ!!
『ふ~、取り敢えずは一安心だぜ!』
留守なのを確認すると、辺りの様子を伺い誰も居ない事を確認しすぐ様ポケットからピッキングツール取り出す。
そのままピッキングツールを引き戸の鍵穴へを差し入れると1分もたたない内に鍵を開けてしまう。
鍵を素早く開けた事にどこか自慢気なのは置いといて、素早く家の中へと侵入して一息つく。
『さてと、先ずはこっちへ行ってみるか。』
家の構造は玄関を入って左側へ進む廊下と真っ直ぐ進む廊下のL字型になっており、先ずは左へと進む事にし直ぐ近くに有った引き戸を開ける。
ガラガラガラッ!!
『チッここは風呂場か、じゃあこっちはどうだ?』
ギィ~
『ここは風呂で使う物を入れておく収納スペースか。』
風呂場のすぐ横の戸を開くもそこは押入れであり、中はシャンプーやリンス等風呂場で使う物が入ってるだけだった。
続いて男は更に奥に有る戸へと近付いて行った。
『じゃあここはどうだ?』
ギィ~
『うっ、クッセ~⋯⋯誰か出かける直前に糞しやがったな!?いったい何を食ったらこんな臭いになるんだよ!?
つぅか、なんで俺が人の糞の臭いを嗅がなきゃならねぇんだ!!ったく·····』
戸を開けるも残念ながらそこはトイレでどうやら悪臭が立ち込めていたらしい(滝汗)
まあ大抵はトイレと風呂は近くに有るもんだな。
その後も近くに有った戸を開けるもそこは押入れであり、中にはトイレットペーパーが入ってるだけだった。
めぼしい物は何も無くガックリとした男は回れ右をして来た廊下を引き返す。
玄関へと戻って来た男はもう一方の方へ廊下を進み1番最初に現れた戸を開こうとするが⋯⋯
『次はここだな。』
ガタガタガタッ
『ん?ヤケに固いな⋯⋯よし気合いを入れて、ペッペッ
よいしょ!!よいしょ!!よいしょ!!』
ギィ~!!ギィ~!!ギィ~!!
『ふ~、やっと開いたか⋯⋯真っ暗だな·····』
引き戸を開けようとするも非常に硬く、力を入れて何とか開ける事が出来たが部屋の中は窓が無く真っ暗だった。
すると男は迷うことも無く肩に提げているトートバッグへ手を伸ばした。
『チャッ、チャッ、チャッ、チャッ、チャッ、チャッ、チャーーー♪懐中電灯~
⋯⋯⋯⋯
⋯⋯俺は何をやってんだ(汗)』
以前何でも屋へ空き巣に入った時に怪我をした事も有るので、今回男は懐中電灯を用意していたのである。
『オイ解説!!俺が言った事に少しは触れてくれよ恥ずかしいじゃないか!?』
某国民的アニメの赤ダヌキの真似をしながら男は懐中電灯を取り出したが、やってみたものの恥ずかしかったのか耳迄真っ赤だ。
『そうそう、それで良いんだ。』
触れて貰って満足したのか男は部屋の入口から懐中電灯で中を照らして確認する。
『この部屋はタンス等の家具は置いてるけど物は無くやけに小綺麗な部屋だな?』
部屋の中に入った男は近くに有った戸棚をあさり始める。
ガサガサガタッガサガサ
『う~ん特にめぼしい物は無いな·····』
フフッ
『ん?なんだ?』
戸棚を物色していると部屋の中から何か聞こえた様な気がして辺りを懐中電灯で照らす男。
『特に何も無いけどな⋯⋯』
気を取り直した男は隣りに置いてあるタンスを物色し始める。
カタッ
『どこから音が鳴ってるんだ?』
コトッ
『いったい何なんだよ!?
この部屋ヤケに寒いしさっきから変な音ばかり聞こえて気やがって⋯⋯』
男は音を気にして懐中電灯で念入りに辺りを照らし始める。
『ん?あの扉付きの箱はなんだ?』
部屋の隅にタンスや戸棚程の幅は無いのもの高さは同じ位の黒光りしている箱が置かれており、男はその謎の箱の方へと近付いって行った。
『これって仏壇じゃねぇのか?』
フフッ
『ん?うわぁぁぁーーー、何だよこの部屋は壁一面御札だらけじゃねぇかよ!?』
天井近くで声みたいな音が聞こえて懐中電灯を天井付近へと向けると、天井辺りの壁に様々な文字が書かれた御札が大量に貼られていた
男が呆気に取られていると⋯⋯
キィィィィ
『ギャーーー、仏壇の扉が勝手に開いて来た!!』
何もしていないのに独りでに仏壇の扉が開きはじめたので、男は大慌てで部屋から飛び出した!
ガタガタガタ、ギィ
『閉まれ、このっ!!早く閉まりやがれ!!』
ギィッギィッギィ~、バタン!!
『ゼェー、ゼェー、た、助かった~
ハー、ハー、ハー、まさかこの部屋は戸が固いし開かずの間とか言う奴じゃねえだろうな!?』
急いで引き戸を閉めようとするが固い上に焦って思う様に閉められず、渾身の力を振り絞って何とか閉めることが出来た。
引き戸が閉まった事に安堵した男は膝から崩れ落ちその場に座り込んでしまった。
因みにこの部屋は開かずの間等では無く、元店主の趣味の部屋で某国の動く死体を封印する御札⋯⋯等では無く、御札に似せて作られた元店主のお手製である。
部屋の中が寒いのは隙間風が入りその風のせいで変な音が聞こえるのである。
ついでに独りでに開く仏壇は、単に戸が緩く仏壇の前へ立ったら人の重みで凹んだ畳に合わせて仏壇も傾き戸が独りでに開くのである。
引き戸も固いのは建付けが悪いだけで、部屋の中を良く見たら動く死体関連の映画が大量に置かれており、剣や鏡にコスプレ衣装が置かれており、男が盛大に勘違いしだけである。
『さて、次の部屋に行くか⋯⋯昼飯食って無いから腹が減ったな⋯⋯』
男がヨロヨロと立ち上がり廊下を進み次の部屋へと入っていく。
『ここは台所か⋯⋯
おっ!鍋がコンロの上に置かれてるな、丁度良いや俺が食ってやるよ♪
中身は何かな?』
カチャ
『空っぽじゃねぇか!!食い終わってるなら鍋をコンロの上に置いとかずに、洗うなり流し台に置くなりしとけよ!!ったく…』
腹を空かせた男がガスコンロの上に置かれている鍋に目を付け、蓋を開けるも中身は中村夫婦に食べられた後で既に空っぽであった。
『おっ!?コタツの上に籠が置かれてるな⋯⋯ラッキ~♡ミカンゲットだぜ!!』
男が悪態づきながら鍋の蓋を閉め隣りの居間の方を見るとコタツの上に籠が置かれている事に気付き、腹が減っている事もあり駆け寄った。
『何だよ、全部皮だけじゃねぇーか!!ミカンの皮なんか籠に入れとくなよ!?
しかもそこにゴミ箱が有るじゃねぇか、近くにゴミ箱が有るんだから捨てろよ!!ったく·····』
『ん?皿の上にガリンドウが1つだけ残ってるじゃねぇか、取り敢えずこれだけで我慢するか·····』
籠のミカンを掴むも、どれもこれも皮だけで中身が1つも残っていなかった。
言うまでもなく中村の仕業である。
男が視線をずらすと皿の上に1つの黒い物体が有り、それを手に取ると迷う事も無く口へと運ぶ。
『パクッ⋯⋯ん?ブーッ!!
ゲホッゲホッゲホッ、良く見たら動物の糞じゃねーか!!
何で皿の上に糞を置いてるんだよ!!この家の住人は動物の糞を食って生活してんのか!?
ウゲェ~気持ちわり~⋯⋯オェェェ、オェェェ~!!』
一口齧り付き食感がおかしい事に気付いた男が、口に入れた物が何なのかを良く見て動物の糞だと気付き盛大に噴き出した。
そのまま男は何度も嘔吐きながら台所へ口をゆすぎに行く。
どうやら誰かネコがオイタをしたようだ。
『ガラガラガラッ、ペッ!!あ~、気分悪~
家の中に居てもロクな事が無いしそろそろ今回目玉の蔵の方へ行くとするか。』
口をゆすぎ終えた男は台所を後にして玄関へと向かう。
玄関へと辿り着いた男は引き戸を少しだけ開けて周囲の様子を伺い、誰も居ないのを確認すると素早く抜け出して家の横に有る蔵へと向かう。
『え~と、この蔵の鍵は家の方のとは違い電子式か⋯⋯フムフム、数字式じゃ無くて平仮名式のパスワードなのか珍しいな·····
しかし、こんなもの俺にとっては朝飯前だぜ?』
そう言うと男は肩に提げているトートバッグを地面の上に置き、中から白い粉と柔らかそうな毛のハケを取り出した。
白い粉を電子機器の文字盤へポンポンポンと軽くハタキつけ、ハケで優しくはらい落として行くと文字盤の押された部分に指紋が浮き出て来た。
『押してボタンは、く・こ・た・ち・ひ・ら・ると濁点を使った7文字か中々難しいな⋯⋯』
『だるひ』
『らひぐた⋯⋯違うな、う~ん·····』
手馴れた感じで使われた文字のゲットにはこぎつけたが、文字数が多く男も流石に悩んでいる。
『⋯⋯これはもしや、うん間違いないこれならしっくりとくるぞ?』
『た・ら・こ・く・ち・び・る、ピッ!!』
ガチャ
『本当に開きやがった、しかしなんつ~パスワードだよ⋯⋯ 』
奥さんが考えたパスワードを、何とか解いて鍵を開けることに成功した男は蔵の中へと侵入し辺りを物色し始める。
『何だよ、有るのは農具ばかりじゃねぇか!!
ロクな物が入ってないのに家より厳重に施錠するなよ紛らわしい!!』
ギィーッ!!
『えっ⋯⋯?
ギャー、出たーーーーー!!』
蔵のドアが動く音がして振り向き際に懐中電灯を照らした男は絶叫した。
『急に大声出して驚くじゃないか、それに出たーってアタシャ人間だよ!?ほんとうにまったくもう!!』
『ヒ、ヒィーーー、く、来るな化け物·····(ガタガタブルブル)
『失敬なアタシャ人間だって言ってるじゃないか!!ほんとにまったくもう!!』
『た、頼む助けてくれ、俺を食わないでく⋯⋯う~ん⋯⋯⋯⋯』
『やだねぇこの人は!人を化け物と勘違いして気絶してしまったじゃないの!?なんとも失敬な奴じゃないか!』
蔵にやって来たのは奥さんで、男は奥さんの顔を懐中電灯で照らして驚いたのである。
奥さんが声をかけるもパニックに陥った男には届かず、男は腰を抜かしたの後ろへずり下がっていく。
奥さんが更に近付いて行くと命乞いをしながら意識を手放したのである。
勿論ながら男の股の間には水溜まりが出来ていた。
『実に失敬な!!ほんとにまったくもう!!』
奥さんがプリプリ怒りながら蔵から出て来ると、遠くの方でパトカーのサイレンが聞こえており、元店主と中村夫婦が蔵の方へとやって来た。
『何をそんなに怒ってるのかね?』
『それがねぇ聞いておくれよ!!
蔵の中に泥棒が居たんだけど、アタシの顔を見て悲鳴を上げて気を失ってしまったんだよ!?何とも失敬な話だよ!!ほんとにまったくもう!!(怒り心頭)
『ブフォッ!!』
『何か言いたい事でもあるのかねぇ!?』
『い、いや何も無いぜ!?』
奥さんが怒ってる理由を聞いた中村が思わず噴き出したが、奥さんに睨まれ慌てて誤魔化す。
『それでお前は大丈夫なのかね?』
『アタシャ何ともないさ、相手が勝手に気を失っちまったからねぇ。』
そうこうしていると、けたたましい音量のサイレンを鳴らしながらパトカーが数台到着し、辺りには野次馬達が何事かと集まって来た。
パトカーから警察官達が降りてきて野次馬達を含め事情聴取をしはじめた。
事情聴取を進めていくうちに犯人が蔵の中にまだ居ると知ると、刑事と思われる人物が指示を出し数人の制服警察官が蔵の中へ突入した。
『おい!起きろ!!』
『う~ん、俺は恩赦で釈放されたばかりなんだもっとゆっくり寝かせてくれ·····』
『何を寝ぼけているんだ、いいから起きろ!!』
『あれ?ここはどこだ?
確か空き巣に入って⋯⋯で、目の前にお巡りさんが居るって事は⋯⋯(ダラダラ)』
『恩赦で出て来たところ悪いけど、お前また塀の中に逆戻りな。』
『嘘だろ!?そういや、俺はなんでこんな所で⋯⋯あっ、そうだ化け物が出たんだ!!
化け物はどうなったんだお巡りさん!!』
『何を言ってるだ、我々が来た時にはお前1人しか居なかったぞ?』
『おかしいな⋯⋯』
『とにかく現行犯逮捕だ、え~と15時49分容疑者確保!!』
『ちっきしょー!!』
蔵の中で気絶していた犯人は無事逮捕され蔵の外へと出て来た。
外に中村が居る事に気付いた男は思わず叫んでいた。
『あっ、お前は!!ここの関係者か、何だか嫌な予感がしてたんだ!!』
『良いから早く来い!!』
パトカーに男を乗せるとそのまま連れて行ってしまった。
『お前さんあの犯人を知ってるのかね?』
『あんなホッケーマスクを付けた奴なんか知り合いに居ねぇーよ!』
『そりゃそうか、ハッハッハッハッ!』
『冗談キツイぜ·····』
犯人は捕まったものの元店主宅では家の中が荒らされていたこともあり、家の中と蔵の中の両方で指紋採取が始まった。
今回の事件もこれで一件落着、まる
そんな訳で今回もガッツリ盗みに入るぜ!
え?せっかく釈放されたんだから大人しくしていろだって?
嫌なこった、俺は楽して生きていくんだ!!
えっ?何?どうせ入るなら何でも屋に盗みに入れって?
とんでもない、俺はあの店と関わって幾度と無く酷い目に遭ってきだんだ、だから今回は民家に押し入ってやるんだ!!
何故民家なんかに押しいるのかって?
俺は今回とっておきの情報を仕入れたんだ!なんでも聞いた話しでは家の横にデカい蔵を建てて中にお宝をたんまりとしまい込んでるって話だ、しかもその家のある場所が俺が縄張りにしている地域ってんだから盗みに入らない訳にはいかないだろう?
それを今回ゴッソリと頂くすんぽうよ!!
さあ、俺の華麗な姿を見ているがいい!!
ーーー本編スタートーーー
何でも屋近くの住宅街を、頭にはニット帽を被り、口にマスクを付けた男が、肩には花柄のトートバッグをかけいかにも怪しげな風体で歩いていた。
『え~と、この道を真っ直ぐ行って橋を渡り、T字路に突き当たったら左折だな。』
近所のおばちゃん連中にヒソヒソされようが一切気付かずに黙々と目的地に向かって怪しげな男は歩いてゆく。
家族市場を通り過ぎ女子薬局の前まで来ると橋が見えて来た。
そのまま橋を渡り歩を進めT字路へと差しかかる。
『ここを左折だな、確かここまで来たら後もう少しの筈だったな·····』
怪しげな男が暫く歩いていると3人の男女が何やら話しながらやって来た。
(ちっ、あのオッサンめ両手に花で実に羨ましいじゃないか!!)
(しかもあの子可愛いじゃ無いか!?もう1人の方は⋯⋯唇の化け物か)
(しかしあの可愛い方の子はどこかで見たような⋯⋯)
なんて事を思いながら擦れ違う4人、少し進むと1人の男が全速力で走ってきた。
(お~お~、あんなに急いでどこへ行くんだあいつは⋯⋯ん?あいつは確か⋯⋯)
(やはりそうだ、あの店の店主じゃ無いか!!これから一仕事しようって時に縁起の悪い)
怪しげな男が前から走ってきた男を観察をしているとある事に気付いた。以前店へ押し入り何度も痛い目にあった何でも屋の店主である事に。
仕事前に嫌な人物と出会い若干嫌な予感を感じつつも、お宝の山の魅力には勝てずそのまま決行する事にした。
『聞いた話しではこの辺りだと思うだがな⋯⋯
おっ!?あれだあれだ、あんな目立つデカい蔵は他に無いだろう!?』
キョロキョロと目的の家を探しながら歩いていると、ヤケにデカい蔵が見えて来て意気揚々と駆け出した。
『さてと、蔵は後の楽しみとして住居の方からにするか·····
まずは仕事道具のコイツを着けて後は包丁だな⋯⋯よし後は⋯⋯』
怪しげな男は、肩から提げたトートバッグの中からいつも愛用のホッケーマスクを取り出すと顔に着け、次に包丁を取り出すと玄関の引き戸を軽く叩いた。
『ごめんください新聞代の集金に来ました!!』
しーーーん
『ごめんください、居ませんか?』
しーーーん
『ん?留守か?』
新聞屋を装い声をかけるも返事は無く、本当に留守なのかと引き戸に耳を押し付け家の中の生活音を聞こうとする。
『おっ、留守っぽいなラッキー♪
そうとなるとコイツの出番だな⋯⋯』
ガチャガチャガチャ⋯⋯カチャ
『よし開いた、どんなもんだすげぇだろ?(フフン)
この程度の鍵なんかチョチョイのチョイで開いちまうぜ!』
ガラガラガラッ!!ガラガラガラ!!
『ふ~、取り敢えずは一安心だぜ!』
留守なのを確認すると、辺りの様子を伺い誰も居ない事を確認しすぐ様ポケットからピッキングツール取り出す。
そのままピッキングツールを引き戸の鍵穴へを差し入れると1分もたたない内に鍵を開けてしまう。
鍵を素早く開けた事にどこか自慢気なのは置いといて、素早く家の中へと侵入して一息つく。
『さてと、先ずはこっちへ行ってみるか。』
家の構造は玄関を入って左側へ進む廊下と真っ直ぐ進む廊下のL字型になっており、先ずは左へと進む事にし直ぐ近くに有った引き戸を開ける。
ガラガラガラッ!!
『チッここは風呂場か、じゃあこっちはどうだ?』
ギィ~
『ここは風呂で使う物を入れておく収納スペースか。』
風呂場のすぐ横の戸を開くもそこは押入れであり、中はシャンプーやリンス等風呂場で使う物が入ってるだけだった。
続いて男は更に奥に有る戸へと近付いて行った。
『じゃあここはどうだ?』
ギィ~
『うっ、クッセ~⋯⋯誰か出かける直前に糞しやがったな!?いったい何を食ったらこんな臭いになるんだよ!?
つぅか、なんで俺が人の糞の臭いを嗅がなきゃならねぇんだ!!ったく·····』
戸を開けるも残念ながらそこはトイレでどうやら悪臭が立ち込めていたらしい(滝汗)
まあ大抵はトイレと風呂は近くに有るもんだな。
その後も近くに有った戸を開けるもそこは押入れであり、中にはトイレットペーパーが入ってるだけだった。
めぼしい物は何も無くガックリとした男は回れ右をして来た廊下を引き返す。
玄関へと戻って来た男はもう一方の方へ廊下を進み1番最初に現れた戸を開こうとするが⋯⋯
『次はここだな。』
ガタガタガタッ
『ん?ヤケに固いな⋯⋯よし気合いを入れて、ペッペッ
よいしょ!!よいしょ!!よいしょ!!』
ギィ~!!ギィ~!!ギィ~!!
『ふ~、やっと開いたか⋯⋯真っ暗だな·····』
引き戸を開けようとするも非常に硬く、力を入れて何とか開ける事が出来たが部屋の中は窓が無く真っ暗だった。
すると男は迷うことも無く肩に提げているトートバッグへ手を伸ばした。
『チャッ、チャッ、チャッ、チャッ、チャッ、チャッ、チャーーー♪懐中電灯~
⋯⋯⋯⋯
⋯⋯俺は何をやってんだ(汗)』
以前何でも屋へ空き巣に入った時に怪我をした事も有るので、今回男は懐中電灯を用意していたのである。
『オイ解説!!俺が言った事に少しは触れてくれよ恥ずかしいじゃないか!?』
某国民的アニメの赤ダヌキの真似をしながら男は懐中電灯を取り出したが、やってみたものの恥ずかしかったのか耳迄真っ赤だ。
『そうそう、それで良いんだ。』
触れて貰って満足したのか男は部屋の入口から懐中電灯で中を照らして確認する。
『この部屋はタンス等の家具は置いてるけど物は無くやけに小綺麗な部屋だな?』
部屋の中に入った男は近くに有った戸棚をあさり始める。
ガサガサガタッガサガサ
『う~ん特にめぼしい物は無いな·····』
フフッ
『ん?なんだ?』
戸棚を物色していると部屋の中から何か聞こえた様な気がして辺りを懐中電灯で照らす男。
『特に何も無いけどな⋯⋯』
気を取り直した男は隣りに置いてあるタンスを物色し始める。
カタッ
『どこから音が鳴ってるんだ?』
コトッ
『いったい何なんだよ!?
この部屋ヤケに寒いしさっきから変な音ばかり聞こえて気やがって⋯⋯』
男は音を気にして懐中電灯で念入りに辺りを照らし始める。
『ん?あの扉付きの箱はなんだ?』
部屋の隅にタンスや戸棚程の幅は無いのもの高さは同じ位の黒光りしている箱が置かれており、男はその謎の箱の方へと近付いって行った。
『これって仏壇じゃねぇのか?』
フフッ
『ん?うわぁぁぁーーー、何だよこの部屋は壁一面御札だらけじゃねぇかよ!?』
天井近くで声みたいな音が聞こえて懐中電灯を天井付近へと向けると、天井辺りの壁に様々な文字が書かれた御札が大量に貼られていた
男が呆気に取られていると⋯⋯
キィィィィ
『ギャーーー、仏壇の扉が勝手に開いて来た!!』
何もしていないのに独りでに仏壇の扉が開きはじめたので、男は大慌てで部屋から飛び出した!
ガタガタガタ、ギィ
『閉まれ、このっ!!早く閉まりやがれ!!』
ギィッギィッギィ~、バタン!!
『ゼェー、ゼェー、た、助かった~
ハー、ハー、ハー、まさかこの部屋は戸が固いし開かずの間とか言う奴じゃねえだろうな!?』
急いで引き戸を閉めようとするが固い上に焦って思う様に閉められず、渾身の力を振り絞って何とか閉めることが出来た。
引き戸が閉まった事に安堵した男は膝から崩れ落ちその場に座り込んでしまった。
因みにこの部屋は開かずの間等では無く、元店主の趣味の部屋で某国の動く死体を封印する御札⋯⋯等では無く、御札に似せて作られた元店主のお手製である。
部屋の中が寒いのは隙間風が入りその風のせいで変な音が聞こえるのである。
ついでに独りでに開く仏壇は、単に戸が緩く仏壇の前へ立ったら人の重みで凹んだ畳に合わせて仏壇も傾き戸が独りでに開くのである。
引き戸も固いのは建付けが悪いだけで、部屋の中を良く見たら動く死体関連の映画が大量に置かれており、剣や鏡にコスプレ衣装が置かれており、男が盛大に勘違いしだけである。
『さて、次の部屋に行くか⋯⋯昼飯食って無いから腹が減ったな⋯⋯』
男がヨロヨロと立ち上がり廊下を進み次の部屋へと入っていく。
『ここは台所か⋯⋯
おっ!鍋がコンロの上に置かれてるな、丁度良いや俺が食ってやるよ♪
中身は何かな?』
カチャ
『空っぽじゃねぇか!!食い終わってるなら鍋をコンロの上に置いとかずに、洗うなり流し台に置くなりしとけよ!!ったく…』
腹を空かせた男がガスコンロの上に置かれている鍋に目を付け、蓋を開けるも中身は中村夫婦に食べられた後で既に空っぽであった。
『おっ!?コタツの上に籠が置かれてるな⋯⋯ラッキ~♡ミカンゲットだぜ!!』
男が悪態づきながら鍋の蓋を閉め隣りの居間の方を見るとコタツの上に籠が置かれている事に気付き、腹が減っている事もあり駆け寄った。
『何だよ、全部皮だけじゃねぇーか!!ミカンの皮なんか籠に入れとくなよ!?
しかもそこにゴミ箱が有るじゃねぇか、近くにゴミ箱が有るんだから捨てろよ!!ったく·····』
『ん?皿の上にガリンドウが1つだけ残ってるじゃねぇか、取り敢えずこれだけで我慢するか·····』
籠のミカンを掴むも、どれもこれも皮だけで中身が1つも残っていなかった。
言うまでもなく中村の仕業である。
男が視線をずらすと皿の上に1つの黒い物体が有り、それを手に取ると迷う事も無く口へと運ぶ。
『パクッ⋯⋯ん?ブーッ!!
ゲホッゲホッゲホッ、良く見たら動物の糞じゃねーか!!
何で皿の上に糞を置いてるんだよ!!この家の住人は動物の糞を食って生活してんのか!?
ウゲェ~気持ちわり~⋯⋯オェェェ、オェェェ~!!』
一口齧り付き食感がおかしい事に気付いた男が、口に入れた物が何なのかを良く見て動物の糞だと気付き盛大に噴き出した。
そのまま男は何度も嘔吐きながら台所へ口をゆすぎに行く。
どうやら誰かネコがオイタをしたようだ。
『ガラガラガラッ、ペッ!!あ~、気分悪~
家の中に居てもロクな事が無いしそろそろ今回目玉の蔵の方へ行くとするか。』
口をゆすぎ終えた男は台所を後にして玄関へと向かう。
玄関へと辿り着いた男は引き戸を少しだけ開けて周囲の様子を伺い、誰も居ないのを確認すると素早く抜け出して家の横に有る蔵へと向かう。
『え~と、この蔵の鍵は家の方のとは違い電子式か⋯⋯フムフム、数字式じゃ無くて平仮名式のパスワードなのか珍しいな·····
しかし、こんなもの俺にとっては朝飯前だぜ?』
そう言うと男は肩に提げているトートバッグを地面の上に置き、中から白い粉と柔らかそうな毛のハケを取り出した。
白い粉を電子機器の文字盤へポンポンポンと軽くハタキつけ、ハケで優しくはらい落として行くと文字盤の押された部分に指紋が浮き出て来た。
『押してボタンは、く・こ・た・ち・ひ・ら・ると濁点を使った7文字か中々難しいな⋯⋯』
『だるひ』
『らひぐた⋯⋯違うな、う~ん·····』
手馴れた感じで使われた文字のゲットにはこぎつけたが、文字数が多く男も流石に悩んでいる。
『⋯⋯これはもしや、うん間違いないこれならしっくりとくるぞ?』
『た・ら・こ・く・ち・び・る、ピッ!!』
ガチャ
『本当に開きやがった、しかしなんつ~パスワードだよ⋯⋯ 』
奥さんが考えたパスワードを、何とか解いて鍵を開けることに成功した男は蔵の中へと侵入し辺りを物色し始める。
『何だよ、有るのは農具ばかりじゃねぇか!!
ロクな物が入ってないのに家より厳重に施錠するなよ紛らわしい!!』
ギィーッ!!
『えっ⋯⋯?
ギャー、出たーーーーー!!』
蔵のドアが動く音がして振り向き際に懐中電灯を照らした男は絶叫した。
『急に大声出して驚くじゃないか、それに出たーってアタシャ人間だよ!?ほんとうにまったくもう!!』
『ヒ、ヒィーーー、く、来るな化け物·····(ガタガタブルブル)
『失敬なアタシャ人間だって言ってるじゃないか!!ほんとにまったくもう!!』
『た、頼む助けてくれ、俺を食わないでく⋯⋯う~ん⋯⋯⋯⋯』
『やだねぇこの人は!人を化け物と勘違いして気絶してしまったじゃないの!?なんとも失敬な奴じゃないか!』
蔵にやって来たのは奥さんで、男は奥さんの顔を懐中電灯で照らして驚いたのである。
奥さんが声をかけるもパニックに陥った男には届かず、男は腰を抜かしたの後ろへずり下がっていく。
奥さんが更に近付いて行くと命乞いをしながら意識を手放したのである。
勿論ながら男の股の間には水溜まりが出来ていた。
『実に失敬な!!ほんとにまったくもう!!』
奥さんがプリプリ怒りながら蔵から出て来ると、遠くの方でパトカーのサイレンが聞こえており、元店主と中村夫婦が蔵の方へとやって来た。
『何をそんなに怒ってるのかね?』
『それがねぇ聞いておくれよ!!
蔵の中に泥棒が居たんだけど、アタシの顔を見て悲鳴を上げて気を失ってしまったんだよ!?何とも失敬な話だよ!!ほんとにまったくもう!!(怒り心頭)
『ブフォッ!!』
『何か言いたい事でもあるのかねぇ!?』
『い、いや何も無いぜ!?』
奥さんが怒ってる理由を聞いた中村が思わず噴き出したが、奥さんに睨まれ慌てて誤魔化す。
『それでお前は大丈夫なのかね?』
『アタシャ何ともないさ、相手が勝手に気を失っちまったからねぇ。』
そうこうしていると、けたたましい音量のサイレンを鳴らしながらパトカーが数台到着し、辺りには野次馬達が何事かと集まって来た。
パトカーから警察官達が降りてきて野次馬達を含め事情聴取をしはじめた。
事情聴取を進めていくうちに犯人が蔵の中にまだ居ると知ると、刑事と思われる人物が指示を出し数人の制服警察官が蔵の中へ突入した。
『おい!起きろ!!』
『う~ん、俺は恩赦で釈放されたばかりなんだもっとゆっくり寝かせてくれ·····』
『何を寝ぼけているんだ、いいから起きろ!!』
『あれ?ここはどこだ?
確か空き巣に入って⋯⋯で、目の前にお巡りさんが居るって事は⋯⋯(ダラダラ)』
『恩赦で出て来たところ悪いけど、お前また塀の中に逆戻りな。』
『嘘だろ!?そういや、俺はなんでこんな所で⋯⋯あっ、そうだ化け物が出たんだ!!
化け物はどうなったんだお巡りさん!!』
『何を言ってるだ、我々が来た時にはお前1人しか居なかったぞ?』
『おかしいな⋯⋯』
『とにかく現行犯逮捕だ、え~と15時49分容疑者確保!!』
『ちっきしょー!!』
蔵の中で気絶していた犯人は無事逮捕され蔵の外へと出て来た。
外に中村が居る事に気付いた男は思わず叫んでいた。
『あっ、お前は!!ここの関係者か、何だか嫌な予感がしてたんだ!!』
『良いから早く来い!!』
パトカーに男を乗せるとそのまま連れて行ってしまった。
『お前さんあの犯人を知ってるのかね?』
『あんなホッケーマスクを付けた奴なんか知り合いに居ねぇーよ!』
『そりゃそうか、ハッハッハッハッ!』
『冗談キツイぜ·····』
犯人は捕まったものの元店主宅では家の中が荒らされていたこともあり、家の中と蔵の中の両方で指紋採取が始まった。
今回の事件もこれで一件落着、まる
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