新☆何でも屋

みのる

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巷で話題の人気店に敵情視察に行く中村

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ーーーまいがバラのデパートへと偵察に行った数日前ーーー

    寒波が襲った数日後、今度は春の様な陽気が訪れていた。

『今年の冬はいったいどうなってるんだ!?つい先日は凍える程寒かった癖に今日は若干暑いくらいじゃねぇか、ほんとにまったく·····』

『アナタ寒いの嫌いだから良いじゃないの。』

『まぁそうなんだけどさ、急に変化し過ぎだろっての!』

    中村は朝っぱらから気温の寒暖差についてブツブツと文句を言ってる。


『気温の事は一旦置いといて、そろそろ行ってくるからまい、店番頼んだぞ!』

『はぁい、アナタの方こそしっかりと視察して来てよね?行ってらしゃい♪』

『あぁ行ってくる。』

     珍しく中村が出かけようとしているのだが、どこへ行くのかと言うと何でも屋の客が少ない為少しでも客を増えたらいいな♡と、浅はかな考えで地元の繁盛店へ偵察に行くのである。
    舞に店番を頼むといざ出陣である。

『次のバスまでまだ十分ほど有るな·····』

    近所のバス亭へとやってきた中村はバスの来る時間を確認し椅子へ腰を降ろす。
    バスを待ちはじめてから十分を少し過ぎた頃、漸くバスがやって来た。
    中村を乗せたバスは市の中心部に有る市駅へと向かい走りはじめる。
    道中に幾つかのバス停を経由しバスが終点の市駅に到着
すると、中村はバスから颯爽と降りさり駅ビルである某バラのデパートの中へと入ってゆく。

『え~と確か西遅フットは7階だったな?』

    中村は記憶を頼りにエスカレーターを乗り継ぎ西遅フットがある階へと向かう。
    目的地の7階へと到着すると他の店舗には脇目も振らずに西遅フットへと入店する。

『いらっしゃいませ~♪』

『チッ、やけに客が多いな!?で肝心の商品は⋯⋯⋯
ふ~ん雑貨類はそれなりに有るみたいだけどそれ以外はな⋯⋯⋯⋯』

    店舗へ入って中村が偵察の為に辺りを見渡して見ると、何でも屋とは違い客が所狭しとひしめき合っていた。

『お~い姉ちゃん、ちょっと聞きたいんだけどさ?』

『あ、はいなんでしょうか?』

『カカシはどこに置いてあるんだ?』

『え!?カ、カカシですか!?』

『あぁカカシだ!』

『申し訳有りませんが当店ではカカシの取り扱いはございませんが⋯⋯⋯⋯』

    中村がブツブツ言いながら店舗を散策し、近くで商品の品出しをしている店員を捕まえカカシがどこに置かれているのか聞いた。
    店員も予想外の商品の置き場所を聞かれ思わず困惑するが、直ぐに平常心を取り戻し丁寧に案内をし始めた。

『じゃあ入れ歯置いてるか?』

『申し訳ありませんが·····入れ歯も取り扱いはしておりません。』

『さっきから聞いてりゃロクに探しもせずに、無い無いと言いやがって!!
本当に無いのか探してから言いやがれってんだ!!』

『大変申し訳ございません、それとお言葉を返すようですが当店は雑貨屋でございまして探すまでも無くカカシや入れ歯は取り扱っていないのです。』
(普通どこの店に行っても置いてねーよそんなの)

『チッ、品揃えの悪い店だな·····』

『申し訳ございません、これに懲りずまた次回もご来店くださいませ。』
(どこの店に行くべきかよく考えてから来やがれ!!もう2度と来るなよ!?)

    中村の言いたい放題な態度に、丁寧に案内してくれている店員さんも遂には青筋を立てていた。
    店員さんよ、あんたの言いたい事はよくわかるぞ?
    西遅フットを後にした中村はブツブツと呟いていた。

『う~ん、実に不思議だ·····あんな品揃えの悪い店が何であんなに流行ってんだ?(謎)』

    中村よ店ってのは品揃えも大切だが、他にも大切な事も有るぞ?例えば、店員の態度とか、あるいは店員の態度とか、若しくは店員の⋯⋯⋯⋯(以下略)

『さて次は金地街のタビオカ店か!』

    そう呟くと中村はエスカレーターへと真っ直ぐに向かった。
    エスカレーターを乗り継ぎ1階に辿り着くと中村は何の迷いも無くバラのデパートを後にした。
    バラのデパートから出た中村はそのまま右折し金地街へと入って行く。

『確かこの辺りだったと思うんだがな⋯⋯⋯⋯お、あったあった♪
チッ、ここも相変わらず繁盛してやがるぜ·····

去年来た時は舞だけ飲んで結局俺は飲まなかったからな、こんな事なら飲んどけば良かったぜ·····(悔)』

    今巷で話題のタビオカドリンクの店に到着した中村は、女の子だらけの行列へ恥ずかしがるでもなく平気な顔をして並んだ。
    相変わらず中村は動じないな、作者なら恥ずかしくて絶対に並べないぞ?
    並び初めてから40分ほど経過した頃·····

『いらっしゃいませ、ご注文はお決まりでしょうか?』

『漸く順番が来たけど混みすぎだっての!!ほんとにまったく·····
え~と、パイン味のLを1つくれ。』

『パイン味のLをお1つですね?870円です♪』

『げっ!!870円もするのかよ!?
チッしょうがねぇ、ほらよ870円!』

『ありがとうございます、こちらが商品となります♪
ありがとうございました~』

    長い事並んで漸くタビオカドリンクを購入出来た中村は列から外れると早速飲み始めた。

『う~ん、不味くは無いがはっきり言ってオッサンが出す紅茶やココアの方が遥かにうめぇじゃねぇか!?
⋯⋯⋯⋯これが870円かぁ、おっさんのは激安だったしぼったくりじゃねぇのかこれ?』

    とりあえず飲んだものの、どうやら元店主が出してくれた飲み物の方が美味しかったらしく、なんだか微妙な感じで帰路に着く中村であった。

『ただいま~』

『あらお帰りなさい、思ったより早かったわね?』

『まあな、店の様子を探っただけだし?』

『で、どんな感じだったの?』

『まず、西遅フットだけど·····あの店は品揃えが悪くてあれじゃダメだな!!
次にタビオカ店だけど、はっきり言ってオッサンの出すココアの方が安くて美味いぜ、ありゃぁぼったくりだな!』

『で、どうすれば流行るか参考になったの?』

『なんの事だ?』

『え?店を流行らすために偵察に行ったんじゃ無かったの?』

『え?』

『え?』

『⋯⋯⋯⋯俺ァ何をしに行ったんだ?』

『知らないわよ!!ほんとにもう!
アナタじゃアテにならないから土曜日に私が偵察に行ってくるわ!(御立腹)』

『⋯⋯⋯⋯ごめん·····』

    何をしに行ったのかわからない中村であった、まる
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