貴方は私の所有物♡

新入社員配属の日

僕は4月1日より、某商社の新入社員として起用された。
規模はそこそこ普通くらいのとある支店に配属。

『本日からこちらでお世話になる「遥   奏吒はるか   かなた」と申します！あの……よろしくお願い致します！』

僕の同期は1人、なんだか可愛らしい感じの女の子。
僕のこころはその……何処か儚げな一面を持った、モロ僕好みな彼女に一目会った瞬間に奪われた。

『わたしは「井ノ口  伽夜いのくち  とよ」と申します。何卒よろしくお願い申し上げます』

………ほら、言葉遣いも美しいだろう？

その時から……何処かから絡みつくような視線を感じるようになった。


『私が、貴方の教育係を三ヶ月任された「日向  桃香ひなた  ももか」です。……どうぞヨロシク♡』

先輩のかける真紅の縁の眼鏡が光った。髪を少し明るく染めた、ロングヘアを纏めた日向先輩。
 
『こちらこそ！よろしくお願いします。色々と……勉強させていただきます』

そういう僕を、日向先輩はまるで品定めをするような目でじろじろと見つめてきた。

「………気に入ったわ………」

？？？日向先輩が、何か呟いてたようだが…僕の耳には届かなかった。

井ノ口さんにも三ヶ月の教育係の先輩が付くみたいだ。……僕としては、色々と気になるのが……その相手の先輩が男だと言う事である。

『三ヶ月間、君の教育係を担当する「関谷   大和せきや  やまと」だ。よろしく♪井ノ口さん』

関谷は井ノ口さんにニッコリと微笑みかけた。


僕の”男の勘“が働いた。”この男……なんかヤバい“

案の定、井ノ口さんもなんか嬉しそうだ。何故ならば、関谷は実に女の子ウケしそうな面ツラをしているからだ。


”ーどうか、此処での生活が平穏なものでありますようにー“
僕の祈りも虚しく……………