貴方は私の所有物♡

みのる

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ーその後の職場ー

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『はぁ…………』

僕は軽くため息を1つ吐いた。
これから楽しい昼メシ♪……なハズなのだが、アレ以来…僕の気持ちは浮かないままであった。
まぁ、こうしていても昼休みは刻一刻と失われるだけであるので…持参した弁当をノロノロと開く。

我が職場では12時から1時間、全員で一斉に休憩をとる。
従って……関谷や井ノ口さん、そして………誰よりも僕が今一番顔を合わせづらい日向先輩も、何処かで休憩をとっている……(ハズ)。

何処か外に出るのももちろん自由である。
僕が何故此処、職場の食堂でしかも持参した弁当を広げてるのか?
……そんなん、”節約“の2文字の為では無いか⁉
(遥、家の金銭管理も任されている)

『……いただきます。(合掌)』

さあこれから!弁当に彩に入れた人参から食らおうとしていた時に‼(もちろん遥作)……一番会いたくない人が食堂に現れたのだ。

昼間の食堂は結構人で溢れている。此処で提供している(※有料)食事が美味いからである。
食堂のオバチャン達とも僕は顔なじみである。
(オバチャンの食事はいただいた事は皆無だが)
常に食堂で弁当食ってるからだな。
(実は遥、「小柄で素直でカワイイ♡」とこの食堂のオバチャン達の間で影のアイドルとして崇められている)

という訳で、席はほぼ満席状態。が奇跡的に(?)僕の向かいの席のみ空いているのである。
なのでどうなるかは皆さんお察しの通りである。(合掌)

『……ココ、空いてるわよね?』

むしろ此処しか空いてないから……当然そうなりますよね?
僕は前の席に渡って広げていた弁当を僕の席へと引き寄せた、

『どどど………どうぞ……』

緊張感MAXで声も思わずうわずる。

「…失礼するわね……」

彼女は小さく呟くと、僕の向かいの席に腰掛けた。
美味しそうな野菜ちゃんぽんの香りがそこら中立ち込めている。
彼女の昼メシはここの食堂のNo.1の野菜ちゃんぽんらしい。

僕は俯いて弁当を胃袋におさめる。こころなしか、食べるペースも早くなる。
………アレから先輩とは仕事以外、一言も交わしていない。
僕があんな事を言ったからだ。
でもそれは、僕が女々しく井ノ口さんへの想いを引きずってるからではない。

『………ごちそうさまでした…(合掌)』

互いに無言のまま、昼メシの時間が過ぎていった。
先輩からも僕に話しかけて来なくなったのは…さすがに僕の事が嫌いになったのだろうな……
僕は手早く弁当を片付ける。そして持参した紙袋に入れると、

『……じ、じゃあ……お先に……』

早々と席を立って食堂を後にした。


『……………………………………………』

あんなに!速攻で去って行く事無いのに……
けれども、あんな事があって彼が食事後もその場に残って、私と世間話でも出来るような性分だとでもいうのか?
そうでないのはあの分かりやすい単純な性格の彼と3ヶ月も一緒に居た私だから!良く分かってる事である。

……でもここ何日もそんな状態が続いて、私のこころを支配するこの空虚感は何なのであろう。
大好きな野菜ちゃんぽんの味も…良く分からぬままに終わってしまった。
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