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22話 新たなステージ

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「大地の力よ、我が手に宿れ。土壁の嵐、グラウンド・アバランチーー!」 

 リンダがクロスした腕を広げながら呪文を唱える。すると、小さな土壁が数多く現れ、ソフィアに向かって放たれた。この作戦で彼女の動きを止め、チャンスを狙っている。相手は素早いけれど、今は魔法剣を禁止されてるただの剣士だ。それならば十分に対抗できる。
「くそっ、土だらけがウザいねん!」
 ソフィアは巧みに迫りくる土壁をかわしながら距離を詰めようとする。しかし、うまく前進できないようだ。さらにリンダが追加攻撃を繰り出した。

「敵を襲い、撃てぇ! ブーメラン・ストーム!」

 魔法ステッキを二つに分割し、ブーメランの形に変えて強く投げつけた。回転しながら迫るブーメランにソフィアは必死に木刀を交えるが、それが精一杯だ。その間隙かんげきを突いてリンダが彼女に近づいた。
「あんっ、いつの間に!?」
 ブーメランを元に戻し、魔法ステッキを上段から振り下ろす。しかし、彼女も素早く応戦する。ガキッガキッと鈍い音が続き、激しい攻防戦が繰り広げられた。その衝撃音は園庭に響き渡り、観戦する生徒たちも息をのんで見守っている。ヒス女史やクラスメートたちは、興奮と期待に満ちた表情で二人を応援していた。この熱い闘いは、単なる進級テストを超えたものとなっている。

 打ち合いになると劣勢なリンダは、息を切らせながら土壁を放ち、「今だ!」と叫び勝負に出た。

「肉体と魂よ、強靭なものとなり、力を我に授けよ! 念力魔法、ストロングボディ!」

 その瞬間、彼女の身体から輝かしい光が放たれた。体力が持たないため時間は限られている。土壁を投げつつソフィアを牽制、そして魔法ステッキが光の残像と共に円を描いた。
「はっ!?」
「この勝負、私の勝ちです!」
 強烈なエネルギーを込めた渾身の一撃を放った。リンダのステッキが彼女の木刀を吹き飛ばしたのだ。ソフィアは唖然としており、何が起こったのか理解が追いつかず、その場で動けなくなってしまう。

「それまでっ!」と、ヒス女史が二人の間に入り、ストップがかかった。
「え、ええっ! うちが負けた? 信じらへんわ!」
 彼女の表情は驚きに満ちていたが、やがて落ち着きを取り戻した。
「君ら、ほんまに成長したな。ええ練習相手が見つかったさかいに、今日はこれくらいで許したるわ~」
「何でやねん! せやけどハンデもらってたからな~」
 リンダとソフィアは微笑んだ。そしてリックも歩み寄ってくる。
「まったくだ。僕も油断してた。今回は負けを認めるよ」
 園庭に響く拍手と歓声に包まれながら、リンダとソフィア、そしてあたしとリックは互いに手を取り合い、握手を交わした。

「おめでとう! 合格ね。今日からお前たちは中級クラスよ! ビシビシ行くから!」

 ヒス女史の宣言でこの進級テストの戦いは幕を閉じた。あたしたちにとって大きな成長の証となり、新たなステージへの一歩となったのだ。




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