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第1章 ざまぁがしたいっ!!
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「はい?」
「引き取る」と言う王子様の言葉の意味が分からない御主人様は、キョトンとしながらわたくしを横目でチラ見されました。
「まあ…ありがたいです。王子様」
わたくしの罪を問わないなんて寛大すぎです。そして王子様のお考えをこう解釈しました。つまり、婚約破棄が整った御礼とでも言うのでしょうか、わたくしを公爵家から王子様専属の使用人として、お使いになると言うお話でしょうね。
あーあ、これで、やっと馬鹿女から解放されるんだ! 解放されるんだよーー!!
「ポピーを…ですか?」
「そうだ。シュルケン公爵家の養女にした上で、改めて僕のフィアンセになってもらう」
「な、な、な、なんと⁈ 正気でございますか⁈ 王子⁈」
え? 浮かれてよく聞こえなかった。何て?
「それなら皇族との縁はこれまでと変わらないだろ?」
「い、いや…しかし」
だから、何のお話よ⁈
「彼女は紛れもなく貴族院を首席で卒業した優秀な女性だ。そして社交ダンスも素晴らしい成果を挙げている。そもそも彼女は伯爵家の出身、僕のフィアンセとしてこれ以上の淑女はいないと思ってるのだが?」
えーーーーーーっ? 何だってーーーーっ⁈
「その旨、陛下には…?」
「これからご報告するつもりだ」
ち、ち、ちょっと…?
余りにも突拍子のない王子様の発言に、御主人様は床にへたり込んでしまった。どう判断して良いものなのかお悩みになられてるご様子…。でも、よくよく考えてみると然程悪い提案ではないと気がつかれたみたいだ。この大失態を馬鹿女の貴族院除名だけで済まされる。わたくしを養女にするのは抵抗あるけれど、シェリーの代わりに嫁がせれば皇室との縁戚は叶うからだ。
つか、待って! 御主人様のココロの葛藤なんかどうでもいいわ! それより何でわたくしが? 何で王子様のフィアンセになるの? わたくし、使用人ですわよ? 根本的に理解出来ません!!
「王子様、突然そんな恐れ多いお話をされて、困惑しかありません! 辞退させてください!」
「ポピー、お前に拒否権はない」
「ご、御主人様?」
「御主人様ではない。お父様だろ、ポピー?」
いやいや、早いって?
「王子、その提案謹んでお受け致します。直ぐにでも養女の手続きに入らせて頂きます。何卒、陛下に宜しくお伝えください」
王子様は満足そうに頷かれた。そしてわたくしに微笑みを向けてこられる。
「ポピー、君の身柄を引き取るとはそう言う事だ」
「……」
意味分かんない。声も出ないわ。何でこうなるのか誰か教えて欲しいよ…。ったく。
唖然として床にへたり込んでいたらジャック様に手を引かれた。そして彼はオーケストラに向かって指を鳴らす。すると直ぐに軽やかなリズムが会館へ広がっていった。
「我が妹よ、まだ僕とダンスしてないよな?」
ジャック様まで妹とか仰って? それにそんな気分ではございません。この状態でよく踊ろうなどと言えますわねっ⁈
わたくしの気持ちだけを置き去りにされ、強引にダンスに興じる羽目になった。馬鹿女の断罪も吹き飛ばすお祝いムードの卒業パーティーへと雰囲気が変わり違和感を感じざるを得ない。とても笑顔になれる気がしない。わたくしは馬鹿女の『ざまぁ』さえ遂行されれば満足だったのだ。何故? 何故こうなった? ココロの中で何度も問いかけた…。
「引き取る」と言う王子様の言葉の意味が分からない御主人様は、キョトンとしながらわたくしを横目でチラ見されました。
「まあ…ありがたいです。王子様」
わたくしの罪を問わないなんて寛大すぎです。そして王子様のお考えをこう解釈しました。つまり、婚約破棄が整った御礼とでも言うのでしょうか、わたくしを公爵家から王子様専属の使用人として、お使いになると言うお話でしょうね。
あーあ、これで、やっと馬鹿女から解放されるんだ! 解放されるんだよーー!!
「ポピーを…ですか?」
「そうだ。シュルケン公爵家の養女にした上で、改めて僕のフィアンセになってもらう」
「な、な、な、なんと⁈ 正気でございますか⁈ 王子⁈」
え? 浮かれてよく聞こえなかった。何て?
「それなら皇族との縁はこれまでと変わらないだろ?」
「い、いや…しかし」
だから、何のお話よ⁈
「彼女は紛れもなく貴族院を首席で卒業した優秀な女性だ。そして社交ダンスも素晴らしい成果を挙げている。そもそも彼女は伯爵家の出身、僕のフィアンセとしてこれ以上の淑女はいないと思ってるのだが?」
えーーーーーーっ? 何だってーーーーっ⁈
「その旨、陛下には…?」
「これからご報告するつもりだ」
ち、ち、ちょっと…?
余りにも突拍子のない王子様の発言に、御主人様は床にへたり込んでしまった。どう判断して良いものなのかお悩みになられてるご様子…。でも、よくよく考えてみると然程悪い提案ではないと気がつかれたみたいだ。この大失態を馬鹿女の貴族院除名だけで済まされる。わたくしを養女にするのは抵抗あるけれど、シェリーの代わりに嫁がせれば皇室との縁戚は叶うからだ。
つか、待って! 御主人様のココロの葛藤なんかどうでもいいわ! それより何でわたくしが? 何で王子様のフィアンセになるの? わたくし、使用人ですわよ? 根本的に理解出来ません!!
「王子様、突然そんな恐れ多いお話をされて、困惑しかありません! 辞退させてください!」
「ポピー、お前に拒否権はない」
「ご、御主人様?」
「御主人様ではない。お父様だろ、ポピー?」
いやいや、早いって?
「王子、その提案謹んでお受け致します。直ぐにでも養女の手続きに入らせて頂きます。何卒、陛下に宜しくお伝えください」
王子様は満足そうに頷かれた。そしてわたくしに微笑みを向けてこられる。
「ポピー、君の身柄を引き取るとはそう言う事だ」
「……」
意味分かんない。声も出ないわ。何でこうなるのか誰か教えて欲しいよ…。ったく。
唖然として床にへたり込んでいたらジャック様に手を引かれた。そして彼はオーケストラに向かって指を鳴らす。すると直ぐに軽やかなリズムが会館へ広がっていった。
「我が妹よ、まだ僕とダンスしてないよな?」
ジャック様まで妹とか仰って? それにそんな気分ではございません。この状態でよく踊ろうなどと言えますわねっ⁈
わたくしの気持ちだけを置き去りにされ、強引にダンスに興じる羽目になった。馬鹿女の断罪も吹き飛ばすお祝いムードの卒業パーティーへと雰囲気が変わり違和感を感じざるを得ない。とても笑顔になれる気がしない。わたくしは馬鹿女の『ざまぁ』さえ遂行されれば満足だったのだ。何故? 何故こうなった? ココロの中で何度も問いかけた…。
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