婚約破棄された悪役令嬢は、階段から突き落とされ記憶を失う。気がつけば召使いに〜。

鼻血の親分

文字の大きさ
23 / 25

第23話 な、な、何ですってーーーっ!!

しおりを挟む
 あっ、あ、あれは国王陛下……! 陛下がおいでになられたわ! な、何ということでしょう!


 国王陛下がこのような私的なパーティーへお出ましになられるなんて聞いたことがない。会場に居る全ての人々が驚きとともに片膝ついて礼を執った。勿論わたくしもそれに習う。

「こ、これは陛下、私どものパーティーへお越し頂くとは恐悦至極でございます。先程の発言、少々行き過ぎましたこと、お詫び申し上げます」
「シンクリア。お前とモモシャリーの婚約を国王として認めよう」
「あ、ありがとうございます!」

 その瞬間、モモシャリーは後ろへ振り返り、わたくしに勝ち誇った表情をみせた。わたくしは余裕の笑みで応戦したものの、複雑な心境になる。

 ああ、いくら騎士団を味方に粋がっていても相手は次期国王と次期王妃なのね。悔しいけどこれが現実なのか……。

「それからこの場を借りて、皆の者に話さなければならないことがある」
「陛下、何でございましょう?」
「うむ、ルイ公爵のことだが……」
「ルイ家は隣国へ追放となってますが?」
「ルイは私の密命で隣国へ赴任させていたのだ。内戦の仲裁でな。そして見事、戦争を終結させることに成功した。流石は我が国の筆頭公爵家である」
「えっ⁈ ルイ家は汚職したんでしょう?」
「汚職などしておらん。誰かが勝手に金塊を送りつけただけで、直ぐに私に報告があったのだ」
「そ、そんな……」
「お前が勝手に追放と思っていただけ……ではないのか?」

 シンクリア王子に焦りの色が見える。

「そして、ゼアス公爵は……」

 モモシャリーは王子と婚約することで何か特別な地位でも頂けると思ったのか、期待しながら陛下のお言葉を聴き入ってる。 

 ところが、

「ゼアスは不正に財産を蓄えこの国を大いに乱した。よって公爵位を剥奪の上、国外へ追放することに処する!」
「……なっ、何と仰せられますか⁈ 陛下⁈」
「ま、まさか……!」
「この宮殿でも残念ながら不特定多数の貴族へ金塊を送りつけ、政治の独占と堕落をもたらしていたのだ。私はルイ家を陥れようとしたゼアスを許さない」

 なるほど、ゼアスのはかりごとが上手くいったと王子は勘違いしてたわけね。と言うことは王子もグルだったのか。

 それにしても陛下? ここで公開処刑する気なの⁈ あらー、モモシャリーのお顔が凍りついてるわ。うふふ。

「よって、お前らの結婚は認めるが、この国から即刻出て行って貰おう」
「お、お待ちください! 私も国外追放ですか⁈ いいのですか⁈ 王位継承者が不在になれば国は乱れます。どうかお考え直しをお願い申し上げます!」
「シンクリア、お前も金塊を貰っているだろう⁈」
「あっ……い、いや、あれは」
「お前に国王は継がせない」
「くっ……では、誰が、誰が居るんですか⁈ ……ハッ、まさか行方不明の第2王子ですか⁈ そんなの信じられない。何処の誰かも知らない男にこの国を託すなんて、どうかしていますよ!」
「ん? お前もよく知ってる男だが? この際、皆の者に紹介しとこう。我が第2王子は……」

 え、誰、誰、誰、誰なのよ⁈

「──タカフミィーニだ!」

 な、な、何ですってーーーっ⁈⁈ タカフミィーニさまが王子⁈ まさかの隠し子なの⁈

 会場に居る貴族、騎士団、召使い全員が驚きのあまり声が出ない。そして視線はタカフミィーニさまに注がれていく。

 タカフミィーニさまは、スッとお立ちになられた。

「お前に次の国王を継承する。この腐りかけた国を元通りにするのだ」
「国王陛下、謹んでお受け致します。つきましては私からお願いがございます」

 ちょ、ちょっと待って! 待ってよ! この展開についていけないよっ! わたくしを置いてけぼりにしないでー!

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

終わりから始まる恋――冷徹公爵に婚約破棄された令嬢は、愛されすぎて逃げられません!

nacat
恋愛
婚約者である公爵に公衆の面前で婚約破棄を宣言された伯爵令嬢リディア。 失意の中、国外で実力を発揮し、社交界に新星として返り咲く。 ところが――今度はあの冷徹だった公爵が、過去の過ちを悔い必死に彼女を追い始めて!? 「一度捨てた女を、二度も愛せると思わないでください」 皮肉にも、“ざまぁ”と“溺愛”が巡る愛の逆転劇が、今ここに始まる。

冷遇された令嬢は婚約破棄されましたが、最強王子に一途に溺愛されています

nacat
恋愛
社交界で“地味令嬢”と蔑まれていた侯爵令嬢リシェル。婚約者の王太子が妹を選び、盛大な婚約破棄を言い渡したその瞬間、彼女の運命は大きく動き出す――。 笑顔で去ろうとした彼女を引き止めたのは、冷徹と名高い第二王子。 「君を手放すなど、馬鹿げているな」 裏切りと陰謀の果てに明かされる真実、そして待ち受けるのは“ざまぁ”と“溺愛”の極上ハッピーエンド。 恋と正義が交錯する、痛快王道ラブファンタジー。

【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます

なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。 過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。 魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。 そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。 これはシナリオなのかバグなのか? その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。 【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】

婚約破棄された令嬢は、“神の寵愛”で皇帝に溺愛される 〜私を笑った全員、ひざまずけ〜

夜桜
恋愛
「お前のような女と結婚するくらいなら、平民の娘を選ぶ!」 婚約者である第一王子・レオンに公衆の面前で婚約破棄を宣言された侯爵令嬢セレナ。 彼女は涙を見せず、静かに笑った。 ──なぜなら、彼女の中には“神の声”が響いていたから。 「そなたに、我が祝福を授けよう」 神より授かった“聖なる加護”によって、セレナは瞬く間に癒しと浄化の力を得る。 だがその力を恐れた王国は、彼女を「魔女」と呼び追放した。 ──そして半年後。 隣国の皇帝・ユリウスが病に倒れ、どんな祈りも届かぬ中、 ただ一人セレナの手だけが彼の命を繋ぎ止めた。 「……この命、お前に捧げよう」 「私を嘲った者たちが、どうなるか見ていなさい」 かつて彼女を追放した王国が、今や彼女に跪く。 ──これは、“神に選ばれた令嬢”の華麗なるざまぁと、 “氷の皇帝”の甘すぎる寵愛の物語。

婚約破棄された伯爵令嬢は隣国の将軍に求婚され、前世の記憶を取り戻す

nacat
恋愛
婚約者である王太子に身に覚えのない罪を着せられ、婚約破棄された伯爵令嬢エリシア。 廷臣たちの嘲笑の中、隣国の若き将軍ライナルトが現れ、「ならば、俺が君を妻にしよう」と求婚する。 彼はただの救い手ではなかった。エリシアの“前世の記憶”と深く結びついた存在だったのだ——。 かつてすべてを失った令嬢が、今世では誰より強く、愛され、そしてざまぁを下す。 溺愛と逆転の物語、ここに開幕。

王太子が悪役令嬢ののろけ話ばかりするのでヒロインは困惑した

葉柚
恋愛
とある乙女ゲームの世界に転生してしまった乙女ゲームのヒロイン、アリーチェ。 メインヒーローの王太子を攻略しようとするんだけど………。 なんかこの王太子おかしい。 婚約者である悪役令嬢ののろけ話しかしないんだけど。

婚約破棄? 国外追放?…ええ、全部知ってました。地球の記憶で。でも、元婚約者(あなた)との恋の結末だけは、私の知らない物語でした。

aozora
恋愛
クライフォルト公爵家の令嬢エリアーナは、なぜか「地球」と呼ばれる星の記憶を持っていた。そこでは「婚約破棄モノ」の物語が流行しており、自らの婚約者である第一王子アリステアに大勢の前で婚約破棄を告げられた時も、エリアーナは「ああ、これか」と奇妙な冷静さで受け止めていた。しかし、彼女に下された罰は予想を遥かに超え、この世界での記憶、そして心の支えであった「地球」の恋人の思い出までも根こそぎ奪う「忘却の罰」だった……

【完結】冷酷陛下はぬいぐるみ皇妃を手放せない~溺愛のツボはウサギの姿?それとも人間(中身)の私?~

りんりん
恋愛
「これが私ということですか? まさか冗談ですよね」 レイン様との初めての夜。 私は鏡の中の自分にかわいた笑い声をあげた。 真っ白なフワフワの身体。 丸い虹色の瞳。 なぜか私はお父様からいただいたぬいぐるみの姿になっていたからだ。 「何を企んでいるんだ。魔法でぬいぐるみになって、俺の寝首をかくつもりなのか」 レイン様は凍り付いた瞳を私にむけた。 レイン様の正式な名前はレイン・ファン・バルバドで、バルバド帝国の若き皇帝陛下でもある。 冷酷な事でしられるレイン様の二つ名は【血の雨】という。 そんな美しくも恐ろしい皇帝陛下にウサギ村の貧乏令嬢である 従姉妹に婚約者を奪われた私はひょんな事から嫁ぐことになった。 私はお金の為に。 陛下は政治的な立場をまもるための契約結婚だったけれど。 「皇妃がウサギになった事がばれるときっと大騒ぎになるだろう。 しばらくは俺達だけの秘密にしておくんだ」 そう言ってレイン様は私をポショットにいれて連れ歩く事にした。 貴族会議や公務にともなわれた私がポショットの中から見たのは、 レイン様の孤独や思いがけない温かさだった。 そしていつしかぬいぐるみの分際で、皇帝陛下を愛し始めていたのだ。 レイン様のお役に立ちたい。 その一心で聖獣ラビと契約を交わし不思議な魔法を使えるようにも なった。 なのにレイン様の反勢力派に捕らえられてしまう。 私はレイン様の弱みになりたくなかった。 だから彼らと一緒にこの世から消えるつもりだったのに。 騎士達を率いたレイン様が反勢力のアジトへ突入してきたのだ。 これは私、キャンディラビットがぬいぐるみになって冷酷皇帝陛下レイン様に溺愛される、ちょっと不思議なお話です。 (土曜日曜の二日間で一気に完結まで更新いたしますので、安心してお楽しみください。 よろしくお願いいたします)

処理中です...