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第5章:襲撃者
第5話:死霊術師
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「あのゥ。つかぬことをお聞きしますけどォ。うちのコッシロー=ネヅが何か悪さをしたんですゥ? 言いがかりなら、とっちめますけどォ?」
カナリア=ソナタはあちら側がクレーマーである可能性もあるので、あまり下出でにならないように注意を払った発言をする。顔の表面の肉と皮膚がこそげて、そこら中から骨が露出している謎の老人がよくぞ聞いてくれたとばかりに両腕をおおいに広げる。
「我の名はゲラーシー=ジェコフよっ! 大昔にここ一帯に死を等しく万人に与え、そして新たな命を吹き込んだものジャ!」
「ゲラーシー=ジェコフ?? もしかして、あの禁忌の黒魔術に両足を突っ込んで、20代前の星皇様に討伐されたあの『死霊術師』さんだったりするんですゥ??」
「オウヨ! その偉大なる『死霊術師』様とは我のことジャ!」
カナリア=ソナタの頭の中には偉人の名前でなく、世間を騒がせた大悪人の名前もインプットされていた。今から300年ほど前に聖地:エルザレムと崑崙山を穢そうと企み、その当時の星皇に討伐された存在が『ゲラーシー=ジェコフ』であることをすぐに思い出す。それゆえにカナリア=ソナタはコッシロー=ネヅの左耳に口を近づけ、こそこそと何かを呟く。
コッシロー=ネヅはカナリア=ソナタに何かを告げられたと同時に、口を大きく開き、思いっ切り外気を吸い込み、それを勢い良くゲラーシー=ジェコフと名乗った人物に向かって吐き出す。ゲラーシー=ジェコフはキラキラと輝くミストが自分に向かってきたことで、紫色の魔術障壁を自分の周囲に展開することになる。
「不意打ちのつもりでしたけどォ、失敗しましたァ。なかなかに手ごわい相手だと認識しますゥ」
「クワクワクワッ! 我が300年前に星皇に破れた時も、今と同じように不意打ちを喰らわされたノダ! 同じ轍を二度も踏むと思わぬことジャ!」
コッシロー=ネヅは口から神聖なブレスを吐いたのだが、それをあっさりと防ぎ切ってしまう死霊術師であった。そして、次はこちらの番だとばかりに竜の頭頂部に突き刺した魔法の杖を両手で掴み、グリグリと捻じ込むように呪力を込める。
一度、命を失ったはずの竜はグォォォォン! と竜の雄叫びをあげる。それが衝撃波となり、カナリア=ソナタ共々、コッシロー=ネヅの身体にぶち当たる。カナリア=ソナタたちはビリビリと身体が痺れ、すぐには次の行動に移ることは出来なくなってしまう。
そんな状態のカナリア=ソナタたちに向かって、死霊術師は攻撃の手を緩めようとはしなかった。屍竜と化した蒼き鱗に覆われた竜の身をさらに振るわせて、その体表から散々に四方八方へと巨大な竜鱗を弾けさせるように飛ばす。
時速200キュロミャートルほどの速度で飛んでくる竜鱗に対して、身体に痺れを覚えるカナリア=ソナタたちは回避を選ぶことは出来ず、防御に徹することになる。カナリア=ソナタは手と手を打ち合わせ、手に持っていたノートをパシン! と勢いよく閉じる。そして、次にその手を開いた時には、色違いのノートが一冊、カナリア=ソナタの両手の間に現れる。
その銀色のカバーが施されたノートは自然とパラパラとページをめくる。あるページが開かれると、そこには1つの魔法陣が描かれていた。そして、その魔法陣がノートから浮き出て、さらにはカナリア=ソナタたちを護るための盾と化す。カナリア=ソナタが展開した魔術障壁はかなり強力なモノであり、1つ10キュログラムもあり、さらには時速200キュロミャートルで飛んでくる竜鱗を次々と弾いてしまう。
その様子をじっくりと観察していた死霊術師は乾いた舌でべろりと舌なめずりする。
「クワクワクワッ! 銀の聖書を持っている……ダト? これは侮りがたき相手ジャ。なかなかに創造主:Y.O.N.Nに対して、敬虔な心を持っている者と認識させてもらうのジャ!」
死霊術師であるゲラーシー=ジェコフの言う通り、天界の騎乗獣であるコッシロー=ネヅに跨るカナリア=ソナタが手にしているのは銀の聖書そのものであった。これを所持できる資格を有しているのは教皇の下にいる枢機卿クラスでなければならない。聖者として、かなり名のしれた者なのだろうと死霊術師は思ってしまう。
「コッシローさん。あたしって敬虔な創造主:Y.O.N.N様の司徒に見えますゥ?」
「難しい質問をしてくれるッチュウね。それを手に入れた経緯を知っている者ならば、誰もそんな風には思えないでッチュウ」
カナリア=ソナタは天使族ではあるが、2枚羽の主天使程度の神力しか持っていない。主天使は上位と下位が存在し、その神力如何で2枚羽と4枚羽に分かれる。天使階級において、下から数えたほうが早いカナリア=ソナタであったが、それでも手にしている銀の聖書から神力を如何なく抜き出すことが出来た。
それゆえにカナリア=ソナタがご主人様のコネを使って、無理やりそれを手に入れたという経緯があることはあるが、それ自体を使いこなすことが出来るので、コッシロー=ネヅは返答に困ることになったのである。
死霊術師はその銀の聖書を手にしているのが2枚羽の天使であったとしても、その姿に惑わされぬようにと、自分の心に注意を促す。そして機が訪れるまで、決して安易に2枚羽の天使に近づかないようにした。
それゆえに死霊術師が選んだ攻撃方法は遠距離攻撃であった。屍竜の頭に突き刺さっている魔法の杖を両手でグリグリと動かし、屍竜の身から散々に蒼い竜鱗を飛ばしまくる。
身体の痺れが取れてきたコッシロー=ネヅはカナリア=ソナタを振り落としてしまわぬように注意しながら、空中を4本足で駆け回る。屍竜が次々と飛ばしてくる竜鱗全てを躱しきれるわけではなかったが、自分たちにぶち当たる予定であった竜鱗はカナリア=ソナタが銀の聖書から生み出した魔法陣で防いでくれた。
「コッシローさん、右に3ミャートル、その次は左斜め上に2ミャートル、その次が真下へ5ミャートルですゥ!」
「任せろでッチュウ! カナリアの指示通りに大空を駆けまわってみせるでッチュウ!」
死霊術師の眼から見て、2枚羽の天使を背中に乗せた天界の騎乗獣の動きはどんどんと良くなっていく。焦らないようにと自分に言い聞かせていた死霊術師であったが、ついに自分から手を出す行動へと移ってしまう……。
カナリア=ソナタはあちら側がクレーマーである可能性もあるので、あまり下出でにならないように注意を払った発言をする。顔の表面の肉と皮膚がこそげて、そこら中から骨が露出している謎の老人がよくぞ聞いてくれたとばかりに両腕をおおいに広げる。
「我の名はゲラーシー=ジェコフよっ! 大昔にここ一帯に死を等しく万人に与え、そして新たな命を吹き込んだものジャ!」
「ゲラーシー=ジェコフ?? もしかして、あの禁忌の黒魔術に両足を突っ込んで、20代前の星皇様に討伐されたあの『死霊術師』さんだったりするんですゥ??」
「オウヨ! その偉大なる『死霊術師』様とは我のことジャ!」
カナリア=ソナタの頭の中には偉人の名前でなく、世間を騒がせた大悪人の名前もインプットされていた。今から300年ほど前に聖地:エルザレムと崑崙山を穢そうと企み、その当時の星皇に討伐された存在が『ゲラーシー=ジェコフ』であることをすぐに思い出す。それゆえにカナリア=ソナタはコッシロー=ネヅの左耳に口を近づけ、こそこそと何かを呟く。
コッシロー=ネヅはカナリア=ソナタに何かを告げられたと同時に、口を大きく開き、思いっ切り外気を吸い込み、それを勢い良くゲラーシー=ジェコフと名乗った人物に向かって吐き出す。ゲラーシー=ジェコフはキラキラと輝くミストが自分に向かってきたことで、紫色の魔術障壁を自分の周囲に展開することになる。
「不意打ちのつもりでしたけどォ、失敗しましたァ。なかなかに手ごわい相手だと認識しますゥ」
「クワクワクワッ! 我が300年前に星皇に破れた時も、今と同じように不意打ちを喰らわされたノダ! 同じ轍を二度も踏むと思わぬことジャ!」
コッシロー=ネヅは口から神聖なブレスを吐いたのだが、それをあっさりと防ぎ切ってしまう死霊術師であった。そして、次はこちらの番だとばかりに竜の頭頂部に突き刺した魔法の杖を両手で掴み、グリグリと捻じ込むように呪力を込める。
一度、命を失ったはずの竜はグォォォォン! と竜の雄叫びをあげる。それが衝撃波となり、カナリア=ソナタ共々、コッシロー=ネヅの身体にぶち当たる。カナリア=ソナタたちはビリビリと身体が痺れ、すぐには次の行動に移ることは出来なくなってしまう。
そんな状態のカナリア=ソナタたちに向かって、死霊術師は攻撃の手を緩めようとはしなかった。屍竜と化した蒼き鱗に覆われた竜の身をさらに振るわせて、その体表から散々に四方八方へと巨大な竜鱗を弾けさせるように飛ばす。
時速200キュロミャートルほどの速度で飛んでくる竜鱗に対して、身体に痺れを覚えるカナリア=ソナタたちは回避を選ぶことは出来ず、防御に徹することになる。カナリア=ソナタは手と手を打ち合わせ、手に持っていたノートをパシン! と勢いよく閉じる。そして、次にその手を開いた時には、色違いのノートが一冊、カナリア=ソナタの両手の間に現れる。
その銀色のカバーが施されたノートは自然とパラパラとページをめくる。あるページが開かれると、そこには1つの魔法陣が描かれていた。そして、その魔法陣がノートから浮き出て、さらにはカナリア=ソナタたちを護るための盾と化す。カナリア=ソナタが展開した魔術障壁はかなり強力なモノであり、1つ10キュログラムもあり、さらには時速200キュロミャートルで飛んでくる竜鱗を次々と弾いてしまう。
その様子をじっくりと観察していた死霊術師は乾いた舌でべろりと舌なめずりする。
「クワクワクワッ! 銀の聖書を持っている……ダト? これは侮りがたき相手ジャ。なかなかに創造主:Y.O.N.Nに対して、敬虔な心を持っている者と認識させてもらうのジャ!」
死霊術師であるゲラーシー=ジェコフの言う通り、天界の騎乗獣であるコッシロー=ネヅに跨るカナリア=ソナタが手にしているのは銀の聖書そのものであった。これを所持できる資格を有しているのは教皇の下にいる枢機卿クラスでなければならない。聖者として、かなり名のしれた者なのだろうと死霊術師は思ってしまう。
「コッシローさん。あたしって敬虔な創造主:Y.O.N.N様の司徒に見えますゥ?」
「難しい質問をしてくれるッチュウね。それを手に入れた経緯を知っている者ならば、誰もそんな風には思えないでッチュウ」
カナリア=ソナタは天使族ではあるが、2枚羽の主天使程度の神力しか持っていない。主天使は上位と下位が存在し、その神力如何で2枚羽と4枚羽に分かれる。天使階級において、下から数えたほうが早いカナリア=ソナタであったが、それでも手にしている銀の聖書から神力を如何なく抜き出すことが出来た。
それゆえにカナリア=ソナタがご主人様のコネを使って、無理やりそれを手に入れたという経緯があることはあるが、それ自体を使いこなすことが出来るので、コッシロー=ネヅは返答に困ることになったのである。
死霊術師はその銀の聖書を手にしているのが2枚羽の天使であったとしても、その姿に惑わされぬようにと、自分の心に注意を促す。そして機が訪れるまで、決して安易に2枚羽の天使に近づかないようにした。
それゆえに死霊術師が選んだ攻撃方法は遠距離攻撃であった。屍竜の頭に突き刺さっている魔法の杖を両手でグリグリと動かし、屍竜の身から散々に蒼い竜鱗を飛ばしまくる。
身体の痺れが取れてきたコッシロー=ネヅはカナリア=ソナタを振り落としてしまわぬように注意しながら、空中を4本足で駆け回る。屍竜が次々と飛ばしてくる竜鱗全てを躱しきれるわけではなかったが、自分たちにぶち当たる予定であった竜鱗はカナリア=ソナタが銀の聖書から生み出した魔法陣で防いでくれた。
「コッシローさん、右に3ミャートル、その次は左斜め上に2ミャートル、その次が真下へ5ミャートルですゥ!」
「任せろでッチュウ! カナリアの指示通りに大空を駆けまわってみせるでッチュウ!」
死霊術師の眼から見て、2枚羽の天使を背中に乗せた天界の騎乗獣の動きはどんどんと良くなっていく。焦らないようにと自分に言い聞かせていた死霊術師であったが、ついに自分から手を出す行動へと移ってしまう……。
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