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第5章:襲撃者
第6話:幻惑術
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カナリア=ソナタたちに竜鱗がまったく当たらなくなってしまったことに焦りを感じた死霊術師は両手で握る魔法の杖に呪力をさらに込める。屍竜はグォォォン! と大きく口を開き、そこから衝撃波を生み出す。その衝撃波によって、カナリア=ソナタたちの動きを再び止めようとしたのだ。
その企みは上手く行き、死霊術師はさらに屍竜の脳みそに直接、指示を与える。指示を受けた屍竜は身体を大きく左から右へ動かし、自分の身体の尻側の先端にある竜の尻尾を振り回す。
竜の尻尾は大気を震わせながら、しなるようにカナリア=ソナタとコッシロー=ネヅへと向かっていく。満足に身体を動かせないひとりと1匹を眼で追っている死霊術師は勝利を確信した。超重量の竜の尻尾に打ち抜かれ、弾き飛ばされてどこかに飛んでいくことよりも、インパクトの瞬間にただの肉片と化すその姿を夢想することになる。
しかしながら、死霊術師は、自分の眼に映った光景によって、眉の間に深いシワをいくつも浮かび上がらせることになる。まるで霞を殴り飛ばしたかのように2枚羽の天使と天界の騎乗獣が掻き消えてしまったのである。
死霊術師は、しまったと思い、頭を前後左右上下へと振りまくる。この時になって、ようやく死霊術師は、自分は幻惑を見せられていたことに気づいたのである。
「あやつらめ! 途中から鱗を弾かないように完全回避をしていたのはこの時のためカッ!」
2枚羽の天使が手に持つ銀色の聖書から発していた魔法陣で竜鱗を弾き飛ばしていなかったことの理由を今更に知ることになる。幻惑ならば、そもそも竜鱗を防ぐことが出来ないのは当たり前であり、竜鱗がその魔法陣に当たった時点で違和感を覚えるのが普通である。そもそもその魔法陣自体が幻惑で出来ているのだから、当たったところであっさりと貫通してしまう。
それをしないさせないためにも、完全回避をしはじめたのだ。死霊術師は自分の不識に恥を覚え、死人のような顔が見る見ると真っ赤になっていってしまう。そして、大空のある一点を呪い殺さんとばかりに目力を飛ばし、そこに向かって、大きく開いた左手の先で生み出した紫色の球体を連続で飛ばす。
「こやつも幻惑カッ! おのぉぉぉレェェェ!!」
死霊術師は2枚羽の天使の位置を特定したと思い、そこに向かって紫色の球体を飛ばしたのだが、その2枚羽の天使はまたしても幻惑であり、霞のように掻き消えてしまう。ここまで自分をおちょくるような行動に出た相手は300年振りである。死霊術師は再三、自分が相手の策に嵌らぬように細心の注意を払ってきたはずであった。
しかし、捉えたと思った2枚羽の天使はどれもこれも幻惑であった。竜の尻尾をしのぎ切った敵は、すでに自分の近くから逃げているのではないのか? という疑念を持ってしまう死霊術師である。しかし、隠しようのない神気が辺りを支配している。幻惑術の類は使用者がその場から離れれば離れるほど、存在感が希薄なモノとなってしまうために、相手に幻惑だとバレやすくなる。
逆説的に言えば、これほど存在感がある幻惑であるなら、術の使用者は必ず自分の近くに潜んでいるということだ。だからこそ、死霊術師は余計に慌てふためくしかない。死霊術師は相手の術中に嵌り続けることを嫌がり、2枚羽の天使の位置を特定するために、屍竜に竜の雄叫びをあげさせる。
大気を振動させることで、相手の位置を特定しようとしたのだ、死霊術師は。今、自分の周りには天界の騎乗獣に跨る2枚羽の天使が100を超え始めていた。それらの半数が竜の雄叫びで掻き消えることになる。この行動によって、死霊術師は自分の眼を向けている範囲には2枚羽の天使が居ないことを知る。
そして、続けざまに竜の尻尾で幻惑を掻き消し、100あった天界の騎乗獣に跨る2枚羽の天使が残り30まで減ることになる。その30の内、10に対して、死霊術師は左腕を突き伸ばし、その先から紫色の球を撃ち出す。
しかし、どれもこれもその中には実体が混じっていなかった。死霊術師はグヌゥ! と呻き声をあげざるをえなくなる。いくら当てずっぽうの攻撃と言えども、8割も外しに外したのだ。残り2割の中のどれかが実体だとしても、20の内、19を打ち落したところで、当たりを引くような気分になれない死霊術師であった。
それゆえに死霊術師が選んだのは残り20を一度に相手にすることであった。屍竜の脳みそに直接、指示を出し、屍竜に汚水を放射状に吐き出させたのであった。屍竜は大きく顎を開き、腹の中に貯まっていた汚水を洪水のように吐き出す。死霊術師の企みは上手く行き、20の内、1が魔法陣を展開し、汚水で出来た洪水に飲み込まれにようにと抗いを見せることになる。
「ようやく見つけたゾォ! 我を謀ったことを後悔するが良いのジャァァァ!」
死霊術師はここが勝機だと思い、汚水で出来た洪水に飲み込まれないようにと魔法陣を展開している2枚羽の天使に向かって、紫色に発光する魔法槍を左手で投げ飛ばす。死霊術師の手で放り投げられた紫色の魔法槍はどんどんその太さと鋭利さを増していき、ついには2枚羽の天使が展開している魔法陣を貫き、さらには2枚羽の天使の腹を突き破る。
だが、死霊術師の顔は次の瞬間にはギョッとした表情になってしまう。紫色の魔法槍は確かに2枚羽の天使の腹から背へと貫通したのに、まばたきしている間に太さ50センチュミャートルある丸太へと変貌したのである。
「幻惑術でも最高峰に位置する『変わり身の術』だ……ト!?」
死霊術師はあんぐりと大きく口を開き、間抜け面を晒すしかなかった。自分が感じていた気配とは丸太の気配であり、それを実体だとばかり感じていたのだ。自分の不明さに怒りがふつふつと湧き上がってきてしまう死霊術師である。
「丸太とは失礼な言いなのですゥ。木人形と呼んでほしいのですゥ!」
「それはかなり無理があるでッチュウ。良い所、『木偶の坊』でッチュウよ?」
その企みは上手く行き、死霊術師はさらに屍竜の脳みそに直接、指示を与える。指示を受けた屍竜は身体を大きく左から右へ動かし、自分の身体の尻側の先端にある竜の尻尾を振り回す。
竜の尻尾は大気を震わせながら、しなるようにカナリア=ソナタとコッシロー=ネヅへと向かっていく。満足に身体を動かせないひとりと1匹を眼で追っている死霊術師は勝利を確信した。超重量の竜の尻尾に打ち抜かれ、弾き飛ばされてどこかに飛んでいくことよりも、インパクトの瞬間にただの肉片と化すその姿を夢想することになる。
しかしながら、死霊術師は、自分の眼に映った光景によって、眉の間に深いシワをいくつも浮かび上がらせることになる。まるで霞を殴り飛ばしたかのように2枚羽の天使と天界の騎乗獣が掻き消えてしまったのである。
死霊術師は、しまったと思い、頭を前後左右上下へと振りまくる。この時になって、ようやく死霊術師は、自分は幻惑を見せられていたことに気づいたのである。
「あやつらめ! 途中から鱗を弾かないように完全回避をしていたのはこの時のためカッ!」
2枚羽の天使が手に持つ銀色の聖書から発していた魔法陣で竜鱗を弾き飛ばしていなかったことの理由を今更に知ることになる。幻惑ならば、そもそも竜鱗を防ぐことが出来ないのは当たり前であり、竜鱗がその魔法陣に当たった時点で違和感を覚えるのが普通である。そもそもその魔法陣自体が幻惑で出来ているのだから、当たったところであっさりと貫通してしまう。
それをしないさせないためにも、完全回避をしはじめたのだ。死霊術師は自分の不識に恥を覚え、死人のような顔が見る見ると真っ赤になっていってしまう。そして、大空のある一点を呪い殺さんとばかりに目力を飛ばし、そこに向かって、大きく開いた左手の先で生み出した紫色の球体を連続で飛ばす。
「こやつも幻惑カッ! おのぉぉぉレェェェ!!」
死霊術師は2枚羽の天使の位置を特定したと思い、そこに向かって紫色の球体を飛ばしたのだが、その2枚羽の天使はまたしても幻惑であり、霞のように掻き消えてしまう。ここまで自分をおちょくるような行動に出た相手は300年振りである。死霊術師は再三、自分が相手の策に嵌らぬように細心の注意を払ってきたはずであった。
しかし、捉えたと思った2枚羽の天使はどれもこれも幻惑であった。竜の尻尾をしのぎ切った敵は、すでに自分の近くから逃げているのではないのか? という疑念を持ってしまう死霊術師である。しかし、隠しようのない神気が辺りを支配している。幻惑術の類は使用者がその場から離れれば離れるほど、存在感が希薄なモノとなってしまうために、相手に幻惑だとバレやすくなる。
逆説的に言えば、これほど存在感がある幻惑であるなら、術の使用者は必ず自分の近くに潜んでいるということだ。だからこそ、死霊術師は余計に慌てふためくしかない。死霊術師は相手の術中に嵌り続けることを嫌がり、2枚羽の天使の位置を特定するために、屍竜に竜の雄叫びをあげさせる。
大気を振動させることで、相手の位置を特定しようとしたのだ、死霊術師は。今、自分の周りには天界の騎乗獣に跨る2枚羽の天使が100を超え始めていた。それらの半数が竜の雄叫びで掻き消えることになる。この行動によって、死霊術師は自分の眼を向けている範囲には2枚羽の天使が居ないことを知る。
そして、続けざまに竜の尻尾で幻惑を掻き消し、100あった天界の騎乗獣に跨る2枚羽の天使が残り30まで減ることになる。その30の内、10に対して、死霊術師は左腕を突き伸ばし、その先から紫色の球を撃ち出す。
しかし、どれもこれもその中には実体が混じっていなかった。死霊術師はグヌゥ! と呻き声をあげざるをえなくなる。いくら当てずっぽうの攻撃と言えども、8割も外しに外したのだ。残り2割の中のどれかが実体だとしても、20の内、19を打ち落したところで、当たりを引くような気分になれない死霊術師であった。
それゆえに死霊術師が選んだのは残り20を一度に相手にすることであった。屍竜の脳みそに直接、指示を出し、屍竜に汚水を放射状に吐き出させたのであった。屍竜は大きく顎を開き、腹の中に貯まっていた汚水を洪水のように吐き出す。死霊術師の企みは上手く行き、20の内、1が魔法陣を展開し、汚水で出来た洪水に飲み込まれにようにと抗いを見せることになる。
「ようやく見つけたゾォ! 我を謀ったことを後悔するが良いのジャァァァ!」
死霊術師はここが勝機だと思い、汚水で出来た洪水に飲み込まれないようにと魔法陣を展開している2枚羽の天使に向かって、紫色に発光する魔法槍を左手で投げ飛ばす。死霊術師の手で放り投げられた紫色の魔法槍はどんどんその太さと鋭利さを増していき、ついには2枚羽の天使が展開している魔法陣を貫き、さらには2枚羽の天使の腹を突き破る。
だが、死霊術師の顔は次の瞬間にはギョッとした表情になってしまう。紫色の魔法槍は確かに2枚羽の天使の腹から背へと貫通したのに、まばたきしている間に太さ50センチュミャートルある丸太へと変貌したのである。
「幻惑術でも最高峰に位置する『変わり身の術』だ……ト!?」
死霊術師はあんぐりと大きく口を開き、間抜け面を晒すしかなかった。自分が感じていた気配とは丸太の気配であり、それを実体だとばかり感じていたのだ。自分の不明さに怒りがふつふつと湧き上がってきてしまう死霊術師である。
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