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第2章:出番奪われポンコツ将軍
第30話:バグきのこ(3)
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判断に困っていると大サルが戻ってきた。バグきのこを大量に抱えながら……。
「チョマテヨ! なんでその場で食べてこなかったでおじゃるか!」
「なかなかの美味だったでオサルから、皆にもお裾分けしようと思って」
「うわぁ……毒々しいきのこだらけですね……」
ノッブはドン引きしていた。ミッチーも後ずさりしている。女神くらいだ、こんな状況でもニコニコ笑顔なのは。
しかし、もっと驚くことが起きた。大サルの両腕からバグきのこがぴょんぴょんと零れ落ちていく。
まさに生き物の動きだった。地面にベチャッと着地したかと思えば、のっそりと起き上がってくる。
さらにはむくむくと膨れ上がっていくではないか。こちらはすぐに身構えた。大サルがわざわざモンスターの巣からバグきのこモンスターを持ってきてしまった。
バグきのこモンスターの大きさはまばらであった。刀の柄に手を置いたのは良いが、こいつらを斬れば、バグが刀に伝染しそうな気がしてならなかった。
ここは弓や銃などの遠距離武器が最適解だと思えた。ミッチーへと顔を向ける。ミッチーは頼もしい顔つきをしていた。
「ミッチー、頼めるでおじゃるか?」
「任されたし(カチャッ)」
ミッチーがアサルトライフルAK74を取り出して発砲した……。
「それ、自衛隊配備の銃じゃないでおじゃるよね?」
「なかなかに物知りですね?」
「そりゃどのFPSでも登場するくらいの有名なやつでおじゃるからな!?」
「入手ルートを聞いてほしいでござる!」
「黙ってろでおじゃる!」
とにもかくにもアサルトライフルAK74をフルブッパするミッチーであった。
だが、次のマガジンをリロードしようとした瞬間、マガジンが上手く嵌らないというトラブルに見舞われた。
「これだから中東経由の武器はっ!」
「黙ってろでおじゃる!」
"中東経由のAK74ってことは……"
"おい、ツッコミはやめろ。国際問題に発展するぞ!?"
"んまあ、R国がテロリスト側に流している銃だな"
"あーあ、言っちゃった……終わりだよもう"
"てか、ミッチーのチートって、携行できる武器を取り寄せることなんかな?"
"かもしれん。じゃあ、この先、ヨーロッパ製の小銃も出してくる……かも?"
"ミッチーの次の活躍にも期待"
"てか、日本って武器の輸出だけじゃなくて、輸入も第9条で禁止してなかったっけ?"
"ミッチーを中心にその辺も議論が活発化されると思うと胸が熱くなるなっ!"
"まあ、その前に足利内閣がミッチーの手で吹き飛ばされそうだけどw"
"ヨッシー、強く生きて(´・ω・`)"
"改憲出来るのは足利内閣だけ!"
"俺たちは足利内閣を応援するぜ!"
ミッチーのおかげで内閣支持率がぐんぐんと回復していった。実に半年ぶりの二桁台に乗ってしまった。
(複雑すぎるでおじゃる。でも、どうせミッチーが回復した支持率を吹き飛ばすでおじゃる)
内閣支持率の数字は大切である。だが、それに一喜一憂しているようでは、自分は総理失格だ。
少しくらい上下しようが、国民にしっかり自分の意志を説明することが重要だ。
内閣支持率回復に貢献してくれたミッチーが未だにガチャガチャと必死にマガジンを嵌めようとしている。
そんなミッチーから目を逸らす……。
ミッチーは攻撃手段を失った。その代わりに大サルが矢面に立つ。孫悟空と言えば輝かしい武勇伝だらけだ。
しかし、敵も馬鹿ではない。大サルに殴り飛ばされたバグきのこモンスターが一か所に集まりだした。
そして、みるみるうちに合体していき、巨大なバグえりんげモンスターに変わってしまう。その太い幹が大サルのパンチをボヨヨ~ンと弾いてしまう。
大サルが一度、バグえりんげモンスターから距離を取る。そして、こちらへ申し訳なさそうな顔を向けてきた。
「これは困ったでオサル。お裾分けしようと考えずに、ひとりで食べてしまえばよかったでオサル」
「本当にその通りじゃ! しかし……その心遣いこそ、サルらしいであろうて。この際、不問にしておくのじゃ!
拳が通らないとなれば、いよいよ刀の出番だ。バグで汚染される可能性があるが、こちらは女神によってコピー刀を作ってもらっている。
コピー刀であれば、バグに汚染されても、捨ててしまうだけで良い。
「あれ? あれれ!? 刀が鞘から抜けないのじゃが!?」
「ダメよ、ヨッシー。今、あなた、その子が犠牲になればいいって思ったでしょ?」
「あっ! そう言えば、こやつ、生きている水晶で生成したものじゃったー!」
「そういうこと。バグっても愛することを忘れちゃダメ♪」
女神にたしなめられた。自分はコピー刀に何かあれば廃棄する気満々だった。このコピー刀は生きているのだ。
それを忘れてしまった自分が悪い。
「ヨッシー殿。ここは自分がなんとかしましょう」
「謙信殿。任せてよろしいのかえ?」
「任されたし。そこのお化けえりんげ! おまんら許さんぜよ! うおえええ!」
「ちょっと、謙信殿!? いきなりどうしたのじゃ!?」
謙信が先ほど飲んだ魔素酒を吐き出した。口の周りが真っ黒に染まっている。急いで謙信に肩を貸す。
「すみません。徹夜で飲んでいたので……」
「帰れ! 寝ろ!」
謙信は二日酔いと徹夜のせいもあって、魔素に耐え切れなかったようだ。スマホを懐から取り出し、それでゲートを作る。
謙信のケツを蹴っ飛ばし、彼を元の世界へと追い返す。するとスマホがブルブルと鳴った。嫌な予感を感じながらもスマホの画面を見る。
『信玄:もう一度、呼んでくれてもいいんだよ?(ちらちら)』
「呼ぶわけがないのじゃ! 大人しく先ほど送った普通の写メでマスかいてろでおじゃる!」
スマホを懐へ仕舞おうとした。しかし、立て続けにスマホがブルブルと鳴った。信玄以外がLINEメッセージを送ってくれた可能性がある。
スマホの画面を見る。思わず心底「ホッ」と安堵してしまった。
『顕如:この石頭で良ければ!」
大サルのパンチですら軽々と弾いてしまう巨大えりんげモンスターだ。もしかしなくても、顕如の石頭が通用するわけがないと思ってしまう。
しかし、それでも顕如ならなんとかしてくれそうな気がした。スマホから発する光を地面に当てて、ゲートを作り出す。
ゲートを潜って、大阪市市長の本願寺顕如が現れた。袈裟姿に数珠を手にしている。さらには禿げ頭が真っ赤に輝いていた。
「顕如殿? なぜそんなに頭が真っ赤になっているでおじゃる?」
「ふっ……聞いて驚かないでほしい。タオルでゴシゴシと磨いて、発熱させてきたのですぞ。表面温度は1000℃を軽く超えております!」
「えっ……マジ?」
「さあ、お化けえりんげよ! 御仏の力を見るがよい!」
顕如が真っ赤になった禿げ頭を押し付けるように突進していく。しかし、敵もバカではない。腕のような触手を右から左へと振り回して、顕如をぶん殴ってみせた。
さらに顕如を動けぬようにしてきた。顕如を坑道の壁へと押し当てると、お化けえりんげが腕を切り離す。
その腕が広がりを見せて、顕如を壁に縛り付けた。
「せっかく禿げ頭を熱してきたというのにぃ!」
「……無駄な努力でおじゃったな」
"このお化けえりんげ、強すぎやっぞい!"
"ミッチーは整備が行き届いてないAK74がトラブって無力化"
"サルは孫悟空になったけど、打撃系が効かない"
"ヨッシーは刀の機嫌を損ねた"
"謙信が二日酔いでダウンw"
"顕如に至ってはなにしにきたん? こいつってレベルwww"
"さあ、盛り上がってまいりました!"
"まだあの男が残っているぞーーー!"
"やはり主人公の器だぜ……"
"ノッブ、いけーーー!"
"ノッブ、ノッブ、ノッブ!"
"格好いいところ、見せてくれよぉ!?"
悔しくて涙が出てきちゃう。だって、自分が主役のはずなのに、コメント欄ではノッブが主人公扱いだ。
しかし、いくらこちらが悔しがっても、ノッブは皆からそう言われるだけのオーラを身体に纏っていた。
そのノッブがこちらへと近づいてくる。さらには片膝をつき、こちらの右手を取って、その甲に接吻してきた。
「ヨッシー。先生はヨッシーの騎士です。さあ、ご命令を……」
「ぐぅ! どこまでも格好いい男なのじゃーーー! 胸がどっきんどっきんして仕方ないのじゃーーー!」
「ふふ……ヨッシーはお姫様ですからね?」
ノッブがウインクしてきた。そうされたことで、こちらは顔から火が噴き出そうなほどに熱を帯びてしまう。
「わかった! わかったのじゃ! ノッブ! 眼前の敵を打ち払うのじゃ!」
「ふふっ。さあ、見ていてください。我が獄炎魔法を! この世の全てをヨッシーのために灰燼に帰しましょう!」
「あほかっ! 誰がいつそのようなことを頼んだのじゃ!」
「あれ? 違いました?」
「違いすぎじゃドアホが! さっさとお化けえりんげを丸焼きにしてたもれ!」
「ふむ。では、獄炎魔法の威力を下げましょう。地獄の番犬ケルベロスよ。そなたの力を我に貸せ。目の前の敵を丸焼きにせよ!」
ノッブの右手から火炎放射器のように炎が噴射された。
「うみゃあああ!?」
高熱の炎に焼かれたお化けえりんげが見る見るうちに小さくなっていく。こちらは「ごくり……」と息を飲むしかない。
ノッブの勇壮な姿を見ていると自然と涙が溢れてきた。それが悔し涙なのか、嬉し涙なのかもわからない。
ただただ心がかき乱されてしまう。ノッブの姿によって……。
(くぉぉぉ。ノッブ殿がとんでもなく格好いいのじゃー! わっち、ノッブ殿に本気で惚れてしまうかもなのじゃーーー! 嫌なのじゃーーー!)
「チョマテヨ! なんでその場で食べてこなかったでおじゃるか!」
「なかなかの美味だったでオサルから、皆にもお裾分けしようと思って」
「うわぁ……毒々しいきのこだらけですね……」
ノッブはドン引きしていた。ミッチーも後ずさりしている。女神くらいだ、こんな状況でもニコニコ笑顔なのは。
しかし、もっと驚くことが起きた。大サルの両腕からバグきのこがぴょんぴょんと零れ落ちていく。
まさに生き物の動きだった。地面にベチャッと着地したかと思えば、のっそりと起き上がってくる。
さらにはむくむくと膨れ上がっていくではないか。こちらはすぐに身構えた。大サルがわざわざモンスターの巣からバグきのこモンスターを持ってきてしまった。
バグきのこモンスターの大きさはまばらであった。刀の柄に手を置いたのは良いが、こいつらを斬れば、バグが刀に伝染しそうな気がしてならなかった。
ここは弓や銃などの遠距離武器が最適解だと思えた。ミッチーへと顔を向ける。ミッチーは頼もしい顔つきをしていた。
「ミッチー、頼めるでおじゃるか?」
「任されたし(カチャッ)」
ミッチーがアサルトライフルAK74を取り出して発砲した……。
「それ、自衛隊配備の銃じゃないでおじゃるよね?」
「なかなかに物知りですね?」
「そりゃどのFPSでも登場するくらいの有名なやつでおじゃるからな!?」
「入手ルートを聞いてほしいでござる!」
「黙ってろでおじゃる!」
とにもかくにもアサルトライフルAK74をフルブッパするミッチーであった。
だが、次のマガジンをリロードしようとした瞬間、マガジンが上手く嵌らないというトラブルに見舞われた。
「これだから中東経由の武器はっ!」
「黙ってろでおじゃる!」
"中東経由のAK74ってことは……"
"おい、ツッコミはやめろ。国際問題に発展するぞ!?"
"んまあ、R国がテロリスト側に流している銃だな"
"あーあ、言っちゃった……終わりだよもう"
"てか、ミッチーのチートって、携行できる武器を取り寄せることなんかな?"
"かもしれん。じゃあ、この先、ヨーロッパ製の小銃も出してくる……かも?"
"ミッチーの次の活躍にも期待"
"てか、日本って武器の輸出だけじゃなくて、輸入も第9条で禁止してなかったっけ?"
"ミッチーを中心にその辺も議論が活発化されると思うと胸が熱くなるなっ!"
"まあ、その前に足利内閣がミッチーの手で吹き飛ばされそうだけどw"
"ヨッシー、強く生きて(´・ω・`)"
"改憲出来るのは足利内閣だけ!"
"俺たちは足利内閣を応援するぜ!"
ミッチーのおかげで内閣支持率がぐんぐんと回復していった。実に半年ぶりの二桁台に乗ってしまった。
(複雑すぎるでおじゃる。でも、どうせミッチーが回復した支持率を吹き飛ばすでおじゃる)
内閣支持率の数字は大切である。だが、それに一喜一憂しているようでは、自分は総理失格だ。
少しくらい上下しようが、国民にしっかり自分の意志を説明することが重要だ。
内閣支持率回復に貢献してくれたミッチーが未だにガチャガチャと必死にマガジンを嵌めようとしている。
そんなミッチーから目を逸らす……。
ミッチーは攻撃手段を失った。その代わりに大サルが矢面に立つ。孫悟空と言えば輝かしい武勇伝だらけだ。
しかし、敵も馬鹿ではない。大サルに殴り飛ばされたバグきのこモンスターが一か所に集まりだした。
そして、みるみるうちに合体していき、巨大なバグえりんげモンスターに変わってしまう。その太い幹が大サルのパンチをボヨヨ~ンと弾いてしまう。
大サルが一度、バグえりんげモンスターから距離を取る。そして、こちらへ申し訳なさそうな顔を向けてきた。
「これは困ったでオサル。お裾分けしようと考えずに、ひとりで食べてしまえばよかったでオサル」
「本当にその通りじゃ! しかし……その心遣いこそ、サルらしいであろうて。この際、不問にしておくのじゃ!
拳が通らないとなれば、いよいよ刀の出番だ。バグで汚染される可能性があるが、こちらは女神によってコピー刀を作ってもらっている。
コピー刀であれば、バグに汚染されても、捨ててしまうだけで良い。
「あれ? あれれ!? 刀が鞘から抜けないのじゃが!?」
「ダメよ、ヨッシー。今、あなた、その子が犠牲になればいいって思ったでしょ?」
「あっ! そう言えば、こやつ、生きている水晶で生成したものじゃったー!」
「そういうこと。バグっても愛することを忘れちゃダメ♪」
女神にたしなめられた。自分はコピー刀に何かあれば廃棄する気満々だった。このコピー刀は生きているのだ。
それを忘れてしまった自分が悪い。
「ヨッシー殿。ここは自分がなんとかしましょう」
「謙信殿。任せてよろしいのかえ?」
「任されたし。そこのお化けえりんげ! おまんら許さんぜよ! うおえええ!」
「ちょっと、謙信殿!? いきなりどうしたのじゃ!?」
謙信が先ほど飲んだ魔素酒を吐き出した。口の周りが真っ黒に染まっている。急いで謙信に肩を貸す。
「すみません。徹夜で飲んでいたので……」
「帰れ! 寝ろ!」
謙信は二日酔いと徹夜のせいもあって、魔素に耐え切れなかったようだ。スマホを懐から取り出し、それでゲートを作る。
謙信のケツを蹴っ飛ばし、彼を元の世界へと追い返す。するとスマホがブルブルと鳴った。嫌な予感を感じながらもスマホの画面を見る。
『信玄:もう一度、呼んでくれてもいいんだよ?(ちらちら)』
「呼ぶわけがないのじゃ! 大人しく先ほど送った普通の写メでマスかいてろでおじゃる!」
スマホを懐へ仕舞おうとした。しかし、立て続けにスマホがブルブルと鳴った。信玄以外がLINEメッセージを送ってくれた可能性がある。
スマホの画面を見る。思わず心底「ホッ」と安堵してしまった。
『顕如:この石頭で良ければ!」
大サルのパンチですら軽々と弾いてしまう巨大えりんげモンスターだ。もしかしなくても、顕如の石頭が通用するわけがないと思ってしまう。
しかし、それでも顕如ならなんとかしてくれそうな気がした。スマホから発する光を地面に当てて、ゲートを作り出す。
ゲートを潜って、大阪市市長の本願寺顕如が現れた。袈裟姿に数珠を手にしている。さらには禿げ頭が真っ赤に輝いていた。
「顕如殿? なぜそんなに頭が真っ赤になっているでおじゃる?」
「ふっ……聞いて驚かないでほしい。タオルでゴシゴシと磨いて、発熱させてきたのですぞ。表面温度は1000℃を軽く超えております!」
「えっ……マジ?」
「さあ、お化けえりんげよ! 御仏の力を見るがよい!」
顕如が真っ赤になった禿げ頭を押し付けるように突進していく。しかし、敵もバカではない。腕のような触手を右から左へと振り回して、顕如をぶん殴ってみせた。
さらに顕如を動けぬようにしてきた。顕如を坑道の壁へと押し当てると、お化けえりんげが腕を切り離す。
その腕が広がりを見せて、顕如を壁に縛り付けた。
「せっかく禿げ頭を熱してきたというのにぃ!」
「……無駄な努力でおじゃったな」
"このお化けえりんげ、強すぎやっぞい!"
"ミッチーは整備が行き届いてないAK74がトラブって無力化"
"サルは孫悟空になったけど、打撃系が効かない"
"ヨッシーは刀の機嫌を損ねた"
"謙信が二日酔いでダウンw"
"顕如に至ってはなにしにきたん? こいつってレベルwww"
"さあ、盛り上がってまいりました!"
"まだあの男が残っているぞーーー!"
"やはり主人公の器だぜ……"
"ノッブ、いけーーー!"
"ノッブ、ノッブ、ノッブ!"
"格好いいところ、見せてくれよぉ!?"
悔しくて涙が出てきちゃう。だって、自分が主役のはずなのに、コメント欄ではノッブが主人公扱いだ。
しかし、いくらこちらが悔しがっても、ノッブは皆からそう言われるだけのオーラを身体に纏っていた。
そのノッブがこちらへと近づいてくる。さらには片膝をつき、こちらの右手を取って、その甲に接吻してきた。
「ヨッシー。先生はヨッシーの騎士です。さあ、ご命令を……」
「ぐぅ! どこまでも格好いい男なのじゃーーー! 胸がどっきんどっきんして仕方ないのじゃーーー!」
「ふふ……ヨッシーはお姫様ですからね?」
ノッブがウインクしてきた。そうされたことで、こちらは顔から火が噴き出そうなほどに熱を帯びてしまう。
「わかった! わかったのじゃ! ノッブ! 眼前の敵を打ち払うのじゃ!」
「ふふっ。さあ、見ていてください。我が獄炎魔法を! この世の全てをヨッシーのために灰燼に帰しましょう!」
「あほかっ! 誰がいつそのようなことを頼んだのじゃ!」
「あれ? 違いました?」
「違いすぎじゃドアホが! さっさとお化けえりんげを丸焼きにしてたもれ!」
「ふむ。では、獄炎魔法の威力を下げましょう。地獄の番犬ケルベロスよ。そなたの力を我に貸せ。目の前の敵を丸焼きにせよ!」
ノッブの右手から火炎放射器のように炎が噴射された。
「うみゃあああ!?」
高熱の炎に焼かれたお化けえりんげが見る見るうちに小さくなっていく。こちらは「ごくり……」と息を飲むしかない。
ノッブの勇壮な姿を見ていると自然と涙が溢れてきた。それが悔し涙なのか、嬉し涙なのかもわからない。
ただただ心がかき乱されてしまう。ノッブの姿によって……。
(くぉぉぉ。ノッブ殿がとんでもなく格好いいのじゃー! わっち、ノッブ殿に本気で惚れてしまうかもなのじゃーーー! 嫌なのじゃーーー!)
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