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第19章:譲れない明日

第3話:極上の天然タラシ

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(エーリカちゃんはとんでもない悪魔でッチュウねぇ~~~。さすがは欲望の聖痕スティグマが発動しちゃっただけはあるのでッチュウ。さて、タケルはどっちの尻穴を選ぶでッチュウか?)

 エーリカはタケルとの秘密の情事において、欲望の聖痕スティグマが発動することは、これまで一切無かった。それはエーリカにとっての安全弁だとも言えた。だが、その安全弁を外すのがタケルでは無く、清楚可憐なセツラであったことにさらなる興味心がうずいたのであった。

 ならば、このまま観測を続けるだけに留めようと思ったコッシローであった。タケルはセツラのお尻の穴を凝視した後、それを一度、脳内から振り払うように頭を強く振りまくった。セツラの尻の穴の映像が残像ごと消し飛んだ後、タケルはエーリカのお尻の穴を凝視したのである。

「エーリカの尻の穴の奥が見たい……。セツラだけじゃ不公平じゃないか」

「ほんと、タケルお兄ちゃんはド変態すぎるわ……。セツラお姉ちゃんをダシにあたしにお願いするなんてねー?」

「す、すまん。そう言えば、エーリカが俺の頼みを聞いてくれるんじゃないかってさ」

「まあ、間違ってないかも。タケルお兄ちゃんにしては頭を使ったと思う。ちょっと待ってね? 力を入れればいいのか、抜くのがいいのか、よくわからないから」

 エーリカはこうかしら? という表情になりながら、お尻に力を入れたり、抜いたりしてみせる。それだけでは足りぬとばかりに手を使って、お尻の肉を動かしてみせる。タケルとしては今の尻の穴の見え方がベストだったのに……。何度もイキきれない思いを味わされることになる。

 まさに寸止めとはこのことを言うのであろう。そして、エーリカはそれを無意識にやってのけている。小悪魔的に意地悪でそれをやってくれていたほうがタケルにとってはまだマシだったのだ。タケルはエーリカの尻の穴の見え方がベストになるようにと、エーリカに手の動かし方、尻の力の入れ加減を指示するようになる。

「ふぅ……。満足だ……。これでエーリカの中におちんこさんをねじこめたら言うことなしだ」

「残念でしたっ。タケルお兄ちゃんからのお触りは厳禁よ。セツラお姉ちゃん、ごめんねっ。セツラお姉ちゃんが嫌がるのはわかってたけど、あたしはセツラお姉ちゃんとの間に隠しごとはなるべくしたくなかったの」

 エーリカはセツラにおこなった無礼の数々を詫びる。セツラはどう反応すればいいのかわからなくってしまっていた。エーリカのタケルお兄ちゃん説教会がここまでとんでもない変態行為にまで発展していたことを知ることが出来たと素直に喜ぶべきなのか。それとも、二人の秘密の儀式を知った以上、自分はこれから先もエーリカたちに巻き込まれてしまう不安を今のうちにぶちまけるべきなのかと。

「タケルお兄ちゃんて、コッサンをセツラお姉ちゃんに当てがっておきながら、自分は自分で憤慨してたのよ? 大事な家族をコッサンに取られなきゃならんのかって」

「そこまでは言ってねーよ。ただ、面白くねーなって。可愛がっていた妹を余所の男に持っていかれる心の寂しさを今更ながらに痛感しただけだ」

 セツラはタケルのその一言で救われる気がしてしまった。自分はなんてチョロい女なのだろうと思ってしまう。でも、タケルが自分が側にいないことで寂しさを感じてくれていることが、どんなことよりも嬉しくなってしまった。

「タケルお兄さん。わたくしは幸せですわ。タケルお兄さんがわたくしのことなんて、もうどうでも良いって思ってるのと思っていましたもの……」

「んなわけあるかっての。そりゃ、ここ最近、大変すぎるエーリカにつきっきりだったのは悪いとは思ってる。こんなちょっとしたド変態な時間につき合わせただけだが、セツラは少しは気が楽になったか?」

「それはどうかしら? 明日の朝にはケロッとエーリカばかりにかまけることになると思いますもの。エーリカが羨ましいですわ」

 セツラはタケルにせめてもの嫌がらせをしてやろうと思った。結局、タケルは自分を選んでくれたわけではない。最終的にエーリカのお尻の穴で果てたのはタケル本人なのである。この絶望的すぎるエーリカとの差にセツラは悔しさでたまらなくなる。

 だから、セツラはもう1歩だけ、タケルに対して踏み込んだ。エーリカたちは事が終わってから、服を整え、椅子に座ってお茶を飲んでいた。エーリカはセツラの言葉を耳にした瞬間、口に含んでいたお茶をタケルの顔面に鉄砲魚のよう噴き出したのだ。

「ちょっと!? セツラお姉ちゃん、それは汚くない!?」

「うふふっ。エーリカが言ったのよ? エーリカとタケルお兄さんはお触り厳禁だと決めているようですが、わたくしはそんな戒律に縛られる必要がありませんもの。タケルお兄さん? お触りOKのわたくしと、お触り厳禁のエーリカ。どっちをオカズにしたいですの?」

 エーリカはセツラとタケルお兄ちゃんを交互に見ていた。どうしようどうしようと慌てふためいている。そんなエーリカに対して、セツラはお姉ちゃんとしての威厳たっぷりにゆっくりとお茶を飲んでいる。だが、そんな威厳と余裕たっぷりのセツラはタケルのとんでもない一言を聞いて、タケルの顔面に鉄砲魚のようにお茶を噴き出してしまう。

「ん? 俺、またとんでもないことを言っちまったのか?」

「タケルお兄ちゃん、今すぐ、正座っ! そして、あたしとセツラお姉ちゃんに土下座しなさいっ!」

「本当に見損ないましたわ……。タケルお兄さんはド変態からド畜生に格下げですの。ド外道を通り越して、一気にド畜生ですわ」

「うーーーん。よくわからんが、俺が間違ったことを言ったんだろうな。よっし、タケルお兄ちゃん説教会第2ラウンドの開催だぁぁぁ! お前ら、ふたりとも、仲良く俺を叱ってくれっ!」

 コッシローは今すぐにでも、この3人の中へ飛び込んで、エーリカとセツラの代わりにタケルを心行くまでボコボコにしてやりたいと思った。それくらいにタケルの言い放ったさっさきの言葉はふざけすぎていたのだ。

(こいつは本当、昔から変わらないのでッチュウ。女を振り回すことに関しては、この世でこいつに勝てる奴がいるのかどうか、探してみたいくらいでッチュウよ。普通、あんなこと言うでッチュウ? 俺の股間からおちんこさんが2本生えているなら、エーリカとセツラの尻の穴、両方いっぺんに穿ってみたいって。こいつは真性のドアホなのでッチュウ)

 エーリカとセツラは手加減無しでタケルの胸板や背中にトゲトゲ付きの鉄球付きの鞭を力いっぱいぶち当てた。さらにはタケルに対して、オカズを与えるどころか、トドメの蹴りを二人同時に入れて、エーリカの寝室から追い出してしまう。

 それでも怒りが収まらないのか、エーリカとセツラはタケルを蹴飛ばしながら、タケルを寝室に運び入れるのであった。そんなタケルに対して、コッシローは殺されないだけマシだったチュウねとしか言いようがなかった。

 しかしながらだ。エーリカとセツラはタケルをタケルの寝室に蹴り入れるや否や、二人の間に火花をまき散らす。エーリカはセツラのことを泥棒猫とでも言いたげな表情になる、そんなエーリカに対して、セツラはセツラでお姉さん以上の上から目線で、エーリカよりも大きな胸を張ってみせる。

 コッシローはこのまま観測者として徹底し続けるべきなのかとおおいに悩むことになる。
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