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第10章:神槍
第1話:拳で語れ
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ロック=イートの頭の中は混乱の境地へと達する。それと同時にロック=イートは激しい頭痛に襲われることとなる。忘れてはいけない何かを忘れている。そんな感覚に襲われるロック=イートであった。
「俺の父はスカイ=イート。母の名はライラ=イートだっ!」
「はい、その通りです。彼ら夫婦は元々、アンゴリア大王国に存在するとある研究所の研究員でした。そして、自分たちの説の正しさを証明するために、貴方を産み育てたのですよ。しかしながら、あの夫婦は貴方の存在を隠そうとしたのです」
ロック=イートは神槍:ブリトニー=ノーガゥの言葉を聞くたびに、頭痛が激しくなってくる気分になってしまう。聞いてはいけないような、だが知らなければならないような気がしてたまらない。その心の中でのせめぎ合いがロック=イートに激しい頭痛をもたらしたのである。そんな二人のやりとりを止めるべく、剣聖:プッチィ=ブッディが口を開く。
「やめろと言っているッス! ブリトニーっち! それ以上、その事に言及するというのならば、この試合自体を止めるッスよっ!!」
剣聖:プッチィ=ブッディの発言を受け、神槍:ブリトニー=ノーガゥはやれやれとばかりに頭を左右に振る。そして、左腕で抱え込んでいた孔雀の尾羽付きの兜を頭に装着し、右手に持つ槍を真っ直ぐにロック=イートに向ける。ロック=イートは頭痛を吹き飛ばすようにブルブルと強めに頭を左右に振り、両足を前後に大きく開く。そして、腰をゆっくりと落としていき、臨戦態勢へと移るのであった。
「俺を惑わせようとするのはそこまでだっ! モトカード流拳法 第2条:武人は言葉で語るな、拳で語れっ!!」
ロック=イートの気迫がこもった言葉を受けて、神槍:ブリトニー=ノーガゥは口の端をニヤリと歪める。彼は両手で聖槍:ロンギヌスの柄を掴み、それを一度グルンと回して、臨戦態勢へと移るのであった。二人のその姿は、これ以上の言葉での応酬は不要と言わんばかりであった。そんな二人を見ていた剣聖:プッチィ=ブッディは一度、はあああ……と深いため息をつく。
そして剣聖:プッチィ=ブッディが右腕を高々と振り上げ、試合開始の合図となる銅鑼を鳴らすようにと指示を出す。観客席の上段で試合管理人が銅鑼をジャンジャンジャーン! と三度大きく鳴らす。それを合図に試合が行なわれる石畳の上にいる二人が一斉に動き出す。
「ロケット・パーーーンチッ!!」
ロック=イートは試合が開始されると同時に、自分が最も得意とするロケット・パンチを神槍:ブリトニー=ノーガゥに対して放つ。左足で石畳を蹴っ飛ばし、それを勢いとして、彼との距離を一気に詰める。だが、ロック=イートの視界は翠玉一色に染まることとなる。
神槍:ブリトニー=ノーガゥは真正面から突っ込んでくるロック=イートに対して、身体をひねり、背中に羽織っていた外套を翻したのである。広げられた翠玉色の外套にロック=イートはロケット・パンチをぶち込む結果となったのだ。神槍:ブリトニー=ノーガゥが見せた動きはさながら闘牛士のようでもあった。
「おっとっと。いきなり必殺パンチですか。やれやれ、もう少し戦いを楽しもうという気はないのですかね?」
「うるせえっ! ロケット・パーーーンチッ!!」
ロック=イートは左手で自分の身体に纏わりつく翠玉色の外套を彼から剥ぎ取ると、右足をドンッ! と石畳に叩きつけ、右手を真っ直ぐに突き出す。外套は剥ぎ取ったために、先ほどと同じようなことを神槍:ブリトニー=ノーガゥには出来ないはずであった。だが、ロック=イートの視界はまたしても翠玉一色に染まることとなる。
「ッ!?」
ロック=イートは自分の身に何が起きているのか、その時はわからなかった。ただひとつわかっていることは、自分の両足が石畳の上から離れていることである。神槍:ブリトニー=ノーガゥは連続で突っ込んでくるロック=イートの足を聖槍:ロンギヌスの柄で払ったのだ。ロック=イートは自分の推進力で宙を舞うことになる。そして、ブリトニー=ノーガゥは聖槍:ロンギヌスの穂先で、先ほどまで羽織っていた外套を拾い上げて、宙に舞うロック=イートに纏わりつかせたのであった。
観客たちはいったい何が起きているのかわからなかった。あまりにもの攻防が一瞬の間で行われているので、それに思考が追い付かなかったのである。そんな観客たちがわかることはただひとつ、ロック=イートを神槍:ブリトニー=ノーガゥが手玉に取っていることであった。
ロック=イートが石畳の上に背中を打ち付ける恰好で着地する。だが、ロック=イートはまたもや身体に纏わりつく外套を剥ぎ取るや否や、神槍:ブリトニー=ノーガゥとの距離を詰める。ロック=イートはこの時、彼との距離を空けてはいけないという強迫観念にとらわれていたのだ。相手が持つのは長さ1.8メートルある金属製の柄を持つ槍である。穂先こそは硬い木製のカバーを施されているが、それでも距離を空けた状況で、それを上段から叩き込まれれば、大槌で殴られるのと同じ衝撃を喰らってしまう。
槍は突き刺す武器として使うよりも、打撃武器として使わることのほうが厄介なのである。上段構えからの槍自体のしなりを利用した叩き伏せは金属製の兜を叩き割るほどの威力を発揮する。だからこそ、ロック=イートはそのような状況に追い込まれないように、常に神槍:ブリトニー=ノーガゥとの距離を詰め続けたのであった。
しかし、ロック=イートのロケット・パンチはまたもや不発に終わる。ロック=イートが突っ込んでくる力を利用するかのように、神槍:ブリトニー=ノーガゥが穂先とは逆方向にある石突部分をロック=イートの突進に合わせたのだ。そして、カウンター気味にロック=イートのみぞおちに石突部分が深々と突き刺さることとなる。
ロック=イートはガハッ! と大きく口から苦痛の声を漏らし、その場で膝から崩れ落ちるように倒れ込むこととなる。そこに追撃するように神槍:ブリトニー=ノーガゥは石突部分で、ロック=イートの顎を下から跳ね上げる。
「ハハッ! まだまだ倒れるには早いですよ? ロックくん。キミには自分と踊ってもらわなければなりませんからね!?」
神槍:ブリトニー=ノーガゥは石突部分でロック=イートの身体を散々に下から上へとかち上げて、ロック=イートが石畳の上でダウンしてしまうのを無理やり防ぐのであった……。
「俺の父はスカイ=イート。母の名はライラ=イートだっ!」
「はい、その通りです。彼ら夫婦は元々、アンゴリア大王国に存在するとある研究所の研究員でした。そして、自分たちの説の正しさを証明するために、貴方を産み育てたのですよ。しかしながら、あの夫婦は貴方の存在を隠そうとしたのです」
ロック=イートは神槍:ブリトニー=ノーガゥの言葉を聞くたびに、頭痛が激しくなってくる気分になってしまう。聞いてはいけないような、だが知らなければならないような気がしてたまらない。その心の中でのせめぎ合いがロック=イートに激しい頭痛をもたらしたのである。そんな二人のやりとりを止めるべく、剣聖:プッチィ=ブッディが口を開く。
「やめろと言っているッス! ブリトニーっち! それ以上、その事に言及するというのならば、この試合自体を止めるッスよっ!!」
剣聖:プッチィ=ブッディの発言を受け、神槍:ブリトニー=ノーガゥはやれやれとばかりに頭を左右に振る。そして、左腕で抱え込んでいた孔雀の尾羽付きの兜を頭に装着し、右手に持つ槍を真っ直ぐにロック=イートに向ける。ロック=イートは頭痛を吹き飛ばすようにブルブルと強めに頭を左右に振り、両足を前後に大きく開く。そして、腰をゆっくりと落としていき、臨戦態勢へと移るのであった。
「俺を惑わせようとするのはそこまでだっ! モトカード流拳法 第2条:武人は言葉で語るな、拳で語れっ!!」
ロック=イートの気迫がこもった言葉を受けて、神槍:ブリトニー=ノーガゥは口の端をニヤリと歪める。彼は両手で聖槍:ロンギヌスの柄を掴み、それを一度グルンと回して、臨戦態勢へと移るのであった。二人のその姿は、これ以上の言葉での応酬は不要と言わんばかりであった。そんな二人を見ていた剣聖:プッチィ=ブッディは一度、はあああ……と深いため息をつく。
そして剣聖:プッチィ=ブッディが右腕を高々と振り上げ、試合開始の合図となる銅鑼を鳴らすようにと指示を出す。観客席の上段で試合管理人が銅鑼をジャンジャンジャーン! と三度大きく鳴らす。それを合図に試合が行なわれる石畳の上にいる二人が一斉に動き出す。
「ロケット・パーーーンチッ!!」
ロック=イートは試合が開始されると同時に、自分が最も得意とするロケット・パンチを神槍:ブリトニー=ノーガゥに対して放つ。左足で石畳を蹴っ飛ばし、それを勢いとして、彼との距離を一気に詰める。だが、ロック=イートの視界は翠玉一色に染まることとなる。
神槍:ブリトニー=ノーガゥは真正面から突っ込んでくるロック=イートに対して、身体をひねり、背中に羽織っていた外套を翻したのである。広げられた翠玉色の外套にロック=イートはロケット・パンチをぶち込む結果となったのだ。神槍:ブリトニー=ノーガゥが見せた動きはさながら闘牛士のようでもあった。
「おっとっと。いきなり必殺パンチですか。やれやれ、もう少し戦いを楽しもうという気はないのですかね?」
「うるせえっ! ロケット・パーーーンチッ!!」
ロック=イートは左手で自分の身体に纏わりつく翠玉色の外套を彼から剥ぎ取ると、右足をドンッ! と石畳に叩きつけ、右手を真っ直ぐに突き出す。外套は剥ぎ取ったために、先ほどと同じようなことを神槍:ブリトニー=ノーガゥには出来ないはずであった。だが、ロック=イートの視界はまたしても翠玉一色に染まることとなる。
「ッ!?」
ロック=イートは自分の身に何が起きているのか、その時はわからなかった。ただひとつわかっていることは、自分の両足が石畳の上から離れていることである。神槍:ブリトニー=ノーガゥは連続で突っ込んでくるロック=イートの足を聖槍:ロンギヌスの柄で払ったのだ。ロック=イートは自分の推進力で宙を舞うことになる。そして、ブリトニー=ノーガゥは聖槍:ロンギヌスの穂先で、先ほどまで羽織っていた外套を拾い上げて、宙に舞うロック=イートに纏わりつかせたのであった。
観客たちはいったい何が起きているのかわからなかった。あまりにもの攻防が一瞬の間で行われているので、それに思考が追い付かなかったのである。そんな観客たちがわかることはただひとつ、ロック=イートを神槍:ブリトニー=ノーガゥが手玉に取っていることであった。
ロック=イートが石畳の上に背中を打ち付ける恰好で着地する。だが、ロック=イートはまたもや身体に纏わりつく外套を剥ぎ取るや否や、神槍:ブリトニー=ノーガゥとの距離を詰める。ロック=イートはこの時、彼との距離を空けてはいけないという強迫観念にとらわれていたのだ。相手が持つのは長さ1.8メートルある金属製の柄を持つ槍である。穂先こそは硬い木製のカバーを施されているが、それでも距離を空けた状況で、それを上段から叩き込まれれば、大槌で殴られるのと同じ衝撃を喰らってしまう。
槍は突き刺す武器として使うよりも、打撃武器として使わることのほうが厄介なのである。上段構えからの槍自体のしなりを利用した叩き伏せは金属製の兜を叩き割るほどの威力を発揮する。だからこそ、ロック=イートはそのような状況に追い込まれないように、常に神槍:ブリトニー=ノーガゥとの距離を詰め続けたのであった。
しかし、ロック=イートのロケット・パンチはまたもや不発に終わる。ロック=イートが突っ込んでくる力を利用するかのように、神槍:ブリトニー=ノーガゥが穂先とは逆方向にある石突部分をロック=イートの突進に合わせたのだ。そして、カウンター気味にロック=イートのみぞおちに石突部分が深々と突き刺さることとなる。
ロック=イートはガハッ! と大きく口から苦痛の声を漏らし、その場で膝から崩れ落ちるように倒れ込むこととなる。そこに追撃するように神槍:ブリトニー=ノーガゥは石突部分で、ロック=イートの顎を下から跳ね上げる。
「ハハッ! まだまだ倒れるには早いですよ? ロックくん。キミには自分と踊ってもらわなければなりませんからね!?」
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