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第6章:東の海へ
第1話:冷たい態度
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――北ラメリア大陸歴1495年1月17日 ウィーゼ王国:ショートアイランドから港町:モンドロークへ――
レオナルト=ヴィッダー、クルス=サンティーモ、リリベル=ユーリィは幌馬車に乗ったまま、東西に200キュロミャートル続く横長の地を進み続ける。この地は南北を海で囲まれており、四季問わず、1年中潮風に晒される土地であった。そのため、農地としては適さず、豚や牛の放牧地と利用されている土地であった。
そして、放牧されている家畜たちを狙い、小型から中型のモンスターが出現しやすい。リリベル=ユーリィは止まった幌馬車から降りて、その手にヒトが扱う武器をもつ犬顔の魔物である二本足歩行のコボルトたちと幾度か対峙することとなる。
「いくら、魔物と言えども、亜人に近しい身体をしているので、斬るのに一瞬のためらいをもってしまうわね」
リリベル=ユーリィは10匹のコボルト全てを斬り伏せた後、布で薔薇乙女の細剣に付着した紫色の血を拭いとる。そして、その細剣を腰の左側に佩いた鞘に収める。そんな彼女に対して、幌馬車の荷台から降りずに固唾を飲んで彼女を応援していたクルス=サンティーモがおおぉぉぉ……と感嘆の声を漏らしながら、パチパチと両手を打ち鳴らして賞賛を送る。
そんな純心さ全開のクルス=サンティーモに対して、気を良くしたリリベル=ユーリィは、ふふんと軽く胸を張りつつ、幌馬車の荷台に戻ろうとする。しかし、その瞬間であった。今まで手放しで喜んでいたクルス=サンティーモの顔が凍り付いたかのように固まったからである。リリベル=ユーリィは荷台の端に手を付けつつ、すぐに後ろを振り向く。
するとだ。リリベル=ユーリィの眼の前には全身血だるまのコボルトが息も絶え絶えに短槍を振り上げていたのである。リリベル=ユーリィはチッ! と大き目の舌打ちをしつつ、身体を回しながら、薔薇乙女の細剣の柄に右手を添える。
だが、それよりも早く動いたのが幌馬車の荷台の上で藁のベッドに背中を預けていたレオナルト=ヴィッダーであった。彼は紅い波模様が走る黒を基調とした手甲を装着している左腕をまっすぐにコボルトの血まみれの顔に向かって突き伸ばす。
レオナルト=ヴィッダーがそのような所作をした瞬間、彼の左の手のひらから、真っ黒な塊が飛び出す。その黒い塊はまっすぐにコボルトの顔面へとすっ飛んで行き、正面からぶち当たる。それが当たると同時に、コボルトの頭は内側から爆ぜるように、中身である脳漿を四方八方へとまき散らすこととなる。
「汚い花火だぜ。リリベル。魔物は存外に生命力が高いんだ。きっちり、頭をかち割るか、心臓を握りつぶせ」
レオナルト=ヴィッダーはそう言うと、左腕を元の位置に戻し、またもや胸の前で腕組をしつつ、背中を藁のベッドへ押し付ける。リリベル=ユーリィはそんなつっけんどんな態度を取るレオナルト=ヴィッダーに対して、みるみる頭に血が昇ってきそうになる。最後の一匹のことはともかくとして、コボルトたちを駆逐した自分に誉め言葉は無いのかと語気を荒げながら、文句を言ってしまいそうになる。しかし、それでもレオナルト=ヴィッダーはしんどそうに身体を藁のベッドに預けたままだ。
「も、申し訳ありません。わたしの不手際でした……」
リリベル=ユーリィは明らかに不満気な表情をその顔に映していた。唇をアヒルのクチバシのように尖らせつつ、潤んだ瞳を下に向け、幌馬車の荷台に乗り上がる。そして、そのままの表情で体育座りをし、さらには膝の上に顔を隠すような形で乗せる。
(わたしだって、ちゃんとやろうとしたのにっ。レオは感謝も労いの声もかけてくれないっ!!)
リリベル=ユーリィは今にも泣きそうになっていた。コボルトの頭がスイカのようにかち割れて、それにより、リリベル=ユーリィの上半身が脳漿や、血で汚れているというのに、それを手ぬぐいで拭い落とすこともせずに、その姿勢を保ち続けた。クルス=サンティーモは、あわわ……と慌てふためいていた。ご主人様であるレオン様が、明らかにリリベル=ユーリィに対して、冷たすぎる態度をとっていることに驚愕していた。
幌馬車の中が水を打ったかのように、シーンと静まり返ったことで、どうしたものかと逡巡していたクルス=サンティーモはなるべく口から声を出さぬように注意しつつ、自分の頭に乗っていた蝙蝠羽付きの白いネズミのコッシロー=ネヅを両手で鷲掴みし、前後へと揺らす。そうされたコッシロー=ネヅはあからさまにやれやれといった所作をした後、パタパタと背中の翼を羽ばたかせつつ、うなだれるように藁のベッドに背中を預けているレオナルト=ヴィッダーの顔の前まで移動する。
レオナルト=ヴィッダーは何だ? と思いつつ、自分の顔の真ん前までやってきたコッシロー=ネヅを睨みつける。睨みつけられたコッシロー=ネヅは生意気だッチュウと言いながら、レオナルト=ヴィッダーの鼻を白い前歯でガブリと噛んでしまう。
「いってぇぇぇ! てめえ、コッシロー! 馬車から放り出すぞっ!!」
「黙れこわっぱでッチュウ! その痛みはリリベルちゃんの痛みそのものなのでッチュウ! レオン、お前は年頃の女の子が自分の身の危険を顧みずに、コボルト10匹と対峙したというのに、感謝の言葉ひとつも送れないクソガキでッチュウか!?」
レオナルト=ヴィッダーはうぐっ!! と言葉を詰まらせる他無かった。コッシロー=ネヅの言っていることはド正論である。はっきり言って、レオナルト=ヴィッダーが悪いのだ。いくら、左腕に装着された呪物から呪力を引き出す結果となろうとも、コボルト10匹に囲まれながらも、それらのほとんどを駆逐したリリベル=ユーリィに感謝の言葉ひとつも送ってないのだ。たった1匹、やりそこなったくらいで、そんなつれない態度は紳士の道から外れた、まさに『外道』の処遇だと、コッシロー=ネヅにはっきりと言われることとなる。
レオナルト=ヴィッダーは額に右の手のひらを当てて、うぐぐぐ……と悩んだ後、左足を引きずりながら、リリベル=ユーリィの隣へと身体を移動させる。そして、リリベル=ユーリィの隣に身体を位置付けた後、すまなそうな表情でリリベル=ユーリィに謝罪と感謝の念を伝える。
「嫌です。わたしは非常に傷つきました。これはチューしてくれないと、収まりません」
リリベル=ユーリィはほっぺたを膨らませつつ、さらにレオナルト=ヴィッダーの方から顔を背ける。レオナルト=ヴィッダーは、まさに『え?』という疑問とも怪訝とも言えぬ表情になりつつ、顔だけクルス=サンティーモとコッシロー=ネヅの方へ向ける他無かった……。
レオナルト=ヴィッダー、クルス=サンティーモ、リリベル=ユーリィは幌馬車に乗ったまま、東西に200キュロミャートル続く横長の地を進み続ける。この地は南北を海で囲まれており、四季問わず、1年中潮風に晒される土地であった。そのため、農地としては適さず、豚や牛の放牧地と利用されている土地であった。
そして、放牧されている家畜たちを狙い、小型から中型のモンスターが出現しやすい。リリベル=ユーリィは止まった幌馬車から降りて、その手にヒトが扱う武器をもつ犬顔の魔物である二本足歩行のコボルトたちと幾度か対峙することとなる。
「いくら、魔物と言えども、亜人に近しい身体をしているので、斬るのに一瞬のためらいをもってしまうわね」
リリベル=ユーリィは10匹のコボルト全てを斬り伏せた後、布で薔薇乙女の細剣に付着した紫色の血を拭いとる。そして、その細剣を腰の左側に佩いた鞘に収める。そんな彼女に対して、幌馬車の荷台から降りずに固唾を飲んで彼女を応援していたクルス=サンティーモがおおぉぉぉ……と感嘆の声を漏らしながら、パチパチと両手を打ち鳴らして賞賛を送る。
そんな純心さ全開のクルス=サンティーモに対して、気を良くしたリリベル=ユーリィは、ふふんと軽く胸を張りつつ、幌馬車の荷台に戻ろうとする。しかし、その瞬間であった。今まで手放しで喜んでいたクルス=サンティーモの顔が凍り付いたかのように固まったからである。リリベル=ユーリィは荷台の端に手を付けつつ、すぐに後ろを振り向く。
するとだ。リリベル=ユーリィの眼の前には全身血だるまのコボルトが息も絶え絶えに短槍を振り上げていたのである。リリベル=ユーリィはチッ! と大き目の舌打ちをしつつ、身体を回しながら、薔薇乙女の細剣の柄に右手を添える。
だが、それよりも早く動いたのが幌馬車の荷台の上で藁のベッドに背中を預けていたレオナルト=ヴィッダーであった。彼は紅い波模様が走る黒を基調とした手甲を装着している左腕をまっすぐにコボルトの血まみれの顔に向かって突き伸ばす。
レオナルト=ヴィッダーがそのような所作をした瞬間、彼の左の手のひらから、真っ黒な塊が飛び出す。その黒い塊はまっすぐにコボルトの顔面へとすっ飛んで行き、正面からぶち当たる。それが当たると同時に、コボルトの頭は内側から爆ぜるように、中身である脳漿を四方八方へとまき散らすこととなる。
「汚い花火だぜ。リリベル。魔物は存外に生命力が高いんだ。きっちり、頭をかち割るか、心臓を握りつぶせ」
レオナルト=ヴィッダーはそう言うと、左腕を元の位置に戻し、またもや胸の前で腕組をしつつ、背中を藁のベッドへ押し付ける。リリベル=ユーリィはそんなつっけんどんな態度を取るレオナルト=ヴィッダーに対して、みるみる頭に血が昇ってきそうになる。最後の一匹のことはともかくとして、コボルトたちを駆逐した自分に誉め言葉は無いのかと語気を荒げながら、文句を言ってしまいそうになる。しかし、それでもレオナルト=ヴィッダーはしんどそうに身体を藁のベッドに預けたままだ。
「も、申し訳ありません。わたしの不手際でした……」
リリベル=ユーリィは明らかに不満気な表情をその顔に映していた。唇をアヒルのクチバシのように尖らせつつ、潤んだ瞳を下に向け、幌馬車の荷台に乗り上がる。そして、そのままの表情で体育座りをし、さらには膝の上に顔を隠すような形で乗せる。
(わたしだって、ちゃんとやろうとしたのにっ。レオは感謝も労いの声もかけてくれないっ!!)
リリベル=ユーリィは今にも泣きそうになっていた。コボルトの頭がスイカのようにかち割れて、それにより、リリベル=ユーリィの上半身が脳漿や、血で汚れているというのに、それを手ぬぐいで拭い落とすこともせずに、その姿勢を保ち続けた。クルス=サンティーモは、あわわ……と慌てふためいていた。ご主人様であるレオン様が、明らかにリリベル=ユーリィに対して、冷たすぎる態度をとっていることに驚愕していた。
幌馬車の中が水を打ったかのように、シーンと静まり返ったことで、どうしたものかと逡巡していたクルス=サンティーモはなるべく口から声を出さぬように注意しつつ、自分の頭に乗っていた蝙蝠羽付きの白いネズミのコッシロー=ネヅを両手で鷲掴みし、前後へと揺らす。そうされたコッシロー=ネヅはあからさまにやれやれといった所作をした後、パタパタと背中の翼を羽ばたかせつつ、うなだれるように藁のベッドに背中を預けているレオナルト=ヴィッダーの顔の前まで移動する。
レオナルト=ヴィッダーは何だ? と思いつつ、自分の顔の真ん前までやってきたコッシロー=ネヅを睨みつける。睨みつけられたコッシロー=ネヅは生意気だッチュウと言いながら、レオナルト=ヴィッダーの鼻を白い前歯でガブリと噛んでしまう。
「いってぇぇぇ! てめえ、コッシロー! 馬車から放り出すぞっ!!」
「黙れこわっぱでッチュウ! その痛みはリリベルちゃんの痛みそのものなのでッチュウ! レオン、お前は年頃の女の子が自分の身の危険を顧みずに、コボルト10匹と対峙したというのに、感謝の言葉ひとつも送れないクソガキでッチュウか!?」
レオナルト=ヴィッダーはうぐっ!! と言葉を詰まらせる他無かった。コッシロー=ネヅの言っていることはド正論である。はっきり言って、レオナルト=ヴィッダーが悪いのだ。いくら、左腕に装着された呪物から呪力を引き出す結果となろうとも、コボルト10匹に囲まれながらも、それらのほとんどを駆逐したリリベル=ユーリィに感謝の言葉ひとつも送ってないのだ。たった1匹、やりそこなったくらいで、そんなつれない態度は紳士の道から外れた、まさに『外道』の処遇だと、コッシロー=ネヅにはっきりと言われることとなる。
レオナルト=ヴィッダーは額に右の手のひらを当てて、うぐぐぐ……と悩んだ後、左足を引きずりながら、リリベル=ユーリィの隣へと身体を移動させる。そして、リリベル=ユーリィの隣に身体を位置付けた後、すまなそうな表情でリリベル=ユーリィに謝罪と感謝の念を伝える。
「嫌です。わたしは非常に傷つきました。これはチューしてくれないと、収まりません」
リリベル=ユーリィはほっぺたを膨らませつつ、さらにレオナルト=ヴィッダーの方から顔を背ける。レオナルト=ヴィッダーは、まさに『え?』という疑問とも怪訝とも言えぬ表情になりつつ、顔だけクルス=サンティーモとコッシロー=ネヅの方へ向ける他無かった……。
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