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第7章:暴力に屈する正義
第2話:演技臭さ
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その後、レオナルト=ヴィッダーとリリベル=ユーリィとの間には会話はなかった。ただ、波打ち際で遊び続けるクルス=サンティーモとエクレア=シューのふたりを見続けていた。言葉を交わさなくてもリリベル=ユーリィには十分な時間を過ごせたと思っている。愛しい彼のすぐ側に座り、ただただ茫然と時間が過ぎていく。これだけでリリベル=ユーリィには幸せだった。
野営地を設営し終えたデーブ=オクボーンは、レオナルト=ヴィッダーに作業終了を告げる。レオナルト=ヴィッダーは前腕固定型杖を器用に支えにしながら、その場で立ち上がり、リリベル=ユーリィから身を離す。リリベル=ユーリィは何も言わない彼の後を黙ってついていき、デーブ=オクボーンたちが設営し終わった野営地の出来栄えを確認する。
「どうよ? 2年間もの戦で鍛え上げられたせいか、ちょちょいのちょいで作り終えちまったぜ」
「ありがとう、デーブ。報酬はリリベルの尻をふたもみでどうだ?」
レオナルト=ヴィッダーがリリベル=ユーリィの方を振り返りもせずに、左手の親指でリリベル=ユーリィを指差してみせる。彼からいきなり話を振られたリリベル=ユーリィは、とっさに両手でお尻を隠してしまう。しかしながら、慌てふためくリリベル=ユーリィに対して、レオナルト=ヴィッダーとデーブ=オクボーンは、はっはっはっ! と豪快に笑ってみせる。
「リリベル嬢ちゃん。レオンから何も聞かされてないのか? 俺は男の娘相手じゃないとアッチが立たないってのをさ」
「そ、そうなの? じゃあ、レオはわたしをからかっただけ?」
「そう、その通り。だから安心しな。でも、リリベル嬢ちゃんにおちんこさんがついてるってのなら、話は別だけどな?」
リリベル=ユーリィは豚ニンゲンとねんごろになる性癖は持ち合わせていない。もし、そんな状況に陥るならば、相手の喉元を噛み切ってやろうと思ってしまう。体重差を考慮すれば、リリベル=ユーリィが動かせるのは首から上だけの状況となるだろう。黙って犯される気など、リリベル=ユーリィには全くもってない。
リリベル=ユーリィが自分の身体をじっくりと観察してくるので、デーブ=オクボーンは少しばかり寒気を感じてしまう。明らかに獲物を吟味している眼をしているリリベル=ユーリィだ。どこをどう攻めれば、圧倒的体格差を持つ相手を痛めつけれるのか? その試験体として、自分が選ばれていることを感じてしまうデーブ=オクボーンである。
「ああ、なんというかまあ……。リリベル嬢ちゃん。間違ってもおいらは女を手籠めにしようとは思わない。性癖的な意味でも、盗賊的な意味でもだ」
デーブ=オクボーンのその台詞を受け取り、リリベル=ユーリィの目力はやわらぐこととなる。デーブ=オクボーンは内心、ホッと安堵することとなる。その後、デーブ=オクボーンは大声を張り上げ、未だに波打ち際で遊ぶクルス=サンティーモとエクレア=シューを呼び寄せる。クルス=サンティーモとエクレア=シューは海水でずぶ濡れ状態である。
『地上の楽園』ということと、島の中央にある活火山のおかげで、今は1月の真っただ中だというのに、レオナルト=ヴィッダーたちの周りは温暖な気候に包まれている。真夏というほどではないが、気温は24度程度と、海水に濡れたとしても、肌寒いと感じる程度で済んでいるクルス=サンティーモとエクレア=シューである。
「久方ぶりに羽根を伸ばして遊びましたのですゥ。やっぱり海は良いですねェ。リリベル様も一緒に遊べばよかったのですゥ」
「いえ。わたしはいついかなる時もレオの騎士なので。レオの隣を独占していました」
「さすがは誉れ高き騎士様~~~。おかげでた~~~ぷり養生できました~~~」
エクレア=シューがリリベル=ユーリィに対して、深々と頭を下げてみせるが、どうしてもわざとらしさを感じてしまうリリベル=ユーリィである。所作のひとつひとつがいちいち演技くさいのだ、エクレア=シューは。おっとりとした雰囲気の中に女豹の本性を隠し持っていると考えているリリベル=ユーリィである。
現にエクレア=シューは濡れてしまった服を乾かすと言い出した次の瞬間には、男たちの眼があるというのに、その場で着ている服を脱ぎだしたのだ。彼女はノーブラ、ノーパン主義であるらしく、上の服を脱げば、実り切っていないスイカが。下を脱げば、髪の色と同じ色をした陰毛が男たちの眼に飛び込んでくる。
リリベル=ユーリィはそんな彼女を放置しておけるわけがなく、彼女が脱ぎ捨てた上着とズボンを拾い上げ、それらを彼女の身体に押し付けながら、テントの中へと押し込む。そして、テントの入り口をリリベル=ユーリィ自身の身体を持ってして衝立代わりとする。
「この娘があっぱらぱーだからといって、変なことをしないように。もし、エクレアに手を出そうものなら、レオと言えども断ち斬ります。ええ、何を斬るかはわかってもらえると思いますけど」
リリベル=ユーリィの脅し文句にエンダーラー・プライズ号の船員たちが起き上がりそうになっていた自分のおちんこさんを両手で抑えることとなる。リリベル=ユーリィはそんな男たちに侮蔑の視線を送る。男たちはへこへこと頭を下げながら、次の作業へと移っていく。リリベル=ユーリィは自分が何故に恋敵の身を案じなければならないのかと、ハァァァと長いため息をついてしまうこととなる。
しかし、年頃の女性が男たちの眼の前で裸をさらしてはいけないと思っての行動だ。リリベル=ユーリィは理解しがたい自分の行動であったが、自分は良識に従ったまでだと、無理やりに納得する。
その後、リリベル=ユーリィは服を海水で濡らしてしまったクルス=サンティーモとエクレア=シューからその服と下着を受け取り、頭上で燦々と照り付ける太陽の光が当たる場所でそれらを干す作業に移る。この時、リリベル=ユーリィが一番に驚いたのは、クルス=サンティーモの履いているパンツであった。いや、パンツと称するよりもショーツである。何故にこの男の娘は自分よりも可愛いショーツを履いているのか? これがわからないリリベル=ユーリィである。
「ここのふくらみはアレを包むのよね? でも、ここの部分に布地が無いのは何……で?」
このような形状のショーツだと、地面や椅子に座った時に、お尻の穴が剥き出しになってしまう構造をしていた。フリル付きの可愛いショーツだというのに、穴あきショーツでは無様すぎるのでは? と思ってしまう性的経験値が少なすぎるリリベル=ユーリィであった。リリベル=ユーリィとしては、新しいショーツを買うお金が無くて、渋々、お尻の穴が丸見えになってしまうようなショーツを履き続けなければならないクルス=サンティーモが可哀想だと思ってしまったのだ。
だからこそ、リリベル=ユーリィは濡れた服を干し終わった後、ひとりでその辺を探索していたレオナルト=ヴィッダーに小声でクルス=サンティーモに新しい下着を買うように、レオから言っておいてよと告げる。しかし、レオナルト=ヴィッダーは明らかに動揺して、リリベル=ユーリィから視線をおおいに逸らす。
リリベル=ユーリィは頭の中にクエスチョンマークを3つほど並べながら、首を傾げてしまう。
「いやなんだまあその……、あれはあれで便利なんだ」
「何が便利なの?」
リリベル=ユーリィは純心さ全開の表情でレオナルト=ヴィッダーに問いかける。レオナルト=ヴィッダーはますますリリベル=ユーリィから顔全体を逸らしていく……。
野営地を設営し終えたデーブ=オクボーンは、レオナルト=ヴィッダーに作業終了を告げる。レオナルト=ヴィッダーは前腕固定型杖を器用に支えにしながら、その場で立ち上がり、リリベル=ユーリィから身を離す。リリベル=ユーリィは何も言わない彼の後を黙ってついていき、デーブ=オクボーンたちが設営し終わった野営地の出来栄えを確認する。
「どうよ? 2年間もの戦で鍛え上げられたせいか、ちょちょいのちょいで作り終えちまったぜ」
「ありがとう、デーブ。報酬はリリベルの尻をふたもみでどうだ?」
レオナルト=ヴィッダーがリリベル=ユーリィの方を振り返りもせずに、左手の親指でリリベル=ユーリィを指差してみせる。彼からいきなり話を振られたリリベル=ユーリィは、とっさに両手でお尻を隠してしまう。しかしながら、慌てふためくリリベル=ユーリィに対して、レオナルト=ヴィッダーとデーブ=オクボーンは、はっはっはっ! と豪快に笑ってみせる。
「リリベル嬢ちゃん。レオンから何も聞かされてないのか? 俺は男の娘相手じゃないとアッチが立たないってのをさ」
「そ、そうなの? じゃあ、レオはわたしをからかっただけ?」
「そう、その通り。だから安心しな。でも、リリベル嬢ちゃんにおちんこさんがついてるってのなら、話は別だけどな?」
リリベル=ユーリィは豚ニンゲンとねんごろになる性癖は持ち合わせていない。もし、そんな状況に陥るならば、相手の喉元を噛み切ってやろうと思ってしまう。体重差を考慮すれば、リリベル=ユーリィが動かせるのは首から上だけの状況となるだろう。黙って犯される気など、リリベル=ユーリィには全くもってない。
リリベル=ユーリィが自分の身体をじっくりと観察してくるので、デーブ=オクボーンは少しばかり寒気を感じてしまう。明らかに獲物を吟味している眼をしているリリベル=ユーリィだ。どこをどう攻めれば、圧倒的体格差を持つ相手を痛めつけれるのか? その試験体として、自分が選ばれていることを感じてしまうデーブ=オクボーンである。
「ああ、なんというかまあ……。リリベル嬢ちゃん。間違ってもおいらは女を手籠めにしようとは思わない。性癖的な意味でも、盗賊的な意味でもだ」
デーブ=オクボーンのその台詞を受け取り、リリベル=ユーリィの目力はやわらぐこととなる。デーブ=オクボーンは内心、ホッと安堵することとなる。その後、デーブ=オクボーンは大声を張り上げ、未だに波打ち際で遊ぶクルス=サンティーモとエクレア=シューを呼び寄せる。クルス=サンティーモとエクレア=シューは海水でずぶ濡れ状態である。
『地上の楽園』ということと、島の中央にある活火山のおかげで、今は1月の真っただ中だというのに、レオナルト=ヴィッダーたちの周りは温暖な気候に包まれている。真夏というほどではないが、気温は24度程度と、海水に濡れたとしても、肌寒いと感じる程度で済んでいるクルス=サンティーモとエクレア=シューである。
「久方ぶりに羽根を伸ばして遊びましたのですゥ。やっぱり海は良いですねェ。リリベル様も一緒に遊べばよかったのですゥ」
「いえ。わたしはいついかなる時もレオの騎士なので。レオの隣を独占していました」
「さすがは誉れ高き騎士様~~~。おかげでた~~~ぷり養生できました~~~」
エクレア=シューがリリベル=ユーリィに対して、深々と頭を下げてみせるが、どうしてもわざとらしさを感じてしまうリリベル=ユーリィである。所作のひとつひとつがいちいち演技くさいのだ、エクレア=シューは。おっとりとした雰囲気の中に女豹の本性を隠し持っていると考えているリリベル=ユーリィである。
現にエクレア=シューは濡れてしまった服を乾かすと言い出した次の瞬間には、男たちの眼があるというのに、その場で着ている服を脱ぎだしたのだ。彼女はノーブラ、ノーパン主義であるらしく、上の服を脱げば、実り切っていないスイカが。下を脱げば、髪の色と同じ色をした陰毛が男たちの眼に飛び込んでくる。
リリベル=ユーリィはそんな彼女を放置しておけるわけがなく、彼女が脱ぎ捨てた上着とズボンを拾い上げ、それらを彼女の身体に押し付けながら、テントの中へと押し込む。そして、テントの入り口をリリベル=ユーリィ自身の身体を持ってして衝立代わりとする。
「この娘があっぱらぱーだからといって、変なことをしないように。もし、エクレアに手を出そうものなら、レオと言えども断ち斬ります。ええ、何を斬るかはわかってもらえると思いますけど」
リリベル=ユーリィの脅し文句にエンダーラー・プライズ号の船員たちが起き上がりそうになっていた自分のおちんこさんを両手で抑えることとなる。リリベル=ユーリィはそんな男たちに侮蔑の視線を送る。男たちはへこへこと頭を下げながら、次の作業へと移っていく。リリベル=ユーリィは自分が何故に恋敵の身を案じなければならないのかと、ハァァァと長いため息をついてしまうこととなる。
しかし、年頃の女性が男たちの眼の前で裸をさらしてはいけないと思っての行動だ。リリベル=ユーリィは理解しがたい自分の行動であったが、自分は良識に従ったまでだと、無理やりに納得する。
その後、リリベル=ユーリィは服を海水で濡らしてしまったクルス=サンティーモとエクレア=シューからその服と下着を受け取り、頭上で燦々と照り付ける太陽の光が当たる場所でそれらを干す作業に移る。この時、リリベル=ユーリィが一番に驚いたのは、クルス=サンティーモの履いているパンツであった。いや、パンツと称するよりもショーツである。何故にこの男の娘は自分よりも可愛いショーツを履いているのか? これがわからないリリベル=ユーリィである。
「ここのふくらみはアレを包むのよね? でも、ここの部分に布地が無いのは何……で?」
このような形状のショーツだと、地面や椅子に座った時に、お尻の穴が剥き出しになってしまう構造をしていた。フリル付きの可愛いショーツだというのに、穴あきショーツでは無様すぎるのでは? と思ってしまう性的経験値が少なすぎるリリベル=ユーリィであった。リリベル=ユーリィとしては、新しいショーツを買うお金が無くて、渋々、お尻の穴が丸見えになってしまうようなショーツを履き続けなければならないクルス=サンティーモが可哀想だと思ってしまったのだ。
だからこそ、リリベル=ユーリィは濡れた服を干し終わった後、ひとりでその辺を探索していたレオナルト=ヴィッダーに小声でクルス=サンティーモに新しい下着を買うように、レオから言っておいてよと告げる。しかし、レオナルト=ヴィッダーは明らかに動揺して、リリベル=ユーリィから視線をおおいに逸らす。
リリベル=ユーリィは頭の中にクエスチョンマークを3つほど並べながら、首を傾げてしまう。
「いやなんだまあその……、あれはあれで便利なんだ」
「何が便利なの?」
リリベル=ユーリィは純心さ全開の表情でレオナルト=ヴィッダーに問いかける。レオナルト=ヴィッダーはますますリリベル=ユーリィから顔全体を逸らしていく……。
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