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第7章:暴力に屈する正義
第10話:|須世理姫《スセリヒメ》
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さりとて、リリベル=ユーリィは最初の目的を果たしたことに満足し、鎧下に着る服を着直す。そして、レオナルト=ヴィッダーがパンツとズボンを履くのを手伝う。レオナルト=ヴィッダーに腰を浮かしてもらい、パンツに足を通してもらう。リリベル=ユーリィの眼には通常サイズに戻ったモンキーバナナが眼に映ることとなる。リリベル=ユーリィはうぅ……と口ごもり、パンツを移動させていく手が止まってしまうこととなる。
(そういえば、レオのおちんこさんをいじったことがない……。これって、わたしだけ損してる気がする)
リリベル=ユーリィはそう思うと、パンツから手を離し、両手でもぞもぞとレオのへなっているおちんこさんをいじり始める。レオナルト=ヴィッダーはウッ! と不覚にも声を漏らすが、今は素戔嗚を完全に自分の制御下に置いているために、屹立することはなかった。レオナルト=ヴィッダーがそれを出来た要因のひとつに、子宝袋の中身を全て吐き出していたことがある。そのため、レオナルト=ヴィッダーは孤高の賢者モードの真っ最中であった。
いくらリリベル=ユーリィが硬くなっていかないおちんこさんをいじり倒そうが、レオナルト=ヴィッダーのおちんこさんがその夜に再び屹立することは無かった。リリベル=ユーリィはほっぺたを河豚のように膨らませるのに対して、レオナルト=ヴィッダーは苦笑する他無かった。可愛らしくほっぺたをパンパンにしているリリベル=ユーリィの顎を右手で掴み、そのまま自分の唇へと誘導していく。
リリベル=ユーリィもそれを承諾したのか、レオナルト=ヴィッダーに誘われるままに、身体を前へと動かして、レオナルト=ヴィッダーと接吻をする。リリベル=ユーリィは幸せを感じ、甲斐甲斐しくレオナルト=ヴィッダーのパンツとズボンを元の位置に戻す作業へ移行する。
お互いに乱れた格好をキレイに整えた後、リリベル=ユーリィはレオナルト=ヴィッダーの左側に立ち、両腕をレオナルト=ヴィッダーの左腕に絡めさせる。その時に、リリベル=ユーリィの右の腕先に装着した奇稲田姫と、レオナルト=ヴィッダーの左の腕先に装着した素戔嗚が密着しあうこととなる。
するとだ。レオナルト=ヴィッダーとリリベル=ユーリィの脳裏にとある映像が流れ込んでくることとなる。
レオナルト=ヴィッダーに似た顔つきの筋肉隆々の大男が嬉しそうな顔で、アイリス=クレープスに似た小柄な女性でありながらも妊娠しているのがはっきりわかる腹にその髭面の顔をすりすりと擦り付けている。小柄な女性はクスクスとおかしそうに笑っている。そんな周りから見てても微笑ましいふたりの姿をレオナルト=ヴィッダーとリリベル=ユーリィはふたり同時に心が穏やかになってしまう。
しかし、しばらくすると彼らの脳内に流れる映像の場面が様変わりする。レオナルト=ヴィッダーに似た顔つきの大男は太陽の光も届かないような暗い大地の上をさまよい歩いていた。辺りからは魔物と思われる奇怪な笑い声、全てを憎むすすり泣きが反響していた。リリベル=ユーリィはここがどこかの大地かと思っていたが、笑い声や泣き声が遠い場所から反射してくることから、巨大な洞穴の中だと察知する。
そして、レオナルト=ヴィッダー似の男は、その光源も乏しい大きな洞穴の奥深くで、ひとりの年若い女性と青年を追いかけていた。女性の名をレオナルト=ヴィッダーに似た大男が呼び続けていた。彼女の名は『須世理姫』。状況から考えるに、父親であるレオナルト=ヴィッダー似の大男が、自分の娘であるらしい『須世理姫』に言い寄ってきた青年に対して、とてもではないが達成不可能な困難を与えた。
そのため青年はそんな試練により命を落としてしまうよりも、須世理姫と共に駆け落ちしてしまおうとしたのだ。その計画を知ったレオナルト=ヴィッダー似の大男は憤怒の形相で、青年と娘を追いかけまわしていたのだ。
青年と須世理姫が巨大な洞穴の出口までやってくる。そこで須世理姫は後ろを振り向き、自分に向かって迫ってくる父親に向かって深々と頭を下げる。
「お父様。今まで育ててくれたことには感謝しております。でも、わたしはわたしです。わたしは好いた殿方と共に、光あふれる地上へと旅立ちます。どうか、わたしたちを祝福してください」
レオナルト=ヴィッダー似の大男は娘に恨まれ事を言われると覚悟していた、しかし、その娘から放たれた言葉は感謝と親離れへの確かな意志を持っていた。レオナルト=ヴィッダー似の大男はその場で泣き崩れ、娘に対して祝言を贈る。
『やくもたつ いずもやえがき つまごみに やえがきつくる そのやえがきを』
それは父が母と結婚する際に、父から母に贈られた歌であった。幸せをふたりでどこまでも高く積み上げていこう。あの大空に浮かぶ重ね合う雲のように。その雲のさらに上に重なるように幸せを重ね上げようと。
須世理姫もまた、父親同様にぼろぼろと涙を流していた。彼女の隣に立つ青年は須世理姫の両肩に両手を回し、先に進もうと促す。須世理姫は涙を止めぬままにコクリと頷き、青年と共に光射す道を歩いていく……。
レオナルト=ヴィッダーとリリベル=ユーリィの脳裏に流れていた映像はそこで終わりを告げる。レオナルト=ヴィッダーは頭を左右に振り、幻影を頭の中から振り払うような所作を繰り返す。対して、リリベル=ユーリィはただただ青碧玉の双眸から涙を流し、レオナルト=ヴィッダーの左腕に絡めた両腕に力を込める。
リリベル=ユーリィは須世理姫のようになれたら、どれだけ良かったのだろうと思わずにはいられなかった。今、リリベル=ユーリィはアイリス=クレープスの姿を捨てて、レオナルト=ヴィッダーと共に居る。リリベル=ユーリィの姿かたちでレオナルト=ヴィッダーと旅に出たくなかった。出来るなら、アイリス=クレープスそのままで、レオナルト=ヴィッダーと共に、この『地上の楽園』へとやってきたかった。
しかし、レオナルト=ヴィッダーは違う感想を抱いていた。青年は父親から与えられた試練から逃げ出した卑怯者だと考えた。父親に認められぬままにその娘を手籠めにすることによって、与えられた罰の重さをレオナルト=ヴィッダー自身が痛感させられたからだ。
だからこそだ、今度こそ、レオナルト=ヴィッダーはアイリス=クレープスの父親であるロータス=クレープスに見せつけてやろうとした。俺は絶対にこの試練に打ち克ち、アイリスを幸せに出来るのはこの世で自分ただひとりであることを見せつけてやるのだと。
この身が朽ち果てることになろうとも、自分の魂と意志はアイリスと共にあるのだと、悲痛な願いを抱くレオナルト=ヴィッダーであった……。
(そういえば、レオのおちんこさんをいじったことがない……。これって、わたしだけ損してる気がする)
リリベル=ユーリィはそう思うと、パンツから手を離し、両手でもぞもぞとレオのへなっているおちんこさんをいじり始める。レオナルト=ヴィッダーはウッ! と不覚にも声を漏らすが、今は素戔嗚を完全に自分の制御下に置いているために、屹立することはなかった。レオナルト=ヴィッダーがそれを出来た要因のひとつに、子宝袋の中身を全て吐き出していたことがある。そのため、レオナルト=ヴィッダーは孤高の賢者モードの真っ最中であった。
いくらリリベル=ユーリィが硬くなっていかないおちんこさんをいじり倒そうが、レオナルト=ヴィッダーのおちんこさんがその夜に再び屹立することは無かった。リリベル=ユーリィはほっぺたを河豚のように膨らませるのに対して、レオナルト=ヴィッダーは苦笑する他無かった。可愛らしくほっぺたをパンパンにしているリリベル=ユーリィの顎を右手で掴み、そのまま自分の唇へと誘導していく。
リリベル=ユーリィもそれを承諾したのか、レオナルト=ヴィッダーに誘われるままに、身体を前へと動かして、レオナルト=ヴィッダーと接吻をする。リリベル=ユーリィは幸せを感じ、甲斐甲斐しくレオナルト=ヴィッダーのパンツとズボンを元の位置に戻す作業へ移行する。
お互いに乱れた格好をキレイに整えた後、リリベル=ユーリィはレオナルト=ヴィッダーの左側に立ち、両腕をレオナルト=ヴィッダーの左腕に絡めさせる。その時に、リリベル=ユーリィの右の腕先に装着した奇稲田姫と、レオナルト=ヴィッダーの左の腕先に装着した素戔嗚が密着しあうこととなる。
するとだ。レオナルト=ヴィッダーとリリベル=ユーリィの脳裏にとある映像が流れ込んでくることとなる。
レオナルト=ヴィッダーに似た顔つきの筋肉隆々の大男が嬉しそうな顔で、アイリス=クレープスに似た小柄な女性でありながらも妊娠しているのがはっきりわかる腹にその髭面の顔をすりすりと擦り付けている。小柄な女性はクスクスとおかしそうに笑っている。そんな周りから見てても微笑ましいふたりの姿をレオナルト=ヴィッダーとリリベル=ユーリィはふたり同時に心が穏やかになってしまう。
しかし、しばらくすると彼らの脳内に流れる映像の場面が様変わりする。レオナルト=ヴィッダーに似た顔つきの大男は太陽の光も届かないような暗い大地の上をさまよい歩いていた。辺りからは魔物と思われる奇怪な笑い声、全てを憎むすすり泣きが反響していた。リリベル=ユーリィはここがどこかの大地かと思っていたが、笑い声や泣き声が遠い場所から反射してくることから、巨大な洞穴の中だと察知する。
そして、レオナルト=ヴィッダー似の男は、その光源も乏しい大きな洞穴の奥深くで、ひとりの年若い女性と青年を追いかけていた。女性の名をレオナルト=ヴィッダーに似た大男が呼び続けていた。彼女の名は『須世理姫』。状況から考えるに、父親であるレオナルト=ヴィッダー似の大男が、自分の娘であるらしい『須世理姫』に言い寄ってきた青年に対して、とてもではないが達成不可能な困難を与えた。
そのため青年はそんな試練により命を落としてしまうよりも、須世理姫と共に駆け落ちしてしまおうとしたのだ。その計画を知ったレオナルト=ヴィッダー似の大男は憤怒の形相で、青年と娘を追いかけまわしていたのだ。
青年と須世理姫が巨大な洞穴の出口までやってくる。そこで須世理姫は後ろを振り向き、自分に向かって迫ってくる父親に向かって深々と頭を下げる。
「お父様。今まで育ててくれたことには感謝しております。でも、わたしはわたしです。わたしは好いた殿方と共に、光あふれる地上へと旅立ちます。どうか、わたしたちを祝福してください」
レオナルト=ヴィッダー似の大男は娘に恨まれ事を言われると覚悟していた、しかし、その娘から放たれた言葉は感謝と親離れへの確かな意志を持っていた。レオナルト=ヴィッダー似の大男はその場で泣き崩れ、娘に対して祝言を贈る。
『やくもたつ いずもやえがき つまごみに やえがきつくる そのやえがきを』
それは父が母と結婚する際に、父から母に贈られた歌であった。幸せをふたりでどこまでも高く積み上げていこう。あの大空に浮かぶ重ね合う雲のように。その雲のさらに上に重なるように幸せを重ね上げようと。
須世理姫もまた、父親同様にぼろぼろと涙を流していた。彼女の隣に立つ青年は須世理姫の両肩に両手を回し、先に進もうと促す。須世理姫は涙を止めぬままにコクリと頷き、青年と共に光射す道を歩いていく……。
レオナルト=ヴィッダーとリリベル=ユーリィの脳裏に流れていた映像はそこで終わりを告げる。レオナルト=ヴィッダーは頭を左右に振り、幻影を頭の中から振り払うような所作を繰り返す。対して、リリベル=ユーリィはただただ青碧玉の双眸から涙を流し、レオナルト=ヴィッダーの左腕に絡めた両腕に力を込める。
リリベル=ユーリィは須世理姫のようになれたら、どれだけ良かったのだろうと思わずにはいられなかった。今、リリベル=ユーリィはアイリス=クレープスの姿を捨てて、レオナルト=ヴィッダーと共に居る。リリベル=ユーリィの姿かたちでレオナルト=ヴィッダーと旅に出たくなかった。出来るなら、アイリス=クレープスそのままで、レオナルト=ヴィッダーと共に、この『地上の楽園』へとやってきたかった。
しかし、レオナルト=ヴィッダーは違う感想を抱いていた。青年は父親から与えられた試練から逃げ出した卑怯者だと考えた。父親に認められぬままにその娘を手籠めにすることによって、与えられた罰の重さをレオナルト=ヴィッダー自身が痛感させられたからだ。
だからこそだ、今度こそ、レオナルト=ヴィッダーはアイリス=クレープスの父親であるロータス=クレープスに見せつけてやろうとした。俺は絶対にこの試練に打ち克ち、アイリスを幸せに出来るのはこの世で自分ただひとりであることを見せつけてやるのだと。
この身が朽ち果てることになろうとも、自分の魂と意志はアイリスと共にあるのだと、悲痛な願いを抱くレオナルト=ヴィッダーであった……。
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