【R18】俺は悪くねえ! ~愛しのお姫様が女騎士に変化しているのを知らずに後ろの穴を穿ってしまいました~

ももちく

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第13章:暴力の制御

第6話:羽根を伸ばすふたり娘

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「そ、そうなんです? わたし、ちょっとお尻の肉付きが気になってしょうがないですけど……」

 リリベル=ユーリィが自分のお尻が以前よりも大きくなっている気がして、たまらなかった。これもそれもレオナルト=ヴィッダーがお尻を重点的にいじめてくるせいだと思っていた。しかし、喫茶店に居る妙齢の女性たちと喫茶店のマスターは、身体が成長しているあかしなだけだと言ってくれる。

「私のところなんて、旦那が私のお腹周りを見て、あまりにもぼやくから、あんたとの子を産んだからよっ! 責任取って、腰を振りなさいよっ! って言っちゃってるわよ」

「え? 失礼ですけど、40歳にさしかかるくらいにお見えするのですが……」

「あら、口がお上手ですわ。私たち、来年には50の大台にいきますわよ」

 このマダムの発言にリリベル=ユーリィとクルス=サンティーモは驚く他無かった。50の大台に差し掛かろうというのに、旦那様と夜の合戦が盛んであることにだ。レオナルト=ヴィッダーが自分とエッチしてくれているのは、若い間だけだと思い込んでいた。レオナルト=ヴィッダーとの間に子供が産まれ、自分が女から母に変わっていけばいくほど、レオナルト=ヴィッダーは自分から離れていくような気がしていた。しかし、同じ喫茶店でコーヒーを楽しんでいるマダムたちは、そんなことは一切無いと断言してくる。

「女ってのは、歳が取れば取るほど、性欲が高まってしまいますの。しかしながら、男の方はねえ……」

「最近、あからさまにおちんこさんの硬度が減じてきてるのよね。私の身体に飽きたとかそういうのではなくて、男はどうしようもない事情があるみたいですわ」

 リリベル=ユーリィとクルス=サンティーモはふむふむなるほど……とマダムたちの話を聞いていた。男は常に新しい畳を好むというのは、9割くらい嘘であり、1割ほど本当であると。旦那に自分の身体を飽きさせないためにも夜の合戦では色々と工夫を重ねていると。しかし、男は精力の減退が女性よりも早く訪れるために、いくら興奮させようが、おちんこさんの硬度自体が減ってしまうのだと。

「ねえ、マスター。旦那のおちんこさんの硬度を高める方法ってないのかしら?」

「ごふごふゲフンゲフン!! ああ、ええと……。そればかりは個人の問題ですからねえ。寄る年波に勝つのはなかなかに難しいものですぞ」

「あら残念……。この街で40年近く喫茶店を続けているマスターの耳には、そういう情報が届いていると思っていましたのに……」

 喫茶店のマスターは白髪混じりであり、相応の歳であることはリリベル=ユーリィとクルス=サンティーモにも容易に想像できた。しかし、店を構えて40年という話を聞き、マスターが自分たちが思っている以上の年配の方だとということを知ることになる。

「自分だって、色々とおちんこさんの硬度が高まる方法を試していますぞ。還暦を迎えたというのに、うちの女房は毎晩のようにせがんでくるので……」

「マスターも大変ですわね。ベッドの上で大往生してくださいまし?」

「ああ。伝説の緋喰い鳥の羽根があれば、昔のように女房を満足させられてやれるというのに。かの伝説の大鳥が住む『地上の楽園』自体が伝説上の島ですからなあ……」

 マスターのこの言いにリリベル=ユーリィとクルス=サンティーモは眉根をひそめながら、お互いの顔を見合うことになる。マスターの言うところの伝説上の島に行って、帰ってきたのだ、リリベル=ユーリィたちは。さらにはマスターが欲しがっている緋喰い鳥の羽根は、今、クルス=サンティーモが足元に置いてある魔法の荷物入れマジック・バッグの中に入っている。

「あ、あの……。マスター。伝説の緋喰い鳥に実際に会うのはそんなに難しいことなん……です?」

「ああ? お嬢さん方のところでは、伝承は残されていないんですかい? そもそも『地上の楽園』と呼ばれた島は海皇により、その位置を移動させているのですぜ。まずは海皇に認めなければ、その島へは辿りつけないんですぞ」

 マスターのその言葉により、もう一度、リリベル=ユーリィとクルス=サンティーモは互いのシワが深い顔を見合うこととなる。

「ねえ……。わたし、エクレアに深々と頭を下げないとダメなのかしら?」

「エクレアさんがそんな重要人物であるなんて、思いもしませんでしたァ。でも、エクレアさん自身はこのことを知っていたのでしょうかァ?」

「どう……なのかしら。いまいち、考えていることを読ませてくれないエクレアだから、カマをかけても無駄な気がする……」

 リリベル=ユーリィとクルス=サンティーモは首をひねる他無かった。エクレア=シューは間延びしたしゃべり方であるが、かなりの策士である。その策士が素直に自分の情報を開示してくるとは思えない。ならば、まだ嫌みを込めて話をするクセを持っているコッシロー=ネヅに聞いたほうがマシだと思ってしまうリリベル=ユーリィとクルス=サンティーモであった。

 なにはともあれ、夜の合戦の話を含めて、貴重な情報を手に入れたリリベル=ユーリィとクルス=サンティーモは合わせてコーヒー4杯とケーキ6個分の代金をマスターに支払い、喫茶店を後にする。その後、まだまだデーブ=オクボーンたちとの集合時間まで時間が残されていたので、書店に足を運ぶこととなる。

 この工業都市:ナッツバーグの残念なところは、毛織物をメインとし、毛皮、精肉、乳製品の生産地であるゆえに、書店の数が少ないことであった。ナッツバーグの大通りには所狭しと、この街のメイン生産品を取り扱っている屋台が立ち並んでいる。しかし、本を扱っている屋台はひとつもなく、リリベル=ユーリィたちは大通りから一本、奥に入り込んだ道へと入り、そこで喫茶店のマスターが教えてくれた書店に辿りつくことになる。

「リリベル様。書店で何を探すんですゥ?」

「うん。1~2カ月に1度、刊行されている本があるの。それが出版されているかどうか、確認しておこうと思って。あった、あった。クルスは字を読める?」

 リリベル=ユーリィは念のため、クルス=サンティーモに『北ラメリア文字』が読めるかどうかを確認する。クルス=サンティーモは天使語と北ラメリア語を『しゃべれる』というバイリンガルであるが、『字』を読めるかどうかは知らないリリベル=ユーリィであった。

「難しい言い回しだと解読しづらいですゥ。とくに詩集はよくわからないですゥ」

「そうね……。詩集は難しいよね。わたしですら、よくわからないことがあるもの。でも、これは大丈夫よ。恋愛物語だから」

 リリベル=ユーリィは書店の店先に積もられている本の山から、一冊の本を手に取る。それをクルス=サンティーモに手渡し、中を読んでみてと催促する。クルス=サンティーモはハードカバーの本を手渡され、それの皮表紙をめくり、最初の数ページをふむふむと言いながら読み始める。

「天使と半狼半人ハーフ・ダ・ウルフの恋物語なんですねェ。半狼半人ハーフ・ダ・ウルフはバルト帝国所属の武人ですかァ。これはなかなかに興味をそそられるのですゥ」

「でしょ? でしょ? 天使とヒトが恋仲に堕ちるのは、設定としてはありがちなんだけど、これは実際に筆者が天使との密会を綴っているらしいの。主人公の半狼半人ハーフ・ダ・ウルフは筆者自身じゃないかって言われてるのっ!」
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