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第二章
最悪な時間
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「使え」
糊のきいた白いハンカチを鼻先に突きつけられたアメリアは、それを引っ手繰るなり、盛大に鼻をかんだ。
およそ淑女とは言い難い行為ではあるが、最早、貴族を捨てた身。品があろうがらなかろうが、誰にどう思われようが、知ったことではない。
「鼻をかむな」
エデュアルトは嫌そうに顔をしかめた。
北側にある大衆酒屋は夕暮れ時から仕事帰りの屈強な男らで賑わい、そこかしこで工場主の悪口と、女に関する低俗な会話が繰り返されている。
南側にある高級レストランしか知らないアメリアは、安普請のごった返す店内で、隣の席の客と時折肩がぶつかり合う狭さに辟易した。
大柄な女将が酒やらつまみやらを運んで脇を通るたびに、どこからか男の手が伸びて、パンパンに張って垂れた尻を撫で回す。そのたびに女将は口汚く罵って唾を飛ばした。
釘の飛び出した壁や床板は誰かが歩くたびにミシミシ軋み、ブナ材のテーブルや椅子は今にも崩れそうにぼろぼろで、ガタついている。
「私、もうアルコールを飲んでも咎められない年よ」
「生意気言うな」
アメリアにはアルコールのない葡萄ジュースなのに、自分はビールを注文したエデュアルト。未だに子供扱いすることに、アメリアは頬を膨らませる。
エデュアルトはグラスを空にしてから溜め息をつき、テーブルに肘をついた。
手のひらに顎を乗せ、ちょっと顔を傾けて。
悔しいが、ここが大衆酒屋ではなく、高級レストランかと勘違いしそうなくらいに絵になる。
「全く。何がどうなって、こんな場所をうろついているんだ? ここはあまり治安が良くないんだ。俺が通りかからなかったら、どうなっていたか」
「どうなっていたの? 」
「とっくにそこら辺の通りすがりの野郎に犯されていた」
言いながら、目線を斜め前にずらす。
アメリアは口に運んだグラスを宙空で止めた。
「そ、そんなに怖い場所なの? 」
「少なくとも令嬢が一人で歩く場所ではない」
エデュアルトの視線の先には、作業着の男二人がニタニタと黄色い歯を剥きながらアメリアの貧相な胸を眺めていた。
ヒッと喉を鳴らすアメリア。グラスを戻す。
「それで? 何だって一人でうろついていたんだ? 」
いきなりエデュアルトが突っ込んできた。
「家出など、穏やかではないな」
アメリアのグラスを持つ手が戦慄き、カチカチと爪が触れて小さく音を立てる。
アメリアは今朝方に起こった一連の流れをポツリポツリと口にした。
「成程な。青髭は、ついに子供にまで手を出すようになったか」
「私は子供じゃないわ」
長い脚を持て余し気味に組み替えたエデュアルトは、長い溜め息を吐き出す。
「それで? 僻地に嫁ぐのが嫌で家出か? 」
「ハリーお兄様ったら、もうすっかりその気で」
「何とかしてやりたいが。俺は他家の婚約話に口は出せないからな」
「あなたにどうこうしてもらおうなんて、これっぽっちも考えてないわ」
カッとなって言い返す。
彼には何ら期待はしていないが、こうして言葉にされるのは腹立たしい。
「ろくに飯を食ってないんだろ」
アメリアのやつれた表情から察して、通りがかった女将に幾つか料理を注文する。
愛想の良いハンサムの功績からか、他よりもかなり早く、注文した料理がテーブルに並べられた。
「庶民の食事なんて初めてだわ」
アメリアは感激して目を潤ませる。
改めて新しい一歩が始まった気分になった。
が、すぐにそれは萎れてしまった。
「パンが硬いわ。それにスープの味が物凄く薄い」
「贅沢慣れしているから、そう感じるんだろ」
貴族令嬢として何不自由なく暮らしてきたアメリアにとって、平民の食事はあまりにも質素だ。分厚いステーキも、砂糖で味付けしたスクランブルエッグも、新鮮な野菜サラダも、甘く蒸したプリンも、それは貴族にしか口に出来ない。分厚い肉も、砂糖も、新鮮な野菜も贅沢品だから。
早々に挫ける案件を晒されてしまった。
「平民として働くんだろ? いちいち文句を言うな」
「ブランシェット卿は、厳しいのね。まるで亡くなったお父様みたい」
悪性腫瘍で亡くなった父は、自分達の万が一のことを想定して、アメリアが困らないようにとあらゆることを身につけさせた。
エデュアルトの言葉遣いは、おおらかな父を思い出させる。
涙ぐむアメリアを、エデュアルトは迷惑そうにギロリと睨みつけた。
「俺はこんな大きな子供がいる年じゃない」
アメリアのことを子供子供とこき下ろすくせに、自分は年寄り扱いされるのが嫌なんて。
勝手だわ。アメリアはこっそり呟いた。
「ブランシェット卿ったら。王都の銀行の三分の一はあなたの財産だと専らの噂なのに。何故、このような下町を彷徨いているの? 」
「金持ちが下町を歩いていることの、何が悪い? 」
二杯目のビールを空にし、三杯目を女将に注文しながら、エデュアルトはアメリアに言い返した。
彼の仕立ての良いフロックコートは、薄汚れた店にはやけに不釣り合いだ。
「ブランシェット卿なら、贅沢し放題じゃない」
アメリアは率直に疑問を呈する。
「乗馬に、狩猟、剣術……娯楽はたくさんあるわ」
噂によれば彼は醸造所を所有し、幾つかの優良企業に投資し、最近は鉄工所の経営にも乗り出したらしい。何でも、先を見越してだとか。
とにかく、彼は今や王都で一、二を争う金持ちだ。
「お前はやはり子供だな」
「な、何よ! 」
「貴族の堅苦しい中にいればいるほど、息抜きしたいんだよ」
息抜きならば、わざわざ身の危険を犯さなくとも。
「スープが冷めるぞ。さっさと食え」
「私を屋敷に連れ戻すの? 」
「当たり前だ」
アメリアは、カトラリーをやや乱暴にテーブルに置いた。がちゃん、と音が鳴る。
「わ、私は家庭教師として働くんだから」
「無理だな」
「な、何で? 」
「家庭教師は身元が保証された者しかなれない。紹介状が必要になる。ヴィンセントがそんなもの書くわけないだろ」
「だったら、あなたが書いてよ」
「これ以上、ヴィンセントの怒りを買うつもりはない」
アメリアに不埒を働いた上に、親友の機嫌を損ねることを、わざわざするわけがない。
アメリアには、他に伝手はない。
「家庭教師が無理なら、どこかの店で働くわ」
「給仕をか? 」
「悪い? 」
「お前のような力のない者には務まらない。そんな旅行鞄を引き摺ってるようではな」
「とことん私を否定するのね」
「事実を言ったまでだ」
エデュアルトは気怠げに脚を組み替えると、テーブルに頬杖をついた。
「諦めて屋敷に戻れ」
糊のきいた白いハンカチを鼻先に突きつけられたアメリアは、それを引っ手繰るなり、盛大に鼻をかんだ。
およそ淑女とは言い難い行為ではあるが、最早、貴族を捨てた身。品があろうがらなかろうが、誰にどう思われようが、知ったことではない。
「鼻をかむな」
エデュアルトは嫌そうに顔をしかめた。
北側にある大衆酒屋は夕暮れ時から仕事帰りの屈強な男らで賑わい、そこかしこで工場主の悪口と、女に関する低俗な会話が繰り返されている。
南側にある高級レストランしか知らないアメリアは、安普請のごった返す店内で、隣の席の客と時折肩がぶつかり合う狭さに辟易した。
大柄な女将が酒やらつまみやらを運んで脇を通るたびに、どこからか男の手が伸びて、パンパンに張って垂れた尻を撫で回す。そのたびに女将は口汚く罵って唾を飛ばした。
釘の飛び出した壁や床板は誰かが歩くたびにミシミシ軋み、ブナ材のテーブルや椅子は今にも崩れそうにぼろぼろで、ガタついている。
「私、もうアルコールを飲んでも咎められない年よ」
「生意気言うな」
アメリアにはアルコールのない葡萄ジュースなのに、自分はビールを注文したエデュアルト。未だに子供扱いすることに、アメリアは頬を膨らませる。
エデュアルトはグラスを空にしてから溜め息をつき、テーブルに肘をついた。
手のひらに顎を乗せ、ちょっと顔を傾けて。
悔しいが、ここが大衆酒屋ではなく、高級レストランかと勘違いしそうなくらいに絵になる。
「全く。何がどうなって、こんな場所をうろついているんだ? ここはあまり治安が良くないんだ。俺が通りかからなかったら、どうなっていたか」
「どうなっていたの? 」
「とっくにそこら辺の通りすがりの野郎に犯されていた」
言いながら、目線を斜め前にずらす。
アメリアは口に運んだグラスを宙空で止めた。
「そ、そんなに怖い場所なの? 」
「少なくとも令嬢が一人で歩く場所ではない」
エデュアルトの視線の先には、作業着の男二人がニタニタと黄色い歯を剥きながらアメリアの貧相な胸を眺めていた。
ヒッと喉を鳴らすアメリア。グラスを戻す。
「それで? 何だって一人でうろついていたんだ? 」
いきなりエデュアルトが突っ込んできた。
「家出など、穏やかではないな」
アメリアのグラスを持つ手が戦慄き、カチカチと爪が触れて小さく音を立てる。
アメリアは今朝方に起こった一連の流れをポツリポツリと口にした。
「成程な。青髭は、ついに子供にまで手を出すようになったか」
「私は子供じゃないわ」
長い脚を持て余し気味に組み替えたエデュアルトは、長い溜め息を吐き出す。
「それで? 僻地に嫁ぐのが嫌で家出か? 」
「ハリーお兄様ったら、もうすっかりその気で」
「何とかしてやりたいが。俺は他家の婚約話に口は出せないからな」
「あなたにどうこうしてもらおうなんて、これっぽっちも考えてないわ」
カッとなって言い返す。
彼には何ら期待はしていないが、こうして言葉にされるのは腹立たしい。
「ろくに飯を食ってないんだろ」
アメリアのやつれた表情から察して、通りがかった女将に幾つか料理を注文する。
愛想の良いハンサムの功績からか、他よりもかなり早く、注文した料理がテーブルに並べられた。
「庶民の食事なんて初めてだわ」
アメリアは感激して目を潤ませる。
改めて新しい一歩が始まった気分になった。
が、すぐにそれは萎れてしまった。
「パンが硬いわ。それにスープの味が物凄く薄い」
「贅沢慣れしているから、そう感じるんだろ」
貴族令嬢として何不自由なく暮らしてきたアメリアにとって、平民の食事はあまりにも質素だ。分厚いステーキも、砂糖で味付けしたスクランブルエッグも、新鮮な野菜サラダも、甘く蒸したプリンも、それは貴族にしか口に出来ない。分厚い肉も、砂糖も、新鮮な野菜も贅沢品だから。
早々に挫ける案件を晒されてしまった。
「平民として働くんだろ? いちいち文句を言うな」
「ブランシェット卿は、厳しいのね。まるで亡くなったお父様みたい」
悪性腫瘍で亡くなった父は、自分達の万が一のことを想定して、アメリアが困らないようにとあらゆることを身につけさせた。
エデュアルトの言葉遣いは、おおらかな父を思い出させる。
涙ぐむアメリアを、エデュアルトは迷惑そうにギロリと睨みつけた。
「俺はこんな大きな子供がいる年じゃない」
アメリアのことを子供子供とこき下ろすくせに、自分は年寄り扱いされるのが嫌なんて。
勝手だわ。アメリアはこっそり呟いた。
「ブランシェット卿ったら。王都の銀行の三分の一はあなたの財産だと専らの噂なのに。何故、このような下町を彷徨いているの? 」
「金持ちが下町を歩いていることの、何が悪い? 」
二杯目のビールを空にし、三杯目を女将に注文しながら、エデュアルトはアメリアに言い返した。
彼の仕立ての良いフロックコートは、薄汚れた店にはやけに不釣り合いだ。
「ブランシェット卿なら、贅沢し放題じゃない」
アメリアは率直に疑問を呈する。
「乗馬に、狩猟、剣術……娯楽はたくさんあるわ」
噂によれば彼は醸造所を所有し、幾つかの優良企業に投資し、最近は鉄工所の経営にも乗り出したらしい。何でも、先を見越してだとか。
とにかく、彼は今や王都で一、二を争う金持ちだ。
「お前はやはり子供だな」
「な、何よ! 」
「貴族の堅苦しい中にいればいるほど、息抜きしたいんだよ」
息抜きならば、わざわざ身の危険を犯さなくとも。
「スープが冷めるぞ。さっさと食え」
「私を屋敷に連れ戻すの? 」
「当たり前だ」
アメリアは、カトラリーをやや乱暴にテーブルに置いた。がちゃん、と音が鳴る。
「わ、私は家庭教師として働くんだから」
「無理だな」
「な、何で? 」
「家庭教師は身元が保証された者しかなれない。紹介状が必要になる。ヴィンセントがそんなもの書くわけないだろ」
「だったら、あなたが書いてよ」
「これ以上、ヴィンセントの怒りを買うつもりはない」
アメリアに不埒を働いた上に、親友の機嫌を損ねることを、わざわざするわけがない。
アメリアには、他に伝手はない。
「家庭教師が無理なら、どこかの店で働くわ」
「給仕をか? 」
「悪い? 」
「お前のような力のない者には務まらない。そんな旅行鞄を引き摺ってるようではな」
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エデュアルトは気怠げに脚を組み替えると、テーブルに頬杖をついた。
「諦めて屋敷に戻れ」
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