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悪役令嬢の誘惑4 ※
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「もう終わりだ、終わり」
マチルダに背を向けるなり、ロイはシャツを羽織って、その鍛えられた筋肉の盛り上がりを隠した。
「待って。ここまでしたのだから、最後まで試してみたいわ」
唇を尖らせながら、マチルダはシャツの裾を引っ張る。
「何だと? 」
第二ボタンを引っ掛かけていたロイの手が止まった。
「教科書にはまだ続きがあるわ」
まだ男女の生殖器官について確かめただけ。
教科書にはその生殖器をどう使うかが示されていたはずだ。
興味津々のマチルダを、ロイは素っ気なく一瞥する。
「それは婚姻後まで取っておけ」
結婚前に教科書を上回る「お勉強」をする女もいるにはいるが、誰しもがそうとは限らない。
将来、夫となる人物のために貞操を守る女もちゃんと存在している。マチルダはそちら側だ。
「お願い、ロイ」
ぞくり、とするくらいに艶めいた声。
「苦しくて堪らないの」
マチルダはわざとではない。
ふんだんに色香を放つのは、媚薬のせいだ。
「このままじゃ、屋敷には戻れないわ」
媚薬の効果が切れるのは、口に含んでからおよそ半日。まだ三時間以上残されている。
未だに愛液で湿るマチルダを屋敷に戻せば、アニストン家がひっくり返るほどの騒ぎとなるのは目に見えている。
ロイは、やれやれと溜め息をついた。
首元まで留めたシャツのボタンを再び外しにかかる。
「君を相手にしていると、どうも調子が狂ってしまう」
「軽蔑しているの? 」
「いや。自分の情けなさに呆れているだけだ」
「『愚かな知恵者になるよりも、利口な馬鹿者になれ』」
「またシェイクスピアで口説くつもりか? 」
「駄目? 」
「『閉じ込められている火が一番強く燃えるものだ』確かにそうだな」
ニヤリと笑うなり、ロイは脱いだシャツを床に放り投げた。
「どの場所を使って、どうするか。本当にわかっているんだな? 」
「勿論よ」
窮屈なベッドで自分の腹の上にマチルダを乗せながら、ロイは挑発気味に尋ねた。
マチルダは腰をくねらせ、豊かな胸を揺する。挑発の仕返しだ。
つい今しがた精を吐き出したというのに、尾てい骨に当たるロイの男根はもう力を持ち直していた。
待ち切れなくて、マチルダは蜜を彼の臍に擦り付ける。
「こんな状態なら、馴らさなくても大丈夫そうだな」
ロイは熱に浮かされたように呟くと、マチルダの腰に手を添えた。
媚薬で滴る上、これでもかとロイに舌先で愛撫されたマチルダの花弁は、すっかり開ききり、小刻みにひくついている。
「初めてが私相手で良いのか? 」
「ええ。ロイしか考えられないわ」
マチルダは下方へ体をずらすと、滾る彼のものを探り、誘導する。
「ああ! 」
弓形に体が反り、マチルダは目を閉じて堪えた。
先端が己の内部に潜る。予想以上の熱さだ。
「熱い! 熱いわ! 」
「こら。静かにしろ」
「ああ! ロイ! 」
熱塊がマチルダの狭い道をぐいぐいと押し入ってくる。内壁がパンパンに膨らみ、容量でいっぱいになる。
熱い。熱くて堪らない。ヒリヒリと火を吹く内部に、マチルダはいやいやと首を振った。
何者も受け入れたことのないマチルダの中は、ロイにも苦しさを与えた。獣の唸りが喉奥で滞る。
彼は戻るより、先へ進むことを選択せざるを得なかった。マチルダがぎゅうぎゅうに締め付けて食らいついていたからだ。
マチルダの襞が蠢いて、道がロイの形通りに作られていく。
ようやく最奥まで届いたとき、マチルダもロイも全身の毛穴から汗が吹き出して、シーツをぐっしょりと濡らした。
ロイは腹筋を使って上半身を起こす。
マチルダはごく自然に彼の首筋にしがみついた。
それを合図として、上下に揺すられる。
安っぽいベッドは、二人分の重みで軋みっぱなし。
密着する肌は、汗でじっとりと湿っている。真下から腰を打ちつけられるたびに、乳房の先端が彼の胸板に擦って、余計にマチルダは快楽の渦に引き込まれた。
首筋を甘噛みされる。ロイの所有物になった気分だ。
この男が欲しい。マチルダの欲が湧き立つ。
彼が自分につけたのと同じ場所に、マチルダも甘噛みをし返した。
「悪い女だな、君は」
ニヤリと口元を吊るロイは、なんてセクシーなのだろう。まさに、オリンポスの住人のよう。目を見張るほど美しく、囚われてしまう。
「訂正しよう」
「え? 」
「氷の悪女の異名だよ」
「何? 」
「氷じゃない。君は男を欲望で火だるまにさせる激しい女だ」
「悪女に代わりないじゃない」
「まあな」
言うなり、殊更荒々しく子宮を打ちつけてくるロイ。
じゅぷじゅぷと結合部からの卑猥な水音が激しくなった。
目が回る。
マチルダの体が上下に跳ね飛ばされ、豊満な胸がゆさゆさ音を立てた。
肉食獣が荒々しく唸る。
まさにそれは、獣同士のぶつかり合い。
「ああ! ロイ! 何だか体が変だわ! 」
絶頂間近だ。
子宮を荒々しく叩かれて、マチルダは下腹がうねるような感覚を味わう。
ロイへの締め付けが増した。
「マチルダ! 」
一際、声高らかに名を呼ばれる。
内壁が蠕動する。
「あ……ああ……」
熱情の中に放り込まれたマチルダは、ぐるぐる回る視界に、最早、返事すらまともに出来なくなってしまっている。
ロイは素早くマチルダから自身を引き抜くと、彼女の腿に熱く滾る白濁をぶちまけた。
マチルダに背を向けるなり、ロイはシャツを羽織って、その鍛えられた筋肉の盛り上がりを隠した。
「待って。ここまでしたのだから、最後まで試してみたいわ」
唇を尖らせながら、マチルダはシャツの裾を引っ張る。
「何だと? 」
第二ボタンを引っ掛かけていたロイの手が止まった。
「教科書にはまだ続きがあるわ」
まだ男女の生殖器官について確かめただけ。
教科書にはその生殖器をどう使うかが示されていたはずだ。
興味津々のマチルダを、ロイは素っ気なく一瞥する。
「それは婚姻後まで取っておけ」
結婚前に教科書を上回る「お勉強」をする女もいるにはいるが、誰しもがそうとは限らない。
将来、夫となる人物のために貞操を守る女もちゃんと存在している。マチルダはそちら側だ。
「お願い、ロイ」
ぞくり、とするくらいに艶めいた声。
「苦しくて堪らないの」
マチルダはわざとではない。
ふんだんに色香を放つのは、媚薬のせいだ。
「このままじゃ、屋敷には戻れないわ」
媚薬の効果が切れるのは、口に含んでからおよそ半日。まだ三時間以上残されている。
未だに愛液で湿るマチルダを屋敷に戻せば、アニストン家がひっくり返るほどの騒ぎとなるのは目に見えている。
ロイは、やれやれと溜め息をついた。
首元まで留めたシャツのボタンを再び外しにかかる。
「君を相手にしていると、どうも調子が狂ってしまう」
「軽蔑しているの? 」
「いや。自分の情けなさに呆れているだけだ」
「『愚かな知恵者になるよりも、利口な馬鹿者になれ』」
「またシェイクスピアで口説くつもりか? 」
「駄目? 」
「『閉じ込められている火が一番強く燃えるものだ』確かにそうだな」
ニヤリと笑うなり、ロイは脱いだシャツを床に放り投げた。
「どの場所を使って、どうするか。本当にわかっているんだな? 」
「勿論よ」
窮屈なベッドで自分の腹の上にマチルダを乗せながら、ロイは挑発気味に尋ねた。
マチルダは腰をくねらせ、豊かな胸を揺する。挑発の仕返しだ。
つい今しがた精を吐き出したというのに、尾てい骨に当たるロイの男根はもう力を持ち直していた。
待ち切れなくて、マチルダは蜜を彼の臍に擦り付ける。
「こんな状態なら、馴らさなくても大丈夫そうだな」
ロイは熱に浮かされたように呟くと、マチルダの腰に手を添えた。
媚薬で滴る上、これでもかとロイに舌先で愛撫されたマチルダの花弁は、すっかり開ききり、小刻みにひくついている。
「初めてが私相手で良いのか? 」
「ええ。ロイしか考えられないわ」
マチルダは下方へ体をずらすと、滾る彼のものを探り、誘導する。
「ああ! 」
弓形に体が反り、マチルダは目を閉じて堪えた。
先端が己の内部に潜る。予想以上の熱さだ。
「熱い! 熱いわ! 」
「こら。静かにしろ」
「ああ! ロイ! 」
熱塊がマチルダの狭い道をぐいぐいと押し入ってくる。内壁がパンパンに膨らみ、容量でいっぱいになる。
熱い。熱くて堪らない。ヒリヒリと火を吹く内部に、マチルダはいやいやと首を振った。
何者も受け入れたことのないマチルダの中は、ロイにも苦しさを与えた。獣の唸りが喉奥で滞る。
彼は戻るより、先へ進むことを選択せざるを得なかった。マチルダがぎゅうぎゅうに締め付けて食らいついていたからだ。
マチルダの襞が蠢いて、道がロイの形通りに作られていく。
ようやく最奥まで届いたとき、マチルダもロイも全身の毛穴から汗が吹き出して、シーツをぐっしょりと濡らした。
ロイは腹筋を使って上半身を起こす。
マチルダはごく自然に彼の首筋にしがみついた。
それを合図として、上下に揺すられる。
安っぽいベッドは、二人分の重みで軋みっぱなし。
密着する肌は、汗でじっとりと湿っている。真下から腰を打ちつけられるたびに、乳房の先端が彼の胸板に擦って、余計にマチルダは快楽の渦に引き込まれた。
首筋を甘噛みされる。ロイの所有物になった気分だ。
この男が欲しい。マチルダの欲が湧き立つ。
彼が自分につけたのと同じ場所に、マチルダも甘噛みをし返した。
「悪い女だな、君は」
ニヤリと口元を吊るロイは、なんてセクシーなのだろう。まさに、オリンポスの住人のよう。目を見張るほど美しく、囚われてしまう。
「訂正しよう」
「え? 」
「氷の悪女の異名だよ」
「何? 」
「氷じゃない。君は男を欲望で火だるまにさせる激しい女だ」
「悪女に代わりないじゃない」
「まあな」
言うなり、殊更荒々しく子宮を打ちつけてくるロイ。
じゅぷじゅぷと結合部からの卑猥な水音が激しくなった。
目が回る。
マチルダの体が上下に跳ね飛ばされ、豊満な胸がゆさゆさ音を立てた。
肉食獣が荒々しく唸る。
まさにそれは、獣同士のぶつかり合い。
「ああ! ロイ! 何だか体が変だわ! 」
絶頂間近だ。
子宮を荒々しく叩かれて、マチルダは下腹がうねるような感覚を味わう。
ロイへの締め付けが増した。
「マチルダ! 」
一際、声高らかに名を呼ばれる。
内壁が蠕動する。
「あ……ああ……」
熱情の中に放り込まれたマチルダは、ぐるぐる回る視界に、最早、返事すらまともに出来なくなってしまっている。
ロイは素早くマチルダから自身を引き抜くと、彼女の腿に熱く滾る白濁をぶちまけた。
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