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女勇者ナリスとの出会い
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チイはトラネコーンが投げ飛ばされたとされる魔の森に入った。
「不気味な森やな…」
チイもその森におぞましさを感じ、入るのを躊躇ってしまう。
(い、いけん、ここで逃げたら浪速少女の威厳が許されへん!なんとしてもトラネコーンを無事に助けるんや!)
浪速の少女チイはトラネコーンを助けに深い深い森の中に入っていった。
ウォー…キーキー!!
不気味な獣の鳴き声が響く。
「無事なんかなあ?トラネコーン…」
チイはトラネコーンの身を案じ、ひとりごちる。
そんな時、にゅるにゅると何か長いものが蠢いているのがチイの目に見えた。
「へ、蛇…?いやちゃう植物の蔓っぽいけど…向こう側に続いとる?」
更にチイの目に止まったのは一つの剣だった。
チイはそれを拾い上げる。
「剣や…護身用に持っとこう…」
チイが剣を手に取り剣を眺めていると向こう側から少女の悲鳴が聞こえてきた。
「だ、誰か…助け…てえ!」
苦しみもがいて一か八か口走っているような声…。
その声は植物の蔓の伸びている方向に続いていた。
チイはただ事では無いと少女の呻き声が聞こえた方向へ進んでいった。
!!!
チイはそこで触手の群れが一人の少女を寄ってたかって苦しめている姿が見える。
栗色のショートカット、あどけなさの残る顔立ち、発達しているようでまだ未発達な体つきからまだ年端のいってない少女である事は推測出来る。
おそらくチイと同年代か…。
「ぐ、ぐひい!」
う、羨ましい…いやこれは大変だ!
チイは一瞬羨ましがったが現実的に考えるとその状況は明らかに一大事だと判断し、剣を構えた。
「お姉さん!今触手斬ったげるけん!」
チイは少女にそう告げ、触手を斬り落とそうと剣を振るった。
ズバッブシュ!
チイが触手を斬り落とす度触手から凄まじい量の液が飛び散る。
触手に絡め取られていた少女は力なく大地に崩れ落ちた。
「大丈夫ですか?」
チイは少女を介抱する。
「こ、これは私の剣…」
少女はチイの持っている剣に目を向ける。
「とりあえずは無事で良かった、これは貴女の剣ですね?それとベタベタしますから体を洗って服を着なければ…」
チイは自身と触手に絡め取られてベタベタになった少女をとりあえず都合のいい場所に移し体を洗った。
特殊な植物、薄暗い環境の中に洞窟があり、有り難い事にため池があったのでそれを利用して体を洗い、服を用意する。
「ありがとうございます、何から何まで…」
少女はチイに礼を述べる。
「良いって事です、困った人がいると助けろとおとんもノファンさんも言ってはりましたから」
チイは微笑み言葉を返す。
「せっかく助けていただいたのだから自己紹介しなければ、私はナリス、世界を救うとされる勇者です」
「勇者ですか?凄い!」
チイは目を輝かせた。
「いえそれほどでも♪まだ実感は湧かないのですが勇者は世界に一人しか現れないとされるからきっと凄いのでしょうね!」
ナリスはそう語っては得意げになりだす。
「そうなんでしょうね!あ、そうそう、猫のような手のひらサイズの生き物見ませんでした?」
ふとトラネコーンの事を思い出したチイはナリスに問いただす。
「いえ、見ませんでしたが…一緒に探しましょうか?」
「あ、お願いします、勇者様!」
勇者様…勇者様…勇者様!
ナリスの中にエコーが鳴る。
勇者様というチイから出たワードにジーンとなりつい感慨に耽ってしまうナリス。
「あの…どうかしました?」
怪訝に思ったチイは目が点となる。
「いえ、なんでもありません、こうとなったら事は一刻を争います、手のひらサイズの子となると凶悪な魔物に狙われる事も、早く身支度を整えてその子を探し出しましょう!」
ナリスは起き上がり、軽装の鎧、剣と盾を装備した。
「ウチも行きます!」
「それは心強いわ、宜しくね、家来さん♪」
「は、はい(ちょっと待て、いつウチがアンタの家来になったん?)」
快く返事するも引っかかった気もするチイは直接言葉には出さないで心の中で突っ込む事にした。
「不気味な森やな…」
チイもその森におぞましさを感じ、入るのを躊躇ってしまう。
(い、いけん、ここで逃げたら浪速少女の威厳が許されへん!なんとしてもトラネコーンを無事に助けるんや!)
浪速の少女チイはトラネコーンを助けに深い深い森の中に入っていった。
ウォー…キーキー!!
不気味な獣の鳴き声が響く。
「無事なんかなあ?トラネコーン…」
チイはトラネコーンの身を案じ、ひとりごちる。
そんな時、にゅるにゅると何か長いものが蠢いているのがチイの目に見えた。
「へ、蛇…?いやちゃう植物の蔓っぽいけど…向こう側に続いとる?」
更にチイの目に止まったのは一つの剣だった。
チイはそれを拾い上げる。
「剣や…護身用に持っとこう…」
チイが剣を手に取り剣を眺めていると向こう側から少女の悲鳴が聞こえてきた。
「だ、誰か…助け…てえ!」
苦しみもがいて一か八か口走っているような声…。
その声は植物の蔓の伸びている方向に続いていた。
チイはただ事では無いと少女の呻き声が聞こえた方向へ進んでいった。
!!!
チイはそこで触手の群れが一人の少女を寄ってたかって苦しめている姿が見える。
栗色のショートカット、あどけなさの残る顔立ち、発達しているようでまだ未発達な体つきからまだ年端のいってない少女である事は推測出来る。
おそらくチイと同年代か…。
「ぐ、ぐひい!」
う、羨ましい…いやこれは大変だ!
チイは一瞬羨ましがったが現実的に考えるとその状況は明らかに一大事だと判断し、剣を構えた。
「お姉さん!今触手斬ったげるけん!」
チイは少女にそう告げ、触手を斬り落とそうと剣を振るった。
ズバッブシュ!
チイが触手を斬り落とす度触手から凄まじい量の液が飛び散る。
触手に絡め取られていた少女は力なく大地に崩れ落ちた。
「大丈夫ですか?」
チイは少女を介抱する。
「こ、これは私の剣…」
少女はチイの持っている剣に目を向ける。
「とりあえずは無事で良かった、これは貴女の剣ですね?それとベタベタしますから体を洗って服を着なければ…」
チイは自身と触手に絡め取られてベタベタになった少女をとりあえず都合のいい場所に移し体を洗った。
特殊な植物、薄暗い環境の中に洞窟があり、有り難い事にため池があったのでそれを利用して体を洗い、服を用意する。
「ありがとうございます、何から何まで…」
少女はチイに礼を述べる。
「良いって事です、困った人がいると助けろとおとんもノファンさんも言ってはりましたから」
チイは微笑み言葉を返す。
「せっかく助けていただいたのだから自己紹介しなければ、私はナリス、世界を救うとされる勇者です」
「勇者ですか?凄い!」
チイは目を輝かせた。
「いえそれほどでも♪まだ実感は湧かないのですが勇者は世界に一人しか現れないとされるからきっと凄いのでしょうね!」
ナリスはそう語っては得意げになりだす。
「そうなんでしょうね!あ、そうそう、猫のような手のひらサイズの生き物見ませんでした?」
ふとトラネコーンの事を思い出したチイはナリスに問いただす。
「いえ、見ませんでしたが…一緒に探しましょうか?」
「あ、お願いします、勇者様!」
勇者様…勇者様…勇者様!
ナリスの中にエコーが鳴る。
勇者様というチイから出たワードにジーンとなりつい感慨に耽ってしまうナリス。
「あの…どうかしました?」
怪訝に思ったチイは目が点となる。
「いえ、なんでもありません、こうとなったら事は一刻を争います、手のひらサイズの子となると凶悪な魔物に狙われる事も、早く身支度を整えてその子を探し出しましょう!」
ナリスは起き上がり、軽装の鎧、剣と盾を装備した。
「ウチも行きます!」
「それは心強いわ、宜しくね、家来さん♪」
「は、はい(ちょっと待て、いつウチがアンタの家来になったん?)」
快く返事するも引っかかった気もするチイは直接言葉には出さないで心の中で突っ込む事にした。
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