クトゥルフの雨

海豹ノファン

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運命は変えられる!

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あいつがハデックね…ついていってみましょう。
どうやらガニメルの生まれ変わっての行先を書いているのはハデックらしい。

私はハデックについていくと真っ暗闇の部屋の中で頼りないランプを照らしながらグフグフと笑いながらハデックが机に向かって何か書いているのを見た。

次第にハデックがコクリコクリとしだしてやがて寝てしまう。

私は巻物を盗みついでにペンも盗んだ。

そして私はガニメルの生まれ変わりの後を書き換えようとした。

「貴様!そこで何をしている!」

しまった!ハデックに気づかれた!

「返せ!!」

ハデックは私に掴み掛かる。
「待って!!」

私はハデックを呼び止めた。

「この巻物の中とっても興味があるの、見せてくれない?」

「断る!それは秘密事項だ!」

「これでも?」

私はローブを脱ぎだす。

「は…裸?」

ハデックは戸惑う、良かったどうやらコイツもやはり男ね…。
内心は引っかからんぞと言われて終わりなのかと思ってた。

しかし美人局とやらがする事みたいでプライドは痛むがそんな綺麗事は言ってられない…ガニメル兄さんの仇を討たせてもらうわよ!

私はハデックに流し目を送り誘惑した。
ハデックはニヤニヤしながら私に近づいてくる。

そして私とハデックは夜を共にした。
気がつくとそこには大地と化したハデックが。

ガニメル兄さん!仇は討たせて貰った!
私は巻物を書き換えた。

その時声がした。

『フハハ!書き直そうとしても無駄だ!ガニメルは生まれ変わっても地獄を味わう事になる!』

ハデックの声!?

そんなのやってみないとわからない!!

私は巻物を書き換えて、書き換えて、書き換えした。

ふう…これでガニメル兄さんは生まれ変わっても幸せでいられる…書き直した内容通りなら…。

わかったかしら私の目的が…一つはインスマスを増やす事で混乱させようとするのをクトゥルフを結成させる事で食い止めようとしている事、そして書き直した結果ガニメル兄さんはどこに生まれ変わって、どう過ごしているか確かめる為よ!

海溝潤実SIDEーーー

「それが私…?」

私がサキュラに尋ねるとサキュラはジッと私を見たまま暫くは何も言ってこなかった。

「まさかこんな子になってるとは思いも寄らなかったけどね…」

でもサキュラがどんな思いでいたか、どんな思いをガニメルさんに抱いていたか伝わった気がした。

「サキュラ…ありがとう…」

気がつけば私は目尻が熱くなり泣きかけてた。

「泣くような事はしてないわよ…」

その時ガニメルさんの思いが私の中に入り込んだ気がした。

その時私はサキュラの華奢な体を無意識に抱き締めてしまっていた。

「潤実?」

「どないしたんうるみん?」

「辛かったね…頑張ったね…でも無理しないで…貴女…頑張りすぎて心は死んじゃってる…貴女が頑張り過ぎた分…私も頑張るから…」

元々はガニメルさんを一途に愛し、サキナと言う女の子とそっくりな見た目と比例し、性格も似たどこにでもいる女の子だったサキュラ。

しかし彼女はインスマスと対抗する為にクトゥルフを立ち上げるのに欲も、女の子としての尊厳も捨ててしまった。

その上人の心を読み続ける事が絶望を生み、心が疲弊してしまったのが拍車をかけた。

人は苦境に身を置いて愛を捨ててしまうとやがて心は死んでしまう。

サキュラはライフティイートと言う呪われた異能を与えられたせいで恋も出来なくなり、その上兄の仇を討つ為だけに戦い続け、感情を押し殺した結果感情は本当に失ってしまい、今のようなサキュラとなった。

でも、ね、こんな事ガニメルさんは望んでないよ…。

サキュラには普通の女の子として、幸せになって欲しい。

私がそうサキュラに願っているようにガニメルさんも願ってくれているよ!

だから無茶しないで…。

これからは私がサキュラの事守ってあげるから…。

「お兄…ちゃん…」

「え?」

今サキュラが言ってた気がする…お兄ちゃんって…。

「サキュラ…?」

トラテツはサキュラがいつも見せない表情をしているのに難しい表情をしてサキュラの顔を覗き込む。

「馬鹿ね…」

サキュラはそう静かに言う。

「貴女に守られると思ったらかえって不安だわ」

「え…?」

サキュラSIDEーーー

やっぱり潤実ね、こう言う場合怒って反論の一つや二つすれば良いのに。

「私にも守らせなさい、良いところばっかり取っていったら許さないから!」

「あ…いつものサキュラじゃわ…」

トラテツは軽く皮肉を漏らす、残念だったわね、私はこれでもクトゥルフを作った者なの、何者にも私の心を動かすのは不可能なのよ。

「こんな所にずっといたら始まらないわ、大事なのはここからよ、貴女のクトゥルフブレイクリーを解放しなければならない」

あ、確かそんな話だったね。

「ここから出てもっと奥に行けばクトゥルフブレイクリーを解放させる像がある、そこで貴女に眠る真の力を発揮させるのよ!」

そんな時、トラテツが向こう側を向いて唸りだした。

「ガルル…」

「どうしたのトラテツ?」

額にシワをよせ唸りだすトラテツに潤実は尋ねだす。

「誰かがこの中に入ってきた!」

「「えぇ!?」」

海溝潤実SIDEーーー

「うるみんは早よクトゥルフなんとか言うん身につけ!ここはわいが足止めする!!」

トラテツは吼えた。

「私も戦う!」

「潤実!貴女は行きなさい!向こうから強い反応がする、強力なインスマスよ!!」

向こうにはパープル色の怪しいオーラが流れていた。
そのオーラはこの上ない憎悪が見られる。
一体…誰なの?

「トラテツ…行かないで!」

これだけの憎しみのオーラ…危険な相手に違いない!私が引き留めようとするがトラテツは人間に姿を変えて背中で語る。

「心配せられん!わいも後で行くけん!」

そう言うとトラテツは走って行った。
どんどん姿が小さくなっていくトラテツ。

私にはこれがトラテツとの最後の別れのような気がしてならなかった。
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