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幕間1 回想録 姫ちゃんが渡辺純一を好きになるに至る長い経緯―――姫紀side
エピローグ「これが私の渡辺純一を好きになるに至る長い経緯」
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「あははははっ、流石よ!流石よ!渡辺さん!、ヒィー!ヒィー!……もう無理よ、ムリムリ!……抱いて!いっその事私を抱いてぇ!」
あの日から私は空いた時間は必ずと言っていいほどこの動画を眺めている。
数日後の今日、改めて渡辺さんのマンションで行われた恭ちゃんの誕生日会でさえ、すぐさま彼の部屋のPCを占領してやった。
せっかくモニターがあるんですもの、スマホよりもやっぱり大画面でないと♪
「……いやいや、抱かねえからそろそろこの羞恥プレイをやめてもらえないだろうか?」
むぅ、折角気分よく別室で動画鑑賞していたのに主演男優自ら邪魔しに来たみたい。
それに羞恥プレイだなんて、こんな素敵な大作に失礼だわ!
「抱いて頂けないなら、せめてっ、先っちょだけッ!先っちょだけでもお願いできないかしら!」
まあ、その後はなし崩しにしますけど♪
「いやいやいや、先っちょだけて……聖職者が何をおっさる―――」
「大丈夫です!ビッチ先生も先っちょだけならノーカンだと仰ってました!!」
「ビッチ先生って誰だよ!……ってか、今のアンタがまさにビッチな先生だよッ!!」
ちなみに、恐らくは精一杯の想いを込めた恭ちゃんの愛のコメントも今ではアレが元で弾幕化してしまい『おっさん、大好き』コメントで溢れてしまっている。
こっ恥ずかしくて自分の動画を見ていないという渡辺さんには、もはやソレに気がつくことはないだろう。
渡辺さんは私が動画を見るのを止めないと解ると『……ったく』とぼやいて、皆のいるリビングへと戻っていった。
きっと100万回見たって飽きることは無い。
あなたのやったことは、間違いなく2人の心を救済した。
そして、更には余計なモノまで心に植え付けてくれた。
「あの……吉沢先生、ずっとお礼を言いそびれていましたけど、水着を下さって本当にありがとうございました」
入れ替わりにこの部屋に入ってきた恭ちゃんが礼節丁寧にお辞儀をする。
「気に入って……もらえた?」
椅子をクルリと回転させて向き合った私は、彼女の顔を覗き込む。
「ちょっとだけ……恥ずかしかったですけど。でも凄く凄く嬉しかった、です」
照れ臭そうに微笑む恭ちゃん。
お礼を言いそびれていたのは、恭ちゃんが渡辺さんにずっとのぼせっぱなしだった所為じゃないっ!
「……ねえ、正直に言って。……き―――神海さんはこの動画、何回くらい見た?」
「えっ!?いえっ……その……」
「絶対に渡辺さんには言わないから、教えて頂戴」
そう言うと恭ちゃんは長い髪の毛が肩から落ちるくらい俯き、顔を真っ赤にして蚊の鳴くような声で呟いた。
「―――――くらぃ……です」
マジですか!?
負けた!
「三者面談の時にも言ったと思うけど、渡辺さんて本当に素敵な方ね」
今度はまるで壊れた人形のように無言でコクコクと頷いている。
私はこの時にある決断をした。
もう、この子は大丈夫だと知ったから。
そして、自分の中に芽生えようとしていた気持ちに絶対に気がついてはいけないと解ったから。
「いつか、渡辺さんの前で踊って安心させてあげなさい」
私はもう恭ちゃんが大丈夫って知っているけれど、そのアナタの保護者は本当に鈍そうだから。
「……はいっ」
恭ちゃんが一筋の涙を流しながら答えてくれた。
だから、私も心に誓う。
これ以上は欲を張らない。
だから、だから、もう少しだけ、後少しだけ、せめて貴女の先生でいさせてください。
秘めたる思いを封印することを誓った私だけれど、、、
これが私の渡辺純一を好きになるに至ってしまった―――長い経緯。
(幕間1 完)
あの日から私は空いた時間は必ずと言っていいほどこの動画を眺めている。
数日後の今日、改めて渡辺さんのマンションで行われた恭ちゃんの誕生日会でさえ、すぐさま彼の部屋のPCを占領してやった。
せっかくモニターがあるんですもの、スマホよりもやっぱり大画面でないと♪
「……いやいや、抱かねえからそろそろこの羞恥プレイをやめてもらえないだろうか?」
むぅ、折角気分よく別室で動画鑑賞していたのに主演男優自ら邪魔しに来たみたい。
それに羞恥プレイだなんて、こんな素敵な大作に失礼だわ!
「抱いて頂けないなら、せめてっ、先っちょだけッ!先っちょだけでもお願いできないかしら!」
まあ、その後はなし崩しにしますけど♪
「いやいやいや、先っちょだけて……聖職者が何をおっさる―――」
「大丈夫です!ビッチ先生も先っちょだけならノーカンだと仰ってました!!」
「ビッチ先生って誰だよ!……ってか、今のアンタがまさにビッチな先生だよッ!!」
ちなみに、恐らくは精一杯の想いを込めた恭ちゃんの愛のコメントも今ではアレが元で弾幕化してしまい『おっさん、大好き』コメントで溢れてしまっている。
こっ恥ずかしくて自分の動画を見ていないという渡辺さんには、もはやソレに気がつくことはないだろう。
渡辺さんは私が動画を見るのを止めないと解ると『……ったく』とぼやいて、皆のいるリビングへと戻っていった。
きっと100万回見たって飽きることは無い。
あなたのやったことは、間違いなく2人の心を救済した。
そして、更には余計なモノまで心に植え付けてくれた。
「あの……吉沢先生、ずっとお礼を言いそびれていましたけど、水着を下さって本当にありがとうございました」
入れ替わりにこの部屋に入ってきた恭ちゃんが礼節丁寧にお辞儀をする。
「気に入って……もらえた?」
椅子をクルリと回転させて向き合った私は、彼女の顔を覗き込む。
「ちょっとだけ……恥ずかしかったですけど。でも凄く凄く嬉しかった、です」
照れ臭そうに微笑む恭ちゃん。
お礼を言いそびれていたのは、恭ちゃんが渡辺さんにずっとのぼせっぱなしだった所為じゃないっ!
「……ねえ、正直に言って。……き―――神海さんはこの動画、何回くらい見た?」
「えっ!?いえっ……その……」
「絶対に渡辺さんには言わないから、教えて頂戴」
そう言うと恭ちゃんは長い髪の毛が肩から落ちるくらい俯き、顔を真っ赤にして蚊の鳴くような声で呟いた。
「―――――くらぃ……です」
マジですか!?
負けた!
「三者面談の時にも言ったと思うけど、渡辺さんて本当に素敵な方ね」
今度はまるで壊れた人形のように無言でコクコクと頷いている。
私はこの時にある決断をした。
もう、この子は大丈夫だと知ったから。
そして、自分の中に芽生えようとしていた気持ちに絶対に気がついてはいけないと解ったから。
「いつか、渡辺さんの前で踊って安心させてあげなさい」
私はもう恭ちゃんが大丈夫って知っているけれど、そのアナタの保護者は本当に鈍そうだから。
「……はいっ」
恭ちゃんが一筋の涙を流しながら答えてくれた。
だから、私も心に誓う。
これ以上は欲を張らない。
だから、だから、もう少しだけ、後少しだけ、せめて貴女の先生でいさせてください。
秘めたる思いを封印することを誓った私だけれど、、、
これが私の渡辺純一を好きになるに至ってしまった―――長い経緯。
(幕間1 完)
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