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第参章 水龍神様と涙雨の巫女と小さな龍の雫!~パパママ神様、今日も育児に奮闘中です!~
第25話 結成、神様家族(+α)! 打倒・妖狐とスパルタ猛特訓!?
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あの恐ろしい妖狐・弧月が去った後も、雫はしばらくの間、私の腕の中でわんわんと泣きじゃくっていた。その小さな体が、恐怖で細かく震えているのが伝わってきて、私の胸は張り裂けそうだった。
「もう大丈夫よ、雫。お母様とお父様がついてるからね。みんな、雫のことを守るからね…」
社殿に戻り、ようやく泣き疲れて眠ってしまった娘の寝顔を見ながら、私たちは静かに、しかし決然と向かい合っていた。私と、水晶様、そして、駆けつけてくれた巌固様と綾織様。
「さて、と…」最初に口火を切ったのは、綾織様だった。彼女の瞳から、いつもの軽やかさは消え、鋭い光が宿っている。「あの妖狐…弧月と名乗っていましたわね。わたくしの知る限り、あれは数百年を生きる大妖。特に、強大で不安定な力を好んで喰らう、極めて厄介な存在よ。間違いなく、雫さんの力を嗅ぎつけてやってきたのでしょう」
「フンッ!いけ好かねえキツネ野郎めが!」巌固様が、地響きのような声で唸る。「次に会った時は、この俺様が岩石の礫にしてくれるわ!」
(巌固様、頼もしい! けど、ちょっと脳筋すぎる気も…!)
「力ずくで押さえ込もうとするのは得策ではないわ、巌様」綾織様が、冷静に巌固様をいなす。「彼は言葉巧みに心の隙に入り込む。今回、雫さんの心が揺らいでしまったようにね。彼を退けるには、こちらもそれ相応の備えが必要よ」
「……備え、ですか?」私が尋ねると、水晶様が、眠る雫の髪を優しく撫でながら、静かに、しかし力強く言った。
「雫から、力を奪うことも、封じることもしない。それでは、弧月の思う壺だ。…我々がすべきことは、ただ一つ。雫が、自分自身の力を知り、受け入れ、そして、自在に使いこなせるように、導いてやることだ」
そう、隠したり、怖がったりするんじゃない。向き合って、乗り越えるんだ!
「その通りだわ、水様!」
「ふん、そういうことなら話は早い!」
こうして、ここに急遽、「チーム雫!打倒・妖狐!娘の未来は私たちが守るぞ(仮)!」、もとい、「雫の神様式・英才教育プロジェクト」が発足したのだった!
そして、その指導教官たちが、またとんでもなく個性的で……。
【体育・自然学担当:山の神・巌固様】
「いいか、雫! まずは基本の『山との対話』からだ! この大地の鼓動を感じろ! そして、この岩を持ち上げてみろ! ガッハッハッハ!」
「じぃじ、その岩、おうちより大きいよ…?」
【技術・精密操作担当:風の女神・綾織様】
「雫さん、いいこと? 大事なのは、力の強さではなく、そのコントロールですわ。ほら、この一枚の葉っぱだけを、風で優しく揺らしてみて。そう、そよ風のように…あらあら、社殿の屋根が飛んでいきそうですわよ?」
「あや姉様、むじゅかしい…」
【神力基礎・実践担当:水龍神・水晶様】
「雫。水の形をよく見ろ。水は、器に合わせてその姿を変える。優しく命を潤すこともできれば、全てを押し流す激流にもなる。お前の力も、それと同じだ。まずは、この手に小さな水の玉を作ってみろ」
「お父様、こう…? わっ!」
(びしゃーっ!)
「……うむ。良い水の勢いだ(びしょ濡れ)」
(な、なんだか、この神様たちの英才教育、あまりにもスパルタすぎるんですけどー!? 大丈夫なの、雫!?)
そして、私、母・萩乃の担当は――。
「雫。力を使う時に、一番大切なものは何だと思う?」
「うーん…『えいっ!』ってするきもち?」
「ふふ、それも大事ね。でも、もっと大事なのは、『この力を、誰のために使いたいか』っていう、優しい気持ちよ。雫が『大好き』って思う人たちの、笑顔を守るための力なの。あなたの力はね」
「だいすきなひとたちの、えがお…?」
「そうよ。お父様も、じぃじも、あや姉様も…村のみんなも。みんな、雫のことが大好きなんだからね」
そう、私の役目は、この規格外の教育プロジェクトの「道徳」担当、そして、みんなの心を繋ぐこと!
最初は、自分の力を怖がってばかりいた雫だったけれど、三柱の神様たちの、個性的すぎる(そして時々ハチャメチャな)指導と、私の「大好き」の力注入によって、少しずつ、ほんの少しずつだけど、その表情に明るさが戻ってきた。
転んで泣きべそをかくこともある。力が暴走して、水晶様をまたびしょ濡れにすることもある。でも、その瞳は、もう絶望に濡れてはいなかった。自分の力を知ろうとする、好奇心と、そして、大切な人たちを守りたいという、強い意志の光が宿り始めていた。
私たちの、ちょっぴり騒がしくて、でも愛情いっぱいの猛特訓の日々が、こうして始まったのだ。
妖狐・弧月が、次なる一手を持って再び現れる、その日に備えて――。
(次回、雫の力が新たな段階へ!? そして、ついに弧月が再び水見里に…! 猛特訓の成果、見せてやるんだから!)
「もう大丈夫よ、雫。お母様とお父様がついてるからね。みんな、雫のことを守るからね…」
社殿に戻り、ようやく泣き疲れて眠ってしまった娘の寝顔を見ながら、私たちは静かに、しかし決然と向かい合っていた。私と、水晶様、そして、駆けつけてくれた巌固様と綾織様。
「さて、と…」最初に口火を切ったのは、綾織様だった。彼女の瞳から、いつもの軽やかさは消え、鋭い光が宿っている。「あの妖狐…弧月と名乗っていましたわね。わたくしの知る限り、あれは数百年を生きる大妖。特に、強大で不安定な力を好んで喰らう、極めて厄介な存在よ。間違いなく、雫さんの力を嗅ぎつけてやってきたのでしょう」
「フンッ!いけ好かねえキツネ野郎めが!」巌固様が、地響きのような声で唸る。「次に会った時は、この俺様が岩石の礫にしてくれるわ!」
(巌固様、頼もしい! けど、ちょっと脳筋すぎる気も…!)
「力ずくで押さえ込もうとするのは得策ではないわ、巌様」綾織様が、冷静に巌固様をいなす。「彼は言葉巧みに心の隙に入り込む。今回、雫さんの心が揺らいでしまったようにね。彼を退けるには、こちらもそれ相応の備えが必要よ」
「……備え、ですか?」私が尋ねると、水晶様が、眠る雫の髪を優しく撫でながら、静かに、しかし力強く言った。
「雫から、力を奪うことも、封じることもしない。それでは、弧月の思う壺だ。…我々がすべきことは、ただ一つ。雫が、自分自身の力を知り、受け入れ、そして、自在に使いこなせるように、導いてやることだ」
そう、隠したり、怖がったりするんじゃない。向き合って、乗り越えるんだ!
「その通りだわ、水様!」
「ふん、そういうことなら話は早い!」
こうして、ここに急遽、「チーム雫!打倒・妖狐!娘の未来は私たちが守るぞ(仮)!」、もとい、「雫の神様式・英才教育プロジェクト」が発足したのだった!
そして、その指導教官たちが、またとんでもなく個性的で……。
【体育・自然学担当:山の神・巌固様】
「いいか、雫! まずは基本の『山との対話』からだ! この大地の鼓動を感じろ! そして、この岩を持ち上げてみろ! ガッハッハッハ!」
「じぃじ、その岩、おうちより大きいよ…?」
【技術・精密操作担当:風の女神・綾織様】
「雫さん、いいこと? 大事なのは、力の強さではなく、そのコントロールですわ。ほら、この一枚の葉っぱだけを、風で優しく揺らしてみて。そう、そよ風のように…あらあら、社殿の屋根が飛んでいきそうですわよ?」
「あや姉様、むじゅかしい…」
【神力基礎・実践担当:水龍神・水晶様】
「雫。水の形をよく見ろ。水は、器に合わせてその姿を変える。優しく命を潤すこともできれば、全てを押し流す激流にもなる。お前の力も、それと同じだ。まずは、この手に小さな水の玉を作ってみろ」
「お父様、こう…? わっ!」
(びしゃーっ!)
「……うむ。良い水の勢いだ(びしょ濡れ)」
(な、なんだか、この神様たちの英才教育、あまりにもスパルタすぎるんですけどー!? 大丈夫なの、雫!?)
そして、私、母・萩乃の担当は――。
「雫。力を使う時に、一番大切なものは何だと思う?」
「うーん…『えいっ!』ってするきもち?」
「ふふ、それも大事ね。でも、もっと大事なのは、『この力を、誰のために使いたいか』っていう、優しい気持ちよ。雫が『大好き』って思う人たちの、笑顔を守るための力なの。あなたの力はね」
「だいすきなひとたちの、えがお…?」
「そうよ。お父様も、じぃじも、あや姉様も…村のみんなも。みんな、雫のことが大好きなんだからね」
そう、私の役目は、この規格外の教育プロジェクトの「道徳」担当、そして、みんなの心を繋ぐこと!
最初は、自分の力を怖がってばかりいた雫だったけれど、三柱の神様たちの、個性的すぎる(そして時々ハチャメチャな)指導と、私の「大好き」の力注入によって、少しずつ、ほんの少しずつだけど、その表情に明るさが戻ってきた。
転んで泣きべそをかくこともある。力が暴走して、水晶様をまたびしょ濡れにすることもある。でも、その瞳は、もう絶望に濡れてはいなかった。自分の力を知ろうとする、好奇心と、そして、大切な人たちを守りたいという、強い意志の光が宿り始めていた。
私たちの、ちょっぴり騒がしくて、でも愛情いっぱいの猛特訓の日々が、こうして始まったのだ。
妖狐・弧月が、次なる一手を持って再び現れる、その日に備えて――。
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