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光が闇に呑まれた瞬間、聖堂の中は悲鳴に包まれた。
荘厳だった祝福式の音楽も、祈りの声も、一瞬で凍りつく。
中央に立つ“聖女”エミリアの足元から、黒い瘴気が溢れ出していた。
その身を包む白のローブが裂け、彼女の腕には、魔族特有の紋章が浮かび上がる。
「な、何これ……!? いやっ、違うの……私は、聖女なのよ!」
会場の誰もが息を飲む。
王太子アレクシスでさえ、その光景に目を見開いて立ち尽くしていた。
「エミリア……まさか、お前……」
「ち、違うの、殿下! これは、誰かが――そう、リリアーナが仕組んだのよ!」
彼女が私を指差すと、視線が一斉に屋上の私たちへと向けられた。
私は、黒いマントを翻し、屋根の端から軽やかに飛び降りる。
魔法陣の光に包まれ、ドレスの裾がひらりと舞う。
群衆の前に降り立つと、その場の空気が一変した。
私を見た者たちは、息を呑む。
かつて「悪女」と罵った令嬢が、今や夜を切り裂くような強き眼差しをしていたからだ。
「久しぶりね、殿下。それに――“聖女”様」
皮肉を込めて微笑むと、エミリアは顔を引きつらせた。
「リリアーナ……っ、あなた、私の邪魔を――」
「邪魔? いいえ、ただ本当の姿を見せてあげただけよ」
指先を弾くと、空中に魔法陣が浮かび上がる。
そこには、エミリアが魔族と契約する瞬間の記録映像が映し出されていた。
“力をあげる代わりに、王国の聖女の座を渡せ”
“構わないわ、あの女(リリアーナ)を地獄に落とせるなら”
――静寂。
そして次の瞬間、群衆が一斉にどよめいた。
「嘘だろう……!」
「聖女が、魔族と……?」
「そんな馬鹿な……」
アレクシスの顔が真っ青になる。
膝を震わせながら、彼はかつての恋人を見下ろした。
「……エミリア、お前が、俺を――欺いていたのか?」
「ち、違うのよ! 殿下、私は殿下を愛して――」
「黙れ!」
殿下の怒声が聖堂に響いた。
その瞬間、エミリアは絶望に染まり、私を憎悪の目で睨みつけた。
「リリアーナぁぁぁ……! あんたさえいなければ!」
彼女の体から黒い瘴気が爆発する。
魔族の力を完全に暴走させたのだ。
観衆が逃げ惑う中、私は冷静に手をかざす。
「――ライナルト、セドリック、ユリアス。行って」
「了解!」
「魔法障壁、展開する!」
「リリアーナ、後ろは俺が守る!」
三人の男たちが一斉に動く。
赤い炎、銀の魔法陣、そして白銀の剣が光を放ち、暴走したエミリアを包囲した。
聖堂が揺れ、瓦礫が舞う。
それでも私は、目を逸らさなかった。
「あなたが奪ったもの、全部返してもらうわ――」
呪文を唱える。
エミリアの魔力を封じる聖印が光り、黒い瘴気が霧のように散っていく。
やがて、彼女は崩れ落ちた。
誰もが、息を呑むほど静かな夜。
私はその場に一歩踏み出し、倒れた“聖女”の顔を見下ろした。
「ざまぁ、ね」
小さく笑うその声は、確かに全員に届いた。
その夜。
王宮の一室で、私は再び三人の男たちと顔を合わせていた。
ライナルトは腕を組み、ソファにもたれている。
セドリックは淡い紅茶を口にしながら報告書を読んでいた。
ユリアスは窓際に立ち、月を見上げている。
「……全員、怪我はないわね?」
「お前こそ。あの時、無茶しただろ」
ライナルトの鋭い眼差しに、私は肩をすくめる。
「大丈夫よ。多少の魔力の逆流なんて慣れてるわ」
「“多少”のレベルじゃなかったけどな」
彼が苦笑しながら近づき、私の頬をそっと撫でた。
熱を持つ肌に触れられ、思わず息が詰まる。
「……そんな顔、見せんな。惚れ直すだろ」
「もう十分惚れてるくせに」
セドリックが小さく呟き、ライナルトを睨んだ。
そしてすぐに私へと視線を戻す。
「リリアーナ嬢。これで、あなたの無実は証明されました。
王国は、あなたへの名誉回復を正式に――」
「待って、セドリック。それはいいわ」
私は静かに首を振った。
「名誉なんて、もうどうでもいい。……欲しいのは、“本当の自由”よ」
誰のものでもなく、自分の力で生きる未来。
その言葉に、ユリアスが口を開いた。
「自由、か。なら、俺たちはどうなる?」
「……え?」
「お前が自由を選ぶなら、俺たちは何をすればいい?」
彼の声は低く、どこか切なかった。
「リリアーナ。お前を守るために剣を振るった。
けれど、もうお前が自分で立てるなら、俺の存在は邪魔なのか?」
そう言って、ユリアスは一歩近づいた。
彼の眼差しに宿る真剣さに、胸が締め付けられる。
「……そんなこと、言わないで」
「なら、教えてくれ。俺たちの居場所を」
沈黙。
その間に、ライナルトがふと笑って立ち上がる。
「ま、答えは簡単だろ。俺らが勝手に居座ればいいんだ」
「ライナルト……」
「お前を放っとけるかよ。好きなんだよ、リリアーナ。だから離れねぇ」
真っすぐな告白に、言葉が出なかった。
さらに、セドリックが穏やかに笑って言葉を重ねる。
「僕も同じです。貴女を愛しています。
どんな立場でも、貴女の隣にいたい」
胸の奥が熱くなる。
信じられなかった。
“悪役令嬢”と呼ばれた私に、こんな言葉をくれる人がいるなんて。
けれど――同時に、恐怖もあった。
この世界がまだ終わっていないことを、私は知っている。
“真の黒幕”がまだ動き出していないことも。
夜が更け、皆が部屋を去ったあと。
私は机の上の封書を開いた。
そこには見慣れた印章――王国宰相の紋章が押されていた。
『至急、王都北部の遺跡にて異常な魔力反応を確認。
関与者は“黒の神官”と思われる。』
「……やっぱり、動いたわね」
黒の神官。
ゲームの最終章で、“聖女”を操っていた本当の敵。
そして、エミリアをそそのかした者でもある。
私は封書を握りしめ、立ち上がった。
その瞬間、ドアがノックされる。
「入って」
扉を開けたのは――アレクシスだった。
かつての婚約者。
あの断罪の日以来、初めてまともに見る顔。
「……リリアーナ」
彼の声はかすれていた。
後悔と、罪悪感に満ちている。
「何の用?」
「お前に、謝りに来た」
私は冷たく笑う。
「今さら?」
「そうだ。今さらだ。それでも、言わずにはいられなかった。
俺は……お前を愛していた。
でも、信じられなかった。俺は――最低の男だ」
その告白に、一瞬だけ心が揺れた。
だけど、すぐに顔を上げて彼を見返す。
「いいえ、殿下。あなたは“最低”なんかじゃないわ。
ただ――愚かだっただけ」
アレクシスの瞳が揺れる。
私はゆっくりと距離を詰め、囁いた。
「そしてその愚かさが、私を強くしたの。
だから――感謝してるわ。ざまぁの意味で、ね」
アレクシスは苦笑し、涙をこぼした。
「……お前は、本当に強くなったな」
「最初から、弱くなんてなかったわ」
そう言って背を向けた瞬間、彼が私の手を掴んだ。
「もう一度だけ……チャンスをくれ」
「無理よ」
「理由は?」
「もう、私の隣には――あなた以外の人がいるから」
扉を開け、月明かりの廊下に歩み出る。
振り返らずに言葉を残した。
「おやすみなさい、殿下。
次に会うときは、敵同士かもしれないわ」
扉が静かに閉まる。
そして、心の奥で確信する。
――物語は、まだ終わらない。
これから始まるのは、“真のざまぁ”と“真の愛”。
荘厳だった祝福式の音楽も、祈りの声も、一瞬で凍りつく。
中央に立つ“聖女”エミリアの足元から、黒い瘴気が溢れ出していた。
その身を包む白のローブが裂け、彼女の腕には、魔族特有の紋章が浮かび上がる。
「な、何これ……!? いやっ、違うの……私は、聖女なのよ!」
会場の誰もが息を飲む。
王太子アレクシスでさえ、その光景に目を見開いて立ち尽くしていた。
「エミリア……まさか、お前……」
「ち、違うの、殿下! これは、誰かが――そう、リリアーナが仕組んだのよ!」
彼女が私を指差すと、視線が一斉に屋上の私たちへと向けられた。
私は、黒いマントを翻し、屋根の端から軽やかに飛び降りる。
魔法陣の光に包まれ、ドレスの裾がひらりと舞う。
群衆の前に降り立つと、その場の空気が一変した。
私を見た者たちは、息を呑む。
かつて「悪女」と罵った令嬢が、今や夜を切り裂くような強き眼差しをしていたからだ。
「久しぶりね、殿下。それに――“聖女”様」
皮肉を込めて微笑むと、エミリアは顔を引きつらせた。
「リリアーナ……っ、あなた、私の邪魔を――」
「邪魔? いいえ、ただ本当の姿を見せてあげただけよ」
指先を弾くと、空中に魔法陣が浮かび上がる。
そこには、エミリアが魔族と契約する瞬間の記録映像が映し出されていた。
“力をあげる代わりに、王国の聖女の座を渡せ”
“構わないわ、あの女(リリアーナ)を地獄に落とせるなら”
――静寂。
そして次の瞬間、群衆が一斉にどよめいた。
「嘘だろう……!」
「聖女が、魔族と……?」
「そんな馬鹿な……」
アレクシスの顔が真っ青になる。
膝を震わせながら、彼はかつての恋人を見下ろした。
「……エミリア、お前が、俺を――欺いていたのか?」
「ち、違うのよ! 殿下、私は殿下を愛して――」
「黙れ!」
殿下の怒声が聖堂に響いた。
その瞬間、エミリアは絶望に染まり、私を憎悪の目で睨みつけた。
「リリアーナぁぁぁ……! あんたさえいなければ!」
彼女の体から黒い瘴気が爆発する。
魔族の力を完全に暴走させたのだ。
観衆が逃げ惑う中、私は冷静に手をかざす。
「――ライナルト、セドリック、ユリアス。行って」
「了解!」
「魔法障壁、展開する!」
「リリアーナ、後ろは俺が守る!」
三人の男たちが一斉に動く。
赤い炎、銀の魔法陣、そして白銀の剣が光を放ち、暴走したエミリアを包囲した。
聖堂が揺れ、瓦礫が舞う。
それでも私は、目を逸らさなかった。
「あなたが奪ったもの、全部返してもらうわ――」
呪文を唱える。
エミリアの魔力を封じる聖印が光り、黒い瘴気が霧のように散っていく。
やがて、彼女は崩れ落ちた。
誰もが、息を呑むほど静かな夜。
私はその場に一歩踏み出し、倒れた“聖女”の顔を見下ろした。
「ざまぁ、ね」
小さく笑うその声は、確かに全員に届いた。
その夜。
王宮の一室で、私は再び三人の男たちと顔を合わせていた。
ライナルトは腕を組み、ソファにもたれている。
セドリックは淡い紅茶を口にしながら報告書を読んでいた。
ユリアスは窓際に立ち、月を見上げている。
「……全員、怪我はないわね?」
「お前こそ。あの時、無茶しただろ」
ライナルトの鋭い眼差しに、私は肩をすくめる。
「大丈夫よ。多少の魔力の逆流なんて慣れてるわ」
「“多少”のレベルじゃなかったけどな」
彼が苦笑しながら近づき、私の頬をそっと撫でた。
熱を持つ肌に触れられ、思わず息が詰まる。
「……そんな顔、見せんな。惚れ直すだろ」
「もう十分惚れてるくせに」
セドリックが小さく呟き、ライナルトを睨んだ。
そしてすぐに私へと視線を戻す。
「リリアーナ嬢。これで、あなたの無実は証明されました。
王国は、あなたへの名誉回復を正式に――」
「待って、セドリック。それはいいわ」
私は静かに首を振った。
「名誉なんて、もうどうでもいい。……欲しいのは、“本当の自由”よ」
誰のものでもなく、自分の力で生きる未来。
その言葉に、ユリアスが口を開いた。
「自由、か。なら、俺たちはどうなる?」
「……え?」
「お前が自由を選ぶなら、俺たちは何をすればいい?」
彼の声は低く、どこか切なかった。
「リリアーナ。お前を守るために剣を振るった。
けれど、もうお前が自分で立てるなら、俺の存在は邪魔なのか?」
そう言って、ユリアスは一歩近づいた。
彼の眼差しに宿る真剣さに、胸が締め付けられる。
「……そんなこと、言わないで」
「なら、教えてくれ。俺たちの居場所を」
沈黙。
その間に、ライナルトがふと笑って立ち上がる。
「ま、答えは簡単だろ。俺らが勝手に居座ればいいんだ」
「ライナルト……」
「お前を放っとけるかよ。好きなんだよ、リリアーナ。だから離れねぇ」
真っすぐな告白に、言葉が出なかった。
さらに、セドリックが穏やかに笑って言葉を重ねる。
「僕も同じです。貴女を愛しています。
どんな立場でも、貴女の隣にいたい」
胸の奥が熱くなる。
信じられなかった。
“悪役令嬢”と呼ばれた私に、こんな言葉をくれる人がいるなんて。
けれど――同時に、恐怖もあった。
この世界がまだ終わっていないことを、私は知っている。
“真の黒幕”がまだ動き出していないことも。
夜が更け、皆が部屋を去ったあと。
私は机の上の封書を開いた。
そこには見慣れた印章――王国宰相の紋章が押されていた。
『至急、王都北部の遺跡にて異常な魔力反応を確認。
関与者は“黒の神官”と思われる。』
「……やっぱり、動いたわね」
黒の神官。
ゲームの最終章で、“聖女”を操っていた本当の敵。
そして、エミリアをそそのかした者でもある。
私は封書を握りしめ、立ち上がった。
その瞬間、ドアがノックされる。
「入って」
扉を開けたのは――アレクシスだった。
かつての婚約者。
あの断罪の日以来、初めてまともに見る顔。
「……リリアーナ」
彼の声はかすれていた。
後悔と、罪悪感に満ちている。
「何の用?」
「お前に、謝りに来た」
私は冷たく笑う。
「今さら?」
「そうだ。今さらだ。それでも、言わずにはいられなかった。
俺は……お前を愛していた。
でも、信じられなかった。俺は――最低の男だ」
その告白に、一瞬だけ心が揺れた。
だけど、すぐに顔を上げて彼を見返す。
「いいえ、殿下。あなたは“最低”なんかじゃないわ。
ただ――愚かだっただけ」
アレクシスの瞳が揺れる。
私はゆっくりと距離を詰め、囁いた。
「そしてその愚かさが、私を強くしたの。
だから――感謝してるわ。ざまぁの意味で、ね」
アレクシスは苦笑し、涙をこぼした。
「……お前は、本当に強くなったな」
「最初から、弱くなんてなかったわ」
そう言って背を向けた瞬間、彼が私の手を掴んだ。
「もう一度だけ……チャンスをくれ」
「無理よ」
「理由は?」
「もう、私の隣には――あなた以外の人がいるから」
扉を開け、月明かりの廊下に歩み出る。
振り返らずに言葉を残した。
「おやすみなさい、殿下。
次に会うときは、敵同士かもしれないわ」
扉が静かに閉まる。
そして、心の奥で確信する。
――物語は、まだ終わらない。
これから始まるのは、“真のざまぁ”と“真の愛”。
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