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王都の喧騒を抜け、夜の風を受けながら馬車は北へと進んでいた。
窓の外には雪をかぶった森が広がり、空には薄い月が浮かんでいる。
――黒の神官。
“聖女”エミリアを裏で操っていた影。
そして、この物語の真の黒幕。
私は手の中の古文書を見つめる。
“神の加護”を受けた者しか扱えぬ封印術、それを破る儀式。
この世界のシナリオでは、黒の神官がそれを使い、王国を闇に沈める。
――けれど、私はもうただの“悪役令嬢”じゃない。
この運命を、今度こそ私の手で変えてみせる。
「……顔が怖いぞ、リリアーナ」
不意に声をかけてきたのは、隣に座るライナルトだった。
燃えるような赤髪を揺らし、にやりと笑う。
「また策でも考えてたんだろ。眉間に皺寄せて、完全に戦闘モードだ」
「ええ、黒の神官の出方をね」
「ふーん。でも、あんま考えすぎんなよ。お前は、そうやって全部一人で背負おうとする」
そう言って、ライナルトは私の頭をぽんと叩く。
優しくて、少し不器用なその手つきに胸がざわついた。
「……あなたたちがいるから、背負えるのよ」
「それ、惚れ直す台詞だな」
彼の笑顔が眩しい。
けれど、そこに割って入るように声がした。
「リリアーナ嬢。目的地に着くまで休んでください」
向かいに座るセドリックが静かに告げた。
薄い金髪を結い上げ、整然とした服装の彼は、いつも通り冷静だ。
だが、その瞳の奥には微かな不安が滲んでいた。
「セドリック?」
「……今回の敵は、ただの魔族ではない。
“加護”を喰う存在です。貴女の持つ神聖魔法は、逆に狙われる可能性がある」
その忠告に、私の胸が冷える。
彼の声には淡々とした響きがあったが、その指先は震えていた。
「……怖いのね」
「ええ。貴女を失うことが、何よりも」
言葉の終わりに、静かな熱が宿る。
セドリックが視線を落とすと、ライナルトがあからさまに舌打ちした。
「ちっ……相変わらず真面目な告白だな」
「告白などしていません」
「嘘つけ。顔真っ赤だぞ」
「……二人とも」
私は溜息をつきながらも、口元が緩む。
この緊張した旅の中で、彼らのやりとりが少しだけ心を軽くした。
夜明け前、馬車は北部の古代遺跡へと到着した。
雪に覆われた石造りの神殿。
そこは、かつて神々が降り立ったと伝えられる聖域――今は“闇”に堕ちた場所。
遺跡の中心に近づくと、石壁の隙間から淡い光が漏れている。
その光の中に、黒衣の男が立っていた。
「……待っていたぞ、リリアーナ・フェルステイン」
低く響く声。
黒の神官――レオン・ヴァルム。
漆黒の髪、紫の瞳。人間離れした美貌。
「やはりあなたが、エミリアを操っていたのね」
「操った? 違う。彼女は“欲望”に従っただけだ。私はそれを導いた」
彼の言葉に、ライナルトが剣を構える。
「くだらねぇ詭弁だな。お前みたいなのが一番嫌いだ」
「ふふ……お前たちはいつも感情に溺れる」
レオンはゆっくりと私に視線を移した。
その瞳に映るのは、まるで獲物を見定める捕食者のような冷たさ。
「リリアーナ。お前こそ、選ばれし器だ。
“神の加護”を持つ者――私の理想の花嫁にふさわしい」
「……は?」
場の空気が一瞬で凍りついた。
ライナルトとセドリック、そしてユリアスまでもが眉をひそめる。
「お前、今なんて言った?」ライナルトの声が低く響く。
「リリアーナは私のものだ」レオンは微笑む。
「ふざけるな」
ユリアスが剣を抜き、刃をレオンの喉元に突きつけた。
「彼女に指一本触れてみろ。たとえ神官だろうと、俺が斬る」
その声に、私の胸が強く鳴った。
……守られている。
あの日、断罪され孤独だった私が、今はこんなにも多くの想いに囲まれている。
けれど――敵は甘くなかった。
レオンが指を鳴らすと、地面から無数の黒い影が湧き出した。
闇の眷属。魔族の兵だ。
「まずは試練だ。お前たちの“愛”とやら、証明してみせろ」
次の瞬間、闇が爆発した。
激しい戦いの中、私は魔法陣を展開した。
光の刃が黒い影を貫くが、次々と湧き出る。
「数が多すぎる……!」
「俺が前を押さえる! リリアーナ、後ろを頼む!」ライナルトの声が響く。
彼は単身で前線に飛び込み、炎の剣で闇を焼き払っていく。
セドリックは防御結界を張り、私を守るように立つ。
「リリアーナ嬢、魔力の消耗が激しい。無理をするな!」
「平気よ、これくらい!」
――そう言いながらも、体が震えていた。
レオンの力は想像以上に強大。
それに、何か……胸の奥に奇妙な痛みが走る。
(まさか……“加護”が反応している?)
私の中の神の加護が、黒の神官の力と干渉している。
熱がこみ上げ、視界が霞む。
「リリアーナ!」
ユリアスが私を抱きとめた。
彼の体温が近くて、心臓の鼓動がうるさいほどに響く。
「……大丈夫か?」
「だいじょう……ぶ」
声がかすれる。
ユリアスの指が私の頬を撫で、真剣な瞳が覗き込む。
「無理するな。俺が代わりに――」
「駄目よ。これは、私の戦いなの」
力を振り絞って立ち上がる。
黒の神官がゆっくりと微笑む。
「そうだ。その光――それこそ私が欲する“真なる加護”」
空間が歪む。
彼の背後に巨大な魔法陣が浮かび上がり、遺跡全体を包み込む。
「……来るわ!」
光と闇が衝突した瞬間、爆音が響いた。
視界が白く染まり、世界がひっくり返る。
――気がつくと、私は冷たい石の床に倒れていた。
意識を取り戻すと、薄暗い部屋の中。
古代の祭壇の前、青白い光が揺れている。
体を起こそうとすると、腕に柔らかな重みを感じた。
見ると、ライナルトが私の腕を掴んで眠っていた。
彼の顔には擦り傷があり、鎧はところどころ焦げている。
「……無茶して」
思わず笑みがこぼれる。
その声に、ライナルトが目を開けた。
「……生きてたか。良かった」
「あなたこそ」
「お前を庇っただけだ」
そう言いながらも、彼の声は震えていた。
私の頬に手を伸ばし、指先で撫でる。
「怖かったんだよ。お前がいなくなるんじゃねぇかって」
「私は簡単に死なないわ」
「知ってる。でも――守りたかったんだ」
その一言に、胸の奥がじんわりと熱くなる。
そこへ、扉が軋む音がした。
入ってきたのは、セドリックとユリアス。
「二人とも無事でよかった」
「無事……とは言えません。ライナルト、あなた、命知らずですよ」
「お堅いこと言うなよ。結果オーライだろ」
軽口を叩く二人を見て、思わず笑ってしまう。
この三人が揃うと、不思議と心が落ち着く。
――だけど、次の瞬間。
セドリックが真剣な表情で私に告げた。
「リリアーナ嬢。……黒の神官は、逃げました」
「……そう。やっぱり」
「ただ、彼は最後に言い残した。“次は王都を闇に沈める”と」
息を呑む。
王都――そこには、まだ多くの民がいる。
そして……アレクシスも。
「戻らなきゃ」
「危険だ。今のあなたは――」ユリアスが制止する。
「放っておけないわ」
私は立ち上がる。
けれど、ふらついた体をセドリックが支えた。
「貴女一人に戦わせません。今度こそ、僕たちが貴女を支えます」
「リリアーナ、お前が命令すりゃ、俺らはどこへでも行く」ライナルトが笑う。
その言葉に、胸が熱くなった。
――そうね。もう一人じゃない。
断罪され、孤独だった私の物語は、今、愛に満たされている。
そして、その愛を糧に――私は立ち向かう。
“ざまぁ”の終わりなんて、まだ遠い。
王都を、運命を、全部私の手で塗り替えてやる。
窓の外には雪をかぶった森が広がり、空には薄い月が浮かんでいる。
――黒の神官。
“聖女”エミリアを裏で操っていた影。
そして、この物語の真の黒幕。
私は手の中の古文書を見つめる。
“神の加護”を受けた者しか扱えぬ封印術、それを破る儀式。
この世界のシナリオでは、黒の神官がそれを使い、王国を闇に沈める。
――けれど、私はもうただの“悪役令嬢”じゃない。
この運命を、今度こそ私の手で変えてみせる。
「……顔が怖いぞ、リリアーナ」
不意に声をかけてきたのは、隣に座るライナルトだった。
燃えるような赤髪を揺らし、にやりと笑う。
「また策でも考えてたんだろ。眉間に皺寄せて、完全に戦闘モードだ」
「ええ、黒の神官の出方をね」
「ふーん。でも、あんま考えすぎんなよ。お前は、そうやって全部一人で背負おうとする」
そう言って、ライナルトは私の頭をぽんと叩く。
優しくて、少し不器用なその手つきに胸がざわついた。
「……あなたたちがいるから、背負えるのよ」
「それ、惚れ直す台詞だな」
彼の笑顔が眩しい。
けれど、そこに割って入るように声がした。
「リリアーナ嬢。目的地に着くまで休んでください」
向かいに座るセドリックが静かに告げた。
薄い金髪を結い上げ、整然とした服装の彼は、いつも通り冷静だ。
だが、その瞳の奥には微かな不安が滲んでいた。
「セドリック?」
「……今回の敵は、ただの魔族ではない。
“加護”を喰う存在です。貴女の持つ神聖魔法は、逆に狙われる可能性がある」
その忠告に、私の胸が冷える。
彼の声には淡々とした響きがあったが、その指先は震えていた。
「……怖いのね」
「ええ。貴女を失うことが、何よりも」
言葉の終わりに、静かな熱が宿る。
セドリックが視線を落とすと、ライナルトがあからさまに舌打ちした。
「ちっ……相変わらず真面目な告白だな」
「告白などしていません」
「嘘つけ。顔真っ赤だぞ」
「……二人とも」
私は溜息をつきながらも、口元が緩む。
この緊張した旅の中で、彼らのやりとりが少しだけ心を軽くした。
夜明け前、馬車は北部の古代遺跡へと到着した。
雪に覆われた石造りの神殿。
そこは、かつて神々が降り立ったと伝えられる聖域――今は“闇”に堕ちた場所。
遺跡の中心に近づくと、石壁の隙間から淡い光が漏れている。
その光の中に、黒衣の男が立っていた。
「……待っていたぞ、リリアーナ・フェルステイン」
低く響く声。
黒の神官――レオン・ヴァルム。
漆黒の髪、紫の瞳。人間離れした美貌。
「やはりあなたが、エミリアを操っていたのね」
「操った? 違う。彼女は“欲望”に従っただけだ。私はそれを導いた」
彼の言葉に、ライナルトが剣を構える。
「くだらねぇ詭弁だな。お前みたいなのが一番嫌いだ」
「ふふ……お前たちはいつも感情に溺れる」
レオンはゆっくりと私に視線を移した。
その瞳に映るのは、まるで獲物を見定める捕食者のような冷たさ。
「リリアーナ。お前こそ、選ばれし器だ。
“神の加護”を持つ者――私の理想の花嫁にふさわしい」
「……は?」
場の空気が一瞬で凍りついた。
ライナルトとセドリック、そしてユリアスまでもが眉をひそめる。
「お前、今なんて言った?」ライナルトの声が低く響く。
「リリアーナは私のものだ」レオンは微笑む。
「ふざけるな」
ユリアスが剣を抜き、刃をレオンの喉元に突きつけた。
「彼女に指一本触れてみろ。たとえ神官だろうと、俺が斬る」
その声に、私の胸が強く鳴った。
……守られている。
あの日、断罪され孤独だった私が、今はこんなにも多くの想いに囲まれている。
けれど――敵は甘くなかった。
レオンが指を鳴らすと、地面から無数の黒い影が湧き出した。
闇の眷属。魔族の兵だ。
「まずは試練だ。お前たちの“愛”とやら、証明してみせろ」
次の瞬間、闇が爆発した。
激しい戦いの中、私は魔法陣を展開した。
光の刃が黒い影を貫くが、次々と湧き出る。
「数が多すぎる……!」
「俺が前を押さえる! リリアーナ、後ろを頼む!」ライナルトの声が響く。
彼は単身で前線に飛び込み、炎の剣で闇を焼き払っていく。
セドリックは防御結界を張り、私を守るように立つ。
「リリアーナ嬢、魔力の消耗が激しい。無理をするな!」
「平気よ、これくらい!」
――そう言いながらも、体が震えていた。
レオンの力は想像以上に強大。
それに、何か……胸の奥に奇妙な痛みが走る。
(まさか……“加護”が反応している?)
私の中の神の加護が、黒の神官の力と干渉している。
熱がこみ上げ、視界が霞む。
「リリアーナ!」
ユリアスが私を抱きとめた。
彼の体温が近くて、心臓の鼓動がうるさいほどに響く。
「……大丈夫か?」
「だいじょう……ぶ」
声がかすれる。
ユリアスの指が私の頬を撫で、真剣な瞳が覗き込む。
「無理するな。俺が代わりに――」
「駄目よ。これは、私の戦いなの」
力を振り絞って立ち上がる。
黒の神官がゆっくりと微笑む。
「そうだ。その光――それこそ私が欲する“真なる加護”」
空間が歪む。
彼の背後に巨大な魔法陣が浮かび上がり、遺跡全体を包み込む。
「……来るわ!」
光と闇が衝突した瞬間、爆音が響いた。
視界が白く染まり、世界がひっくり返る。
――気がつくと、私は冷たい石の床に倒れていた。
意識を取り戻すと、薄暗い部屋の中。
古代の祭壇の前、青白い光が揺れている。
体を起こそうとすると、腕に柔らかな重みを感じた。
見ると、ライナルトが私の腕を掴んで眠っていた。
彼の顔には擦り傷があり、鎧はところどころ焦げている。
「……無茶して」
思わず笑みがこぼれる。
その声に、ライナルトが目を開けた。
「……生きてたか。良かった」
「あなたこそ」
「お前を庇っただけだ」
そう言いながらも、彼の声は震えていた。
私の頬に手を伸ばし、指先で撫でる。
「怖かったんだよ。お前がいなくなるんじゃねぇかって」
「私は簡単に死なないわ」
「知ってる。でも――守りたかったんだ」
その一言に、胸の奥がじんわりと熱くなる。
そこへ、扉が軋む音がした。
入ってきたのは、セドリックとユリアス。
「二人とも無事でよかった」
「無事……とは言えません。ライナルト、あなた、命知らずですよ」
「お堅いこと言うなよ。結果オーライだろ」
軽口を叩く二人を見て、思わず笑ってしまう。
この三人が揃うと、不思議と心が落ち着く。
――だけど、次の瞬間。
セドリックが真剣な表情で私に告げた。
「リリアーナ嬢。……黒の神官は、逃げました」
「……そう。やっぱり」
「ただ、彼は最後に言い残した。“次は王都を闇に沈める”と」
息を呑む。
王都――そこには、まだ多くの民がいる。
そして……アレクシスも。
「戻らなきゃ」
「危険だ。今のあなたは――」ユリアスが制止する。
「放っておけないわ」
私は立ち上がる。
けれど、ふらついた体をセドリックが支えた。
「貴女一人に戦わせません。今度こそ、僕たちが貴女を支えます」
「リリアーナ、お前が命令すりゃ、俺らはどこへでも行く」ライナルトが笑う。
その言葉に、胸が熱くなった。
――そうね。もう一人じゃない。
断罪され、孤独だった私の物語は、今、愛に満たされている。
そして、その愛を糧に――私は立ち向かう。
“ざまぁ”の終わりなんて、まだ遠い。
王都を、運命を、全部私の手で塗り替えてやる。
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