5 / 6
5
しおりを挟む
国境の鐘が鳴り響いた夜。
リュゼリア王国は、ついに戦の炎に包まれた。
王都では緊急会議が開かれ、宰相、将軍、そして私――王妃候補であるリリアーナが集められていた。
重苦しい空気の中、地図の上に置かれた赤い駒がじわじわと国境線を越えてくる。
「敵軍、およそ一万。先頭には第一王子ルーク殿下自らが立っております」
報告する将軍の声に、場の空気が凍りついた。
まさか本当に王太子が、正式な宣戦布告もなく侵攻してくるなんて――。
「愚か者め」
レオネル陛下が低く呟く。
その金の瞳は怒りに燃えていた。
「国のためではなく、女一人を奪うために軍を動かすとは……あの王も、ついに息子を止められなかったか」
「陛下、どうなさいますか?」
宰相が問うと、レオネル陛下は毅然と立ち上がった。
「我が国は屈しない。――総動員令を発令する。防衛線を三層に張り、民の避難を最優先とせよ」
「はっ!」
皆が命令に従い動き出す中、陛下は私に視線を向けた。
「リリアーナ、君はこの城に残って――」
「いいえ」
私は首を横に振った。
「私は城に籠もっているだけの“飾りの妃”ではありません。後方支援と外交対応を担当します。陛下を支えるのが、私の役目です」
少しの沈黙のあと、レオネル陛下が口角を上げた。
「……強情だな。だが、そんな君だからこそ惹かれた」
その声があまりにも優しくて、胸の奥が熱くなる。
翌日、私は王城の作戦室に詰め、各国への緊急書簡の作成を始めた。
この侵攻が「私的理由による暴挙」であると訴えるためだ。
――けれど。
夜になっても書簡の使者の一人が戻ってこない。
妙な胸騒ぎを覚えた私は、報告を受けた侍女長に声をかけた。
「伝令のロランは、いつ戻る予定でしたか?」
「二刻前には……戻るはずでしたが」
その瞬間、背筋に冷たいものが走った。
嫌な予感がする。
その予感は、夜半過ぎに現実となる。
――ガシャンッ!
廊下の窓が割れ、黒い影が数人、部屋に飛び込んできた。
刃の光が月明かりにきらめく。
「王妃候補を確保せよ! 生け捕りにしろ!」
息を呑んだ瞬間、侍女たちの悲鳴が上がった。
私は反射的に机の下に身を隠し、傍らの短剣を握りしめる。
「お守りします、リリアーナ様!」
護衛騎士のルシアンが盾を構え、私の前に立ちはだかった。
だが、敵は三人。
しかも動きが明らかに訓練された暗殺者――軍属ではない。
「くっ……!」
ルシアンが一人を斬り伏せた瞬間、背後から別の影が私に迫る。
その刃が振り下ろされる寸前――
――ガキィィンッ!!
火花が散り、刃が弾き飛ばされた。
そこに立っていたのは、金の瞳を怒りで燃やす男。
「貴様ら、よくも……!」
レオネル陛下だった。
「陛下!?」
「無事か、リリアーナ!」
彼が私の前に立つと、まるで獣のような速さで剣を振るう。
瞬く間に敵の暗殺者たちは倒れ伏し、部屋に静寂が戻った。
「……血の匂いは好きではないが、君を奪われるよりはましだ」
陛下が剣を床に突き立て、私を抱き寄せた。
その腕の震えが、怒りと恐怖の入り混じったものだとわかる。
「陛下……ありがとうございます。でも、なぜここに?」
「君の部屋に戻る途中、妙な気配を感じた。間に合ってよかった」
そう言って、彼は私の頬をそっと撫でた。
その指が微かに血に濡れているのを見て、胸が痛んだ。
「……お怪我を」
「これくらい、君を守れた勲章だ」
そう笑った彼の顔が、あまりにも眩しくて――気づけば涙がこぼれていた。
襲撃の調査の結果、捕らえた暗殺者たちの一人が信じられないことを口にした。
「俺たちに命じたのは、ミレイユ様だ……」
――ミレイユ。
ルーク殿下の新しい婚約者。
彼女が、私を暗殺しようとした?
それを聞いたレオネル陛下は、怒りを隠さなかった。
「愛人の嫉妬で戦を起こし、他国の王妃候補に刃を向けるとは……腐りきっている」
しかし宰相は慎重だった。
「ですが、証言だけでは動けません。王都側に直接証拠を突きつけなければ」
私は唇を噛んだ。
――証拠。そう、証拠が必要だ。
「陛下、もし許されるなら……私に少し時間をください。彼女が動いた証を、私が掴みます」
「危険すぎる」
「危険でも構いません。あの人たちに、どれほど自分たちが愚かだったか思い知らせたいんです」
レオネル陛下の瞳が、一瞬だけ揺れる。
そして小さく息を吐き、頷いた。
「……わかった。ただし、必ず護衛をつける。君を失うくらいなら、国を失った方がましだ」
その言葉に胸が熱くなった。
――この人のためなら、私は何だってできる。
三日後。
私は密かに、敵国側へ潜り込んだ商人の伝手を使い、ミレイユの周囲の動きを探らせた。
そしてついに、決定的な証拠を掴む。
彼女の部屋から発見されたのは、ルーク殿下の印章を偽造した文書。
内容は、「リリアーナ奪還のための暗殺命令」――。
これを公開すれば、彼らの立場は完全に終わる。
――ざまぁみろ。
でも、不思議と心は空っぽだった。
憎しみを感じるよりも、もう何もかもが哀れに思えたのだ。
王城に戻った夜。
レオネル陛下が私を迎えてくれた。
「よく戻った。……怖くなかったか?」
「少し。でも、陛下の言葉を思い出していました。『もう誰にも君を傷つけさせない』って」
彼がふっと笑い、私の手を取り、胸元へ導いた。
「約束は、守らなければな」
その温もりに包まれていると、世界の喧騒がすべて遠くに感じた。
――この人の隣でなら、何があっても戦える。
そう思った瞬間、外から号砲が響いた。
戦が、本格的に始まったのだ。
王の間で、陛下は剣を手に取り、私を見つめた。
「リリアーナ、君に誓う。
この戦が終わったとき、私は公の場で宣言しよう――君こそが、我が唯一の王妃だと」
金の瞳に宿る誓いの光。
その視線を受けながら、私は強く頷いた。
「……陛下。どうか、お気をつけて」
「君もだ。私が戻るまで、誰の言葉にも惑わされるな」
そう言って、彼は私の額に口づけを落とした。
その瞬間、時間が止まったように感じた。
「私は君のために剣を振るう。君のためだけに、王でいる」
その背中が戦場へと向かう。
扉が閉まり、静寂が訪れたあと――私は拳を握りしめた。
「……待っていてください、陛下。必ず勝利の報せをお届けします」
その声は誰にも届かないけれど、確かに空に響いた。
一方そのころ。
敵陣では、ルーク殿下が報告を受けていた。
「暗殺は……失敗したようです」
「なんだと!?」
彼の拳が机を叩き、木片が飛び散る。
「ミレイユ! お前が余計なことをしたせいで!」
「だって……リリアーナが邪魔だったのよ! あの女さえいなければ――」
「黙れっ!」
その怒号が響く。
しかし、その怒りの底には焦りと後悔が滲んでいた。
――リリアーナを手放すべきではなかった。
その思いが、今さら胸を焼いていることに、彼自身が気づかないふりをしていた。
だがその時、部屋の奥で微笑む一人の男の影があった。
冷たい瞳の宰相補佐――。
「ルーク殿下、どうやら戦は陛下の思惑通りに進んでおります。
しかし……“王妃候補”の命を狙う機会は、まだございます」
ルークの瞳が揺れる。
ミレイユがぞっとするような笑みを浮かべた。
「今度こそ、あの女を……終わらせてあげる」
――新たな陰謀が、再び動き出していた。
リュゼリア王国は、ついに戦の炎に包まれた。
王都では緊急会議が開かれ、宰相、将軍、そして私――王妃候補であるリリアーナが集められていた。
重苦しい空気の中、地図の上に置かれた赤い駒がじわじわと国境線を越えてくる。
「敵軍、およそ一万。先頭には第一王子ルーク殿下自らが立っております」
報告する将軍の声に、場の空気が凍りついた。
まさか本当に王太子が、正式な宣戦布告もなく侵攻してくるなんて――。
「愚か者め」
レオネル陛下が低く呟く。
その金の瞳は怒りに燃えていた。
「国のためではなく、女一人を奪うために軍を動かすとは……あの王も、ついに息子を止められなかったか」
「陛下、どうなさいますか?」
宰相が問うと、レオネル陛下は毅然と立ち上がった。
「我が国は屈しない。――総動員令を発令する。防衛線を三層に張り、民の避難を最優先とせよ」
「はっ!」
皆が命令に従い動き出す中、陛下は私に視線を向けた。
「リリアーナ、君はこの城に残って――」
「いいえ」
私は首を横に振った。
「私は城に籠もっているだけの“飾りの妃”ではありません。後方支援と外交対応を担当します。陛下を支えるのが、私の役目です」
少しの沈黙のあと、レオネル陛下が口角を上げた。
「……強情だな。だが、そんな君だからこそ惹かれた」
その声があまりにも優しくて、胸の奥が熱くなる。
翌日、私は王城の作戦室に詰め、各国への緊急書簡の作成を始めた。
この侵攻が「私的理由による暴挙」であると訴えるためだ。
――けれど。
夜になっても書簡の使者の一人が戻ってこない。
妙な胸騒ぎを覚えた私は、報告を受けた侍女長に声をかけた。
「伝令のロランは、いつ戻る予定でしたか?」
「二刻前には……戻るはずでしたが」
その瞬間、背筋に冷たいものが走った。
嫌な予感がする。
その予感は、夜半過ぎに現実となる。
――ガシャンッ!
廊下の窓が割れ、黒い影が数人、部屋に飛び込んできた。
刃の光が月明かりにきらめく。
「王妃候補を確保せよ! 生け捕りにしろ!」
息を呑んだ瞬間、侍女たちの悲鳴が上がった。
私は反射的に机の下に身を隠し、傍らの短剣を握りしめる。
「お守りします、リリアーナ様!」
護衛騎士のルシアンが盾を構え、私の前に立ちはだかった。
だが、敵は三人。
しかも動きが明らかに訓練された暗殺者――軍属ではない。
「くっ……!」
ルシアンが一人を斬り伏せた瞬間、背後から別の影が私に迫る。
その刃が振り下ろされる寸前――
――ガキィィンッ!!
火花が散り、刃が弾き飛ばされた。
そこに立っていたのは、金の瞳を怒りで燃やす男。
「貴様ら、よくも……!」
レオネル陛下だった。
「陛下!?」
「無事か、リリアーナ!」
彼が私の前に立つと、まるで獣のような速さで剣を振るう。
瞬く間に敵の暗殺者たちは倒れ伏し、部屋に静寂が戻った。
「……血の匂いは好きではないが、君を奪われるよりはましだ」
陛下が剣を床に突き立て、私を抱き寄せた。
その腕の震えが、怒りと恐怖の入り混じったものだとわかる。
「陛下……ありがとうございます。でも、なぜここに?」
「君の部屋に戻る途中、妙な気配を感じた。間に合ってよかった」
そう言って、彼は私の頬をそっと撫でた。
その指が微かに血に濡れているのを見て、胸が痛んだ。
「……お怪我を」
「これくらい、君を守れた勲章だ」
そう笑った彼の顔が、あまりにも眩しくて――気づけば涙がこぼれていた。
襲撃の調査の結果、捕らえた暗殺者たちの一人が信じられないことを口にした。
「俺たちに命じたのは、ミレイユ様だ……」
――ミレイユ。
ルーク殿下の新しい婚約者。
彼女が、私を暗殺しようとした?
それを聞いたレオネル陛下は、怒りを隠さなかった。
「愛人の嫉妬で戦を起こし、他国の王妃候補に刃を向けるとは……腐りきっている」
しかし宰相は慎重だった。
「ですが、証言だけでは動けません。王都側に直接証拠を突きつけなければ」
私は唇を噛んだ。
――証拠。そう、証拠が必要だ。
「陛下、もし許されるなら……私に少し時間をください。彼女が動いた証を、私が掴みます」
「危険すぎる」
「危険でも構いません。あの人たちに、どれほど自分たちが愚かだったか思い知らせたいんです」
レオネル陛下の瞳が、一瞬だけ揺れる。
そして小さく息を吐き、頷いた。
「……わかった。ただし、必ず護衛をつける。君を失うくらいなら、国を失った方がましだ」
その言葉に胸が熱くなった。
――この人のためなら、私は何だってできる。
三日後。
私は密かに、敵国側へ潜り込んだ商人の伝手を使い、ミレイユの周囲の動きを探らせた。
そしてついに、決定的な証拠を掴む。
彼女の部屋から発見されたのは、ルーク殿下の印章を偽造した文書。
内容は、「リリアーナ奪還のための暗殺命令」――。
これを公開すれば、彼らの立場は完全に終わる。
――ざまぁみろ。
でも、不思議と心は空っぽだった。
憎しみを感じるよりも、もう何もかもが哀れに思えたのだ。
王城に戻った夜。
レオネル陛下が私を迎えてくれた。
「よく戻った。……怖くなかったか?」
「少し。でも、陛下の言葉を思い出していました。『もう誰にも君を傷つけさせない』って」
彼がふっと笑い、私の手を取り、胸元へ導いた。
「約束は、守らなければな」
その温もりに包まれていると、世界の喧騒がすべて遠くに感じた。
――この人の隣でなら、何があっても戦える。
そう思った瞬間、外から号砲が響いた。
戦が、本格的に始まったのだ。
王の間で、陛下は剣を手に取り、私を見つめた。
「リリアーナ、君に誓う。
この戦が終わったとき、私は公の場で宣言しよう――君こそが、我が唯一の王妃だと」
金の瞳に宿る誓いの光。
その視線を受けながら、私は強く頷いた。
「……陛下。どうか、お気をつけて」
「君もだ。私が戻るまで、誰の言葉にも惑わされるな」
そう言って、彼は私の額に口づけを落とした。
その瞬間、時間が止まったように感じた。
「私は君のために剣を振るう。君のためだけに、王でいる」
その背中が戦場へと向かう。
扉が閉まり、静寂が訪れたあと――私は拳を握りしめた。
「……待っていてください、陛下。必ず勝利の報せをお届けします」
その声は誰にも届かないけれど、確かに空に響いた。
一方そのころ。
敵陣では、ルーク殿下が報告を受けていた。
「暗殺は……失敗したようです」
「なんだと!?」
彼の拳が机を叩き、木片が飛び散る。
「ミレイユ! お前が余計なことをしたせいで!」
「だって……リリアーナが邪魔だったのよ! あの女さえいなければ――」
「黙れっ!」
その怒号が響く。
しかし、その怒りの底には焦りと後悔が滲んでいた。
――リリアーナを手放すべきではなかった。
その思いが、今さら胸を焼いていることに、彼自身が気づかないふりをしていた。
だがその時、部屋の奥で微笑む一人の男の影があった。
冷たい瞳の宰相補佐――。
「ルーク殿下、どうやら戦は陛下の思惑通りに進んでおります。
しかし……“王妃候補”の命を狙う機会は、まだございます」
ルークの瞳が揺れる。
ミレイユがぞっとするような笑みを浮かべた。
「今度こそ、あの女を……終わらせてあげる」
――新たな陰謀が、再び動き出していた。
34
あなたにおすすめの小説
「偽物の聖女は要らない」と追放された私、隣国で本物の奇跡を起こしたら元の国が滅びかけていた件
歩人
ファンタジー
聖女リーゼロッテは、王太子カールに「お前の加護は偽物だ」と断じられ、
婚約を破棄された。代わりに聖女の座に就いたのは、愛らしく微笑む男爵令嬢エルゼ。
追放されたリーゼロッテが隣国に辿り着いたとき、その地は疫病に苦しんでいた。
彼女が祈ると、枯れた泉が蘇り、病は癒え、荒野に花が咲いた。
——本物の聖女の力が、ようやく枷を外されて目覚めたのだ。
一方、リーゼロッテを失った王国では結界が綻び始め、魔物が溢れ出す。
カールは今さら「戻ってくれ」と使者を送るが、リーゼロッテの隣には、
彼女の力を最初から信じていた隣国の若き王がいた。
「あの国に戻る理由が、もう一つもないのです」
平民出身の地味令嬢ですが、論文が王子の目に留まりました
有賀冬馬
恋愛
貴族に拾われ、必死に努力して婚約者の隣に立とうとしたのに――「やっぱり貴族の娘がいい」と言われて、あっさり捨てられました。
でもその直後、学者として発表した論文が王子の目に止まり、まさかの求婚!?
「君の知性と誠実さに惹かれた。どうか、私の隣に来てほしい」
今では愛され、甘やかされ、未来の王妃。
……そして元婚約者は、落ちぶれて、泣きながらわたしに縋ってくる。
「あなたには、わたしの価値が見えなかっただけです」
悪役令嬢に相応しいエンディング
無色
恋愛
月の光のように美しく気高い、公爵令嬢ルナティア=ミューラー。
ある日彼女は卒業パーティーで、王子アイベックに国外追放を告げられる。
さらには平民上がりの令嬢ナージャと婚約を宣言した。
ナージャはルナティアの悪い評判をアイベックに吹聴し、彼女を貶めたのだ。
だが彼らは愚かにも知らなかった。
ルナティアには、ミューラー家には、貴族の令嬢たちしか知らない裏の顔があるということを。
そして、待ち受けるエンディングを。
花を咲かせるだけと馬鹿にされていたけれど、実は希少な魔法でした
佐倉葵
恋愛
花を咲かせる魔法しか使えないリシェル。
その魔法に価値が見出されることはなく、婚約者からも「無能」と見捨てられていた。
王宮の舞踏会で出会ったのは、銀の瞳を持つ異国の魔導士フェルディア。
彼は、リシェルの中に眠る“花を咲かせる”だけではない、もっと深く、もっと稀有な力を見抜いていた。
元婚約者からの侮蔑の中で、フェルディアの言葉と魔力に導かれ、リシェルは自分の魔法の本質に触れはじめる。
かつて無価値とされた魔法が、たった一つの出会いをきっかけに、その意味を変えていく——
遺産は一円も渡さない 〜強欲な夫と義実家に捨てられた私、真の相続人と手を組み全てを奪い返す~ (全10話)
スカッと文庫
恋愛
「お前の価値なんて、その遺産くらいしかないんだよ」
唯一の肉親だった祖父を亡くした夜、夫の健一と義母から放たれたのは、あまりにも無慈悲な言葉だった。
四十九日も待たず、祖父が遺した1億2000万円の遺産をアテに贅沢三昧を目論む夫。だが、彼には隠し通している「裏切り」があった――。
絶望の淵に立たされた由美の前に現れたのは、亡き祖父が差し向けた若き凄腕弁護士・蓮。
「おじい様は、すべてお見通しでしたよ」
明かされる衝撃の遺言内容。そして、強欲な夫たちを地獄へ叩き落とすための「相続条件」とは?
虐げられてきた妻による、一発逆転の遺産争奪&復讐劇がいま幕を開ける!
かわりに王妃になってくれる優しい妹を育てた戦略家の姉
菜っぱ
恋愛
貴族学校卒業の日に第一王子から婚約破棄を言い渡されたエンブレンは、何も言わずに会場を去った。
気品高い貴族の娘であるエンブレンが、なんの文句も言わずに去っていく姿はあまりにも清々しく、その姿に違和感を覚える第一王子だが、早く愛する人と婚姻を結ぼうと急いで王が婚姻時に使う契約の間へ向かう。
姉から婚約者の座を奪った妹のアンジュッテは、嫌な予感を覚えるが……。
全てが計画通り。賢い姉による、生贄仕立て上げ逃亡劇。
婚約破棄された最強女騎士、年下王子に拾われて亡命したら元婚約者の国が滅びました
lemuria
恋愛
武功ひとつで爵位を得た女将軍マリーは、王国最強の矛として名を轟かせていた。
しかしある日、第一王子アルベルトから公衆の面前で一方的に婚約を破棄される。
屈辱と静まり返る大広間――その沈黙を破ったのは、まだ十三歳の第三王子ノエルだった。
「――だったら、僕がマリーさんと婚約します!」
幼い王子の突飛な言葉から始まった新たな縁。
不器用ながらも必死にマリーを支えようとするノエルと、そんな彼を子供扱いしながらも少しずつ心を揺らされていくマリー。
だが王国の中枢では、王の急逝を機に暴政が始まり、権力争いが渦を巻き始める。
二人を待つのは、謀略の渦に呑まれる日々か、それとも新たな未来か。
女将軍と少年王子――釣り合わぬ二人の“婚約”は、やがて王国の命運をも左右していく。
事務仕事しかできない無能?いいえ、空間支配スキルです。~勇者パーティの事務員として整理整頓していたら、いつの間にか銅像が立っていました~
水月
恋愛
「在庫整理しかできない無能は不要だ」
第一王子から、晩餐会の場で婚約破棄と国外追放を告げられた公爵令嬢ユズハ。
彼女のギフト【在庫整理】は、荷物の整理しかできないハズレスキルだと蔑まれていた。
だが、彼女は知っていた。
その真価は、指定空間内のあらゆる物質の最適化であることを。
追放先で出会った要領の悪い勇者パーティに対し、ユズハは事務的に、かつ冷徹に最適化を開始する。
「勇者様、右腕の筋肉配置を効率化しました」
「魔王の心臓、少し左にずらしておきましたね」
戦場を、兵站を、さらには魔王の命までをも在庫として処理し続けた結果、彼女はいつしか魔王討伐勇者パーティの一人として、威圧感溢れる銅像にまでなってしまう。
効率を愛する事務屋令嬢は、自分を捨てた国を不良債権として切り捨て、再出発する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる