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夜が明けた。
けれど、戦の余波が国を包んでいる。
瓦礫の上で風が鳴る音を聞きながら、私は静かに目を閉じていた。
レオンは王と共に軍議へ。私は医師団の補佐として、負傷兵の治癒を行っている。
――もう、自分の力を恐れることはしない。
あの日の風の暴走は、確かに怖かった。
けれど、それが多くの命を救ったのも事実だ。
「リディア様、この方の腕が……」
若い医師が駆け寄ってくる。
見ると、兵士の右腕が黒く焦げ、魔力の瘴気が絡みついていた。
「呪詛……アルストリアの魔術師によるものですね」
私は両手をかざし、加護の風を呼ぶ。
柔らかな光が指先から溢れ、黒煙を払っていく。
「……風よ、穢れを祓い、命に息吹を」
兵士の腕から黒い霧が抜け、皮膚が少しずつ再生していく。
周囲が息を呑み、やがて拍手が湧き起こった。
「すごい……やはり、聖女様だ」
「国宝という呼び名も、伊達ではない……」
そんな声が遠くから聞こえた。
胸がくすぐったいような、少し寂しいような気持ちになる。
――私が“価値がない”と言われた日。
誰一人として、こうして私を見てはくれなかった。
けれど今、確かに私はここにいる。
「……ありがとう、ございます」
小さく礼を言い、私は次の負傷者のもとへ向かった。
同じ頃。
ヴァルガード王城の奥、石造りの廊下を黒い影が駆け抜けていた。
フードを被った女――クラウディア。
手には一通の密書が握られている。
『殿下の命を守るため、彼女を排除せよ』
それは、アルストリアの宰相が送った命令書だった。
リディアの存在が、戦を不利にしている。
ならば、“聖女”を葬る以外に勝ち目はない。
クラウディアの心は、恐怖と焦燥で満ちていた。
――殿下は、もう私を見ていない。
あの女ばかりを……。
唇を噛み、涙を堪える。
だがその目の奥には、狂気にも似た決意が宿っていた。
「……奪われたものは、取り返すの」
彼女は密かに、王城の地下へと姿を消した。
そこに眠るのは――禁断の魔獣。
夕刻。
レオンが戻ってきた。鎧を外し、疲れ切った様子で。
「……少しは休めましたか?」
「お前の顔を見たら、ようやく息ができた」
その言葉に、思わず頬が熱くなる。
彼は軽く笑い、私の手を取った。
「軍議では、“聖女”としてお前を王の前に立てたいという意見も出た。
ただ、危険も多い。エドモンドが動くたび、必ずお前を狙ってくる」
「……戦うためじゃなく、守るためなら、私は力を使えます」
そう答えると、レオンは静かに頷いた。
「その言葉、俺は信じる」
彼は小さく息をつき、腰の剣を外して膝をついた。
「リディア。
この剣に誓おう。
お前がこの国を導く“風”であるなら、俺はその風を護る“竜の剣”になる」
その声はまるで誓いの歌のようだった。
「だから、もう恐れるな」
私は胸がいっぱいになり、気づけば涙がこぼれていた。
――あの頃、誰も私を信じなかった。
けれど今、誰かが真っ直ぐに「信じる」と言ってくれる。
「……ありがとう、レオン様」
彼が立ち上がると、私の手をそっと引いた。
指先が触れ合うたびに、心臓の鼓動が早くなる。
「風が……心地いいな」
「ええ。あなたといると、不思議と穏やかになります」
「それは、お前の加護が俺に流れてるからだろう」
そう言って彼は微笑み、私の額に唇を落とした。
穏やかな沈黙が二人を包み、外の風がやさしくカーテンを揺らした。
その夜。
城下の空が、突如として真紅に染まった。
――咆哮。
それは、地を割るような叫びだった。
「何事だ!?」
レオンがすぐに立ち上がり、剣を掴む。
私はその背に追いすがった。
外に出ると、城下の一角から黒い炎が吹き上がっていた。
その中に見えたのは、巨大な影――翼を持ち、赤く輝く瞳をした怪物。
「……あれは、竜? 違う……魔獣だわ!」
風が狂い、空が悲鳴を上げる。
兵たちが次々と吹き飛ばされ、城壁が崩れる。
「クラウディアが……封印を破ったのか」
レオンの声が低く震える。
「リディア、ここから離れ――」
「いいえ! 私が行きます!」
私は両手を広げ、風を呼ぶ。
竜の咆哮が重なり、空の雲が渦を巻く。
「……風よ、私に力を貸して!」
風が応え、足元の地面が光を放つ。
加護の陣が浮かび上がり、私の体を包み込む。
髪が宙に舞い、瞳の奥が輝きを増す。
「リディア、無茶だ!」
「でも、これを止められるのは私だけです!」
私は風の刃を放った。
鋭い音が響き、魔獣の翼が裂かれる。
けれど、相手は倒れなかった。
むしろ、その傷口から黒い炎が溢れ出し、さらに凶暴化していく。
「くっ……!」
魔力が急激に消耗していく。足が震える。
「リディア!!」
レオンが駆け寄り、私の身体を抱きとめた。
「これ以上は駄目だ。お前の命が……!」
「でも、このままでは……!」
「――なら、一緒にだ」
彼は私の手を握り、自らの剣を地に突き立てた。
その刃が光り、風と炎が絡み合う。
「風竜の血よ、我が剣に宿れ――!」
轟音。
風と炎が爆ぜ、竜の姿が天空に現れる。
その巨体が咆哮と共に魔獣へ突進し、激しく衝突した。
光の奔流が空を覆い、夜が昼のように照らされる。
やがて、すべてが静まり返った。
――戦いの終わり。
私はレオンの腕の中で、ゆっくりと目を開ける。
視界の向こうで、魔獣が崩れ落ちていった。
「……終わった、の?」
「ああ。お前が導いた風が、勝ったんだ」
彼の言葉に、安堵の涙が滲む。
だが、その瞬間。
遠くの山の向こうで、黒い光が再び瞬いた。
「……まさか」
レオンが険しい表情になる。
「アルストリアの本軍が、動き始めた」
夜明け。
私は城のバルコニーに立ち、風に身を委ねていた。
東の空には、黒い煙がゆっくりと立ち上っている。
「……まだ、終わらないのね」
背後から足音。
振り向くと、レオンが立っていた。
いつもの鎧姿ではなく、黒い軍装。戦場へ赴く装いだ。
「これから出るのですね」
「ああ。だが、今回はお前を置いていかない」
「え……?」
「王の命令だ。
お前の加護がなければ、竜たちは完全には制御できない。
戦の中心に、お前が必要だ」
戦場に――?
怖い。
けれど、逃げたくなかった。
「分かりました。……行きます」
レオンはゆっくりと微笑み、私の髪を指で撫でた。
「なら、もう一度だけ誓わせてくれ」
彼の声が、風の音に溶ける。
「たとえ炎が国を焼こうと、
たとえ世界が俺たちを拒もうと――
俺はお前を守り抜く」
その言葉に、胸が締めつけられた。
――風が吹く。
嵐の前の、優しい風。
私たちは互いの手を強く握り合い、戦場へと歩き出した。
まだ夜は明けきらない。
けれど、確かに始まりの風が吹いていた。
けれど、戦の余波が国を包んでいる。
瓦礫の上で風が鳴る音を聞きながら、私は静かに目を閉じていた。
レオンは王と共に軍議へ。私は医師団の補佐として、負傷兵の治癒を行っている。
――もう、自分の力を恐れることはしない。
あの日の風の暴走は、確かに怖かった。
けれど、それが多くの命を救ったのも事実だ。
「リディア様、この方の腕が……」
若い医師が駆け寄ってくる。
見ると、兵士の右腕が黒く焦げ、魔力の瘴気が絡みついていた。
「呪詛……アルストリアの魔術師によるものですね」
私は両手をかざし、加護の風を呼ぶ。
柔らかな光が指先から溢れ、黒煙を払っていく。
「……風よ、穢れを祓い、命に息吹を」
兵士の腕から黒い霧が抜け、皮膚が少しずつ再生していく。
周囲が息を呑み、やがて拍手が湧き起こった。
「すごい……やはり、聖女様だ」
「国宝という呼び名も、伊達ではない……」
そんな声が遠くから聞こえた。
胸がくすぐったいような、少し寂しいような気持ちになる。
――私が“価値がない”と言われた日。
誰一人として、こうして私を見てはくれなかった。
けれど今、確かに私はここにいる。
「……ありがとう、ございます」
小さく礼を言い、私は次の負傷者のもとへ向かった。
同じ頃。
ヴァルガード王城の奥、石造りの廊下を黒い影が駆け抜けていた。
フードを被った女――クラウディア。
手には一通の密書が握られている。
『殿下の命を守るため、彼女を排除せよ』
それは、アルストリアの宰相が送った命令書だった。
リディアの存在が、戦を不利にしている。
ならば、“聖女”を葬る以外に勝ち目はない。
クラウディアの心は、恐怖と焦燥で満ちていた。
――殿下は、もう私を見ていない。
あの女ばかりを……。
唇を噛み、涙を堪える。
だがその目の奥には、狂気にも似た決意が宿っていた。
「……奪われたものは、取り返すの」
彼女は密かに、王城の地下へと姿を消した。
そこに眠るのは――禁断の魔獣。
夕刻。
レオンが戻ってきた。鎧を外し、疲れ切った様子で。
「……少しは休めましたか?」
「お前の顔を見たら、ようやく息ができた」
その言葉に、思わず頬が熱くなる。
彼は軽く笑い、私の手を取った。
「軍議では、“聖女”としてお前を王の前に立てたいという意見も出た。
ただ、危険も多い。エドモンドが動くたび、必ずお前を狙ってくる」
「……戦うためじゃなく、守るためなら、私は力を使えます」
そう答えると、レオンは静かに頷いた。
「その言葉、俺は信じる」
彼は小さく息をつき、腰の剣を外して膝をついた。
「リディア。
この剣に誓おう。
お前がこの国を導く“風”であるなら、俺はその風を護る“竜の剣”になる」
その声はまるで誓いの歌のようだった。
「だから、もう恐れるな」
私は胸がいっぱいになり、気づけば涙がこぼれていた。
――あの頃、誰も私を信じなかった。
けれど今、誰かが真っ直ぐに「信じる」と言ってくれる。
「……ありがとう、レオン様」
彼が立ち上がると、私の手をそっと引いた。
指先が触れ合うたびに、心臓の鼓動が早くなる。
「風が……心地いいな」
「ええ。あなたといると、不思議と穏やかになります」
「それは、お前の加護が俺に流れてるからだろう」
そう言って彼は微笑み、私の額に唇を落とした。
穏やかな沈黙が二人を包み、外の風がやさしくカーテンを揺らした。
その夜。
城下の空が、突如として真紅に染まった。
――咆哮。
それは、地を割るような叫びだった。
「何事だ!?」
レオンがすぐに立ち上がり、剣を掴む。
私はその背に追いすがった。
外に出ると、城下の一角から黒い炎が吹き上がっていた。
その中に見えたのは、巨大な影――翼を持ち、赤く輝く瞳をした怪物。
「……あれは、竜? 違う……魔獣だわ!」
風が狂い、空が悲鳴を上げる。
兵たちが次々と吹き飛ばされ、城壁が崩れる。
「クラウディアが……封印を破ったのか」
レオンの声が低く震える。
「リディア、ここから離れ――」
「いいえ! 私が行きます!」
私は両手を広げ、風を呼ぶ。
竜の咆哮が重なり、空の雲が渦を巻く。
「……風よ、私に力を貸して!」
風が応え、足元の地面が光を放つ。
加護の陣が浮かび上がり、私の体を包み込む。
髪が宙に舞い、瞳の奥が輝きを増す。
「リディア、無茶だ!」
「でも、これを止められるのは私だけです!」
私は風の刃を放った。
鋭い音が響き、魔獣の翼が裂かれる。
けれど、相手は倒れなかった。
むしろ、その傷口から黒い炎が溢れ出し、さらに凶暴化していく。
「くっ……!」
魔力が急激に消耗していく。足が震える。
「リディア!!」
レオンが駆け寄り、私の身体を抱きとめた。
「これ以上は駄目だ。お前の命が……!」
「でも、このままでは……!」
「――なら、一緒にだ」
彼は私の手を握り、自らの剣を地に突き立てた。
その刃が光り、風と炎が絡み合う。
「風竜の血よ、我が剣に宿れ――!」
轟音。
風と炎が爆ぜ、竜の姿が天空に現れる。
その巨体が咆哮と共に魔獣へ突進し、激しく衝突した。
光の奔流が空を覆い、夜が昼のように照らされる。
やがて、すべてが静まり返った。
――戦いの終わり。
私はレオンの腕の中で、ゆっくりと目を開ける。
視界の向こうで、魔獣が崩れ落ちていった。
「……終わった、の?」
「ああ。お前が導いた風が、勝ったんだ」
彼の言葉に、安堵の涙が滲む。
だが、その瞬間。
遠くの山の向こうで、黒い光が再び瞬いた。
「……まさか」
レオンが険しい表情になる。
「アルストリアの本軍が、動き始めた」
夜明け。
私は城のバルコニーに立ち、風に身を委ねていた。
東の空には、黒い煙がゆっくりと立ち上っている。
「……まだ、終わらないのね」
背後から足音。
振り向くと、レオンが立っていた。
いつもの鎧姿ではなく、黒い軍装。戦場へ赴く装いだ。
「これから出るのですね」
「ああ。だが、今回はお前を置いていかない」
「え……?」
「王の命令だ。
お前の加護がなければ、竜たちは完全には制御できない。
戦の中心に、お前が必要だ」
戦場に――?
怖い。
けれど、逃げたくなかった。
「分かりました。……行きます」
レオンはゆっくりと微笑み、私の髪を指で撫でた。
「なら、もう一度だけ誓わせてくれ」
彼の声が、風の音に溶ける。
「たとえ炎が国を焼こうと、
たとえ世界が俺たちを拒もうと――
俺はお前を守り抜く」
その言葉に、胸が締めつけられた。
――風が吹く。
嵐の前の、優しい風。
私たちは互いの手を強く握り合い、戦場へと歩き出した。
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