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【〜No30〜】

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その後、先生達が戻って来るまでは、自習となり、30分後にD組の担任の先生だけが戻ってきた。

「皆さん、お待たせしました。デロリアン嬢とハイビス嬢は、A組の先生が聴取してます。パヴェル嬢とジュエル嬢も、今戻って来ますので、授業を開始しましょうか。
次は氷魔法の課題に挑戦しましょう」

その後、リリアーナとカトリーヌも、授業に戻り課題に挑戦したのだが、ヘンドリクスに代わりブラッドリーが、リリアーナとカトリーヌの補佐に付いた。
これはポールマンの提案で、リリアーナが魔力暴走を起こした時に、すぐ対応する為だと説明をしたからだった。

「リーナ、肩の力を抜いて手の平の中に、丸い玉を作るイメージを思い浮かべてごらん。それからゆっくり、中心に魔力を注ぐんだ。そうそう…いい感じに氷が出来てきたよ」

「わぁ…本当だわ!見て、カトリーヌ!!こんなに大きな氷が出来たわ♪」

「あら本当ね!!やっぱりリリアーナは、水魔法より、属性の氷魔法の方が得意なのね」

「そうなのかしら?でも色々覚えたいわ!楽しいもの♪」

「ふふっ…私がいつでも教えてあげるよ?手とり足とりね♪」

「もう、ブラッドリー様ったら、ここは寮の部屋じゃないんですよ?」

「本当ですわ!私の小さな氷が、二人のイチャイチャな熱さで、溶けてしまいそうだわ♪」

「カトリーヌったら!大袈裟なんだから…」

「そんなことないわ。ほら、王子殿下が睨んでいるわ?あっ、こっちへ来るわよ!」

そう言われてリリアーナが振り返ると、ロバートがリリアーナ達の側にやって来た。

「ブラッドリー、君はリリアーナ嬢の身体に、触れ過ぎじゃないかい?
もう少し距離を取らないと、リリアーナ嬢が不快に思うだろう?」

ロバートはそう言って、ブラッドリーを睨みつけた。だが、ブラッドリーは気にすることなく、逆にリリアーナを後ろから抱きしめて、腕を腹に巻き付けた。

「リーナ、私が触れて不快に思うの?」

と、耳に唇を触れさせ囁いた。

「もぅ…ブラッドリー様の意地悪。それはダメって言ってるのに…」

「ふふっ…リーナは耳が弱いからね。ロバート様、心配して頂かなくても、リーナは不快に感じませんよ?」

「えっ?!…リーナ?」

「ロバート様、勝手にリーナと呼ばないで下さい。私とリーナは恋人同士だから、愛称で呼ぶんですから。家族以外の者がそう呼ぶのは、私は許しませんよ」

そう言ってブラッドリーは、ロバートに冷たい視線を向けた。

「何…?恋人…同士だって……?
では、リリアーナ嬢が言っていたのは、ブラッドリーの事だったのか?」

「ええ…そうです。ですから、ロバート様が善意の相手に名乗り出ても、リーナは首を立てに振りませんよ。リーナは、私だけのモノですからね」

そう言ってブラッドリーは、リリアーナの手首を持ち上げて、ブレスレットをチラリと見せた。

「…っ!!」

すると、ロバートは悔しそうに顔を歪めた。

❝❝~~❞❞

その後、予定されていた課外授業の内容が全て終わる頃には、夕暮れになっていた。

「皆さん、本日の課外授業は時間が押してしまい、遅くなりました。
これから順番にゲートをくぐり、解散します。皆さん気をつけてお帰り下さい。
休み明けに、今日のテストを行いますから、そのつもりでいて下さいね」

それから順番に学園に帰り、リリアーナとカトリーヌも学園に着くと、二人はポールマンとブラッドリーと一緒に帰る為に、医療室の側にあるベンチに座り待つ事にした。

「カトリーヌ、今日の授業は長かったわね。学園に戻って来たら、空は真っ暗よ?
私、夜の学園は初めてだけど、外灯が沢山あって意外に明るいのね。花壇の側にも照明があって、幻想的で綺麗なのね…。初めて知ったわ」

「そうなの?夜の学園の中庭って、デートスポットなのよ?寮生が手軽にここでね…。
ほら、ベンチの側が生け垣で囲まれてるのが多いでしょう?」

「言われてみれば、そうね!ちょっとした、木の個室みたいで、ライトアップされているわ…。もしかして、ここで始まっちゃうの?」

「ふふっ…中にはそんな人も、いるんじゃない?」

「えぇ~!!外で?!私には無理だわ…。
ねえ、それよりカトリーヌ、私お腹が空いてぺこぺこなの、ここで食べて待ってない?」

「リリアーナは、色気より食い気ね♪そうね、まだポールが戻って来るまで、時間がかかるだろうから、食べてましょうか…折角お弁当にしてもらったんだし♪」

二人は、カフェで作ってもらったサンドイッチと、菓子を取り出して食べようとした所、
ドナルドが目の前を横切ろうとした時に、目が合った。

「あっ…」

(グゥゥ~)

「「「……」」」

「サンドラ様…宜しかったら、コレどうぞ♪沢山ありますから…」

「…っ!! イヤ!! その…昼食を少ししか食べれなくて…あの…忙しくて…」

真っ赤になって、慌てるドナルドを見たリリアーナは、クスクス笑いながら、もう一度ドナルドにサンドイッチを差し出した。

「遠慮なくどうぞ!サンドラ様は、まだ第一王子殿下のお側に、いなきゃいけないんでしょう?私も直ぐにお腹が空くので、辛い気持ちはよくわかります。ですから、遠慮なく食べて下さい。ふふっ…。今食べないと、また食いっぱぐれますよ?(クスクス)」

「そうですよ?私達はこれ以外にも、焼き菓子もあるので、どうぞ♪
早く食べないと、また呼ばれますから…(クスクス)」

「すまない、本当に助かる!!腹が空きすぎて、イライラしてたんだ!!この時間じゃ大食堂もやってないし、売店に行っても閉まっててな…」

「では尚更食べて下さい。紅茶もありますから…」

そう言うと、ドナルドは凄い勢いで、サンドイッチを食べ始めた。
リリアーナとカトリーヌは、呆気にとられて、その食いっぷりを見ながら、焼き菓子を口に運んでいた。
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