7 / 8
6話 異変
しおりを挟む
Sランク冒険者と集合してから約5分歩くと金髪ギャルのユミンが口を開く。
「ねぇ、なんか変な焦げ臭さがない?」
冗談ではなく本当に言っているように見える。明らかに心配そうな目だ。
それに対してリーダーのアイズが半笑いで口を開く。
「いや、フェニックスの匂いだろう。気にするな、もしなんかあっても俺らなら対応できるだろ」
「そーそ!気にしすぎっしょ!」
ユミンが不安にしているのに対し、他2人は適当に流して半笑いする。実力に相当な自信があるんだろうな。
けれどこの匂いは確かにおかしい。素人の俺が云うのもなんだが、これはフェニックスでは無いのではないか?
そして更に歩いて30分遂にフェニックスの姿が見えた。その30分間、ユミンはずっと落ち着かない様子だった。
フェニックスに近付くにつれ、変な焦げ臭いは強くなっていた。やはりフェニックスだったのか?
「ほら、フェニックスだったろ。行くぞ」
「え、えぇ」
「えーと、君はそこで待っときな!」
Sランク冒険者3人がフェニックスの懐に接触する。かなり速いスピードだ。
「キョエーーー!!」
「ぐっ!?」
フェニックスの森全体に鳴り渡るような咆哮で全員が怯む。元の世界の俺だったら鼓膜破れて死んでたぞ!
「いけない!忘れてた!あの子は………あれ平然としている?」
「アイズ!フェニックスに集中するしょ!」
「お、おぉ…」
やばい………これ多分普通のやつだったら鼓膜破れて死or気を失うのどっちかだったんだろうな。リーダーのアイズには不審がられている。
なら、一旦気を失う振りをしてみるか?
いや、もういいか。あの3人はフェニックスに集中しているからこっちを見ることは無いだろう。Sランク冒険者の戦い学ばせてもらうぞ!
「アイズ!」
「おう!『武器召喚・盾』」
フェニックスの強靭な羽をリーダーのアイズが魔法で生成した巨大な盾で防いだ。そして、
「光の弓!」
「キョエーーー!」
大空から降り注ぐ無数の光の矢がフェニックスに直撃し、悲鳴を上げる。
「これでトドメっしょ!」
チャラ男双剣士のビーズが素早い斬撃でフェニックスの体を切り裂く。そんなに近付いて熱くないのか不思議だ。
「キョエー……………………」
フェニックスはその場で倒れる。凄い!フェニックスを瞬殺してしまったぞ!
「ハハハ。復活しないようにトドメを刺しておこう」
知識も豊富。これがSランク冒険者か…
「よし、これで良しと。素材も取ったし帰ろうか」
順調に終わったかと思ったら、ここでユミンが口を挟む。
「ねぇ、フェニックス倒したのにあの変な焦げ臭い匂いが消えてなくない?」
「………本当だ。一体なんで?」
これにはおかしいと思ったのかアイズは手を口の前に添える。
しかもこの匂いはどんどん強くなっているような………
「キョエーーー!!!!!」
「!?」
「フェニックス!?」
またフェニックスが現れたのかと叫び声の方向を見ると、そこには紫色に染まった禍々しいフェニックスが居た。
「ち、違う!あれはSSランクのダークフェニックスだ!!!俺らじゃ手に負えない!逃げるぞッ!!」
あの冷静なアイズが声を荒らげ、ダークフェニックスから背を向ける。他のメンバーも同じように背を向け、逃げようとするがーー
「そんな!早すぎる!」
一瞬にして逃げ道を防ぎ、Sランク冒険者3人と俺の前に立ち塞がる。なんていう圧だ。
「くっ!やるしかないのか!」
「でも、なんでここにダークフェニックスが!?」
「知らないっしょ!ギルドにクレームいれたいっしょ!」
さすがのこの3人もこの場では混乱するしかないようだ。まぁ、若いからな、俺も若いけど。
それより、俺も戦闘に参加した方が良いよな?実力がバレてしまうけど……命には変えられない。この人達はミスした子供を引き受けて、親切にしてくれた良い人達なんだから。
「俺も参加する」
すると、ユミンが声を荒らげる。
「バカ!弱い癖にどっか行きなさい!絶対死ぬわよ!」
「ユミン!言い過ぎだぞ!だけどな、ユミンの言う通り逃げた方が良い!ここは俺達に任せてろ!」
「そーしょ!Sランク冒険者舐めない欲しいっす!」
優しいな。こんなときでも俺を生かそうとしてくれる。ユミンも口調こそ悪いものの、俺を守っての言動だろう。
まぁ、正直俺がどれくらい強いかなんて俺自身も分からんが、神様の言う通りならば恐らくかなり強いはず。どっちにしろやらなければならないのだからな。
「キョエーーーー!!!」
さぁこの俺、佐賀星矢様の初陣だ!
「ねぇ、なんか変な焦げ臭さがない?」
冗談ではなく本当に言っているように見える。明らかに心配そうな目だ。
それに対してリーダーのアイズが半笑いで口を開く。
「いや、フェニックスの匂いだろう。気にするな、もしなんかあっても俺らなら対応できるだろ」
「そーそ!気にしすぎっしょ!」
ユミンが不安にしているのに対し、他2人は適当に流して半笑いする。実力に相当な自信があるんだろうな。
けれどこの匂いは確かにおかしい。素人の俺が云うのもなんだが、これはフェニックスでは無いのではないか?
そして更に歩いて30分遂にフェニックスの姿が見えた。その30分間、ユミンはずっと落ち着かない様子だった。
フェニックスに近付くにつれ、変な焦げ臭いは強くなっていた。やはりフェニックスだったのか?
「ほら、フェニックスだったろ。行くぞ」
「え、えぇ」
「えーと、君はそこで待っときな!」
Sランク冒険者3人がフェニックスの懐に接触する。かなり速いスピードだ。
「キョエーーー!!」
「ぐっ!?」
フェニックスの森全体に鳴り渡るような咆哮で全員が怯む。元の世界の俺だったら鼓膜破れて死んでたぞ!
「いけない!忘れてた!あの子は………あれ平然としている?」
「アイズ!フェニックスに集中するしょ!」
「お、おぉ…」
やばい………これ多分普通のやつだったら鼓膜破れて死or気を失うのどっちかだったんだろうな。リーダーのアイズには不審がられている。
なら、一旦気を失う振りをしてみるか?
いや、もういいか。あの3人はフェニックスに集中しているからこっちを見ることは無いだろう。Sランク冒険者の戦い学ばせてもらうぞ!
「アイズ!」
「おう!『武器召喚・盾』」
フェニックスの強靭な羽をリーダーのアイズが魔法で生成した巨大な盾で防いだ。そして、
「光の弓!」
「キョエーーー!」
大空から降り注ぐ無数の光の矢がフェニックスに直撃し、悲鳴を上げる。
「これでトドメっしょ!」
チャラ男双剣士のビーズが素早い斬撃でフェニックスの体を切り裂く。そんなに近付いて熱くないのか不思議だ。
「キョエー……………………」
フェニックスはその場で倒れる。凄い!フェニックスを瞬殺してしまったぞ!
「ハハハ。復活しないようにトドメを刺しておこう」
知識も豊富。これがSランク冒険者か…
「よし、これで良しと。素材も取ったし帰ろうか」
順調に終わったかと思ったら、ここでユミンが口を挟む。
「ねぇ、フェニックス倒したのにあの変な焦げ臭い匂いが消えてなくない?」
「………本当だ。一体なんで?」
これにはおかしいと思ったのかアイズは手を口の前に添える。
しかもこの匂いはどんどん強くなっているような………
「キョエーーー!!!!!」
「!?」
「フェニックス!?」
またフェニックスが現れたのかと叫び声の方向を見ると、そこには紫色に染まった禍々しいフェニックスが居た。
「ち、違う!あれはSSランクのダークフェニックスだ!!!俺らじゃ手に負えない!逃げるぞッ!!」
あの冷静なアイズが声を荒らげ、ダークフェニックスから背を向ける。他のメンバーも同じように背を向け、逃げようとするがーー
「そんな!早すぎる!」
一瞬にして逃げ道を防ぎ、Sランク冒険者3人と俺の前に立ち塞がる。なんていう圧だ。
「くっ!やるしかないのか!」
「でも、なんでここにダークフェニックスが!?」
「知らないっしょ!ギルドにクレームいれたいっしょ!」
さすがのこの3人もこの場では混乱するしかないようだ。まぁ、若いからな、俺も若いけど。
それより、俺も戦闘に参加した方が良いよな?実力がバレてしまうけど……命には変えられない。この人達はミスした子供を引き受けて、親切にしてくれた良い人達なんだから。
「俺も参加する」
すると、ユミンが声を荒らげる。
「バカ!弱い癖にどっか行きなさい!絶対死ぬわよ!」
「ユミン!言い過ぎだぞ!だけどな、ユミンの言う通り逃げた方が良い!ここは俺達に任せてろ!」
「そーしょ!Sランク冒険者舐めない欲しいっす!」
優しいな。こんなときでも俺を生かそうとしてくれる。ユミンも口調こそ悪いものの、俺を守っての言動だろう。
まぁ、正直俺がどれくらい強いかなんて俺自身も分からんが、神様の言う通りならば恐らくかなり強いはず。どっちにしろやらなければならないのだからな。
「キョエーーーー!!!」
さぁこの俺、佐賀星矢様の初陣だ!
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さくら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる