異世界転移したら失踪していたクラスメイトと再会したんだが 〜50人目記念で最強になった俺は異世界を無双する〜

黒猫

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6話 異変

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     Sランク冒険者と集合してから約5分歩くと金髪ギャルのユミンが口を開く。

「ねぇ、なんか変な焦げ臭さがない?」

    冗談ではなく本当に言っているように見える。明らかに心配そうな目だ。

     それに対してリーダーのアイズが半笑いで口を開く。

「いや、フェニックスの匂いだろう。気にするな、もしなんかあっても俺らなら対応できるだろ」

「そーそ!気にしすぎっしょ!」

    ユミンが不安にしているのに対し、他2人は適当に流して半笑いする。実力に相当な自信があるんだろうな。
    
     けれどこの匂いは確かにおかしい。素人の俺が云うのもなんだが、これはフェニックスでは無いのではないか?

    そして更に歩いて30分遂にフェニックスの姿が見えた。その30分間、ユミンはずっと落ち着かない様子だった。

     フェニックスに近付くにつれ、変な焦げ臭いは強くなっていた。やはりフェニックスだったのか?

「ほら、フェニックスだったろ。行くぞ」

「え、えぇ」

「えーと、君はそこで待っときな!」

     Sランク冒険者3人がフェニックスの懐に接触する。かなり速いスピードだ。

「キョエーーー!!」

「ぐっ!?」

     フェニックスの森全体に鳴り渡るような咆哮で全員が怯む。元の世界の俺だったら鼓膜破れて死んでたぞ!

「いけない!忘れてた!あの子は………あれ平然としている?」

「アイズ!フェニックスに集中するしょ!」

「お、おぉ…」

     やばい………これ多分普通のやつだったら鼓膜破れて死or気を失うのどっちかだったんだろうな。リーダーのアイズには不審がられている。
      なら、一旦気を失う振りをしてみるか?

      いや、もういいか。あの3人はフェニックスに集中しているからこっちを見ることは無いだろう。Sランク冒険者の戦い学ばせてもらうぞ!

「アイズ!」

「おう!『武器召喚・盾』」

    フェニックスの強靭な羽をリーダーのアイズが魔法で生成した巨大な盾で防いだ。そして、

「光の弓!」

「キョエーーー!」

    大空から降り注ぐ無数の光の矢がフェニックスに直撃し、悲鳴を上げる。

「これでトドメっしょ!」

    チャラ男双剣士のビーズが素早い斬撃でフェニックスの体を切り裂く。そんなに近付いて熱くないのか不思議だ。

「キョエー……………………」

     フェニックスはその場で倒れる。凄い!フェニックスを瞬殺してしまったぞ!

「ハハハ。復活しないようにトドメを刺しておこう」

    知識も豊富。これがSランク冒険者か…

「よし、これで良しと。素材も取ったし帰ろうか」
 
    順調に終わったかと思ったら、ここでユミンが口を挟む。

「ねぇ、フェニックス倒したのにあの変な焦げ臭い匂いが消えてなくない?」

「………本当だ。一体なんで?」

     これにはおかしいと思ったのかアイズは手を口の前に添える。
     しかもこの匂いはどんどん強くなっているような………

「キョエーーー!!!!!」

「!?」

「フェニックス!?」

    またフェニックスが現れたのかと叫び声の方向を見ると、そこには紫色に染まった禍々しいフェニックスが居た。

「ち、違う!あれはSSランクのダークフェニックスだ!!!俺らじゃ手に負えない!逃げるぞッ!!」

     あの冷静なアイズが声を荒らげ、ダークフェニックスから背を向ける。他のメンバーも同じように背を向け、逃げようとするがーー

「そんな!早すぎる!」

    一瞬にして逃げ道を防ぎ、Sランク冒険者3人と俺の前に立ち塞がる。なんていう圧だ。

「くっ!やるしかないのか!」

「でも、なんでここにダークフェニックスが!?」

「知らないっしょ!ギルドにクレームいれたいっしょ!」

    さすがのこの3人もこの場では混乱するしかないようだ。まぁ、若いからな、俺も若いけど。

    それより、俺も戦闘に参加した方が良いよな?実力がバレてしまうけど……命には変えられない。この人達はミスした子供を引き受けて、親切にしてくれた良い人達なんだから。

「俺も参加する」

     すると、ユミンが声を荒らげる。

「バカ!弱い癖にどっか行きなさい!絶対死ぬわよ!」

「ユミン!言い過ぎだぞ!だけどな、ユミンの言う通り逃げた方が良い!ここは俺達に任せてろ!」

 「そーしょ!Sランク冒険者舐めない欲しいっす!」

    優しいな。こんなときでも俺を生かそうとしてくれる。ユミンも口調こそ悪いものの、俺を守っての言動だろう。

    まぁ、正直俺がどれくらい強いかなんて俺自身も分からんが、神様の言う通りならば恐らくかなり強いはず。どっちにしろやらなければならないのだからな。

「キョエーーーー!!!」

     さぁこの俺、佐賀星矢様の初陣だ!
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