33 / 34
第三章 運命を巡らせる金の環
09.かつての弟子から逃げられません
しおりを挟む
「やれやれ、邪魔者は退散するよ」
「グランヴィル卿……」
踵を返した彼の背中に、どのような言葉をかけるべきなのか迷ってしまう。
急に告白してきた時はなんて軟派な人だろうと思っていたけれど、彼は常に気にかけてくれていたし、助けを求めるとすぐに戦場から駆けつけてくれた。
「約束を、守ってくれてありがとうございました」
「いいのいいの、俺が一方的に約束したことだから気にしないでね?」
後ろを向いたまま、ひらひらと手を揺らす彼の背を見送る。
「彼のことが気になりますか?」
腰に回った《ダレン》の腕の力が、じわじわと強められていく。
まるでグランヴィル卿に盗られないよう隠そうとしているようで、エドの顔でそのような子どもっぽいことをしているのが可笑しくて笑ってしまう。
「ええ、まあ……助けてもらってばかりだったからね」
「これだから、騎士は嫌いなんです。今も昔もお師匠様を誑かすから……!」
「昔は誑かされた記憶なんて無かったわよ」
ダレンが来た頃に私の周りに居た騎士たちは、私のことは生きた史実書くらいにしか思っていなかったような連中だ。
誑かされるのはもちろん、言い寄られることさえなかった。
「お師匠様が鈍感なだけなんです!」
「そうかい、そうかい。ダレンには私のことがそういう風に見えていたんだねぇ」
わざとらしくわしゃわしゃと頭を撫でると、途端にダレンは大人しくなった。
(こういったところも変わらないわね)
ダレンは昔から、撫でると大人しくなるのだ。
いつもは大人ぶっているダレンが私の手にすり寄り、甘える猫のようにうっとりとした表情を見せるのが可愛らしくてついつい撫でてしまう。
「ダレン……ごめんね」
「どうして謝るのですか?」
「ずっと、アンタの気持ちを踏みにじっていてすまなかった」
大魔導士なんて大層な地位を貰っていても、中身はとんでもなくちっぽけな人間だ。
たった一人の大切なひとを傷つけ続けてきたのだから……。
ダレンのためを思って求婚を断り、破門し、戦争に行くのを引き留めなかったが、本当のところ、それは何一つとしてダレンのためではなかった。ただの言い訳だったのだ。
自分自身が、いつか訪れるダレンとの別れが怖くて一緒になる勇気を持てなかったから断り続けてきた。
「ダレンが死んだと聞かされて、自分の気持ちに気付いたのさ。いっぱい反省して、いつかダレンに再会した時に謝れるよう、記憶を日記に託したのさ」
「ああ、それで契約魔法の一部が変容して、お師匠様と再会してもお師匠様の記憶が戻らなかったのですね」
《ダレン》の青い瞳が私の顔を覗き込む。
いつの間にか彼の瞳の中にも金色の環ができており、存在を主張するようにきらりと光った。
私たちの運命が引き裂かれないよう環になり繋がった証。
「お師匠様の気付いた気持ち、聞かせてください」
「……私は、ダレンと一緒に居たかった。だけどいつかダレンとの別れが来るのが怖かったんだよ」
「お師匠様……」
熱っぽい眼差しを向けられ、心臓がどくどくとうるさくなる。
逃げるようにして顔を背けたが手遅れで、ダレンの手にやんわりと前に向けられると、唇が塞がれた。
「謝る必要なんてありません。かなり遠回りしましたが、ようやくお師匠と結婚できて幸せなのですから」
「けっ……結婚……」
「ええ、結婚式までにお師匠様の記憶が戻ってとても嬉しいです。こんな奇跡が起こるなんて、女神様は本当にいるのですね」
戦争のことですっかり頭から抜け落ちていた。それに、前世の記憶を思い出したこともあり、すっかり忘れていた、とも言い訳させてもらいたい。
ダレンと一緒に居たいという気持ちに偽りはないが、前世では「こんなことになるなら結婚すればよかった!」と後悔した私だが、前世と今世の記憶を合わせても一度も経験のなかった「結婚」は未知の領域で、するとなれば少々勇気がいるのだ。
「ダレン、少し時間をくれないか? 逃げたりはしないが、心の準備をさせてほしい」
「なぜです?」
青い瞳が翳り、そこはかとなく危うい雰囲気が《ダレン》から漂ってくる。
これはまずい、と本能が危険信号を発し始めた。
「私とお師匠様では年が離れているから、ですか?」
「そ、そうだ。百歳以上年が離れているんだぞ?」
「ああ、その事ですが――」
《ダレン》は唇で弧を描き、心臓に悪いほど甘美で魔性の美しさを宿した微笑みを浮かべた。
それはまるで、美貌で人を惑わし喰らってしまう悪魔のようで。
射竦められて震える私を、舌なめずりしているように見えてしまった。
「今の私たちは年近い若者です。お互い結婚適齢期でちょうどいいと思いませんか?」
「うっ……」
「たった三つしか離れていません。前世のお師匠様が言っていた理想的な年齢差ですよ?」
今の彼なら何を言っても諦めてくれなさそうだ。
それどころか、先手必勝と言わんばかりに「慣れるために恋人らしいことをしていきましょうね」なんて提案してくる。
「お師匠様は私のことが嫌いですか?」
「き、嫌いではない」
「愛していない、と?」
「い、いや……愛しているけど……」
「嬉しいです。私も、お師匠様のことを深く愛しております」
誘導尋問のような愛の告白であるのにも拘わらず、《ダレン》は本当に幸せそうに目を細める。
やり方が強引ではあるが、純粋にまっすぐに愛情を向けてくれているのだ。
(……それなのに私は、まだ意地を張っているのね)
何百年も生きているのに未熟な自分に苦笑した。
ここはひとつ腹を括ろうと、深呼吸を一つして《ダレン》を抱きしめる。
「ダレンを愛しているよ。だけど臆病だから、気弱な事を言ってしまう。それでも許してくれるかい?」
「そんなところも全て含めてお師匠様の事を愛していますよ」
もう一度ダレンが唇を触れ合わせる。
軽く触れるだけだった彼を捕まえて、私も口づけを返した。
***あとがき***
一時、前のタイトルに変えたり、今のタイトルに戻したりを繰り返しておりました。急に変えてご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。
次話、エピローグです。
「グランヴィル卿……」
踵を返した彼の背中に、どのような言葉をかけるべきなのか迷ってしまう。
急に告白してきた時はなんて軟派な人だろうと思っていたけれど、彼は常に気にかけてくれていたし、助けを求めるとすぐに戦場から駆けつけてくれた。
「約束を、守ってくれてありがとうございました」
「いいのいいの、俺が一方的に約束したことだから気にしないでね?」
後ろを向いたまま、ひらひらと手を揺らす彼の背を見送る。
「彼のことが気になりますか?」
腰に回った《ダレン》の腕の力が、じわじわと強められていく。
まるでグランヴィル卿に盗られないよう隠そうとしているようで、エドの顔でそのような子どもっぽいことをしているのが可笑しくて笑ってしまう。
「ええ、まあ……助けてもらってばかりだったからね」
「これだから、騎士は嫌いなんです。今も昔もお師匠様を誑かすから……!」
「昔は誑かされた記憶なんて無かったわよ」
ダレンが来た頃に私の周りに居た騎士たちは、私のことは生きた史実書くらいにしか思っていなかったような連中だ。
誑かされるのはもちろん、言い寄られることさえなかった。
「お師匠様が鈍感なだけなんです!」
「そうかい、そうかい。ダレンには私のことがそういう風に見えていたんだねぇ」
わざとらしくわしゃわしゃと頭を撫でると、途端にダレンは大人しくなった。
(こういったところも変わらないわね)
ダレンは昔から、撫でると大人しくなるのだ。
いつもは大人ぶっているダレンが私の手にすり寄り、甘える猫のようにうっとりとした表情を見せるのが可愛らしくてついつい撫でてしまう。
「ダレン……ごめんね」
「どうして謝るのですか?」
「ずっと、アンタの気持ちを踏みにじっていてすまなかった」
大魔導士なんて大層な地位を貰っていても、中身はとんでもなくちっぽけな人間だ。
たった一人の大切なひとを傷つけ続けてきたのだから……。
ダレンのためを思って求婚を断り、破門し、戦争に行くのを引き留めなかったが、本当のところ、それは何一つとしてダレンのためではなかった。ただの言い訳だったのだ。
自分自身が、いつか訪れるダレンとの別れが怖くて一緒になる勇気を持てなかったから断り続けてきた。
「ダレンが死んだと聞かされて、自分の気持ちに気付いたのさ。いっぱい反省して、いつかダレンに再会した時に謝れるよう、記憶を日記に託したのさ」
「ああ、それで契約魔法の一部が変容して、お師匠様と再会してもお師匠様の記憶が戻らなかったのですね」
《ダレン》の青い瞳が私の顔を覗き込む。
いつの間にか彼の瞳の中にも金色の環ができており、存在を主張するようにきらりと光った。
私たちの運命が引き裂かれないよう環になり繋がった証。
「お師匠様の気付いた気持ち、聞かせてください」
「……私は、ダレンと一緒に居たかった。だけどいつかダレンとの別れが来るのが怖かったんだよ」
「お師匠様……」
熱っぽい眼差しを向けられ、心臓がどくどくとうるさくなる。
逃げるようにして顔を背けたが手遅れで、ダレンの手にやんわりと前に向けられると、唇が塞がれた。
「謝る必要なんてありません。かなり遠回りしましたが、ようやくお師匠と結婚できて幸せなのですから」
「けっ……結婚……」
「ええ、結婚式までにお師匠様の記憶が戻ってとても嬉しいです。こんな奇跡が起こるなんて、女神様は本当にいるのですね」
戦争のことですっかり頭から抜け落ちていた。それに、前世の記憶を思い出したこともあり、すっかり忘れていた、とも言い訳させてもらいたい。
ダレンと一緒に居たいという気持ちに偽りはないが、前世では「こんなことになるなら結婚すればよかった!」と後悔した私だが、前世と今世の記憶を合わせても一度も経験のなかった「結婚」は未知の領域で、するとなれば少々勇気がいるのだ。
「ダレン、少し時間をくれないか? 逃げたりはしないが、心の準備をさせてほしい」
「なぜです?」
青い瞳が翳り、そこはかとなく危うい雰囲気が《ダレン》から漂ってくる。
これはまずい、と本能が危険信号を発し始めた。
「私とお師匠様では年が離れているから、ですか?」
「そ、そうだ。百歳以上年が離れているんだぞ?」
「ああ、その事ですが――」
《ダレン》は唇で弧を描き、心臓に悪いほど甘美で魔性の美しさを宿した微笑みを浮かべた。
それはまるで、美貌で人を惑わし喰らってしまう悪魔のようで。
射竦められて震える私を、舌なめずりしているように見えてしまった。
「今の私たちは年近い若者です。お互い結婚適齢期でちょうどいいと思いませんか?」
「うっ……」
「たった三つしか離れていません。前世のお師匠様が言っていた理想的な年齢差ですよ?」
今の彼なら何を言っても諦めてくれなさそうだ。
それどころか、先手必勝と言わんばかりに「慣れるために恋人らしいことをしていきましょうね」なんて提案してくる。
「お師匠様は私のことが嫌いですか?」
「き、嫌いではない」
「愛していない、と?」
「い、いや……愛しているけど……」
「嬉しいです。私も、お師匠様のことを深く愛しております」
誘導尋問のような愛の告白であるのにも拘わらず、《ダレン》は本当に幸せそうに目を細める。
やり方が強引ではあるが、純粋にまっすぐに愛情を向けてくれているのだ。
(……それなのに私は、まだ意地を張っているのね)
何百年も生きているのに未熟な自分に苦笑した。
ここはひとつ腹を括ろうと、深呼吸を一つして《ダレン》を抱きしめる。
「ダレンを愛しているよ。だけど臆病だから、気弱な事を言ってしまう。それでも許してくれるかい?」
「そんなところも全て含めてお師匠様の事を愛していますよ」
もう一度ダレンが唇を触れ合わせる。
軽く触れるだけだった彼を捕まえて、私も口づけを返した。
***あとがき***
一時、前のタイトルに変えたり、今のタイトルに戻したりを繰り返しておりました。急に変えてご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。
次話、エピローグです。
1
あなたにおすすめの小説
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のない、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
転生者と忘れられた約束
悠十
恋愛
シュゼットは前世の記憶を持って生まれた転生者である。
シュゼットは前世の最後の瞬間に、幼馴染の少年と約束した。
「もし来世があるのなら、お嫁さんにしてね……」
そして、その記憶を持ってシュゼットは転生した。
しかし、約束した筈の少年には、既に恋人が居て……。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
死にキャラに転生したけど、仲間たちに全力で守られて溺愛されています。
藤原遊
恋愛
「死ぬはずだった運命なんて、冒険者たちが全力で覆してくれる!」
街を守るために「死ぬ役目」を覚悟した私。
だけど、未来をやり直す彼らに溺愛されて、手放してくれません――!?
街を守り「死ぬ役目」に転生したスフィア。
彼女が覚悟を決めたその時――冒険者たちが全力で守り抜くと誓った!
未来を変えるため、スフィアを何度でも守る彼らの執着は止まらない!?
「君が笑っているだけでいい。それが、俺たちのすべてだ。」
運命に抗う冒険者たちが織り成す、異世界溺愛ファンタジー!
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。
また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる