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番外編
はじめての誕生日デート-3
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次の日、私とディランは、首都から少し離れた小高い丘に辿り着いた。
深く息を吸い込み新鮮な空気を肺に取り込むと、身体が軽くなった気がする。
王立図書館の中に充満する本の匂いも好きだが、たまに吸い込む大自然の空気は格別だ。
御者には帰りの時間を伝えて、その時間に来てもらう。青々と生い茂る柔らかい草を踏み分け布を敷くと、さっそくバスケットを開けてお昼をいただく。
寮の調理人と侍女のお姉さまがランチバスケットを用意してくれたのだ。
そして、お菓子は私の手作りである。彼が好きなナッツ入りのクッキーなどを用意した。
無限紅茶が可能な魔法が付与されたポットも貸してもらえて、至れり尽くせりである。
長閑《のどか》な景色を眺め、他愛もない話をしながら食事をとる。塔に配属されたばかりの頃では想像もつかないほど穏やかな時間だ。
昼食が終わると、お菓子をつまみながらの読書タイムの始まりである。
私は本を読みながら、ちらりと横目でディランの方を盗み見た。
これまでは塔の中の、鈍色の石の壁に囲まれた部屋の中で、椅子に腰かけ山積みの書類に目を通していた上司様。
そんな彼が、今や地面に座り、くつろいだ格好で本を読んでいるから不思議な眺めだ。
やがて彼はごろんと横になり、顔に本を被せて昼寝し始めた。完全に無防備だ。
心のスクショにそのお姿を収めつつ、そろり手を伸ばして自分のひざ掛けを彼にかける。
裏ボスの休日は、穏やかに過ごせただろうか?
眠っている彼に陽があたり、赤みが差した温かみのある紺色の髪は風に揺れている。その様子を見ていると、思わず口元が緩んでしまう。
それからしばらくすると、妙に視線を感じて彼の方を向いた。なんと、起きてこちらをじっと見ていらっしゃるのだ。
顔の上に置いていた本は、今や閉じてしまって胸の上に置いている。
オーマイゴッシュ。眠り込んでると思ってまたアニソン歌ってたのに、聞かれてたやも知れぬ。
鼻歌だからセーフか?!
それにしても、全く起きたのに気づかなかった……いつ目が覚めたんだろう?
「時おり不思議な歌を歌うな」
「えっと……架空の国の歌を作ってみまして」
「はは、どういうことだ?」
彼は笑うと、むくりと起き上がった。乱れた髪はそのままに、「ありがとう」と言ってひざ掛けをかけてくれた。
いつもの裏ボス上司感がゼロなだけに、なんだかふわふわした気持ちにさせられる。
私たちはまた紅茶を淹れて飲みながら何気ない会話に花を咲かせていた。お互いの幼い頃の話をしているうちに、気づけば日が傾き始めている。
昨晩のフラグが気になっていたが、エドワール王太子殿下の影も無く、無事にピクニックは成功したかと思われる。
「私のために用意してくれてありがとう。おかげでゆっくり休めた」
「そう言っていただけると嬉しいです。ディランが欲しいものを必死で考えたんですから」
「……許してもらえるなら、欲しいものが別にある」
「言ってみてください!誕生日なのですから!」
「では、目を閉じて」
「はい!閉じました!」
「良いと言うまで開けないでくれ」
「……あの、何が欲しいか言っていただけますか?」
さすがにベタな展開が警鐘をならす。私もそこまで鈍感ではない。ずるい裏ボスは何も答えず、クスリと笑う声だけが聞こえてくる。
目を開けてしまおうかと考えていると、瞼に柔らかい何かが軽く当てられた。一気に彼が近づいてきた気配がする。
伝わってくる熱とあいまって、嗅ぎ慣れたほろ苦い香水の香りが強まってくる。
「ふ……ふざけているとお願いを聞きませんよ?」
「まだだ」
「欲しいものを言ってくれるのでは?」
「口にしたらくれなさそうだから自分から貰う」
「な、何を仰って……?!」
狼狽えているうちに額や反対側の瞼にも、そのくすぐったい感覚が降ってくる。
とうとうこの人も脳内が乙女ゲームに染まったか?!
いや、もともとこの世界の住人のはずだけど。
こんな事する人じゃなかったから油断していたというかなんというか……いつかはこういうことをするとはわかっていたんだけど……やはりまだ上司として見えてしまうこともあるというかなんというか……。
この流れで唇に……なんてことになったら私は息が止まる。心の準備ができていない今なら、間違いなく酸欠と心臓発作で倒れる。なんなら既に息が苦しいし頭の中が真っ白になりそうだ。
彼の指が、ゆっくりと唇をなぞった。
その感覚に、無意識に肩が動いてしまう。
身体を退こうとすると、阻むように背中と顎に手を添えられる。
逃げられないとなると……残るは頭突き攻撃か?
やはり攻撃こそ最大の防御である。
そう思い至って身構えた時のことだった。突風が吹き、気づけば私は両肩を掴まれて後ろ側に思いっきり引かれ、何かに受け止められた。
驚いて目を開けると、頭上でお兄様があの美しい微笑みを浮かべて覗き込んできたのだ。
「ハワード侯爵、これからあなたに贈りたいものがあるので、ピクニックはもうお開きにしましょう!ね、シエナも帰る準備をしなさい!」
「お義兄様、なぜここにあなたが……?」
お兄様とディランの視線がぶつかるとバチリと音がした。フェリエール王国が乾燥地帯にある国じゃなくて本当に良かった。
こんな火花が飛んだら間違いなく火災が起きる。
「すまない、色々あってリオネルに居場所を教えてしまった」
「パスカル様まで……?!」
お兄様の影から、弱った顔のパスカル様が頭を下げてくる。王国の剣である第二騎士団団長に何をやらかしたの、お兄様?
彼らの後ろを見ると、恐らくパスカル様の家から借りてきたであろうオードラン家の美しい馬が近くで草をはんでいる。
「お義兄様、お気持ちは嬉しいのですが、この場は他ならぬシエナが用意してくださったので、自分はこの時間を余すことなく彼女と過ごしたく存じます」
「お言葉ですが侯爵、よい子はもう寝る時間ですので」
「まだ夕日が見えている時間ですが……」
「このまま月が顔を出すまでズルズルと一緒に居れば”誕生日プレゼントには君が欲しい!”みたいな展開が見えているんです。兄としては見過ごせません」
さすがお兄様。ディランが欲しいものを婉曲していたというのにご自分の気持ちをド直球に言ってのけるとは。
これがメインキャラクターというものなのか。シビれます。
ディランとお兄様の問答合戦はしばらく続いたが、御者が来て終焉を迎えた。
それから私が侍女寮に送り届けられるまでお兄様とパスカル様がピッタリとくっついて来ており、寮に到着したらディランはそのまま連行されていった。
彼らの語らいはまだまだ続くようだ。
翌日の夜、いつも通り私たちは仕事終わりに夕食のため街に出た。
昨日のことが気になったので、席につくなり訊いてみる。
「そう言えば、あの後ディランはどうなったのですか?」
「ああ、3人で飲んでいたんだ」
「……わぁ」
また檻の話をしていたのだろうか?
それなら、しばらくは他人のふりをしたい。
「誕生日の贈り物としてシエナの昔話をたくさん聞かせてもらった」
「なんですと?!」
お兄様が朗々たる声で私の黒歴史を公開していないことを願うばかりである。
んん?ディラン、私の顔を見てニヤついてませんか?
深く息を吸い込み新鮮な空気を肺に取り込むと、身体が軽くなった気がする。
王立図書館の中に充満する本の匂いも好きだが、たまに吸い込む大自然の空気は格別だ。
御者には帰りの時間を伝えて、その時間に来てもらう。青々と生い茂る柔らかい草を踏み分け布を敷くと、さっそくバスケットを開けてお昼をいただく。
寮の調理人と侍女のお姉さまがランチバスケットを用意してくれたのだ。
そして、お菓子は私の手作りである。彼が好きなナッツ入りのクッキーなどを用意した。
無限紅茶が可能な魔法が付与されたポットも貸してもらえて、至れり尽くせりである。
長閑《のどか》な景色を眺め、他愛もない話をしながら食事をとる。塔に配属されたばかりの頃では想像もつかないほど穏やかな時間だ。
昼食が終わると、お菓子をつまみながらの読書タイムの始まりである。
私は本を読みながら、ちらりと横目でディランの方を盗み見た。
これまでは塔の中の、鈍色の石の壁に囲まれた部屋の中で、椅子に腰かけ山積みの書類に目を通していた上司様。
そんな彼が、今や地面に座り、くつろいだ格好で本を読んでいるから不思議な眺めだ。
やがて彼はごろんと横になり、顔に本を被せて昼寝し始めた。完全に無防備だ。
心のスクショにそのお姿を収めつつ、そろり手を伸ばして自分のひざ掛けを彼にかける。
裏ボスの休日は、穏やかに過ごせただろうか?
眠っている彼に陽があたり、赤みが差した温かみのある紺色の髪は風に揺れている。その様子を見ていると、思わず口元が緩んでしまう。
それからしばらくすると、妙に視線を感じて彼の方を向いた。なんと、起きてこちらをじっと見ていらっしゃるのだ。
顔の上に置いていた本は、今や閉じてしまって胸の上に置いている。
オーマイゴッシュ。眠り込んでると思ってまたアニソン歌ってたのに、聞かれてたやも知れぬ。
鼻歌だからセーフか?!
それにしても、全く起きたのに気づかなかった……いつ目が覚めたんだろう?
「時おり不思議な歌を歌うな」
「えっと……架空の国の歌を作ってみまして」
「はは、どういうことだ?」
彼は笑うと、むくりと起き上がった。乱れた髪はそのままに、「ありがとう」と言ってひざ掛けをかけてくれた。
いつもの裏ボス上司感がゼロなだけに、なんだかふわふわした気持ちにさせられる。
私たちはまた紅茶を淹れて飲みながら何気ない会話に花を咲かせていた。お互いの幼い頃の話をしているうちに、気づけば日が傾き始めている。
昨晩のフラグが気になっていたが、エドワール王太子殿下の影も無く、無事にピクニックは成功したかと思われる。
「私のために用意してくれてありがとう。おかげでゆっくり休めた」
「そう言っていただけると嬉しいです。ディランが欲しいものを必死で考えたんですから」
「……許してもらえるなら、欲しいものが別にある」
「言ってみてください!誕生日なのですから!」
「では、目を閉じて」
「はい!閉じました!」
「良いと言うまで開けないでくれ」
「……あの、何が欲しいか言っていただけますか?」
さすがにベタな展開が警鐘をならす。私もそこまで鈍感ではない。ずるい裏ボスは何も答えず、クスリと笑う声だけが聞こえてくる。
目を開けてしまおうかと考えていると、瞼に柔らかい何かが軽く当てられた。一気に彼が近づいてきた気配がする。
伝わってくる熱とあいまって、嗅ぎ慣れたほろ苦い香水の香りが強まってくる。
「ふ……ふざけているとお願いを聞きませんよ?」
「まだだ」
「欲しいものを言ってくれるのでは?」
「口にしたらくれなさそうだから自分から貰う」
「な、何を仰って……?!」
狼狽えているうちに額や反対側の瞼にも、そのくすぐったい感覚が降ってくる。
とうとうこの人も脳内が乙女ゲームに染まったか?!
いや、もともとこの世界の住人のはずだけど。
こんな事する人じゃなかったから油断していたというかなんというか……いつかはこういうことをするとはわかっていたんだけど……やはりまだ上司として見えてしまうこともあるというかなんというか……。
この流れで唇に……なんてことになったら私は息が止まる。心の準備ができていない今なら、間違いなく酸欠と心臓発作で倒れる。なんなら既に息が苦しいし頭の中が真っ白になりそうだ。
彼の指が、ゆっくりと唇をなぞった。
その感覚に、無意識に肩が動いてしまう。
身体を退こうとすると、阻むように背中と顎に手を添えられる。
逃げられないとなると……残るは頭突き攻撃か?
やはり攻撃こそ最大の防御である。
そう思い至って身構えた時のことだった。突風が吹き、気づけば私は両肩を掴まれて後ろ側に思いっきり引かれ、何かに受け止められた。
驚いて目を開けると、頭上でお兄様があの美しい微笑みを浮かべて覗き込んできたのだ。
「ハワード侯爵、これからあなたに贈りたいものがあるので、ピクニックはもうお開きにしましょう!ね、シエナも帰る準備をしなさい!」
「お義兄様、なぜここにあなたが……?」
お兄様とディランの視線がぶつかるとバチリと音がした。フェリエール王国が乾燥地帯にある国じゃなくて本当に良かった。
こんな火花が飛んだら間違いなく火災が起きる。
「すまない、色々あってリオネルに居場所を教えてしまった」
「パスカル様まで……?!」
お兄様の影から、弱った顔のパスカル様が頭を下げてくる。王国の剣である第二騎士団団長に何をやらかしたの、お兄様?
彼らの後ろを見ると、恐らくパスカル様の家から借りてきたであろうオードラン家の美しい馬が近くで草をはんでいる。
「お義兄様、お気持ちは嬉しいのですが、この場は他ならぬシエナが用意してくださったので、自分はこの時間を余すことなく彼女と過ごしたく存じます」
「お言葉ですが侯爵、よい子はもう寝る時間ですので」
「まだ夕日が見えている時間ですが……」
「このまま月が顔を出すまでズルズルと一緒に居れば”誕生日プレゼントには君が欲しい!”みたいな展開が見えているんです。兄としては見過ごせません」
さすがお兄様。ディランが欲しいものを婉曲していたというのにご自分の気持ちをド直球に言ってのけるとは。
これがメインキャラクターというものなのか。シビれます。
ディランとお兄様の問答合戦はしばらく続いたが、御者が来て終焉を迎えた。
それから私が侍女寮に送り届けられるまでお兄様とパスカル様がピッタリとくっついて来ており、寮に到着したらディランはそのまま連行されていった。
彼らの語らいはまだまだ続くようだ。
翌日の夜、いつも通り私たちは仕事終わりに夕食のため街に出た。
昨日のことが気になったので、席につくなり訊いてみる。
「そう言えば、あの後ディランはどうなったのですか?」
「ああ、3人で飲んでいたんだ」
「……わぁ」
また檻の話をしていたのだろうか?
それなら、しばらくは他人のふりをしたい。
「誕生日の贈り物としてシエナの昔話をたくさん聞かせてもらった」
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お兄様が朗々たる声で私の黒歴史を公開していないことを願うばかりである。
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