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出会い系異世界
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ある朝目覚めると俺は異世界に居た。
見たことの無い形の草木が生い茂る森の中、仰向けになって見上げる空にはまた見たことも無い生き物が飛んでいる。
なぜ異世界とわかったか、どうして取り乱していないのか。
前者の理由は簡単だ。真横にいる女が明らかに人間の様相を成していないからである。
程よくカールした赤茶色のロングヘア、それよりも濃い茶色の大きく勝ち気そうな瞳。縁取る睫毛が影を作っている。目元とは対象的に、控えめで小さな鼻と口。よく焼けた肌と上品な顔立ちのアンバランスな感じが少女を幼く見せている。
不可解な部分は側頭部に人の耳の代わりのように生えている犬の耳、それと簡単に布を巻き付けたような服の間から出ているふさふさの尻尾である。
「おめえ、どっから来た?」
耳をピルルッと振動させ興味深そうに覗き込んでくる。「異世界……かな?」後者の疑問に答えるとすれば、それは俺自身が望んだことだからである。
渡小次郎は異世界に行くことを望んでいた。
つまり、現実世界を嫌っていた。
高校卒業後アルバイトとして勤務していた喫茶店でそのまま雇って貰う契約をしていたが、オーナーの急逝に伴い喫茶店が廃業。
焦った小次郎はつなぎのバイトを探し、その後に就職活動をするつもりだったがバイトが決まって安心したのかグダグダと先延ばしにし続け気がつけば22歳が終わっていた。
高校時代の友人は大学に進学。今は就職が決まって遊び呆けている時期である。久しぶりに会った友人杉本も例外なく就職が決まり、小次郎を説教する立場になっていた。
小次郎は思う。異世界に行きたい。ここでは無いどこかへ。夢と希望と不思議が蔓延る未知の世界へ。縁起が良さそうという理由から大きな神社の初詣で周りの迷惑を考えず5分ほど拝み倒した成果が出たのだろうか、
小次郎は異世界に存在している。
イヌミミ獣人少女はジスと名乗った。今年で14になるそうだ。彼女によるとここは「ヒナリア国のはしっこ」らしい。聞いたことのない地名のアバウトな説明で得た情報は少なかった。国があるということは町もあるだろう。一先ずの目的地が出来た。
「ジスはなんでこんなところにいるんだ?」
「モニカに薬草取って来いって言われたから」
「そのモニカって人のところに俺も連れてってくれないか?」
ジスと暫く喋っていてわかったが、こいつは人から聞いた知識を伝えているだけで意味は理解していないことが多い。「ヒナリア国のはしっこ」というのも人の受け売りだろう。モニカという人がジスに知識を与えている可能性が高いなら、今後の生活のためにもモニカに会っておくべきだろう。
「おー、じゃあ薬草採るの手伝ってくれなー」
以外にもあっさり許可が出た。
「どんなやつなんだ?その薬草って」
「それ」
ジスが指さした黒い塊はその瞬間一直線に俺の首筋へたどり着き、鋭い歯で肉を抉る。
ヒュッ……、喉から息が漏れる。悲鳴をあげることすら出来ない。気が付かなかった。木陰の一部だと思っていた。ジスは最初から気がついていたのか?一瞬でそれらのことを考え、次いで痛みが襲ってくる。
「うァ……アアア、あ゛ぁ、、、」
夥しい量の血を見て思考が吹き飛ぶ。
怖い。ただ目の前の獣が怖い。目は血走り、黄色い歯は血で赤く染まっている。くちゃくちゃと見せつけるように俺の肉を咀嚼している姿は本能のまま肉を貪る獣のそれではなかった。
もうこれ以上見たくない。
小次郎の心の声に答えるように脳は外の世界を認識するのを止めた。
見たことの無い形の草木が生い茂る森の中、仰向けになって見上げる空にはまた見たことも無い生き物が飛んでいる。
なぜ異世界とわかったか、どうして取り乱していないのか。
前者の理由は簡単だ。真横にいる女が明らかに人間の様相を成していないからである。
程よくカールした赤茶色のロングヘア、それよりも濃い茶色の大きく勝ち気そうな瞳。縁取る睫毛が影を作っている。目元とは対象的に、控えめで小さな鼻と口。よく焼けた肌と上品な顔立ちのアンバランスな感じが少女を幼く見せている。
不可解な部分は側頭部に人の耳の代わりのように生えている犬の耳、それと簡単に布を巻き付けたような服の間から出ているふさふさの尻尾である。
「おめえ、どっから来た?」
耳をピルルッと振動させ興味深そうに覗き込んでくる。「異世界……かな?」後者の疑問に答えるとすれば、それは俺自身が望んだことだからである。
渡小次郎は異世界に行くことを望んでいた。
つまり、現実世界を嫌っていた。
高校卒業後アルバイトとして勤務していた喫茶店でそのまま雇って貰う契約をしていたが、オーナーの急逝に伴い喫茶店が廃業。
焦った小次郎はつなぎのバイトを探し、その後に就職活動をするつもりだったがバイトが決まって安心したのかグダグダと先延ばしにし続け気がつけば22歳が終わっていた。
高校時代の友人は大学に進学。今は就職が決まって遊び呆けている時期である。久しぶりに会った友人杉本も例外なく就職が決まり、小次郎を説教する立場になっていた。
小次郎は思う。異世界に行きたい。ここでは無いどこかへ。夢と希望と不思議が蔓延る未知の世界へ。縁起が良さそうという理由から大きな神社の初詣で周りの迷惑を考えず5分ほど拝み倒した成果が出たのだろうか、
小次郎は異世界に存在している。
イヌミミ獣人少女はジスと名乗った。今年で14になるそうだ。彼女によるとここは「ヒナリア国のはしっこ」らしい。聞いたことのない地名のアバウトな説明で得た情報は少なかった。国があるということは町もあるだろう。一先ずの目的地が出来た。
「ジスはなんでこんなところにいるんだ?」
「モニカに薬草取って来いって言われたから」
「そのモニカって人のところに俺も連れてってくれないか?」
ジスと暫く喋っていてわかったが、こいつは人から聞いた知識を伝えているだけで意味は理解していないことが多い。「ヒナリア国のはしっこ」というのも人の受け売りだろう。モニカという人がジスに知識を与えている可能性が高いなら、今後の生活のためにもモニカに会っておくべきだろう。
「おー、じゃあ薬草採るの手伝ってくれなー」
以外にもあっさり許可が出た。
「どんなやつなんだ?その薬草って」
「それ」
ジスが指さした黒い塊はその瞬間一直線に俺の首筋へたどり着き、鋭い歯で肉を抉る。
ヒュッ……、喉から息が漏れる。悲鳴をあげることすら出来ない。気が付かなかった。木陰の一部だと思っていた。ジスは最初から気がついていたのか?一瞬でそれらのことを考え、次いで痛みが襲ってくる。
「うァ……アアア、あ゛ぁ、、、」
夥しい量の血を見て思考が吹き飛ぶ。
怖い。ただ目の前の獣が怖い。目は血走り、黄色い歯は血で赤く染まっている。くちゃくちゃと見せつけるように俺の肉を咀嚼している姿は本能のまま肉を貪る獣のそれではなかった。
もうこれ以上見たくない。
小次郎の心の声に答えるように脳は外の世界を認識するのを止めた。
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