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第2章 ガンバレ、私
(2-7)
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「庄平さん、あの子どうだろうねぇ」
「そうだな。素直でいい子だな。笑顔が素敵だし、頑張るとの言葉も信じていいんじゃないか。即戦力になるかと言えば、どうかとは思うが、伸びしろはあるんじゃないか」
「まあ、そうだねぇ。ヤル気は感じられたねぇ。伸びしろしかないねぇ。きっとあの子はやってくれるさ。そうだろう、庄平さん」
「うむ、きっと、あの子は大丈夫さ」
「ニャニャッ」
「ほら、ツバキも大丈夫って言っているよ」
庄平の言葉に、節子はフッと笑ってツバキに目を向ける。
「そうかい、そうかい。ツバキも梨花ちゃんのこと、気に入ったかい」
「ニャッ」
節子は頬を緩めて、ツバキの頭を撫でると、ツバキは気持ち良さそうに目を細めていた。
今後の梨花に期待しよう。
売り物にならない鉢植えを目の端に捉えつつ、ツバキの顎の下も撫でた。
「あっ、そうそう。庄平さん、お店の再開は金曜日にしたよ」
「おおよ」
梨花には、店の再開までしっかり勉強してもらおう。三日しかないけど、ゼロからのスタートよりはいいだろう。
金曜日には、切り花が届く。ちょうどいいだろう。
花が届いたら、水揚げを梨花にやってもらおう。それがいい。
節子は、庄平の肩を借りて立ち上がると店内を見渡す。
店に飾っている鉢植えは、大丈夫そうだ。切り花のほうは、定価そのままの値段では売れないだろう。値引きをして、売りに出そう。ダメなものは処分するしかない。
明日、梨花に花の名前を教えつつ、値引きの花をより分けてもらわなきゃいけない。
梨花が、どれだけ頑張ってくれるか。そこが問題だ。ヤル気が持続することを祈ろう。
そのへんは、猫好きのようだし、ツバキにおまかせするのがいいのかもしれない。
「ツバキ、梨花さんのこと頼んだよ」
節子は、ツバキに念を押した。
「ニャニャン」
「そうか、そうか、ツバキ、頑張ってくれるのか」
今の若い子はすぐに辞めますって言う人が多いなんて聞くから、ちょっと心配ではあるけど、梨花は違うと信じよう。
「そうそう、あの子は、ちょっとおっちょこちょいなところあるみたいだねぇ。気をつけないといけないねぇ」
「そうだな。水の入ったバケツを蹴飛ばしたり、メモ帳見ながら歩いて壁にぶつかったりしていたな」
庄平が思い出し笑いをしたのにつられて、節子も吹き出してしまった。
「そういえばちょっと話を聞いているのかなって、思うところもあったねぇ。まあ、頑張ろうとはしているみたいだし、ちょっと心配ではあるけど様子をみましょうかねぇ」
ツバキが寄り添ってきて再び「ニャニャッ」と鳴いた。
「そうだねぇ。ツバキが連れて来た子だから、大丈夫だよねぇ。見る目があるからねぇ、ツバキは」
首筋を撫でてあげると、またしても目を細めてツバキは喉を鳴らしていた。
「本当に、おまえは賢い猫だよ」
「そうだな。素直でいい子だな。笑顔が素敵だし、頑張るとの言葉も信じていいんじゃないか。即戦力になるかと言えば、どうかとは思うが、伸びしろはあるんじゃないか」
「まあ、そうだねぇ。ヤル気は感じられたねぇ。伸びしろしかないねぇ。きっとあの子はやってくれるさ。そうだろう、庄平さん」
「うむ、きっと、あの子は大丈夫さ」
「ニャニャッ」
「ほら、ツバキも大丈夫って言っているよ」
庄平の言葉に、節子はフッと笑ってツバキに目を向ける。
「そうかい、そうかい。ツバキも梨花ちゃんのこと、気に入ったかい」
「ニャッ」
節子は頬を緩めて、ツバキの頭を撫でると、ツバキは気持ち良さそうに目を細めていた。
今後の梨花に期待しよう。
売り物にならない鉢植えを目の端に捉えつつ、ツバキの顎の下も撫でた。
「あっ、そうそう。庄平さん、お店の再開は金曜日にしたよ」
「おおよ」
梨花には、店の再開までしっかり勉強してもらおう。三日しかないけど、ゼロからのスタートよりはいいだろう。
金曜日には、切り花が届く。ちょうどいいだろう。
花が届いたら、水揚げを梨花にやってもらおう。それがいい。
節子は、庄平の肩を借りて立ち上がると店内を見渡す。
店に飾っている鉢植えは、大丈夫そうだ。切り花のほうは、定価そのままの値段では売れないだろう。値引きをして、売りに出そう。ダメなものは処分するしかない。
明日、梨花に花の名前を教えつつ、値引きの花をより分けてもらわなきゃいけない。
梨花が、どれだけ頑張ってくれるか。そこが問題だ。ヤル気が持続することを祈ろう。
そのへんは、猫好きのようだし、ツバキにおまかせするのがいいのかもしれない。
「ツバキ、梨花さんのこと頼んだよ」
節子は、ツバキに念を押した。
「ニャニャン」
「そうか、そうか、ツバキ、頑張ってくれるのか」
今の若い子はすぐに辞めますって言う人が多いなんて聞くから、ちょっと心配ではあるけど、梨花は違うと信じよう。
「そうそう、あの子は、ちょっとおっちょこちょいなところあるみたいだねぇ。気をつけないといけないねぇ」
「そうだな。水の入ったバケツを蹴飛ばしたり、メモ帳見ながら歩いて壁にぶつかったりしていたな」
庄平が思い出し笑いをしたのにつられて、節子も吹き出してしまった。
「そういえばちょっと話を聞いているのかなって、思うところもあったねぇ。まあ、頑張ろうとはしているみたいだし、ちょっと心配ではあるけど様子をみましょうかねぇ」
ツバキが寄り添ってきて再び「ニャニャッ」と鳴いた。
「そうだねぇ。ツバキが連れて来た子だから、大丈夫だよねぇ。見る目があるからねぇ、ツバキは」
首筋を撫でてあげると、またしても目を細めてツバキは喉を鳴らしていた。
「本当に、おまえは賢い猫だよ」
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