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第三話 新しい家族
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室生家に赤ん坊の泣き声が
響くようになり、ご近所からは、とみ子が出産したのだと
思われ、お祝いの品を
たくさん頂いた。
そして、名前は“結依人”にした。
僕と龍之介君を結んでくれた
息子に敬意を表して。
室生家は六人家族になった。
本当は龍之介君の本当の
家族である“芥川家”にも
知らせるべきだとわかっていても、未だに伝えられずにいた……
龍之介君の妻の文さんにも
息子の比呂志君や多加志君、
それから也寸志君に
この、非現実的な現象を
どう説明すればいいのか……
僕は腕に抱いている結依人を
見ながら考える。
「ねぇ犀星君、お願いがあるんだけど……」
龍之介君がお願いとは珍しい。
「どうしたんだい?」
「その……文たちに僕が
“生き返った”ことと、
結依人を産んだことを
話したいと思って……」
考えあぐねていたとはいえ
いつまでも、龍之介君を
“死人”のままにはできない。
結依人が成長すれば、
容姿でバレる可能性も出てくる。
「わかった、次の休みに
僕と龍之介君と
とみ子と結依人と四人で
“芥川家”に行こう」
ーー
四日後、僕たちは早朝に
“芥川家”に向かった。
「龍之介……!?
あなたは、あの時、確かに……」
「そうだね、僕が一度“死んだ”のは事実だよ……
だけど、僕は生き返ったんだ……」
玄関を開けて出て来た文さんは龍之介君を見て驚いている。
「母さん、室生先生たちが来たの?」
中々戻って来ない文さんを
心配して比呂志君が出て来た。
「……父さん!?」
やっぱり、こういう反応になるよね。
「その赤ちゃんは?」
比呂志君の視線が龍之介君が抱いている結依人に向けられた。
「帝王切開で生まれた
僕と犀星君の子だよ。
名前は“結依人”っていうんだ」
「ごめん、色々頭が追い付かない……」
それはそうだろう。
十年前に死んだはずの父親の龍之介君が“生き返って”
目の前にいて、
更には“男性”の龍之介が
“出産”したなんて、普通ならありえない話だ。
「母さんの前だけど、
赤ちゃんが生まれたってことは室生先生が父さんを抱いたんだよね?」
「あはは、そうだよ。
僕は龍之介君を抱いて
結依人が生まれたんだ」
龍之介君の妻の文さんにしてみれば、複雑な思いだと思う。
夫が“生き返って”、更には
“出産”したなんて。
「室生先生と父さんの子ってことは、弟だよね。
⟦父さん、今度は“女の子”産んでね⟧」
比呂志君の言葉に僕も龍之介君も泣きそうになった。
「比呂志!?
そうだね……そのうちね……」
照れ笑いした龍之介君は
僕の着物の裾を小さく掴んだ。
龍之介君が“女の子”を産むのは
十年後の話だけど、
この時はまだ、知らない。
響くようになり、ご近所からは、とみ子が出産したのだと
思われ、お祝いの品を
たくさん頂いた。
そして、名前は“結依人”にした。
僕と龍之介君を結んでくれた
息子に敬意を表して。
室生家は六人家族になった。
本当は龍之介君の本当の
家族である“芥川家”にも
知らせるべきだとわかっていても、未だに伝えられずにいた……
龍之介君の妻の文さんにも
息子の比呂志君や多加志君、
それから也寸志君に
この、非現実的な現象を
どう説明すればいいのか……
僕は腕に抱いている結依人を
見ながら考える。
「ねぇ犀星君、お願いがあるんだけど……」
龍之介君がお願いとは珍しい。
「どうしたんだい?」
「その……文たちに僕が
“生き返った”ことと、
結依人を産んだことを
話したいと思って……」
考えあぐねていたとはいえ
いつまでも、龍之介君を
“死人”のままにはできない。
結依人が成長すれば、
容姿でバレる可能性も出てくる。
「わかった、次の休みに
僕と龍之介君と
とみ子と結依人と四人で
“芥川家”に行こう」
ーー
四日後、僕たちは早朝に
“芥川家”に向かった。
「龍之介……!?
あなたは、あの時、確かに……」
「そうだね、僕が一度“死んだ”のは事実だよ……
だけど、僕は生き返ったんだ……」
玄関を開けて出て来た文さんは龍之介君を見て驚いている。
「母さん、室生先生たちが来たの?」
中々戻って来ない文さんを
心配して比呂志君が出て来た。
「……父さん!?」
やっぱり、こういう反応になるよね。
「その赤ちゃんは?」
比呂志君の視線が龍之介君が抱いている結依人に向けられた。
「帝王切開で生まれた
僕と犀星君の子だよ。
名前は“結依人”っていうんだ」
「ごめん、色々頭が追い付かない……」
それはそうだろう。
十年前に死んだはずの父親の龍之介君が“生き返って”
目の前にいて、
更には“男性”の龍之介が
“出産”したなんて、普通ならありえない話だ。
「母さんの前だけど、
赤ちゃんが生まれたってことは室生先生が父さんを抱いたんだよね?」
「あはは、そうだよ。
僕は龍之介君を抱いて
結依人が生まれたんだ」
龍之介君の妻の文さんにしてみれば、複雑な思いだと思う。
夫が“生き返って”、更には
“出産”したなんて。
「室生先生と父さんの子ってことは、弟だよね。
⟦父さん、今度は“女の子”産んでね⟧」
比呂志君の言葉に僕も龍之介君も泣きそうになった。
「比呂志!?
そうだね……そのうちね……」
照れ笑いした龍之介君は
僕の着物の裾を小さく掴んだ。
龍之介君が“女の子”を産むのは
十年後の話だけど、
この時はまだ、知らない。
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