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第七話 黎都の不安
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沈黙が、重く長く部屋を満たしていた。
阿久津は黙ったままタブレットに視線を戻し、
何事もなかったように仕事を続けようとする。
──その姿に、黎都の胸が締めつけられた。
俯いて、唇を噛む。
喉の奥が、じんわり熱い。
堪えようとした。
けれど、それはもう限界に近かった。
『……っ、俺、ちゃんと、頑張ってるのに……!』
小さな声が漏れたかと思えば、次の瞬間には感情が爆発していた。
『ちゃんと、割り切って演技してるのに!
陣さんに、見られてるって分かってても、
平気なフリして頑張ってんのに……!』
阿久津の指が止まった。
黎都は立ち上がり、絞るように続けた。
『なのに……なんで触ってくれないの。
なんで、俺だけ我慢しなきゃいけないの……!』
声が震える。
目の奥が熱くなるのを、どうしても止められなかった。
『演技ってわかってるなら、信じてよ……。
俺、陣さん以外に、そんな気持ちになるわけないじゃん……!』
阿久津はしばらく黙っていたが、やがて立ち上がり、
黎都の目の前まで歩み寄った。
けれど──その手は、すぐには伸びてこなかった。
『……俺だって信じてるよ。信じてるけど……怖ぇんだよ』
『……なにが、ですか』
『自分の感情が
一度触れたら、独占したくなる。
お前を、仕事も何もかも捨てさせたくなる。
それくらい、……好きなんだよ、黎都』
黎都は目を見開き、ぎゅっと拳を握った。
『……なら、俺に言ってくださいよ……っ。
触れたいなら、触れてくださいよ……!』
嗚咽交じりの声で叫んだ次の瞬間。
──阿久津の腕が、黎都の身体を強く抱きしめていた。
何も言わず、ただ強く、強く。
抑えていた感情が解き放たれるように、
黎都はその胸の中で泣いた。
──ふたりの温度がようやく重なった夜。
けれど、これがすれ違いの終わりなのか、始まりなのか。
まだ、それは誰にも分からなかった。
阿久津は黙ったままタブレットに視線を戻し、
何事もなかったように仕事を続けようとする。
──その姿に、黎都の胸が締めつけられた。
俯いて、唇を噛む。
喉の奥が、じんわり熱い。
堪えようとした。
けれど、それはもう限界に近かった。
『……っ、俺、ちゃんと、頑張ってるのに……!』
小さな声が漏れたかと思えば、次の瞬間には感情が爆発していた。
『ちゃんと、割り切って演技してるのに!
陣さんに、見られてるって分かってても、
平気なフリして頑張ってんのに……!』
阿久津の指が止まった。
黎都は立ち上がり、絞るように続けた。
『なのに……なんで触ってくれないの。
なんで、俺だけ我慢しなきゃいけないの……!』
声が震える。
目の奥が熱くなるのを、どうしても止められなかった。
『演技ってわかってるなら、信じてよ……。
俺、陣さん以外に、そんな気持ちになるわけないじゃん……!』
阿久津はしばらく黙っていたが、やがて立ち上がり、
黎都の目の前まで歩み寄った。
けれど──その手は、すぐには伸びてこなかった。
『……俺だって信じてるよ。信じてるけど……怖ぇんだよ』
『……なにが、ですか』
『自分の感情が
一度触れたら、独占したくなる。
お前を、仕事も何もかも捨てさせたくなる。
それくらい、……好きなんだよ、黎都』
黎都は目を見開き、ぎゅっと拳を握った。
『……なら、俺に言ってくださいよ……っ。
触れたいなら、触れてくださいよ……!』
嗚咽交じりの声で叫んだ次の瞬間。
──阿久津の腕が、黎都の身体を強く抱きしめていた。
何も言わず、ただ強く、強く。
抑えていた感情が解き放たれるように、
黎都はその胸の中で泣いた。
──ふたりの温度がようやく重なった夜。
けれど、これがすれ違いの終わりなのか、始まりなのか。
まだ、それは誰にも分からなかった。
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