ある日、AV男優になった元大学生

華愁

文字の大きさ
12 / 30

第十一話 “家族”の在り方

しおりを挟む
乃里子たち四人と別れた阿久津と
黎都は夕飯の買い出しをしてから帰って来た。

夕飯の支度をしていると琴葉からLINEが来た。

先程、サインをした際に連絡先を交換していた黎都と琴葉。

「[黎都君、さっきはサインありがとう♪宝物にするね♡

そうそう、今度パパ一緒に私達の家に来ない?

私の作った料理を黎都君とパパに食べてほしいの]」

LINEの内容を見て黎都は料理する手を止めてクスッと笑った。

『[どういたしまして。

俺のサインが宝物だなんて嬉しい♪

スマホケースの方は買い換えたらまたサインするね。

俺がお邪魔していいなら、

是非行きたいけど、陣さんにも聞いてみてからまた連絡するね]』

送信が完了されたのを見てスマホを
エプロンのポケットに仕舞い夕飯作りを再開した。

‥‥‥ 

【後日】

「黎都くんだ!! いらっしゃい♪ パパもいらっしゃい」

玄関を開けた琴葉は、
満面の笑みで飛び跳ねるように迎え入れる。

陣よりも黎都に向けられたテンションの高い声に、
黎都はちょっと驚いたように目を見開く。

『琴葉、あんまりはしゃぐと転ぶぞ』

陣が呆れたように笑いながら言うが、琴葉はまるで聞いちゃいない。

「今日はね、黎都くんのために頑張ってご飯作ったの!

わたしの得意な、オムライスと唐揚げ!」

『おお……すごいな、それは楽しみだ』

黎都がやわらかく笑うと、琴葉はますます上機嫌で、
手を引いてリビングへと案内しようとする。

その様子を見ていた乃里子は、自然と笑みをこぼした。

「琴葉にしてみれば“父親の恋人”じゃなくて“推し”だものね」

「ママ、それを言わないでよ//////」

顔を真っ赤にして抗議する琴葉に、
黎都は少し困ったように笑いながら言葉を返す。

『俺なんかを推してくれてありがとな。

でも、パパの恋人って紹介された時、嫌じゃなかった?』

「えっ、ぜんぜん! だって黎都くんかっこいいし、
雑誌で見るよりやさしそうだし。むしろ、パパありがとうって感じ」

『それならよかった』

黎都が少し照れながら肩をすくめると、
陣は苦笑しながら目を伏せた。

『……なんか、複雑な気分だな。娘の“推し”が俺の恋人って』

乃里子はふたりの間の空気を感じ取って、
からかうように言葉を添える。

「でも、いいことじゃない? 

パパの恋人が“娘の敵”にならずにすんだんだから」

「ママっ!//////」

顔を覆うようにしてソファに座り込む琴葉に、
黎都はくすっと笑った。

リビングの壁には、子どもが描いた手作りのウェルカムボード。

「ようこそ! パパと黎都くんへ♡」と、
ぎこちない文字で綴られている。

『……あれ、琴葉ちゃんが描いてくれたの?』

「うん……下手だけど、歓迎の気持ちはこもってるよ!」

胸を張る琴葉を見て、黎都は自然とその頭を撫でた。

『すごく嬉しい。ありがとう』

その声に、琴葉の頬がまた赤くなる。

 ──家族って、血のつながりだけじゃないんだな。

黎都は、乃里子の穏やかな笑みと、
琴葉の無邪気な笑顔に包まれて、そんなことをぼんやりと思った。

‥‥‥‥‥‥

帰宅後、黎都は阿久津に今すぐ抱いてほしいとねだった。

『……抱きたい。今夜は……ちゃんと、俺のものだって刻ませてくれ』

その囁きは、命令でも、欲望の吐露でもなかった。

むしろ、懇願に近い。黎都のすべてを慈しむような声音だった。

黎都は抗わなかった。 

ただ、陣の首にそっと腕をまわし、目を閉じて――身を委ねた。

『……うん。俺も、陣さんがほしい』

ソファの上、ふたりの体はもつれ合うように倒れこみ、
すぐに唇が触れ合った。 

貪るようなキス。舌先が割り込むたび、
喉の奥から熱が溶け出していく。

指先が服の隙間に滑り込み、肌をなぞる。 

敏感に反応する黎都の身体は、微かな吐息と共に震えをこぼした。

シャツのボタンを外すたびに、ひとつ、
またひとつと、躊躇が溶けていく。  

胸元に舌が触れ、指が腰にまわる。

脚が開かされるたび、息が乱れた。

『……っ、陣、さん……』

小さな声で名前を呼ばれ、陣の眼差しが熱を帯びる。 

黎都は自分のお腹にそっと手を当て、
そのまま、陣を見上げながらねだった。

『……きて。ここ……臍の下まで入れて……』

その声音に、陣の理性が崩れる音がした。

指が潤みを確かめるように侵入し、
ゆっくりと黎都の内を開いていく。 

その感触に、黎都は眉をひそめながらも声を押し殺し、
快楽に身を焼かれていた。

『こんなに……奥まで、柔らかい……』

 『ん、やっ……そこ……くるの……っ』

熱の塊が臍のすぐ下にぶつかり、びくんと腰が跳ねる。 

陣は何度も、同じところを浅く、深く突き上げていった。
 
指も、舌も、そこから注がれる熱も――すべてが、
黎都を溶かすためのものだった。

『陣さん、もっと……
俺のなか、全部……っ……ちょうだい……』

その夜、ふたりは何度も名を呼び合い、 
ふたりだけの熱を交わし続けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...