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第十一話 “家族”の在り方
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乃里子たち四人と別れた阿久津と
黎都は夕飯の買い出しをしてから帰って来た。
夕飯の支度をしていると琴葉からLINEが来た。
先程、サインをした際に連絡先を交換していた黎都と琴葉。
「[黎都君、さっきはサインありがとう♪宝物にするね♡
そうそう、今度パパ一緒に私達の家に来ない?
私の作った料理を黎都君とパパに食べてほしいの]」
LINEの内容を見て黎都は料理する手を止めてクスッと笑った。
『[どういたしまして。
俺のサインが宝物だなんて嬉しい♪
スマホケースの方は買い換えたらまたサインするね。
俺がお邪魔していいなら、
是非行きたいけど、陣さんにも聞いてみてからまた連絡するね]』
送信が完了されたのを見てスマホを
エプロンのポケットに仕舞い夕飯作りを再開した。
‥‥‥
【後日】
「黎都くんだ!! いらっしゃい♪ パパもいらっしゃい」
玄関を開けた琴葉は、
満面の笑みで飛び跳ねるように迎え入れる。
陣よりも黎都に向けられたテンションの高い声に、
黎都はちょっと驚いたように目を見開く。
『琴葉、あんまりはしゃぐと転ぶぞ』
陣が呆れたように笑いながら言うが、琴葉はまるで聞いちゃいない。
「今日はね、黎都くんのために頑張ってご飯作ったの!
わたしの得意な、オムライスと唐揚げ!」
『おお……すごいな、それは楽しみだ』
黎都がやわらかく笑うと、琴葉はますます上機嫌で、
手を引いてリビングへと案内しようとする。
その様子を見ていた乃里子は、自然と笑みをこぼした。
「琴葉にしてみれば“父親の恋人”じゃなくて“推し”だものね」
「ママ、それを言わないでよ//////」
顔を真っ赤にして抗議する琴葉に、
黎都は少し困ったように笑いながら言葉を返す。
『俺なんかを推してくれてありがとな。
でも、パパの恋人って紹介された時、嫌じゃなかった?』
「えっ、ぜんぜん! だって黎都くんかっこいいし、
雑誌で見るよりやさしそうだし。むしろ、パパありがとうって感じ」
『それならよかった』
黎都が少し照れながら肩をすくめると、
陣は苦笑しながら目を伏せた。
『……なんか、複雑な気分だな。娘の“推し”が俺の恋人って』
乃里子はふたりの間の空気を感じ取って、
からかうように言葉を添える。
「でも、いいことじゃない?
パパの恋人が“娘の敵”にならずにすんだんだから」
「ママっ!//////」
顔を覆うようにしてソファに座り込む琴葉に、
黎都はくすっと笑った。
リビングの壁には、子どもが描いた手作りのウェルカムボード。
「ようこそ! パパと黎都くんへ♡」と、
ぎこちない文字で綴られている。
『……あれ、琴葉ちゃんが描いてくれたの?』
「うん……下手だけど、歓迎の気持ちはこもってるよ!」
胸を張る琴葉を見て、黎都は自然とその頭を撫でた。
『すごく嬉しい。ありがとう』
その声に、琴葉の頬がまた赤くなる。
──家族って、血のつながりだけじゃないんだな。
黎都は、乃里子の穏やかな笑みと、
琴葉の無邪気な笑顔に包まれて、そんなことをぼんやりと思った。
‥‥‥‥‥‥
帰宅後、黎都は阿久津に今すぐ抱いてほしいとねだった。
『……抱きたい。今夜は……ちゃんと、俺のものだって刻ませてくれ』
その囁きは、命令でも、欲望の吐露でもなかった。
むしろ、懇願に近い。黎都のすべてを慈しむような声音だった。
黎都は抗わなかった。
ただ、陣の首にそっと腕をまわし、目を閉じて――身を委ねた。
『……うん。俺も、陣さんがほしい』
ソファの上、ふたりの体はもつれ合うように倒れこみ、
すぐに唇が触れ合った。
貪るようなキス。舌先が割り込むたび、
喉の奥から熱が溶け出していく。
指先が服の隙間に滑り込み、肌をなぞる。
敏感に反応する黎都の身体は、微かな吐息と共に震えをこぼした。
シャツのボタンを外すたびに、ひとつ、
またひとつと、躊躇が溶けていく。
胸元に舌が触れ、指が腰にまわる。
脚が開かされるたび、息が乱れた。
『……っ、陣、さん……』
小さな声で名前を呼ばれ、陣の眼差しが熱を帯びる。
黎都は自分のお腹にそっと手を当て、
そのまま、陣を見上げながらねだった。
『……きて。ここ……臍の下まで入れて……』
その声音に、陣の理性が崩れる音がした。
指が潤みを確かめるように侵入し、
ゆっくりと黎都の内を開いていく。
その感触に、黎都は眉をひそめながらも声を押し殺し、
快楽に身を焼かれていた。
『こんなに……奥まで、柔らかい……』
『ん、やっ……そこ……くるの……っ』
熱の塊が臍のすぐ下にぶつかり、びくんと腰が跳ねる。
陣は何度も、同じところを浅く、深く突き上げていった。
指も、舌も、そこから注がれる熱も――すべてが、
黎都を溶かすためのものだった。
『陣さん、もっと……
俺のなか、全部……っ……ちょうだい……』
その夜、ふたりは何度も名を呼び合い、
ふたりだけの熱を交わし続けた。
黎都は夕飯の買い出しをしてから帰って来た。
夕飯の支度をしていると琴葉からLINEが来た。
先程、サインをした際に連絡先を交換していた黎都と琴葉。
「[黎都君、さっきはサインありがとう♪宝物にするね♡
そうそう、今度パパ一緒に私達の家に来ない?
私の作った料理を黎都君とパパに食べてほしいの]」
LINEの内容を見て黎都は料理する手を止めてクスッと笑った。
『[どういたしまして。
俺のサインが宝物だなんて嬉しい♪
スマホケースの方は買い換えたらまたサインするね。
俺がお邪魔していいなら、
是非行きたいけど、陣さんにも聞いてみてからまた連絡するね]』
送信が完了されたのを見てスマホを
エプロンのポケットに仕舞い夕飯作りを再開した。
‥‥‥
【後日】
「黎都くんだ!! いらっしゃい♪ パパもいらっしゃい」
玄関を開けた琴葉は、
満面の笑みで飛び跳ねるように迎え入れる。
陣よりも黎都に向けられたテンションの高い声に、
黎都はちょっと驚いたように目を見開く。
『琴葉、あんまりはしゃぐと転ぶぞ』
陣が呆れたように笑いながら言うが、琴葉はまるで聞いちゃいない。
「今日はね、黎都くんのために頑張ってご飯作ったの!
わたしの得意な、オムライスと唐揚げ!」
『おお……すごいな、それは楽しみだ』
黎都がやわらかく笑うと、琴葉はますます上機嫌で、
手を引いてリビングへと案内しようとする。
その様子を見ていた乃里子は、自然と笑みをこぼした。
「琴葉にしてみれば“父親の恋人”じゃなくて“推し”だものね」
「ママ、それを言わないでよ//////」
顔を真っ赤にして抗議する琴葉に、
黎都は少し困ったように笑いながら言葉を返す。
『俺なんかを推してくれてありがとな。
でも、パパの恋人って紹介された時、嫌じゃなかった?』
「えっ、ぜんぜん! だって黎都くんかっこいいし、
雑誌で見るよりやさしそうだし。むしろ、パパありがとうって感じ」
『それならよかった』
黎都が少し照れながら肩をすくめると、
陣は苦笑しながら目を伏せた。
『……なんか、複雑な気分だな。娘の“推し”が俺の恋人って』
乃里子はふたりの間の空気を感じ取って、
からかうように言葉を添える。
「でも、いいことじゃない?
パパの恋人が“娘の敵”にならずにすんだんだから」
「ママっ!//////」
顔を覆うようにしてソファに座り込む琴葉に、
黎都はくすっと笑った。
リビングの壁には、子どもが描いた手作りのウェルカムボード。
「ようこそ! パパと黎都くんへ♡」と、
ぎこちない文字で綴られている。
『……あれ、琴葉ちゃんが描いてくれたの?』
「うん……下手だけど、歓迎の気持ちはこもってるよ!」
胸を張る琴葉を見て、黎都は自然とその頭を撫でた。
『すごく嬉しい。ありがとう』
その声に、琴葉の頬がまた赤くなる。
──家族って、血のつながりだけじゃないんだな。
黎都は、乃里子の穏やかな笑みと、
琴葉の無邪気な笑顔に包まれて、そんなことをぼんやりと思った。
‥‥‥‥‥‥
帰宅後、黎都は阿久津に今すぐ抱いてほしいとねだった。
『……抱きたい。今夜は……ちゃんと、俺のものだって刻ませてくれ』
その囁きは、命令でも、欲望の吐露でもなかった。
むしろ、懇願に近い。黎都のすべてを慈しむような声音だった。
黎都は抗わなかった。
ただ、陣の首にそっと腕をまわし、目を閉じて――身を委ねた。
『……うん。俺も、陣さんがほしい』
ソファの上、ふたりの体はもつれ合うように倒れこみ、
すぐに唇が触れ合った。
貪るようなキス。舌先が割り込むたび、
喉の奥から熱が溶け出していく。
指先が服の隙間に滑り込み、肌をなぞる。
敏感に反応する黎都の身体は、微かな吐息と共に震えをこぼした。
シャツのボタンを外すたびに、ひとつ、
またひとつと、躊躇が溶けていく。
胸元に舌が触れ、指が腰にまわる。
脚が開かされるたび、息が乱れた。
『……っ、陣、さん……』
小さな声で名前を呼ばれ、陣の眼差しが熱を帯びる。
黎都は自分のお腹にそっと手を当て、
そのまま、陣を見上げながらねだった。
『……きて。ここ……臍の下まで入れて……』
その声音に、陣の理性が崩れる音がした。
指が潤みを確かめるように侵入し、
ゆっくりと黎都の内を開いていく。
その感触に、黎都は眉をひそめながらも声を押し殺し、
快楽に身を焼かれていた。
『こんなに……奥まで、柔らかい……』
『ん、やっ……そこ……くるの……っ』
熱の塊が臍のすぐ下にぶつかり、びくんと腰が跳ねる。
陣は何度も、同じところを浅く、深く突き上げていった。
指も、舌も、そこから注がれる熱も――すべてが、
黎都を溶かすためのものだった。
『陣さん、もっと……
俺のなか、全部……っ……ちょうだい……』
その夜、ふたりは何度も名を呼び合い、
ふたりだけの熱を交わし続けた。
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