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第四話 母の影と、璃羅を守る手
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翌朝。
登校すると、昨日よりも噂は
奇妙に整った形で広まっていた。
「糯田が璃羅に無理やり迫った」「璃羅は泣きながら拒んだ」──そんな根も葉もない脚色まで加わって。
まるで、誰かが意図的に筋道をつけて
“物語”に仕立てたみてぇだ。
クラスの連中も、芸能科の奴らも、
一斉に俺を白い目で見てくる。
胸の奥にドス黒い怒りが溜まるのを感じながらも、
俺は歯を食いしばって耐えた。
放課後。
璃羅は人気のない屋上に俺を呼び出した。
キャップを深くかぶり、肩を震わせながら。
『……ごめん、真人くん。きっと、ママが……』
『……やっぱり、そうか』
璃羅の母──煮雪玲華。
彼女は元・伝説的アイドルで、
今は璃羅の母親で専属マネージャー。
“アイドル煮雪璃羅”を完璧に作り上げるために、
娘の私生活さえコントロールする女。
「璃羅に変な噂が立つくらいなら、
全部糯田真人のせいにすればいい」
──その発想、いかにもあの女だ。
璃羅は唇を噛んで続けた。
『ママは、私が“アイドル以外の顔”を
持つのを許さないの。
だから……きっと真人くんが標的にされてる』
俺は拳を握りしめた。
胸の奥から、焼けつくような怒りがこみ上げてくる。
『……ふざけんなよ。璃羅、
お前は“ママの人形”じゃねぇ。
お前は、お前自身だ。』
璃羅の瞳が大きく揺れた。
『俺は絶対に、お前を守る。
どんな噂が立とうが、どんな大人が相手でも、
お前を縛る奴らは俺がぶっ壊す』
その言葉に、璃羅の目尻から一筋の涙が零れ落ちた。
『……ありがとう、真人くん』
震える声でそう呟いた瞬間、
屋上のドアが軋む音がした。
現れたのは、スーツ姿の女──煮雪玲華。
氷のように冷たい笑みを浮かべ、
俺と璃羅を見下ろしていた。
「……やっぱり一緒にいたのね。
璃羅、あなたは“アイドル”である前に、私の娘よ。
不良風情に惑わされていい立場じゃないわ」
その声に、璃羅の肩が小さく震える。
だが俺は一歩前に出た。
『……俺は不良かもしれねぇ。
でもな、あんたみてぇに娘を
“道具”扱いする大人よりは、ずっとマシだ。
あんた、璃羅の気持ちを考えたことあるか?』
屋上に、重い沈黙が落ちた。
『あんたは璃羅自身を見ちゃいねえぇ。
誰よりも一番に“そのままの自分”を
愛してほしい母親に“商品”扱いされたら
“居場所“なんてねぇだろうよ。
俺を悪者にしたいならかまわねぇが
少しは璃羅の気持ちを考えろよ。
それから、自分の“理想”を娘に押し付けるな!!』
俺は久しぶりにマジギレしていた。
こんな、不良の俺の両親ですら
“俺自身”の“人格”を否定するようなことは言わなかった。
「不良風情に何がわかるわっていうのよ」
『わからねぇよ。
てめぇの子どもを
“商品”扱いするような奴の神経がな』
玲華の瞳が、氷より冷たく細められた。
だが、その奥にわずかに揺れる光が見えたのは気のせいか。
「……言ってくれるじゃない。不良坊や」
彼女は唇の端を吊り上げ、挑発するように笑う。
璃羅は間に入ろうとするが、俺が片手で制した。
『俺はガキだ。未熟で、
粗暴だが勉強はそこそこできる。
でもな──璃羅の泣き顔だけは見過ごせねぇんだよ』
屋上の風が強く吹き抜け、沈黙が一瞬、場を裂いた。
玲華は腕を組み、冷たい声で告げる。
「……璃羅は“夢”を背負ってる。
何千、何万人のファンの期待を。
その重さが、あなたにわかる?」
『わかんねぇよ。
けどな──璃羅が泣きながら笑って、
ファンの前に立たされてるなら、そんな夢は呪いだ』
俺の言葉に、玲華の眉がピクリと動く。
璃羅は俯いたまま、
握りしめた拳を小刻みに震わせていた。
そして意を決したように顔を上げ、叫んだ。
「ママ! 私はアイドルである前に、私なの!
……私の“気持ち”を、ちゃんと見てよ!!」
玲華の表情が凍りついた。
屋上に、璃羅の叫びがこだまする。
玲華は一瞬、言葉を失ったように目を見開いた。
だがすぐに冷たい仮面を貼り直し、
吐き捨てるように言った。
「璃羅……あなた、私に逆らうつもりなの?」
璃羅は震えていた。
けれど、その瞳には確かな光が宿っていた。
俺はその横顔を見て、胸が熱くなる。
『逆らうんじゃない……言ってるだけ。
私は“アイドル煮雪璃羅”である前に、
“煮雪璃羅”っていう一人の人間なの。
……ママの理想の人形じゃない』
玲華の唇が強張る。
屋上の風が、張り詰めた沈黙を
切り裂くように吹き抜けた。
『真人だけが“普通”に接してくれたから嬉しかった。
だけどママがこれから先も“私自身”の気持ちを無視するっていうなら今、ここで終わらせましょう』
「それは、どういう意味かしら?」
俺は璃羅の次の行動を読めていたが
あえて止めなかった。
『こういう意味よ』
璃羅は一瞬、俺の方を見てから
屋上の柵に手をかけ飛び降りた。
やっぱりな。
口で言ってわからな相手には行動で示すしかない。
「璃羅!?」
ここでやっと母親の煮雪玲華は焦りだした。
俺は璃羅が落ちる前に腕を掴んだ。
『真人君、放して。わかってたから
あえて私を止めなかったんでしょう?』
『そうだな、俺は璃羅の行動を読んでたけど
あそこで止めたら璃羅は“不完全燃焼”だっただろう?
だから、ギリギリで助けるって決めてたんだ』
俺は璃羅をしっかり抱き留めながら、息を整えた。
屋上に吹き抜ける風が二人の間の緊張を少し和らげる。
『……バカだな、お前。無茶しやがって』
『ふふ……真人くんに怒られるなんて、久しぶり……』
璃羅は微かに笑みを浮かべながらも、
まだ肩を震わせている。
玲華はその光景を見下ろし、
氷のような表情を崩さない。
しかし、声のトーンには明らかな焦りが混じっていた。
「……璃羅、あなた……」
璃羅は俺から少し身を離し、母親をまっすぐ見据える。
「ママ、私は“アイドル”でも“商品”でもない。
私は私なの! 真人くんが言った通り、
私は私自身を生きたいの!!」
玲華は一瞬言葉を失った。
その沈黙の中で、璃羅の瞳は凛と光り、決意に満ちていた。
俺はその横顔を見て、胸が熱くなる。
──璃羅は、ちゃんと自分の意思で立っている。
『俺が守るからな。誰が何を言おうと、
璃羅の気持ちは俺が絶対守る』
俺の言葉は、ただの強がりではなかった。
胸の奥から溢れる、本物の決意だった。
玲華はやっと口を開いたが、
その声は以前よりも弱々しく、どこか揺らいでいた。
「……璃羅、あなた……私に逆らうつもりなの……?」
目の前で娘が自殺未遂をしたっていうのに……
懲りてないらしい。
『まだ、“逆らう”なんて言葉が出てくるなら
璃羅を“人”として見てない証拠だ。
当分の間、璃羅は俺ん家で預かる。
璃羅を連れて言ったら姉貴と妹が大喜びだな』
俺は璃羅の頭に優しく撫でた。
玲華は目を見開いた。
だがすぐに、プライドの仮面を貼り直す。
「……ふざけないで。勝手に娘を連れて行くなんて……」
声は冷たく響いたが、わずかに震えている。
俺は璃羅をしっかり抱いたまま、睨み返した。
『勝手じゃねぇ。
あんたが“娘の気持ち”を無視し続けてるから、
俺が代わりに守るんだ。』
「……あなたに、何ができるの?」
玲華の吐き捨てるような言葉に、俺は鼻で笑った。
『さあな。でも少なくとも、璃羅が
泣いてるのを“平気な顔”で見てるような
大人にはならねぇよ』
その瞬間、玲華の瞳がかすかに揺れた。
わずかに、ほんのわずかに──
氷の膜がひび割れるように。
璃羅は俺の胸に顔を埋め、震える声で呟いた。
「……真人くん……ありがとう」
俺はその頭を抱きしめながら、はっきりと告げる。
『璃羅は、もうあんたの“人形”じゃねぇ。
……璃羅は璃羅だ。俺が、それを証明する。』
玲華は沈黙したまま立ち尽くし、屋上を
吹き抜ける風だけが、その場を切り裂いていった。
やがて、玲華は踵を返した。
背筋を伸ばしたまま、
しかしその足取りはわずかに重い。
「……好きにすればいいわ」
それだけを残し、屋上を去っていった。
残された俺と璃羅。
彼女の肩はまだ震えていたが、
その瞳はどこか晴れやかだった。
『……璃羅。これからは、お前自身の人生を歩け。
俺が隣にいる。何度でも、守ってやるから。』
璃羅は涙に濡れた笑顔で、そっと頷いた。
――その瞬間、俺は心の奥底で誓った。
この先、どんな噂やどんな敵が立ちはだかっても、
俺はこの手で璃羅を守り抜く、と。
登校すると、昨日よりも噂は
奇妙に整った形で広まっていた。
「糯田が璃羅に無理やり迫った」「璃羅は泣きながら拒んだ」──そんな根も葉もない脚色まで加わって。
まるで、誰かが意図的に筋道をつけて
“物語”に仕立てたみてぇだ。
クラスの連中も、芸能科の奴らも、
一斉に俺を白い目で見てくる。
胸の奥にドス黒い怒りが溜まるのを感じながらも、
俺は歯を食いしばって耐えた。
放課後。
璃羅は人気のない屋上に俺を呼び出した。
キャップを深くかぶり、肩を震わせながら。
『……ごめん、真人くん。きっと、ママが……』
『……やっぱり、そうか』
璃羅の母──煮雪玲華。
彼女は元・伝説的アイドルで、
今は璃羅の母親で専属マネージャー。
“アイドル煮雪璃羅”を完璧に作り上げるために、
娘の私生活さえコントロールする女。
「璃羅に変な噂が立つくらいなら、
全部糯田真人のせいにすればいい」
──その発想、いかにもあの女だ。
璃羅は唇を噛んで続けた。
『ママは、私が“アイドル以外の顔”を
持つのを許さないの。
だから……きっと真人くんが標的にされてる』
俺は拳を握りしめた。
胸の奥から、焼けつくような怒りがこみ上げてくる。
『……ふざけんなよ。璃羅、
お前は“ママの人形”じゃねぇ。
お前は、お前自身だ。』
璃羅の瞳が大きく揺れた。
『俺は絶対に、お前を守る。
どんな噂が立とうが、どんな大人が相手でも、
お前を縛る奴らは俺がぶっ壊す』
その言葉に、璃羅の目尻から一筋の涙が零れ落ちた。
『……ありがとう、真人くん』
震える声でそう呟いた瞬間、
屋上のドアが軋む音がした。
現れたのは、スーツ姿の女──煮雪玲華。
氷のように冷たい笑みを浮かべ、
俺と璃羅を見下ろしていた。
「……やっぱり一緒にいたのね。
璃羅、あなたは“アイドル”である前に、私の娘よ。
不良風情に惑わされていい立場じゃないわ」
その声に、璃羅の肩が小さく震える。
だが俺は一歩前に出た。
『……俺は不良かもしれねぇ。
でもな、あんたみてぇに娘を
“道具”扱いする大人よりは、ずっとマシだ。
あんた、璃羅の気持ちを考えたことあるか?』
屋上に、重い沈黙が落ちた。
『あんたは璃羅自身を見ちゃいねえぇ。
誰よりも一番に“そのままの自分”を
愛してほしい母親に“商品”扱いされたら
“居場所“なんてねぇだろうよ。
俺を悪者にしたいならかまわねぇが
少しは璃羅の気持ちを考えろよ。
それから、自分の“理想”を娘に押し付けるな!!』
俺は久しぶりにマジギレしていた。
こんな、不良の俺の両親ですら
“俺自身”の“人格”を否定するようなことは言わなかった。
「不良風情に何がわかるわっていうのよ」
『わからねぇよ。
てめぇの子どもを
“商品”扱いするような奴の神経がな』
玲華の瞳が、氷より冷たく細められた。
だが、その奥にわずかに揺れる光が見えたのは気のせいか。
「……言ってくれるじゃない。不良坊や」
彼女は唇の端を吊り上げ、挑発するように笑う。
璃羅は間に入ろうとするが、俺が片手で制した。
『俺はガキだ。未熟で、
粗暴だが勉強はそこそこできる。
でもな──璃羅の泣き顔だけは見過ごせねぇんだよ』
屋上の風が強く吹き抜け、沈黙が一瞬、場を裂いた。
玲華は腕を組み、冷たい声で告げる。
「……璃羅は“夢”を背負ってる。
何千、何万人のファンの期待を。
その重さが、あなたにわかる?」
『わかんねぇよ。
けどな──璃羅が泣きながら笑って、
ファンの前に立たされてるなら、そんな夢は呪いだ』
俺の言葉に、玲華の眉がピクリと動く。
璃羅は俯いたまま、
握りしめた拳を小刻みに震わせていた。
そして意を決したように顔を上げ、叫んだ。
「ママ! 私はアイドルである前に、私なの!
……私の“気持ち”を、ちゃんと見てよ!!」
玲華の表情が凍りついた。
屋上に、璃羅の叫びがこだまする。
玲華は一瞬、言葉を失ったように目を見開いた。
だがすぐに冷たい仮面を貼り直し、
吐き捨てるように言った。
「璃羅……あなた、私に逆らうつもりなの?」
璃羅は震えていた。
けれど、その瞳には確かな光が宿っていた。
俺はその横顔を見て、胸が熱くなる。
『逆らうんじゃない……言ってるだけ。
私は“アイドル煮雪璃羅”である前に、
“煮雪璃羅”っていう一人の人間なの。
……ママの理想の人形じゃない』
玲華の唇が強張る。
屋上の風が、張り詰めた沈黙を
切り裂くように吹き抜けた。
『真人だけが“普通”に接してくれたから嬉しかった。
だけどママがこれから先も“私自身”の気持ちを無視するっていうなら今、ここで終わらせましょう』
「それは、どういう意味かしら?」
俺は璃羅の次の行動を読めていたが
あえて止めなかった。
『こういう意味よ』
璃羅は一瞬、俺の方を見てから
屋上の柵に手をかけ飛び降りた。
やっぱりな。
口で言ってわからな相手には行動で示すしかない。
「璃羅!?」
ここでやっと母親の煮雪玲華は焦りだした。
俺は璃羅が落ちる前に腕を掴んだ。
『真人君、放して。わかってたから
あえて私を止めなかったんでしょう?』
『そうだな、俺は璃羅の行動を読んでたけど
あそこで止めたら璃羅は“不完全燃焼”だっただろう?
だから、ギリギリで助けるって決めてたんだ』
俺は璃羅をしっかり抱き留めながら、息を整えた。
屋上に吹き抜ける風が二人の間の緊張を少し和らげる。
『……バカだな、お前。無茶しやがって』
『ふふ……真人くんに怒られるなんて、久しぶり……』
璃羅は微かに笑みを浮かべながらも、
まだ肩を震わせている。
玲華はその光景を見下ろし、
氷のような表情を崩さない。
しかし、声のトーンには明らかな焦りが混じっていた。
「……璃羅、あなた……」
璃羅は俺から少し身を離し、母親をまっすぐ見据える。
「ママ、私は“アイドル”でも“商品”でもない。
私は私なの! 真人くんが言った通り、
私は私自身を生きたいの!!」
玲華は一瞬言葉を失った。
その沈黙の中で、璃羅の瞳は凛と光り、決意に満ちていた。
俺はその横顔を見て、胸が熱くなる。
──璃羅は、ちゃんと自分の意思で立っている。
『俺が守るからな。誰が何を言おうと、
璃羅の気持ちは俺が絶対守る』
俺の言葉は、ただの強がりではなかった。
胸の奥から溢れる、本物の決意だった。
玲華はやっと口を開いたが、
その声は以前よりも弱々しく、どこか揺らいでいた。
「……璃羅、あなた……私に逆らうつもりなの……?」
目の前で娘が自殺未遂をしたっていうのに……
懲りてないらしい。
『まだ、“逆らう”なんて言葉が出てくるなら
璃羅を“人”として見てない証拠だ。
当分の間、璃羅は俺ん家で預かる。
璃羅を連れて言ったら姉貴と妹が大喜びだな』
俺は璃羅の頭に優しく撫でた。
玲華は目を見開いた。
だがすぐに、プライドの仮面を貼り直す。
「……ふざけないで。勝手に娘を連れて行くなんて……」
声は冷たく響いたが、わずかに震えている。
俺は璃羅をしっかり抱いたまま、睨み返した。
『勝手じゃねぇ。
あんたが“娘の気持ち”を無視し続けてるから、
俺が代わりに守るんだ。』
「……あなたに、何ができるの?」
玲華の吐き捨てるような言葉に、俺は鼻で笑った。
『さあな。でも少なくとも、璃羅が
泣いてるのを“平気な顔”で見てるような
大人にはならねぇよ』
その瞬間、玲華の瞳がかすかに揺れた。
わずかに、ほんのわずかに──
氷の膜がひび割れるように。
璃羅は俺の胸に顔を埋め、震える声で呟いた。
「……真人くん……ありがとう」
俺はその頭を抱きしめながら、はっきりと告げる。
『璃羅は、もうあんたの“人形”じゃねぇ。
……璃羅は璃羅だ。俺が、それを証明する。』
玲華は沈黙したまま立ち尽くし、屋上を
吹き抜ける風だけが、その場を切り裂いていった。
やがて、玲華は踵を返した。
背筋を伸ばしたまま、
しかしその足取りはわずかに重い。
「……好きにすればいいわ」
それだけを残し、屋上を去っていった。
残された俺と璃羅。
彼女の肩はまだ震えていたが、
その瞳はどこか晴れやかだった。
『……璃羅。これからは、お前自身の人生を歩け。
俺が隣にいる。何度でも、守ってやるから。』
璃羅は涙に濡れた笑顔で、そっと頷いた。
――その瞬間、俺は心の奥底で誓った。
この先、どんな噂やどんな敵が立ちはだかっても、
俺はこの手で璃羅を守り抜く、と。
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