学校中のアイドルな彼女は何故か俺に抱かれたいらしい

華愁

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第七話 婚約者

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俺が璃羅を“婚約者”にすると決めた後、父さんは執務室に戻り
ジュエリーケースを持って戻って来た。

「あら、懐かしいわね」

母さんは父さんが持って来たジュエリーケースを見て笑った。

「そうだな。瑠美、璃羅にあげていいか?」

話がさっぱりわからない。

「もちろんよ。サイズ、大丈夫かしら?」

「そこは大丈夫だろう、若い頃の瑠美と今の璃羅は同じくらいだし」

父さんと母さんの二人だけ交わされる会話に俺と璃羅は黙って聞いていた。


父さんがジュエリーケースを開くと、そこには光を反射してきらめく指輪が入っていた。
シンプルなデザインだけど、中央に小さなダイヤが埋め込まれている。

『……これ、母さんの?』

俺が問いかけると、母さんは少し照れたように微笑んだ。

「そうよ。あなたのお父さんが、まだ私と婚約する前にくれた指輪」

『……っ!』

璃羅が小さく息を呑む。

父さんは指輪を取り出して、俺の手に渡した。

「真人。お前が決めたのなら、責任を持て。璃羅にこれを渡してやれ」

『……わかった』

俺はごくりと唾を飲み込み、璃羅の方を向いた。

璃羅は顔を赤くして、両手をぎゅっと胸の前で握りしめている。

その仕草が可愛すぎて、俺の心臓が爆発しそうだ。

『璃羅』

呼びかけると、璃羅は恥ずかしそうに視線を落とした。

『……あ、あの、本当に……いいの?』

『いいも何も。俺はお前を婚約者にすると決めたんだ。だから……受け取ってほしい』


俺はそっと璃羅の左手を取って、薬指に指輪を滑らせた。

ぴたりと吸い付くように収まったのを見て、母さんが小さく「ぴったりね」と呟いた。

璃羅の目にはうっすら涙が浮かんでいる。

『……ありがとう、真人くん。わたし……嬉しい……』

俺は璃羅を抱きしめた。

父さんと母さんの前だって構わない。

『俺の婚約者は璃羅だ。これから何があっても、絶対に守る』

父さんは腕を組んで満足そうに頷き、母さんは優しく拍手をしていた。

——こうして俺たちは正式に“婚約者”になった。
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