学校中のアイドルな彼女は何故か俺に抱かれたいらしい

華愁

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第九話 二人を裂こうとする影

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真人君にに助けられてから数日。

あの日以来、露骨に物を壊されたり
 直接的に絡まれることはなくなった。

(……やっと終わったのかな)

そう思ったのは、ほんの束の間だった。

代わりに広がった“噂”は二種類。

[私が真人君と釣り合わない]というものと
[真人君が私と釣り合わない]というものだ。

アイドル科の私と普通科の真人君。

特に真人君は“不良”と呼ばれていて
私は“学校中のアイドル”なんて呼ばれているから

「どうしてあんなやつなの?」

「璃羅ちゃんなら、もっと相応しい相手いるでしょ」

そんな声が私に突き刺さる。

でも、反対の噂もあった。

「なんであんな子が真人君なんだ?」

「不良に見えても、あれで成績も悪くないし、
喧嘩してるのも見たことない。むしろまともじゃん」

――どっちにしても、二人の関係は
“否定”という形でしか語られなかった。

(私たちが並んで歩くだけで……
どうして、こんなにざわつくの?)

校舎を出るとき、耳にした囁きに
思わず立ち止まってしまう。

「きっと長く続かないよ。

どっちも“釣り合ってない”って思ってるんだから」

胸の奥に氷を流し込まれたみたいだった。

(……私も、真人君も。

 お互いを苦しめてるの?)

そう思った瞬間、視界の端に真人君の姿が映った。

校門の前で、私を待っている。

彼はいつものように、当たり前みたいに
優しい笑顔で手を振ってくれる。

――でも、その笑顔の裏に
本当は傷ついているのではないか、と考えたら。

足が動かなくなってしまった。

(真人君を好きでいることは、
 彼を不幸にしてるの……?)

その夜、布団に潜っても眠れなかった。

スマホには、また匿名のメッセージが届いていた。

「君たちは絶対に続かない」

「どっちも可哀想だね」

画面がにじんで、涙が落ちる。

(こんな言葉に負けたくない……

でも、心がどんどん揺らいでいく……)

璃羅は枕を抱きしめ、
ただひとつの温もりを必死に思い浮かべた。

真人君の、大きくて温かい手の感触を。

――けれど、翌日。

ふたりの関係を根底から揺るがす“新しい噂”が
広がり始めていた。

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