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第十六話 恋人と息子が仲良し過ぎて嫉妬レベルな件❬芥川龍之介視点❭
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すっかり、犀星君と仲良くなった比呂志は
勉強や詩の書き方などを訊くようになっていた。
そして、呼び方。
最近では西洋風に“パパ”と呼ぶようになった。
「ねぇパパ、ここの韻の踏みかた、あってる?」
比呂志がノートを差し出すと犀星君は、真剣な面持ちで見ていた。
「そうだね、全体的には悪くないけど、
ここを違う言葉にすると、ほら」
犀星君の修正を見て納得した比呂志は笑顔になった。
「音が優しくなった!! パパ、ありがとう」
楽しそうに話す二人を見て、
恋人を取られた嫉妬なのか息子を取られた嫉妬なのか
自分でも判別のつかない感情が渦巻いていた。
「父さん、どっちに嫉妬してるの?
俺に恋人を取られたこと?それとも、
恋人に俺を取られたこと?」
「……どっちもだよ。
犀星君に息子を取られたような、息子に犀星君を取られたような……」
比呂志は一瞬、きょとんとした後、くすっと笑った。
「父さん、そういう気持ちなんだ?」
「龍之介君は焼きもち焼きだからね」
息子と恋人にからかわれて、僕は机に突っ伏した。
悪意がないのが、なんとも言えない……
「僕は龍之介君の“恋人”だし、
比呂志君は龍之介君の“息子”なのは変わらない事実だよ。
そうだ、三人で詩を書いてみないかい?」
犀星君の提案に息子の目が輝いた。
「楽しそう、父さん、やろう?」
「連作か、いいね。そうだね、リレー形式というのはどうだい?」
前の人の詩に繋がるように書いていく形式だ。
比呂志の目がさらに輝いた。
「うん、面白そう!僕、最初に書いていい?」
僕と犀星君が了承すると比呂志は嬉しそうにペンを持ち
ノートに言葉を綴っていく。
「朝の木漏れ日の中、小さな小鳥が囀ずっている」
その一行を書くとペンを犀星君に渡した。
「その囀ずりは、仲間を呼び、更に囀ずりは大きくなった」
犀星君らしい一行に僕は心が温かくなった。
「大きな囀ずりは森の奥まで届き、他の動物たちも目覚める」
僕は犀星君からペンを受け取り、書き綴り、
もう一度、比呂志にペンを渡した。
「花々も目覚め、鹿は水辺で水飲みをし
小動物たちも集まってきた」
書き終えると比呂志は無言で犀星君にペンを渡した。
「朝の森は小鳥の囀ずりや動物、花々が息づいている。また、一日が始まる」
最後に締め括られた犀星君の一行は
まるで、森の中にいるような気持ちにさせた。
「流石、売れっ子・詩人だね。
僕は詩より小説だから、詩では犀星君には勝てないよ。」
犀星君は僕の言葉に小さく微笑んだ。
「確かに、詩は僕の専門分野だけど、
家族で作ってる時に勝ち負けは関係ないさ」
それもそうかと思った。
「父さんもパパも売れっ子だけど、
僕は家族三人で作ったこの詩が一番の宝物だよ」
勉強や詩の書き方などを訊くようになっていた。
そして、呼び方。
最近では西洋風に“パパ”と呼ぶようになった。
「ねぇパパ、ここの韻の踏みかた、あってる?」
比呂志がノートを差し出すと犀星君は、真剣な面持ちで見ていた。
「そうだね、全体的には悪くないけど、
ここを違う言葉にすると、ほら」
犀星君の修正を見て納得した比呂志は笑顔になった。
「音が優しくなった!! パパ、ありがとう」
楽しそうに話す二人を見て、
恋人を取られた嫉妬なのか息子を取られた嫉妬なのか
自分でも判別のつかない感情が渦巻いていた。
「父さん、どっちに嫉妬してるの?
俺に恋人を取られたこと?それとも、
恋人に俺を取られたこと?」
「……どっちもだよ。
犀星君に息子を取られたような、息子に犀星君を取られたような……」
比呂志は一瞬、きょとんとした後、くすっと笑った。
「父さん、そういう気持ちなんだ?」
「龍之介君は焼きもち焼きだからね」
息子と恋人にからかわれて、僕は机に突っ伏した。
悪意がないのが、なんとも言えない……
「僕は龍之介君の“恋人”だし、
比呂志君は龍之介君の“息子”なのは変わらない事実だよ。
そうだ、三人で詩を書いてみないかい?」
犀星君の提案に息子の目が輝いた。
「楽しそう、父さん、やろう?」
「連作か、いいね。そうだね、リレー形式というのはどうだい?」
前の人の詩に繋がるように書いていく形式だ。
比呂志の目がさらに輝いた。
「うん、面白そう!僕、最初に書いていい?」
僕と犀星君が了承すると比呂志は嬉しそうにペンを持ち
ノートに言葉を綴っていく。
「朝の木漏れ日の中、小さな小鳥が囀ずっている」
その一行を書くとペンを犀星君に渡した。
「その囀ずりは、仲間を呼び、更に囀ずりは大きくなった」
犀星君らしい一行に僕は心が温かくなった。
「大きな囀ずりは森の奥まで届き、他の動物たちも目覚める」
僕は犀星君からペンを受け取り、書き綴り、
もう一度、比呂志にペンを渡した。
「花々も目覚め、鹿は水辺で水飲みをし
小動物たちも集まってきた」
書き終えると比呂志は無言で犀星君にペンを渡した。
「朝の森は小鳥の囀ずりや動物、花々が息づいている。また、一日が始まる」
最後に締め括られた犀星君の一行は
まるで、森の中にいるような気持ちにさせた。
「流石、売れっ子・詩人だね。
僕は詩より小説だから、詩では犀星君には勝てないよ。」
犀星君は僕の言葉に小さく微笑んだ。
「確かに、詩は僕の専門分野だけど、
家族で作ってる時に勝ち負けは関係ないさ」
それもそうかと思った。
「父さんもパパも売れっ子だけど、
僕は家族三人で作ったこの詩が一番の宝物だよ」
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