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第三話 “確認”
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もし、とみ子のいう通り芥川君が僕が付けた噛み跡や痕を
自分の学友たちに見せびらかしていたとしたら……
逸る気持ちを抑えながら、芥川君たちが集まると言っていた
新橋の料亭に向かった。
案内された座敷の襖の向こうから聞こえてくる
寛君や久米君、松岡君の声。
「なぁ、龍、その首筋、噛み跡だよね」
松岡君の言葉に僕はとみ子の予感が当たっていたと確信した。
「ふふ、これは、僕を壊したがってる“猫”の仕業さ」
「来た時に歩き方がぎこちなかったのも、“猫”のせいか?」
久米君の半分からかうような物言いに芥川君は笑った。
「そうだよ。
僕に嫌われたいがために
思い切り爪も牙も立ててくるんだけど、
反面、独占欲が強いくてね。
僕にはそれが愛おしいのさ」
くつくつと笑う芥川君に僕は頭を抱えた。
耐えきれなくなった僕はおもむろに襖を開けた。
「迎えに来てくれると思っていたよ、僕の“猫”さん」
この際、僕を“猫”と揶揄するのはいいとしても……
「芥川君!! 何をやっているんだ!!
君には恥じらいとか羞恥心とかないのか!!」
「羞恥心なんて、とうの昔に遥か彼方に飛んで行ったよ。
今日、僕をこの会合に来させたくなかったなら
もっと、僕の腰を砕くことだったね」
僕は立ち眩みを起こしそうだった……
「室生さんが?
このえげつない痕や噛み跡を付けた張本人!?」
松岡君が驚いた表情で僕を見た。
「犀星、お前な、龍之介は病弱なんだぞ!!」
寛君は僕の胸ぐらを掴んだ。
「菊地君、室生さんを離してあげて。
龍之介、楽しんでるでしょう?」
「そうだね、久米君の言う通りだよ。
だから、寛、犀星君を離して」
芥川君はゆっくりと僕に近付いて来て耳元で囁いた。
「今夜も沢山、痕を付けて、腰を砕いて、
滅茶苦茶にして僕が犀星君のものだって身体に刻み込んで」
寛君たちがいるのに直接的な言葉を囁いた芥川君に苛ついた。
久米君の言葉で寛君が僕を離した隙に
芥川君の折れそう手首をひっつかんで連れ出し
僕の家に連れ帰った。
自分の学友たちに見せびらかしていたとしたら……
逸る気持ちを抑えながら、芥川君たちが集まると言っていた
新橋の料亭に向かった。
案内された座敷の襖の向こうから聞こえてくる
寛君や久米君、松岡君の声。
「なぁ、龍、その首筋、噛み跡だよね」
松岡君の言葉に僕はとみ子の予感が当たっていたと確信した。
「ふふ、これは、僕を壊したがってる“猫”の仕業さ」
「来た時に歩き方がぎこちなかったのも、“猫”のせいか?」
久米君の半分からかうような物言いに芥川君は笑った。
「そうだよ。
僕に嫌われたいがために
思い切り爪も牙も立ててくるんだけど、
反面、独占欲が強いくてね。
僕にはそれが愛おしいのさ」
くつくつと笑う芥川君に僕は頭を抱えた。
耐えきれなくなった僕はおもむろに襖を開けた。
「迎えに来てくれると思っていたよ、僕の“猫”さん」
この際、僕を“猫”と揶揄するのはいいとしても……
「芥川君!! 何をやっているんだ!!
君には恥じらいとか羞恥心とかないのか!!」
「羞恥心なんて、とうの昔に遥か彼方に飛んで行ったよ。
今日、僕をこの会合に来させたくなかったなら
もっと、僕の腰を砕くことだったね」
僕は立ち眩みを起こしそうだった……
「室生さんが?
このえげつない痕や噛み跡を付けた張本人!?」
松岡君が驚いた表情で僕を見た。
「犀星、お前な、龍之介は病弱なんだぞ!!」
寛君は僕の胸ぐらを掴んだ。
「菊地君、室生さんを離してあげて。
龍之介、楽しんでるでしょう?」
「そうだね、久米君の言う通りだよ。
だから、寛、犀星君を離して」
芥川君はゆっくりと僕に近付いて来て耳元で囁いた。
「今夜も沢山、痕を付けて、腰を砕いて、
滅茶苦茶にして僕が犀星君のものだって身体に刻み込んで」
寛君たちがいるのに直接的な言葉を囁いた芥川君に苛ついた。
久米君の言葉で寛君が僕を離した隙に
芥川君の折れそう手首をひっつかんで連れ出し
僕の家に連れ帰った。
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