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番外編③ 終業式と新たな脅威
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僕や紀平は成績上位だから夏休みの補講はない。
逆に真中や成績下位の人たちは
夏休み前半に学校に来なくてはならない。
夏休みの間、真中と顔を合わせずに済むのは
有難いけど、なんだか胸騒ぎがする……
ーー
中間テストも終わり、今日は終業式。
それは、帰り道で起きた。
「綺羅々が言ってたのはこの女だな。
❰悪く思うなよ、これも綺羅々のためだ❱」
成る程、真中に頼まれたのか……
僕は鞄を背負い直し、その男に回し蹴りをし
男の胸ポケットに入っていたメモを取り出した。
「真中は詰めが甘いな」
男が持っていた“真中直筆”のメモを見て僕は呟いた。
まさか、女子高生にやられるとは予想してなかったんだろう
彩流くんと同年代くらいの男は唖然としたまま動けずにいる。
「それで、真中からいくらもらったわけ?」
真中直筆のメモには僕を傷物にしろという指示が書かれていた。
「じゅ、十五万……」
「十五万ね……
このメモに僕の名前は書かれてないみたいだから
特別、教えてあげるよ。
僕の名前は芥原桜龍。
芥原財閥会長の孫娘で社長夫婦の娘だ」
「芥原財閥!?
すみません、すみません、赦してください。
俺、芥原財閥のビルで清掃員をしていまして……
お嬢様とは露知らず、申し訳ありませんでした」
さっき、僕を襲おうとした時とは
うって変わって、土下様する勢いだ。
「名前と年齢、それから職業と働いているビルの名前は?」
「新島正已、二十一歳。
星蘭大学の三年生で
バイト先はスタジオ・ダルキエルです……」
よりによって、厄介な所でバイトしてるな……
スタジオ・ダルキエルは芥原系列の子会社なのだが
裏では犯罪に手を染めているという黒い噂が
囁かれているが、中々、尻尾を出さなくて
お祖父様とお父様が頭を抱えている。
「自己紹介をありがとう。
だが、スタジオ・ダルキエルは辞めた方がいい。
そうだな、新島君もバイトをいきなり辞めたら
ご両親も心配でするだろうし、
体力がありそうだから
安栖里建材工業で働きなよ。
肉体的には少しきついがやりがいはある現場だよ。
担当者には僕が連絡しておいてあげる。
だけど、二度と真中やスタジオ・ダルキエルの
連中と関わらないこと、それから、
犯罪すれすれのことはしないことが条件だよ。
それから、新島君の連絡先を教えてくれる?」
人間は、悪い人間に関われば“悪”に、
いい人間に関われば“善”になる。
「こちらです。どうぞ」
僕は新島からスマホを受け取り登録した。
「僕の連絡先も登録しておいたから
真中から連絡がきたら、直ぐに知らせて。
後、今ここでスタジオ・ダルキエルに
辞めると連絡してくれる?」
新島は戸惑いながらも、僕が返したスマホで
スタジオ・ダルキエルに電話した。
「〈新島、今夜のシフトだが……〉」
僕にも聞こえるようにスピーカーにした新島。
「〈すみません、黒河さん、
今、この場で辞めさせていただきます〉」
よし、よく言った。
「〈てめぇ、ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!!〉」
電話越しに聞こえてくる怒鳴り声。
「〈スタジオ・ダルキエルより
割のいいバイトを見つけたんで……
失礼します!!〉」
勢いよく通話を切った新島の肩をポンと叩いた。
「怖かっただろうに、偉かったね」
「いえ、お嬢様に蹴り飛ばされて目が覚めました」
そういいながらも、新島の手は震えていた。
僕はお祖父様に電話をかけた。
「〈お祖父様、桜龍です。
スタジオ・ダルキエルに至急、捜査を。
ダルキエルの下っ端が僕に接触してきて
彼は改心させダルキエルも辞めさせましたのて
一両日に黒河が行動を起こすかもしれません。
星蘭大学三年生の
新島正已君と
ご家族の保護もお願いします〉」
新島がダルキエルを辞めた今、
ダルキエルの連中は必ず動く。
「〈桜龍、また、無茶したのかね?〉」
「〈やだなぁ、お祖父様、
ちょっと回し蹴りして改心させただけだよ〉」
電話越しにお祖父様のため息が聞こえた。
その後、二言、三言話して通話を切った。
「お嬢様…… 俺なんかを助けていただき、ありがとうございます」
「人は間違いを起こす。
だけど、本人が本当に変わりたいと思っているなら
必ず変われるんだから、大丈夫」
「ありがとうございます……
あの、差し出がましいですが、
俺にお嬢様のボディーガードをさせていただけませんか?
それと、お気付きでしょうか?
先程から怪しい気配が……」
あんなに殺気駄々漏れじゃバレバレだよね。
「四人、かな?」
ん? おやおや、
自ら出向いてくれるとはね。
「黒河……」
いかにも趣味の悪いスーツを着た
男が路地裏から出てきた。
「芥原のお嬢様が
しゃしゃり出てんじゃねぇよ
❰ちっ、ガキはすっこんでろよ。
綺羅々も新島も使えねぇな……❱」
「ねぇ、新島君、黒河は
君が使えないって言ってるよ」
黒河の❰声❱を新島に伝える。
「薄々、俺は捨て駒なんじゃないかと
思っていましたけど、
お嬢様の言葉で確信しました。
俺は先ほど、
ダルキエルを辞めたので
もう、黒河さんの駒でも犬でもありません」
黒河と新島が話していると僕のスマホが鳴った。
「〈真中綺羅々は確保したが黒河が
ダルキエルにいなかった〉」
「〈報告ありがとう、お祖父様。
因みに、黒河なら、僕の目の前にいるよ〉」
「〈なっ、桜龍、今すぐ離れなさい〉」
お祖父様が心配してくれているのはわかっているけど
ここで黒河を取り逃がすわけにはいかない。
「〈真中綺羅々が確保された今、
黒河に黒幕を吐かせないと
せっかくの高校最後の夏休みが始まらないからね〉」
通話を終わらせ、新島と二人で
黒河を含めた四人を倒した。
女の僕に負けたのが余程、悔しかったのか
観念したように、“黒幕”について
話し出した。
“鵲財閥”が今回の黒幕らしい。
その名前には聞き覚えがあった。
「成る程、去年、鵲財閥の一人息子、
鵲當真との
見合いを断ったから、腹いせか。
馬鹿馬鹿しい」
なんとも、馬鹿馬鹿しい話しだ。
数十分後、警察が来た。
「桜龍お嬢様!!」
警察と一緒に来たらしい、
執事の周郷は
僕を見つけて、安堵のため息を吐いた。
「ご無事で何よりでございました。
そちらの方は?」
新島は周郷に話しをふられてたじたじだ。
「申し訳ありませんでした」
突然の謝罪に、
普段、ポーカーフェイスの周郷の
表情筋が動いた。
「彼は新島正已、
二十一歳。
星蘭大学の三年生。
最初は黒河と真中綺羅々の指示で
僕を傷物にしようとしてたんだけど
回し蹴りして、改心させて
あいつらを一緒に倒したんだよ」
パトカーに乗せられていく黒河とチンピラ三人を
横目に私は周郷に事のあらましを説明した。
「さようでございましたか。
新島さんは、これから、
どうするおつもりですか?」
周郷にたじろぎながらも、
真っ直ぐ、目を見て言った。
「俺はお嬢様に蹴り飛ばされて目が覚めました。
この先は真っ当に生きていきたいです」
「周郷、安栖里建材工業の
人事担当者に、明日から働きたいと
言っている大学生がいると伝えてくれる?」
「承知いたしました」
とりあえず、スタジオ・ダルキエルは
ほっといても勝手に潰れるからいいとして
問題は鵲財閥だ。
「彩流くんに会いたい……」
「あのお嬢様のおっしゃってるのは
室野彩流のことですか?」
周郷が安栖里建材工業に電話を
かけに離れたのを見計らって、ため息を着いた。
「新島君は彩流くんを知ってるの?」
「はい、高校時代の同級生です。
室野彩流と、どういうご関係ですか?」
「今、僕が通ってる高校に教育実習生として
来てくれてるんだけど、
僕の恋人でもあるんだよ」
新島と彩流くんが
同級生とはなんとも不思議な縁だ。
「つまり、室野は現在、
お嬢様の高校に教育実習に来ていて、
尚且つ、恋人ということですか?」
「そうだよ……
ただ、黒幕が鵲財閥で真中綺羅々が
絡んでいたとなると、彩流くんが危ないかもし
僕は電話を終えた周郷に
車で学校に向かってもらった。
ーー
終業式は午前中で終わったため、
校門は閉まっていたが警備員に開けてもらった。
「室野先生!!」
「芥原さん、忘れ物?
❰桜龍、なんか焦ってる?❱」
僕は彩流くんを資料室に連れていき
鍵を閉めた。
「実はちょっと厄介なことになっていてね……」
僕は終業式後の出来事を話した。
新島正已が
真中綺羅々の指示で
僕を襲おうとしたことから
芥原系列の子会社のスタジオ・ダルキエルの
総括管理者の黒河とチンピラ三人を逮捕し
真中綺羅々も確保したことを。
一連の事件が去年、僕が鵲財閥の
一人息子の鵲當真との見合いを
断った腹いせだったということ。
「そんなことが……
新島正已が
桜龍を襲おうとしたの?
高校時代はそんなことを
するような子じゃなかったんだけどな……」
やっぱりか。
「大丈夫だよ、新島君は僕が改心させて
明日は新しい職場の面接に
行ってもらう予定だから。
それより、問題なのは“鵲財閥”だよ。
だから、保護の意味も兼ねて彩流くんにも、
芥原家に来てほしいんだ……
〈周郷、裏門に車、回してくれる?〉」
僕は周郷に連絡した。
「〈了解しまし〉」
「彩流くん、愛してるから、守らせてほしい」
僕は自ら、彩流くんにキスをした。
「学校でキスなんて悪い子だね。
わかった、芥原家にお世話になるよ」
彩流くんが了承してくれてよかった。
逆に真中や成績下位の人たちは
夏休み前半に学校に来なくてはならない。
夏休みの間、真中と顔を合わせずに済むのは
有難いけど、なんだか胸騒ぎがする……
ーー
中間テストも終わり、今日は終業式。
それは、帰り道で起きた。
「綺羅々が言ってたのはこの女だな。
❰悪く思うなよ、これも綺羅々のためだ❱」
成る程、真中に頼まれたのか……
僕は鞄を背負い直し、その男に回し蹴りをし
男の胸ポケットに入っていたメモを取り出した。
「真中は詰めが甘いな」
男が持っていた“真中直筆”のメモを見て僕は呟いた。
まさか、女子高生にやられるとは予想してなかったんだろう
彩流くんと同年代くらいの男は唖然としたまま動けずにいる。
「それで、真中からいくらもらったわけ?」
真中直筆のメモには僕を傷物にしろという指示が書かれていた。
「じゅ、十五万……」
「十五万ね……
このメモに僕の名前は書かれてないみたいだから
特別、教えてあげるよ。
僕の名前は芥原桜龍。
芥原財閥会長の孫娘で社長夫婦の娘だ」
「芥原財閥!?
すみません、すみません、赦してください。
俺、芥原財閥のビルで清掃員をしていまして……
お嬢様とは露知らず、申し訳ありませんでした」
さっき、僕を襲おうとした時とは
うって変わって、土下様する勢いだ。
「名前と年齢、それから職業と働いているビルの名前は?」
「新島正已、二十一歳。
星蘭大学の三年生で
バイト先はスタジオ・ダルキエルです……」
よりによって、厄介な所でバイトしてるな……
スタジオ・ダルキエルは芥原系列の子会社なのだが
裏では犯罪に手を染めているという黒い噂が
囁かれているが、中々、尻尾を出さなくて
お祖父様とお父様が頭を抱えている。
「自己紹介をありがとう。
だが、スタジオ・ダルキエルは辞めた方がいい。
そうだな、新島君もバイトをいきなり辞めたら
ご両親も心配でするだろうし、
体力がありそうだから
安栖里建材工業で働きなよ。
肉体的には少しきついがやりがいはある現場だよ。
担当者には僕が連絡しておいてあげる。
だけど、二度と真中やスタジオ・ダルキエルの
連中と関わらないこと、それから、
犯罪すれすれのことはしないことが条件だよ。
それから、新島君の連絡先を教えてくれる?」
人間は、悪い人間に関われば“悪”に、
いい人間に関われば“善”になる。
「こちらです。どうぞ」
僕は新島からスマホを受け取り登録した。
「僕の連絡先も登録しておいたから
真中から連絡がきたら、直ぐに知らせて。
後、今ここでスタジオ・ダルキエルに
辞めると連絡してくれる?」
新島は戸惑いながらも、僕が返したスマホで
スタジオ・ダルキエルに電話した。
「〈新島、今夜のシフトだが……〉」
僕にも聞こえるようにスピーカーにした新島。
「〈すみません、黒河さん、
今、この場で辞めさせていただきます〉」
よし、よく言った。
「〈てめぇ、ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!!〉」
電話越しに聞こえてくる怒鳴り声。
「〈スタジオ・ダルキエルより
割のいいバイトを見つけたんで……
失礼します!!〉」
勢いよく通話を切った新島の肩をポンと叩いた。
「怖かっただろうに、偉かったね」
「いえ、お嬢様に蹴り飛ばされて目が覚めました」
そういいながらも、新島の手は震えていた。
僕はお祖父様に電話をかけた。
「〈お祖父様、桜龍です。
スタジオ・ダルキエルに至急、捜査を。
ダルキエルの下っ端が僕に接触してきて
彼は改心させダルキエルも辞めさせましたのて
一両日に黒河が行動を起こすかもしれません。
星蘭大学三年生の
新島正已君と
ご家族の保護もお願いします〉」
新島がダルキエルを辞めた今、
ダルキエルの連中は必ず動く。
「〈桜龍、また、無茶したのかね?〉」
「〈やだなぁ、お祖父様、
ちょっと回し蹴りして改心させただけだよ〉」
電話越しにお祖父様のため息が聞こえた。
その後、二言、三言話して通話を切った。
「お嬢様…… 俺なんかを助けていただき、ありがとうございます」
「人は間違いを起こす。
だけど、本人が本当に変わりたいと思っているなら
必ず変われるんだから、大丈夫」
「ありがとうございます……
あの、差し出がましいですが、
俺にお嬢様のボディーガードをさせていただけませんか?
それと、お気付きでしょうか?
先程から怪しい気配が……」
あんなに殺気駄々漏れじゃバレバレだよね。
「四人、かな?」
ん? おやおや、
自ら出向いてくれるとはね。
「黒河……」
いかにも趣味の悪いスーツを着た
男が路地裏から出てきた。
「芥原のお嬢様が
しゃしゃり出てんじゃねぇよ
❰ちっ、ガキはすっこんでろよ。
綺羅々も新島も使えねぇな……❱」
「ねぇ、新島君、黒河は
君が使えないって言ってるよ」
黒河の❰声❱を新島に伝える。
「薄々、俺は捨て駒なんじゃないかと
思っていましたけど、
お嬢様の言葉で確信しました。
俺は先ほど、
ダルキエルを辞めたので
もう、黒河さんの駒でも犬でもありません」
黒河と新島が話していると僕のスマホが鳴った。
「〈真中綺羅々は確保したが黒河が
ダルキエルにいなかった〉」
「〈報告ありがとう、お祖父様。
因みに、黒河なら、僕の目の前にいるよ〉」
「〈なっ、桜龍、今すぐ離れなさい〉」
お祖父様が心配してくれているのはわかっているけど
ここで黒河を取り逃がすわけにはいかない。
「〈真中綺羅々が確保された今、
黒河に黒幕を吐かせないと
せっかくの高校最後の夏休みが始まらないからね〉」
通話を終わらせ、新島と二人で
黒河を含めた四人を倒した。
女の僕に負けたのが余程、悔しかったのか
観念したように、“黒幕”について
話し出した。
“鵲財閥”が今回の黒幕らしい。
その名前には聞き覚えがあった。
「成る程、去年、鵲財閥の一人息子、
鵲當真との
見合いを断ったから、腹いせか。
馬鹿馬鹿しい」
なんとも、馬鹿馬鹿しい話しだ。
数十分後、警察が来た。
「桜龍お嬢様!!」
警察と一緒に来たらしい、
執事の周郷は
僕を見つけて、安堵のため息を吐いた。
「ご無事で何よりでございました。
そちらの方は?」
新島は周郷に話しをふられてたじたじだ。
「申し訳ありませんでした」
突然の謝罪に、
普段、ポーカーフェイスの周郷の
表情筋が動いた。
「彼は新島正已、
二十一歳。
星蘭大学の三年生。
最初は黒河と真中綺羅々の指示で
僕を傷物にしようとしてたんだけど
回し蹴りして、改心させて
あいつらを一緒に倒したんだよ」
パトカーに乗せられていく黒河とチンピラ三人を
横目に私は周郷に事のあらましを説明した。
「さようでございましたか。
新島さんは、これから、
どうするおつもりですか?」
周郷にたじろぎながらも、
真っ直ぐ、目を見て言った。
「俺はお嬢様に蹴り飛ばされて目が覚めました。
この先は真っ当に生きていきたいです」
「周郷、安栖里建材工業の
人事担当者に、明日から働きたいと
言っている大学生がいると伝えてくれる?」
「承知いたしました」
とりあえず、スタジオ・ダルキエルは
ほっといても勝手に潰れるからいいとして
問題は鵲財閥だ。
「彩流くんに会いたい……」
「あのお嬢様のおっしゃってるのは
室野彩流のことですか?」
周郷が安栖里建材工業に電話を
かけに離れたのを見計らって、ため息を着いた。
「新島君は彩流くんを知ってるの?」
「はい、高校時代の同級生です。
室野彩流と、どういうご関係ですか?」
「今、僕が通ってる高校に教育実習生として
来てくれてるんだけど、
僕の恋人でもあるんだよ」
新島と彩流くんが
同級生とはなんとも不思議な縁だ。
「つまり、室野は現在、
お嬢様の高校に教育実習に来ていて、
尚且つ、恋人ということですか?」
「そうだよ……
ただ、黒幕が鵲財閥で真中綺羅々が
絡んでいたとなると、彩流くんが危ないかもし
僕は電話を終えた周郷に
車で学校に向かってもらった。
ーー
終業式は午前中で終わったため、
校門は閉まっていたが警備員に開けてもらった。
「室野先生!!」
「芥原さん、忘れ物?
❰桜龍、なんか焦ってる?❱」
僕は彩流くんを資料室に連れていき
鍵を閉めた。
「実はちょっと厄介なことになっていてね……」
僕は終業式後の出来事を話した。
新島正已が
真中綺羅々の指示で
僕を襲おうとしたことから
芥原系列の子会社のスタジオ・ダルキエルの
総括管理者の黒河とチンピラ三人を逮捕し
真中綺羅々も確保したことを。
一連の事件が去年、僕が鵲財閥の
一人息子の鵲當真との見合いを
断った腹いせだったということ。
「そんなことが……
新島正已が
桜龍を襲おうとしたの?
高校時代はそんなことを
するような子じゃなかったんだけどな……」
やっぱりか。
「大丈夫だよ、新島君は僕が改心させて
明日は新しい職場の面接に
行ってもらう予定だから。
それより、問題なのは“鵲財閥”だよ。
だから、保護の意味も兼ねて彩流くんにも、
芥原家に来てほしいんだ……
〈周郷、裏門に車、回してくれる?〉」
僕は周郷に連絡した。
「〈了解しまし〉」
「彩流くん、愛してるから、守らせてほしい」
僕は自ら、彩流くんにキスをした。
「学校でキスなんて悪い子だね。
わかった、芥原家にお世話になるよ」
彩流くんが了承してくれてよかった。
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